●EMIのDVD「クラシック・アーカイブ・シリーズ」Vol.5「レオポルド・ストコフスキー」を観た(東芝EMI、amazon)。これはいいっすねー。このDVDシリーズ、ジャケットがみんなモノクロ写真だから、中身も全部モノクロかと勘違いしている人がいるかもしれないんだが、ストコフスキーはカラー映像である。「運命」とか「牧神」とか、みんないいんだけど、特に「未完成」が力強くてすばらしい。
●映像で観たストコフスキーのいいところって、奇抜さと気品と両方が同時に存在してるところっすね。やっぱり「ヘンな爺さん」っていう先入観を持って見てるんだけど、独特の指揮ぶりからはオーラが出まくっている。もし現在、こんな人がいたら絶対にマニア/オタク層にはウケるだろうな。「優秀な音楽家」は大勢いるけど、「ヘン」と「気品」の両方を持った人ってほとんどいないから。(08/29)
2003年8月アーカイブ
ストコフスキーのDVD
「権力とは……」
●昨日、ルワンダの大統領選の結果について、再び小さな記事が載っていた。一昨日ご紹介した「ジェノサイドの丘~ルワンダ虐殺の隠された真実」にある、著者フィリップ・ゴーレイヴィッチの名言を思い出した。
「権力とは自分の物語を他者の現実に押し付ける能力である」
●うまいこと言うよねえ。国家レベルから小学生の仲良しグループにまで通用する、普遍的な真実って気がする。もちろんここでは「物語」と「現実」が対比されている。ワタシはガキの頃、「物語」っていう言葉がちょっと術語っぽく使われる場面でうまく意味を理解できなかった。これは自分の「物語」と「現実」、自分の「物語」と他人の「物語」の関係を、きちんと相対化して捉えられなかったせいだと思う。
●何度か紹介しているけど、クリストファー・ノーラン監督の映画がそのあたりをエンタテインメントの枠の中でテーマにしていておもしろい。映画「メメント」を観たときに「そうだよねえ、人が必要なのは記憶/事実ではなくて、物語なんだよねえ」と頷ける人には、ゴーレイヴィッチの言葉にある、権力(が濫用されたとき)の凶暴性に震えることができると思う。だって、他者の物語を押し付けられるってことは、自分の物語を奪われるってことなんすよ。(08/28)
「ゲームのルール」[1]
●世界一有名なサッカーの審判、コッリーナさんがNHK出版から本を出しているではないですか→「ゲームのルール」。ビミョー。おもしろいかもしれないし、つまんないかもしれん。審判って驚異的な存在だと思わないっすか。審判いなきゃ試合は成り立たないので感謝はするけど、ワタシゃ絶対に審判はできないっすね。
●だって、審判はボール触っちゃいけないんすよ。すぐそこにボールが転がってるのに、蹴れない。ああ、なんたる不幸! 世の中にこんな残酷な仕事があっていいんでしょうか。ワタシゃごめんだね。もしワタシが黒服を着せられたらどうなるか。焼きたてクッキーを目の前にしたクッキーモンスターのごとく、ボールに飛びつく。
●山本アナ:「さあ、ゴール前で久保から坂田へのパス、これをダイレクトではたいて……、ああっ! ここで主審がボールを奪いました。主審の飯尾さん、突如ボールを奪ってドリブルを始めました。飯尾さん、呆気に取られる奥と那須を抜き去り敵陣深くにのろのろと切り込みます。茫然自失の松田と中澤の間を抜けて、立ちすくむキーパーの榎本を交わし、無人のゴールにシュート! 決まりました、ゴールです! 飯尾、史上初の審判による5人抜きゴールです。まさにこれは86年ワールドカップ・メキシコ大会のマラドーナを彷彿とさせますね、北澤さん」
