●昨日、日テレで中継したセリエA残留決定戦アタランタvsレッジーナは、なかなか衝撃的だったのだ。なにがっていえば、土壇場に追い詰められたレッジーナにとっての「中村俊輔の要らなさ具合」。この試合、敵地での試合にもかかわらず、レッジーナがこれまでに見たことのないような積極的なサッカーを展開して見事に勝利、来季のセリエA残留を決めたんである。
●日テレのアナウンサーがいくら呪文のごとく「中村俊輔」を唱えても、ナカムラはベンチから出てこない。そうだろなあ。だれが一番目立っていたかといえば、それは俊輔の移籍時に背番号10を奪われた男、コッツァ。セリエBからA昇格の立役者となったはずのプレーヤーで、いま残留をかけた一戦でも、キャプテンマークを腕に巻き奮闘し、前へ前へと進むプレイから泥臭いゴールを得て活躍した。国際的にはまったく無名のイタリア人だけど、このコッツァを見て嘆息、「ああ、中村俊輔はかなわないなあ」。このチームに必要なのは、現役晩年のストイコヴィチみたいに後方から美しくボールを散らす10番ではなくて、ゴールへ向かって突進していくキャプテンだったのか、と。
●個々の選手の知名度で勝るアタランタがセリエBに陥落。レッジーナは残ったけど、チームに俊輔の居場所はなくなってしまったような気がする。(06/04)
June 4, 2003