2003年3月アーカイブ

March 31, 2003

ニッポン対ウルグアイ

●この週末はサッカー界的には欧州の「インターナショナル・マッチ・デイ」だったので、各国リーグ戦はお休み、で、代表の試合を開催。なのでニッポンも欧州組を呼び寄せてベストメンバーで対ウルグアイ戦@国立競技場だったのだ(米国遠征が中止になって国立開催になった試合)。
●ジーコのベストメンバーはGK:川口、DF:名良橋、秋田、森岡、服部、MF:小野、稲本、中村、ナカタ、FW:鈴木、高原。4バック以外は全員欧州組の豪華メンバーで、確かに巧くて楽しいサッカーになった、つうか、ほとんどなりかけていた。でもなあっ!
●このオールスター代表、なかなか真価を発揮してくれそうにないんだな。スコアは2-2、しかし内訳を見ると、日本の1失点は無残な川口の「ポロリ」。サッカーで一番見たくない失点。それから日本の1得点は審判のプレゼントPK。序盤、ほとんど日本が攻めていた時間帯になかなかシュートにまで至らないあたりがもどかしい。トルシエ時代より確実に楽しいサッカーなのでワタシはこのチームが好きなんだけど、今のところ勝敗にこだわらなければいけない試合でどうなるのかが未知。
●欧州選手権のイタリアvsフィンランド、こちらは「絶対に勝たなければいけない」状況でのイタリアがクォリティの高いプレイを連発。トッティもヴィエリも絶好調。パレルモでの開催だったんだけど、スタジアムの盛り上がり方も半端じゃなかった。やっぱりあの雰囲気がいいなあ。(03/31)

March 28, 2003

オススメ、「ディナーラッシュ」

●ありそうでなかなか見つからない「ちょっとした気の利いた映画」が、この「ディナーラッシュ」。舞台はニューヨークのイタリアン・レストラン「ジジーノ」。このレストランで起こる、ある一日の出来事をほとんど店内の描写だけで描ききってしまう。
●一応、テーマは「時代の移り変わり」。「ジジーノ」は三ヶ月先まで予約が入っているというお洒落なレストランである。ニューヨークで活躍する名士たち、著名な料理評論家たちもやってくる。シェフのウードはこの業界で話題の新星なのだ。しかしここはニューヨーク。店のオーナーはウードの父ルイ。ルイはイタリア移民としてニューヨークで生き抜き、店を興してきた人物である。マフィアとも無縁ではなく、裏賭博の胴元の顔を持ち、南イタリアの伝統的家庭料理を愛し、同郷の仲間とはイタリア語で話し、移民社会にどっぷりと浸かってきた男なのだ。なのに、二代目の息子はニューヨークの気取った似非アーティストどもが気に入る創作料理で人気者だ。やれやれ!
●小さなエピソードの集積が一夜の出来事を形作る。ラストは鮮やか。この映画は、オーナーの父からシェフの息子へと、そして叡智と機転がものをいう猥雑な街ニューヨークから華やかさと虚飾が混淆する都市ニューヨークへと、時代が移り変わった瞬間を切り取ったものである。でもまあ、小ぢんまりとした映画なので、「ああ、このお料理、おいしそうっ!」とか思って涎を垂らしながら観るのもアリ。ちなみに舞台となったレストランは監督自身がオーナーの実在の店舗だという。
●料理ありユーモアあり皮肉あり、恋あり犯罪あり。かなり強くオススメ。 (03/28)

March 26, 2003

「不死鳥の剣 剣と魔法の物語傑作選」

●ポツポツと読み始めた「不死鳥の剣 剣と魔法の物語傑作選」(中村融編/河出文庫)がおもしろい。ダンセイニからムアコックに至るまでのヒロイック・ファンタジーの系譜を日本オリジナル編集のアンソロジーにまとめた一冊。とりあえずジャック・ヴァンス、ムアコック、ダンセイニの順に読み始めたが全部「当たり」。前に同じ河出文庫の「20世紀SF」シリーズのどれかで短篇を読んだときも思ったんだけど、ジャック・ヴァンスってムチャクチャおもしろくないっすか。昔は全然興味なかったんだけどなあ。しかし今読みたいと思っても絶版&品切の嵐なワナ。
●ムアコックの作品はエルリック・シリーズに属する中篇。これもいい。懐かしさもあってエルリックを一通り再読しようかと思ったくらいだが(しないけど)、試しにamazon.co.jpで検索して愕然。ほぼ全滅、古本でしか入手できないではないか。ってことは今「ヒロイック・ファンタジー」ってどれならフツーに読めるわけ? 「指輪物語」や「ハリーポッター」のヒットとは全然無関係にさびれてるのがなんだか悔しい。(03/26)