北澤:「んなわけねーだろっ!」
(08/27)
「ジェノサイドの丘」
●昨日の朝刊に「ルワンダ、25日に大統領選投票」という小さな記事が載っていた。ルワンダってのは中央アフリカの小国である。「選挙戦は、ツチ族で現職のカガメ大統領と、フツ族のトゥワギラムング氏の事実上の一騎打ちとなっている」そうだが、ちょっと戦慄を覚えたですよ。
●っていうのは、ちょうど今、「ジェノサイドの丘~ルワンダ虐殺の隠された真実」(上下巻:フィリップ・ゴーレイヴィッチ著、柳下毅一郎訳/WAVE出版)を読んでいたから。あちこちの書評で取り上げられているのでご存知の方も多いと思うが、中央アフリカの小国ルワンダで起きた100万人規模のジェノサイド(民族殺戮)についてのノンフィクションである。この事件が起きたのは1994年。まだ10年も経っていない。
●多数派のフツが、少数派のツチを殺した。しかしフツとツチには積年の民族対立というほどの争いの歴史はなく、宗教対立もない。ヒットラーのような人物があらわれたわけでもない。そもそもフツとツチには遺伝学的特徴に基づく明白な民族の区別などなく、一方は背が高いとか牛乳を飲むとか、あくまで人々の「物語」が生み出した幻想でしかなかったわけだ。したがって一つの家族のなかにもツチとフツが同居していた。それが、フツが山刀を持ってツチを虐待し、凌辱し、根絶すべく殺しつづけた。メディアはラジオ、武器は山刀といった小さな世界で、隣人が隣人を殺す集団殺戮が静かに組織的に短期間のうちに行われた。そういう地獄が生まれるまでの無慈悲なメカニズムがここに記されている。
●これほどまでに大規模な殺戮があっても、当時国際的な関心はほとんど持たれず、それどころかジェノサイドの後、国際社会は殺戮した側を「難民」として扱い、人道団体が援助に駆けつけ、そして助けられた殺戮者たちはなおも人を殺しつづけたという悪夢。国連が軍を派遣していてもその目の前で人が人を殺すことを止められないというリアリティを、ゴーレイヴィッチは恐るべき取材力で伝える。イデオロギーなんて、ここじゃ全然無力だし関係なかったんすね。事件後、もはや国中が犯罪者で誰にも裁かれようのない殺戮者たちと、ジェノサイドの生き残りとなった人々が同じ国家に共存し、そして今日大統領選を迎えたというのも、信じられないような話である。(08/26)
キューブリックのドキュメンタリで
●不覚にも笑ってしまった、オヤジ系週刊誌の電車の中吊り。「この秋、猛暑がやってくる」。
●土曜の夜、BSで映画監督のスタンリー・キューブリックのドキュメンタリーを放映していた。ちらちらと「ながら」で観ていたんだけど、途中で作曲家のリゲティが出てきて「2001年宇宙の旅」についてのインタヴューを受けていたりして驚いた(「著作権料が支払われなかった」とかいう話じゃなくて、ちゃんとポジティヴな作品評価)。でもワタシが一番びっくりしたのは「時計仕掛けのオレンジ」のところで、音楽を担当していたウェンディ・カーロスが出てきたところ。ああ、話には聞いていたけど、映像を見るのは初めてだよ!
