November 15, 2002

アヤックスvsインテル・ミラノ

●ヨーロッパのサッカーはレベルが高い。だからといって日本のJリーグよりおもしろいかっていうとそんなことは決してなくて、むしろ退屈な試合も多かったりする。が、久々に大ヒットをテレビで観た。欧州チャンピオンズ・リーグの一次リーグ、アヤックス(オランダ)vsインテル・ミラノ(イタリア)。いやあ、ホントに凄まじかった。
●場所はアムステルダムのアレナ。次のステージへの勝ち抜きをかけた重要な一戦ということで、客席が異様に熱い。アヤックスの選手たちは猛烈に鼓舞され、インテルの選手たちは数万人によるブーイングに苛立っていた。ほとんどの時間、アヤックスが攻めて、インテルが守るという展開。
●で、なにがすごいかっていうとインテルのほうは世界のスターを集めた豪華メンバーだが、アヤックスのほうはこれから世界へ飛び出す(かもしれない)若者集団で、年齢も19歳くらいの選手がごろごろスタメンに入っているってこと。日本でいったら、先日のアジア・ユース年代っすよ、19歳って。あの坂田とか。23歳以上の選手なんていったいだれがいたのかというくらい若い。
●そんな若者たちが名だたるスター軍団を相手に圧倒的に押しまくってしまうんである。リスクを恐れずにイタリア国内水準をはるかに超える強くて長いパスをピシピシと通し、一対一になればドリブル突破で猛然と勝負を挑む。W杯のとき、日本が戦ったチュニジア代表メンバーにトラベルシっていたでしょ? 彼がアヤックスの右サイドバックにいるんだけど、あの日本戦のときとは別人のように逞しかった。他にもエジプト代表のミドとか、南アのピーナールとか、地元オランダの若手ヴァン・デル・ヴァルトとか、世界中から集められた原石が一ヶ所に集まって輝きはじめているといった様相で、なにものも恐れない果敢さがとても印象的だったのだ。あー、日本のユースや五輪世代にもこういう選手がいてくれたらなあ。
●でも負けちゃったんだな、アヤックスは。前半、完璧だったはずの先制ゴールを「オフサイド」と誤審されてしまったのは不運。インテルは後半序盤に、(いつものように?)クレスポらアタッカーの超人的個人能力で立て続けに2ゴールを奪ってしまった。アヤックスのほうが戦術においても積極性においても、ずっと機能的でスペクタクルなサッカーをしていたのに。とはいえ、それでもアヤックスは救われた。同時刻に開催されていた他会場の試合結果によって、勝ったインテルはもちろん、負けたアヤックスも無事に2次リーグに進出できることになった。この好チームを再び観られる。そうじゃなきゃおかしい。美しいサッカーに栄光あれ。(11/15)

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