March 25, 2003

禁煙タバコ

●禁煙ガムを超える究極の禁煙アイテム、禁煙タバコが発売! これを吸い続けると誰でも簡単にタバコを止められます。使い方は簡単、禁煙タバコを1日40本以上毎日吸うだけ。吸えば吸うほど簡単にタバコを止められる禁煙タバコ、これを吸い続ければもうタバコは要りません。今なら通常価格1箱270円のところ、特別価格24回分割払いの9800円でお買い求めいただけます。しかも今回だけの特別ご奉仕として、NASAの最新テクノロジーを応用した「CDに塗ると音が良くなるマジックペン」を一本お付けいたします。お申込みはいますぐショップ・ジパングへお電話を。♪電話番号0120-USO800-√2~。 (03/25)

March 22, 2003

はるばるジュビロ磐田vsマリノス戦

●昨季それなりに好成績を収めていたのに、なぜ開幕戦からチャンピオンチームと戦わなければいけないのか。なんつう疑問を持ちつつもJリーグ開幕、まずはジュビロ磐田vsマリノス戦である。シーズンオフを挟んでいたせいもあって、ずいぶんと長い間スタジアムから足が遠のいていたのだが(最後に行ったのは昨年の代表アルゼンチン戦だったかも)、久々に生観戦。岡田新監督のリーグ戦初戦でもある。
●で、結果は4-2で予想外の勝利を得たのだが、実は中盤ではジュビロに圧倒されていたんである。獲るべきして獲った4点ではなく、内容的には岡田監督が言っていたように「対等に戦えたとは言えない」。いいサッカーをするほうが勝つわけではないというサッカーの不条理そのものというゲームだった気がする。なにしろ、マリノスはコンビネーションに難が多い。
●キーパーは榎本テツヤ(榎本タツヤではない、若手第3キーパー)。2失点目は、松田がキーパーが出てきていると思い込んでコースを埋めるだけの守備をしたが(たぶん)、榎本はゴールから動かず失点。今年から始めた4バックも問題あり。ドゥトラ、松田、中澤、波戸のラインだが、波戸の前には佐藤ユキヒコが右サイドに大きく張り出している。波戸が上がるとほとんど佐藤とポジションが重なってしまい機能しない。佐藤のデキは最高だったので問題にならなかったが、常に右に開くタイプなので今後を考えると頭が痛い。
●ツートップは久保とマルキーニョスで、これもまたストライカー同士でポジションが重なる。前線で味方同士でセンターの位置を奪い合ってどうする。岡田監督の目指すのはゴールへ手数をかけずに向かうダイレクト・フットボールのようなんだけど、前でボールを受け取れない2トップってのはヤバいよなあ。
●ともあれ、勝点3を手に入れたのは僥倖。ジュビロでは前田が末恐ろしいキレまくった動きを見せておりました。近いうちにフル代表に定着するはず。(03/22)

March 20, 2003

ロコモティヴ・モスクワvsレアル・マドリッド

●ヨーロッパって一口に言っても広いんだなあ、とチャンピオンズ・リーグのロコモティヴ・モスクワvsレアル・マドリッドをテレビで観て思ったんである。モスクワなので寒いのは当然にしても、ピッチ上の芝は半ば枯れてて(昔の日本みたいだ)、しかも下は軟らかくてデコボコ、パスしたボールがカクンカクンしながら転がっていく。中継のカメラマンは素人らしくて、カメラがボールを慌てて追いかけるんだけど、上下に揺れながら急に視点が動くから観てるほうはすっかり車酔い状態(笑)。これはホントにあの欧州チャンピオンズ・リーグなのか。
●で、よく分からないのがモスクワ流のブーイング。レアル・マドリッドがボールを持つと一斉に「ブー」でも「ウー」でもなくて、「アーーーーウ~~~~~」っていうか、リゲティの「ルクス・エテルナ」風のトーン・クラスターっぽい合唱みたいなのが始まるんだな(←わかんない人は映画「2001年宇宙の旅」を思い出すように)。あれは何の音? 最初、声かと思ったんだけど、どうも低い音のするチアホーンみたいな音で、道具を使っているようなのだ。でもブーイング専用の逆チアホーンなんてあるか? なにか身のまわりにあるものを使っているのか、体の一部を使っているのか、最後までわからず。モスクワのブーイング事情に詳しい方(なんじゃそりゃ)、よかったら教えてください。(03/20)