●歴史的名作「スウィッチト・オン・バッハ」などで有名なこのシンセサイザー奏者、ワタシが初めて知ったときはウォルター・カーロスだったが、その後、性転換して名前もウェンディに変わったんである(有名な話だよね)。映像で見たところ、フツーの賢そうなオバサンだったっすよ。(08/24)
ニッポン代表vs偽ナイジェリア代表
●えっと、今日22日の深夜00:00~02:00にNHK-BS2でサイモン・ラトルの「フィデリオ」全曲が放送されるんすね。この前地上波でハイライトを放送していたザルツブルク・イースター音楽祭の公演。さすがにハイライトを堪能したばかりで、またすぐに全曲版を観ようとは思わないので、録画しておくか。2時間ならビデオテープにちゃんと収まってくれることだし。←こうして観もしないビデオがたまるわけっすね(えっ、観ないのかよ?)。
●そういえば祝ジーコ・ジャパン@ホーム初勝利だった。ニッポン代表vs偽ナイジェリア代表。ナイジェリアに知った顔がまるでいなくて、果たしてこの人らは代表選手なのか、そもそも監督はもうすぐクビになる人じゃなかったっけ、みんなホントにサッカーしに来たの?アキバにデジカメ買いに来たんじゃなくて?ってな状態だったので、すべてが追い風参考記録ではあるがジーコ・ジャパンはそれなりにスペクタクルなサッカーで勝った。今回はこれで良かったんじゃないかなあ。これまでもこの後もジーコ・ジャパンは強いところとばかり戦うので、この辺で簡単に勝った試合がないと辛いから。
●ちなみに君が代独唱は真矢みき。あの「聴かせすぎる」歌唱はいただけない。どんな歌い方でも構わないと思うが、スタジアム客席の多く(と選手の一部)はいっしょに斉唱するつもりでいるんだから、あんなふうに「入り」がさっぱりわからん歌われ方をすると困る。サッカーの神様は国歌好きなので、客席が国歌をちゃんと歌えないというのは不吉なんである。(08/22)
CLASSICAの日
●で、昨日書いたように本日8月21日は「CLASSICAの日」なのだ(笑)。95年8月21日がCLASSICAの誕生日なんすね。あ、久しぶりに言っておくけど、ウチはCS放送のクラシカ・ジャパンより昔からあるわけで、たまたま後から同じ名前の放送局ができただけっすよ。
●んなわけで、祝!8周年!……とか毎年アニバーサリーを自分で祝ってるわけだが、さすがに8周年ともなると、これでいいのかよって気もするよな(笑)。インターネットの世界で8年っすよ。ウェブ馬鹿一代、みたいな。「もう3年ホームページ作ってまーす」だったら、「ほう、長続きしてますね」で済むけど、8年まで行っちゃったらあまりに古すぎてスーッとひかれちゃいそうだ。「8年もウェブサイトを運営している」。ヤバすぎて人に言えないっぽい(笑)。「ホームページ作った頃はまだYahoo! Japanが存在しなくて……」。もう意味が通じないな、こりゃ。「同期の××さんのサイトも閉鎖しちゃったし、○○さんのサイトは更新停止だし……」。これじゃあ年寄りの同窓会だ。
●その間、当ページつまりWhat's New!を週に5回ほど更新しているとすると、もうここの更新を2000回以上やってるわけだ。よくネタが尽きないよね。ま、後半の1000回は保存しておいた最初の1000回を繰り返しているだけなんだけど。あ、ウソ。
●「また記念投稿企画やってはどうか」って声もあって、ネタをどうするかなあ。やれば絶対におもしろくなるので、ポチポチとなんか考えてみるか。そういえば、やるやる言っておきながらボツになった企画とかもいろいろあるんだよな。「みんなで架空の名指揮者をネット上にでっちあげよう!」とか。これは自分的にポイントを突いてるので、いずれはなんとかしたい。
●ってな調子なんすけど、今後も読んでやってください。お願い。(08/21)
クラシック音楽の日
