●録画しておいた、ジョン・トラボルタ主演、ノーラ・エフロン監督の「ラッキー・ナンバー」を観た。「ロト」みたいなナンバーくじ(って言うのかな)を不正工作して一攫千金を手にしようというコメディ。傑作。
●主役のトラボルタの役どころは地元で大人気の「お天気キャスター」。どれくらい名士かっていうと、行きつけのレストランに名札が置いてある専用席があって、しかも自分の名前を付けたメニューまであるっていうわけなんだけど、そのレストランがデニーズだったりする(悶絶笑)。いいっすねえ、この冴えなさかげん。ジョン・トラボルタなので、視聴者への媚びの売り方も過剰だったりして、実によい。で、さらにビッグになることを夢見つつも、サイドビジネスに精を出す。それがどう考えても成功しそうにないスノーモービル店というわけのわからなさ。主人公だけは根が善人で、そこにクセのある悪人どもが寄ってきて、大金をせしめようというドタバタ劇。
●それぞれのキャラクター設定が秀逸で、共犯のロト・ガール(ナンバーの書いたボールを拾うおねえさん。リサ・クードロー)が薹のたったセクシー・タレントでエゴのためならなんでもやっちゃう一番怖い人だったり、ヤバいものはなんでも始末してくれるいかれた殺し屋(マイケル・ラパポート)の凶器が「ピート・ローズのサイン入りバット」だったり、捜査にあたった警官(ビル・プルマン)が「背中の痛み」とやらを理由に長期有給休暇をとってるような誰もよりもモラルの低いヤツだったりと、スパイシーな笑いどころ満載。エピローグだけはちょいと工夫が足りなくて甘すぎるんだけど、適度に黒くて、かつ黒すぎないバランスは絶妙。(12/11)
December 11, 2002