(承前:ゲーセンでフランス人と対決)
●ロスタイム、ほとんど0対0で凡戦で終わりかけたその直前、ゴール前約25メートルの地点で、ニッポン、フリーキックのチャンス。蹴るのはナカタ。よし。この位置からのフリーキックを決めたことは一度もないが、ナカタならなんとかしてくれる(ていうか、なんとかするのはワタシなんだけど)。壁の右を巻いてゴールを狙う。
●ボールは壁の上を越えて、バーに当たり、そして、えっ、ゴールに入っちゃったよ! なんてワタシゃ本番に強いんだ。ニッポン1-0フランス。「ニッポン、やりました! 世界の強豪フランスを倒しました!ワーワー!」(←心の中で聞こえる声)
●ゴールシーンのハイライトをうっとりと眺めていると、筐体の向こう側から「チャリン」の音。おお、フランス人、意外にしつこい、オレサマ(←増長)ともう一度戦うというのか。するとこんどはフランス代表ではなく、なぜかイングランド代表を選択してきた。フランス人なのか、イギリス人なのか、どっちなんだよ、ガイジン。
●もうこっちはかったるくなって、「あんまり負けさせても悪いしなー」とテキトーにボール回し。するとフランス人、サイドからセンタリングを上げて、中央でオーウェンがヘディングでゴール。なんか、筐体の向こう側でガッツポーズとってるみたいな音が聞こえるよ(笑)。熱いな、フランス人。嬉しそうだ。
●別に負けてもいいやと思ってプレイしていたが、だんだんこちらも壊れたレバーの扱いに慣れてきて、フランス人が絶対にできないようなボール捌きをときどきうっかり見せてしまう。ついでに、うっかりサイドからセンタリングしてしまう。うっかり中央で柳沢が胸でワントラップしてそのままボレーでうっかりゴール! おお、巧すぎる。本物の柳沢より巧いな、ワタシの柳沢は(笑)。しかも向こう側でフランス人、なにかを軽く叩いてるみたいなんだけど、もしかして「ブラボー」って拍手してくれてるわけ?
●すっかり調子に乗って、スルーパスに飛び出したナカタの逆転ゴールまで決めてしまった。今度は台の向こう側は完全なる沈黙。ああ、これって勝てるはずの試合をひっくり返されたときの沈黙だよね……。わかるわかる、スマソ、フランス人。これもサッカーだ。ニッポン2-1イングランド。逆転負けをくらった失意のフランス人はどこかに消えてしまった。ちぇっ、シャツを交換しようと思ったのになあ(ウソ)。(05/13)
May 13, 2003