●メールで教えていただいて初めて知ったんだけど、昨日8月19日が「クラシック音楽の日」だって知ってた?(こことかに記載)。へー、どういう由来なんだろうなと思っていたら、9月4日が「クラシック音楽の日」だっていう記述も別にあって(こことか)、どっちなんだよって気がする。9月4日が「ク(9)ラシ(4)ック」だとすると悲惨すぎるが、8月19日がなんの日かはよくわからない。っていうか、どっちでもいいがそんなこと一つ業界団体的に足並みが揃わないんなら、なんでもいいじゃん、もう各自好きな日を「クラシック音楽の日」に決めれ、つうか毎日「クラシック音楽の日」でいいよな投げやり記念日地獄。あ、明日8月21日は「CLASSICAの日」だ。
●ビミョーにいつもより千客万来なんだけど、どして? ログはフツーだけど。(08/20)
バカ日本地図
●あー、やっぱり観れなかった、リムスキー=コルサコフのオペラ「金鶏」@BS2(あ、「歌劇」っていう訳語もう止めない? ウチのサイトじゃ止めてるんだけど。音声言語としてはもう死んでるっぽいし)。まあ、観れないよなあ、平日にテレビでオペラ全曲は。……っていうのは自分についた軽いウソで、ホントに観たかったらなんとしても観るはずなんである。
●お盆明けで頭がボッとした状態で見ると、とてもすんなりと見れてしまうのが「バカ日本地図」。あ、今また自分に軽いウソをついてしまった。スマソ、お盆明けじゃなくても、すんなり見れたよ。これこそ本物の日本じゃないかと思うくらいなわけで。(08/19)
ラトルの「フィデリオ」ハイライト
●日曜日の芸術劇場@NHK教育、おもしろかったっすねー。必ず毎週見るわけじゃないんだけど、ラトル指揮ベルリン・フィルの「フィデリオ」ハイライトがあるっていうんで観たですよ。ワタシは「フィデリオ」ってのがかなり好きで、物語的にはオペラ史上屈指のバカ・オペラだと思うんだが、音楽的には最強かつ崇高。別にオペラだと思わずにベートーヴェンの器楽作品を聴くつもりで聴くわけだが、つうかもともとオペラ者じゃないから大概のオペラはそうやって聴いてるわけで、だから台詞抜きバージョンだろうがハイライトだろうがなおさら結構、序曲から「うぉー、ベルリン・フィル、うめー!」で盛り上がれる。
●でも物語がバカ・オペラだと思って映像を観たら、やっぱりザルツブルク・イースター音楽祭だから、レーンホフのそれなりに気取った演出で、全然「フィデリオ」っぽくない(つまり、カッコよすぎる)。「フィデリオ」の舞台だったら昔のベーム指揮のゼルナー演出とか、せいぜいマゼール/ウィーン国立歌劇場(だれだっけ、演出は)くらいまでの、ダッサダサのヤツじゃないとビシッと決まらない(屈折)。でも、まあ、関係ないか、「フィデリオ」の舞台なんて。ラトル最高。
●あと、マジメなドラマを求める派の人にとっては「フィデリオ」に「レオノーレ」序曲第3番を挟むか挟まないか、挟むんならどこに挟むかっていう問題もあったと思う。っていうか、マジメなドラマを求める派はそもそも挟まない。ラトル=レーンホフだって、あんなにカッコつけてるんだからきっと挟んでないと思うんだけど、ワタシみたいにベートーヴェンの音楽最高と思って観ないで聴いてるだけの人からすると、絶対圧倒的に挟んで欲しい。そのほうが娯楽度高いから。なんなら「レオノーレ」序曲第1番、第2番、第3番全部挟んでくれてもいい。それから、「レオノーレ」序曲を演奏するがために、猛烈傑作な「フィデリオ」序曲をカットするっていうのも大反対。あ、結局ワタシはベートーヴェンの器楽作品が好きなだけなのか。でも「フィデリオ」のラスト・シーンはいつ聴いても素朴かつ圧倒的に感動するよね。物語とは無関係に、純化された祝福と勝利の音楽として。
