●遅ればせながら読んだ、「趣都の誕生 萌える都市アキハバラ」(森川嘉一郎著/幻冬舎)、これはおもしろかった。東京・秋葉原に焦点を当てた都市論で、かつての電気街がパソコン街に変わり、さらにはオタクの街へと変貌していった現象を、都市の「オタクの個室化」と解釈し、趣味が都市を変える力を持つに至ったことを明らかにする。「萌える」ってのはわかるっすよね? クラシック・ファンもフツーに使うもんな。「アンジェラ・ヒューイットのバッハ萌え~♪」とか。え、なんか違うか。ま、いいや。
●なるほどと唸らされたのは秋葉原と渋谷との対比で、渋谷という街が欧米人モデルの広告、欧文の名前で埋め尽くされていく海外志向が見えるのに対して、秋葉原には日本語の宣伝文が満ち溢れ、看板は赤と白を基調に塗られる(←たとえば「石丸電気」を思い出すべし)といった日本志向があるという指摘。な、なるほど。街を埋め尽くすアニメ・キャラは国産ブランドだもんなあ。
●ちなみに東京・中野もこの5、6年の間に急速にオタクの街と化している。北口のブロードウェイなんて大変なことになってるっすよ。(06/03)
June 3, 2003