March 19, 2003

ジャック・ティベールの名言

●ニュースを見ていて、一つ箴言を思い出した。出典は知らないが、元フランス・フットボールの編集長ジャック・ティベールが書いていた。身近な事柄から世界情勢まで、あらゆるレベルに適用できる名言。曰く、「失敗とは馬鹿者の成功である」。(03/19)

March 17, 2003

マリノスvsFC東京

●祝、高原のホームゲーム初ゴール。先発のポジションを失い、このままだと出場機会も減っていきそうだったので、これは大きい。
●しかし、悲惨だな>わがマリノス。ナビスコ・カップのFC東京戦、駒沢競技場開催だったのだが、行かなくて良かったと思ってしまうテレビ観戦。前半、悪夢のようなサッカーをしていたので見るに耐えず、途中で止めてしまった。公式戦とは思えないコンディションの低さに愕然。
●どう悪夢かっていうと、風が吹いても倒れそうなくらい虚弱な奥とか、体にキレというものがまったくない波戸とか、当たり負けする中澤とか、動きはすばらしいのに日本一ゴールが遠いフォワードな清水とか、一瞬誤植かと思ってしまう第3ゴールキーパーの名前とか(榎本哲也という。ケガをしている第1キーパーが榎本達也)、まあその辺。しかも岡田監督とディド・ハーフナーがいるベンチはコンサドーレ札幌みたいだし、今年のサブユニはアビスパ福岡みたいだし、そもそもメインのユニもガンバ大阪っぽい。スタンドにはうっすらと笑みを浮かべる目の焦点の定まらない久保が。な、なにに微笑んでいるのだ。(03/17)

March 14, 2003

ベイジアン・フィルタ

●前にここで紹介したポール・グレアムの「スパムへの対策 ---A Plan for Spam」、久しぶりに見るとその続編「ベイジアン・フィルタの改善 --- Better Bayesian Filtering」が掲載されていた。門外漢にもわかりやすく読める話で、おもしろいっすよ。少なくとも英語スパムに関してはこの手法でほとんどブロックできそうだ。
●で、こういうベイジアン・フィルタを用いたメーラーがあるのかというと、実はもういくつもある。Windows用のオンラインソフトも海外ではいくつもあるようで、一つ挙げるとPOPFileなんかがそう。ただし、それなりに敷居は高くて知識のある人向け。あと、英語ソフトなので日本語の扱いがどうなるかって心配もあるので、ワタシは採用していない。
●それから同様の手法を用いたスパム・フィルタがMozzilaにも実装されているようである。これは期待できるけど、でもMozzilaを常用のメーラーにするのはまだためらわれるなあ。
●で、ワタシは結局どうしているかっていうと、これがなんとかいい方法を思いついたんである。99%はムリだけど、たぶん90%近くはシャットアウトできてる。日本語産オンラインソフトSpam Mail Killerを使っていろいろなフィルタ設定を試みた後で、結局そこで作った振り分け条件を全部常用のメーラー(鶴亀メールだ)の振り分け条件に移すことにした。これ、正規表現が使えないのは惜しいんだけど、うまくフィルタを設定してやるとなかなか気持ちよくスパムをゴミ箱に放り込んでくれるのだ。
●どんなフィルタを書いたかっていう話は機会があればまた改めて。ベイジアン・フィルタのような統計的手法なんか使えないので、ヘッダと本文情報から特定語句を条件検索するだけの原始的な代物っす。(03/14)