●数日後にBSで同じラトルの演奏を全曲放映するはずなので、観れる/観たい方はぜひ(ちなみにCDはEMIから)。つーか、夏のNHK-BSはスゴすぎだよな。ケント・ナガノの「金鶏」(リムスキー=コルサコフのオペラね)も観たいけど、もうお盆も明けたからまず観れない予感。(08/18)
水出しコーヒー
●コーヒーが好きである。で、最近、水出しコーヒーってヤツを試している。ウォーター・ドリップ方式の水出しコーヒー、いわゆるダッチ・コーヒーを専用の器具なしで、なんとペットボトル3本で淹れられちゃうという方法を見つけたんである→「ペットボトルで水出しコーヒー?」。工作レベル的には「できるかな」。コーヒーは専用のものを買わなくても、細かく挽いたものを料理用の出汁パックなどに詰めればいい(ただし浅煎りのものは向いていない)。コーヒーの分量はペーパードリップのときより2~3割多くしたほうがいいかもしれない。簡単なので、チャレンジする価値かなりあり。
●ワタシの場合、水でコーヒーを出しても飲むときは鍋で暖めてホットにする。それでも抽出時に過熱しないせいか、普通にペーパードリップで淹れたものとはまったく異なる味がする。透明感があって、ちゃんと香りもたつ。しかもすぐに飲まずに1、2日冷蔵庫に置いておいても味がほとんど変わらないのがありがたい(この点が普通の淹れ方と決定的に違う)。難点は一度淹れるのに一晩くらいかかるので、事前準備しておかないと飲めないってところ。
●なお「試してみよう」と思われた方に一つご注意を。ポタポタと水を落とすためにペットボトルの蓋に錐で穴をあけるのだが、この穴は極小でいい。「あれ? 開いてるのかな、開いてないのかな?」と思うくらい。はっきり目に見えるほどの穴だと、水がポタポタ落ちずに、スーッと糸を引いて滝になるのでやり直しである。極小からスタートして、試しに水を落としながら穴の大きさを調節するが吉。(08/16)
「蹴っ散っらせ!」
●あ、アルビレックス新潟の試合で、一つおもしろいことを思い出した。新潟サポの応援で「蹴っ散っらせ!、蹴っ散っらせ!」つうのがあるんすよ。「蹴散らせ」っすよ! いいなあ、こういうオリジナル(だよね?)な応援は。最初、ワタシは「蹴散らせ」なんて表現、そんなのガキ向けのマンガかアニメくらいにしか存在しねーよなー、それ以外で使うか?、ったくどうしてサポート・スタイルが子供文化から引っ張ってこられなきゃならんのだ……と苦々しく思っていたのだが、スマソ、マリノスもまったく同じスタイルじゃん。「ひと暴れしよーうぜ~」だもんな(笑)。
●来季、マリノスと新潟がJ1で対戦したら、「蹴散らせ」vs「ひと暴れしよーうぜ~」の東映まんがまつり状態だ。よく考えたら、「戦い」を形容し、なおかつみんなで共有できる語彙ってのがアニメやマンガに起源するのって、実に平和で悪いことじゃないっすよね。イングランドみたいに差別的で底意地の悪いチャントがいいとは思えないもんな。(08/14)
新潟アルビレックスvs水戸ホーリーホック
●新潟スタジアム、すなわちビッグ・スワンで新潟vs水戸を観戦してきた。新潟はJ1昇格の可能性が高いとあって、大変な盛り上がりようである。サポーターの熱さはたぶんいま日本で一、二を争ってて、マリノスやFC東京はもちろん、それどころかレッズをも凌駕する。4万人入って、しかも傍観者率が非常に低い。
●で、この試合、0-0に終わってしまったのだが、しかしワタシなんかだと、今の新潟とJ1クラブとの差なんてわかんないっすね。技術もしっかりしてるし、パスのスピードも速いし、戦術的になにか劣るとも思えない、ついでにいうと相手の水戸もかなり守備的ながらもいいチームだし、もうニッポンって2部リーグでもこれだけできるのかっていう感慨大。J1に昇格しても現有戦力で十分残留できるんでは。