March 13, 2003

アヤックスvsバレンシア

●テレビで観た欧州チャンピオンズ・リーグのアヤックス(オランダ)vsバレンシア(スペイン)の光景に猛烈羨望。スゴいっすよ、アムステルダムの盛り上がり方は。オランダ人、いつからこんなに熱いか、5万人だか6万人だかの観客が全員白い旗を持って振る振る、われらがアヤックスの若武者たちを元気付けるために強まってサポート、スペインからやってきたバレンシアの選手がボールを心持ち長めに保持したり、ファウルすると、激しく口笛ブーイング。
●何万人にもブーイングされたら、ニンゲン、きっと辛い。一人や二人にブーイングされてもダメージあるのに、公に万単位ブーイングっすよ。ワタシなら秒殺。で、バレンシアも動きがぎこちなくて、一瞬気持ちで負けそうになった。しかし。
●偉大だよなあ、バレンシア。すぐに立ち直った。現在のアヤックスのカラーを一言でいえば「積極果敢な怖いもの知らずの若者たち」。10代ごろごろ、22、3歳はあたりまえの若さと無名度ながら勢いに乗ってガンガンと攻める。しかも芸術的なパスワークと個人技でファンタジーが溢れまくっている。で、ブーイングされたバレンシアはそんなアヤックスに何をもって立ち向かったか。ベテランの老獪さとか、堅い守備とか、そんなもんじゃない。なんと、アヤックスに負けないくらいに美しい攻撃サッカーで対抗してしまう! なんつう勇気。気高すぎる。超ビッグ・クラブ同士の対戦ではなかなか見られない光景だよなあ、これは。スコアは1-1、納得のドロー。(03/13)

March 11, 2003

オランダ産スパム

●うわっ。ついにオランダ語のスパムを受け取ってしまった(笑)。文面を見てもさっぱりわからないけど、なんとなくオランダ語だってのはわかる。英語、韓国語、中国語あたりまではフツーだが、これはさすがに。つうか、ワタシのメールアドレスはいったいどんな名簿に登録されてしまっているというのだ!
●いずれスワヒリ語とかヒンドゥー語で書かれた出会い系サイトの宣伝文とか受け取ることになるのかなあ。鬱。(03/11)

March 7, 2003

ロナウジーニョの超人的フリーキック

●何日か前に、昨年のワールドカップでのロナウジーニョの超人的フリーキックについて「あのゴールはまぐれだった」というニュースが流れていた。準々決勝ブラジルvsイングランド、ゴールからはるか35メートル離れた地点でのロナウジーニョのフリーキックが、イングランドのベテランGKシーマンの頭を越えてゴールに入ってしまった。シーマンのミスでもあるが、それにしても35メートルもの距離があって、あそこを狙うのは人間業ではない。が、当日はロナウジーニョは「狙ったゴールだ」と話していた。
●それが、チームメイトの談話から「ロナウジーニョ本人がミスキックだと認めていた」という話が伝えられてニュースになったわけだ。ああ、嘆かわしい。
●ワタシはそのゴールを目の前で見ていた。実際、ボールが高く上がって風で流れたようにも見えたが、しかしあれをまぐれと言ってはいけない。たとえロナウジーニョが私的な場でまぐれだと認めたとしてもそんなことは関係ない。重要なのはワールドカップの物語性であり伝説性である。あれはロナウジーニョがシーマンのミスを予期して狙ったゴールでなければならない。狙ったコースから20cmとはずれていなかった。あの大会において数少ない奇蹟の瞬間だった。ロナウジーニョ本人がいくら狙っていないと言い張ってもダメである。フットボールは物語が事実に優先するファンタジアなのだから。(03/07)

March 5, 2003

麒麟戦隊アミノレンジャー

●君はもう見たか>麒麟戦隊アミノレンジャー。もうこれ可笑しすぎ。これを見て思い出すヒーロー戦隊モノってのは世代間でそれぞれなのかもしれないんだけど、モデルとなっているのは明らかにこの分野の嚆矢となった秘密戦隊ゴレンジャー。ちゃんと各キャラに名前はついているようだが、これ見ると自然と勝手な名前で呼んじゃうっすよね。すなわち「膨レンジャー」「弱レンジャー」「空レンジャー」「肌レンジャー」「飲レンジャー」(という順番になるのは必然)。
●さあ、みんな、自分は何レンジャーかなあ? ワタシはそーだなー、どっちかといえば弱レンジャー。(03/05)

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