●あとサポーターのノリが独特で、ワタシは日本サッカーにおいてこれだけチアガールとゴール裏が一体になって応援を繰り広げたのを見たことがない。いや、チアガールって言っても、マリノス・クイーンとか日テレ・ギャルみたいなタレント志望の女のコじゃないっすよ。アメフトとかで出てくるみたいな本物のチアガールなんだから。しかもゴール裏とチアガールが渾然一体ラブラブ状態っすよ。ここはメキシコかっ!(って見たことはないが)。
●ちなみにサポーターの一番人気はだれか。元日本代表の山口でもなければ、ユース代表の三田でもない。なんと、実は背番号21、キーパーの野澤洋輔なのだ。って、ごめん、全然知らない選手だ。ちなみに、丸山、深沢の元マリノス勢はすっかりチームに欠かせない戦力になってるようで、ベテラン神田とか新潟から仙台に移籍しちゃった寺川とか、マリノスとは縁が深い。あと、ヴェルディからレンタル中の鈴木健太郎(左サイドバック)はいずれ代表狙えるんでは。(08/12)
「刑務所の王」
●「刑務所の王」(井口俊英著/文春文庫)を読んだ。あの大和銀行の巨額損失事件で投獄された著者(「告白」の人っすね)が、アメリカでの刑務所で出会った囚人を描いたノン・フィクションである。おもしろいので、あっという間に読める。
●実はワタシは刑務所物語マニアなんである。小説でも映画でも刑務所ものって聞くと興味16倍増。おかげで映画「ショーシャンクの空に」(原作はキングの「刑務所のリタ・ヘイワース」)みたいな甘口の刑務所話を見ると、「あれあれ、そんなんじゃないだろ、やっぱりそこはインテリの主人公が人気のない用具置き場でマッチョな黒人に羽交い絞めにされて、抵抗できなくなったところをボス格の囚人にたっぷり可愛がられなきゃウソだよなー」などと思ってしまう刑務所観を植え付けられているわけだが、この「刑務所の王」を読むとその種のいかにもな話がフツーにある。フィクションで描かれていた紋切り型の刑務所描写っていうのは、物語上の「お約束」じゃなくて、現実そのものだったんすね。
●ワタシはこれを読んで、ノンフィクションであるにもかかわらず、ピカレスク・ロマンを堪能したような気分になった。元銀行員だが筆力は確か、「告白」よりもさらに読ませる。(08/08)
レアル・マドリッドvsFC東京
●しまった。忙しくて観る時間ないから「ベッカム様のレアル・マドリッドvsFC東京」、見なくていいや、ベッカムの来日公演ってなにやるんだっけ? 野球? 新曲歌うんだっけ、まーどうでもいいよなあ……と思ってたが、スマソ、大間違いだった。
●夜中の録画放送のほうを後半途中からテレビつけたら、そこにいたのは「ベッカム様」などではなく、おなじみの「デイヴィッド・ベッカム」。で、もっといえば、ベッカムも悪くないが、なんといってもロナウド。この人、普段からもちろんスゴいけど、こういう花試合でストリート・サッカーまがいのことをやらせたら、手がつけられん。
●見たことのないようなフェイントやらトリックやら、次から次へと惜しげもなく見せてくれるロナウド。いいなあ。マラドーナ以後、ワタシ的に伝説の選手といえるのは唯一ロナウドだけなのだ。遊びのプレイ満載で、これなら観る価値大あり。
●FC東京側は主力選手を欠いていたのによくがんばっていたと思うが、一番偉いと思ったのはサポーター。イングランド・スタイルの見事な応援で、「ベッカム様キャー!」をねじ伏せてくれた。本物のサッカーの雰囲気があった。ウチらマリノスにはできない芸当であり(だって優勝がかかった公式戦でもああなんだから)、素直にリスペクト。それもかなり。(08/06)
自転車のお作法
●最近つうか結構前からなんだけど、夜道を自転車で走っている人のほとんどがライトを点燈してくれないじゃないっすか。ときどき暗闇からヌッと自転車が飛び出してきて、びっくり度が凶悪に高まってる。ワタシはあれをステルス自転車って名づけた。どうだ、カッコ悪いだろ、ステルス自転車。
●でもあれって絶対に危ないし、そもそも点燈していない本人だって危険度ものすごく高まるのに、どうして点けてくれないのかなあ。ペダルがちょっと重くなるのがヤなのか? 点けるとニンゲン発電機になったみたいで恥ずかしいのか? とりあえず、自転車の神様からあいつらに頭脳パン256人前毎日爆食の刑。
●あ、今日見た人は、点燈しないで夜道をケイタイで話しながら走ってたけど、それくらいじゃ全然驚かないっすよ。しばらく前に自転車運転しながらマンガ読んでる人を見かけたから。車道走ってたけど。(08/05)
ステージ優勝@マリノスvsヴィッセル
●「いっやぁ、なんつうか、申し訳ないかも。優勝しちゃったっすよ、マリノス。まさか今季優勝するとは思わなかったなあ……」っていう気持ちになったんである。横浜国際競技場まで行ってきたんだけど、観客6万、当日券の発売はなし。しかし日産自動車のスポンサー・マッチだかなんだか知らないが、「動員」がかなりあった。ワタシの周りにはサッカーなんかにまるっきり関心ない人たちがいっぱいいて、子どもは試合の間ずっと退屈しまくって幼稚園みたいに子供同士で騒いでいたりする。大人もビミョーに無関心っぽくて、事実「日産自動車××工場様」ツアーバスとか見ちゃったんだけど、これで当日券なしで試合見れなかった一般ファンがいるかと思うとちょっと悲しい。
●しかも、マリノスのゴール裏を黙らせるかのようにアトラクションが準備され、スピーカーが発する大音響で「ひと暴れしようぜ」コールは打ち消され、ついにはチアガールまで出てきてしまった。いままさにJリーグ10年で3度目のステージ優勝がかかった試合が始まろうかというのに、このアホすぎるノリはなんだ。ああ、アホ、アホ、アホ、止めてくれ、大好きなNISSAN。こういうときは浦和や鹿島のサポーターが羨ましくなる。こんなふうにスポンサーが暴走しない。
●で、キーパーと一対一になったカズの切り返しに血の凍るような思いをしながらも、なんとかヴィッセル神戸を破って優勝を決めた。カルロス・ゴーンとか横浜市長とかいろいろ来てて、フツーのセレモニーをやって、ウィンニング・ランをやって、で、一通りのメニューをこなした後に、われらがヒーロー、水沼さんが登場してくれたよ!
●水沼さんは「サポーター向け優勝報告セレモニー」の司会で、選手とか監督にインタヴューして、最後に日産式五本締めっつうのをサポと一緒にやってくれたんだけど、もう喋りがうまくて自然体にダラッとしてて、最高に雰囲気がいい。この頃にはスタジアムはガラガラで(「動員」の皆さんは試合終了前にかなり消えてたし→苦笑)、空気が澄み切ってた。
●人が少なくなったから、ワタシは横国の2階で座席6人分くらい占拠してドテーッと椅子の上に寝転がってみた。スタジアムの屋根の向こうに夜空が見えて、「あー、ここでワールドカップやったよなあ」とか思って、はあって息吸い込んでから、また緑の芝を見下ろしたら優勝決めたばっかの松田やらドゥトラやらマリノスの選手がいて、贅沢な気分を味わった。大入袋に入っていたNISSANの70周年記念Tシャツは宝物である。きっと日産はまたポンポンを持ったチアガールとか出してきたりするかもしれないし、横国は酷いスタジアムでできるだけ来たくないけど、でもやっぱりこのクラブが好きだ。ブラジル人のカルロス・ゴーンが機嫌よくなって、代表歴のあるブラジル選手一人くらい買ってくれたら最高だなって思う。(08/04)
でっきないかな♪
●♪でっきないかな、でっきないかな、はてさてふふ~(♪はてふふ~)
♪でっきないかな、でっきないかな、はてさてふふ~(♪はてふふ~)
ゴソ太くん「フガァ! フガァ!」
のっぱさん「……」
声「あれー、のっぱさん、なに作ってるのかなあ~。あー、のっぱさん、パソコンに向かってるー。わかったー、いまperlでCGIスクリプト書いてたでしょー、特定IP排除型掲示板を作ってるんだねー」
ゴソ太くん「フガァ! フガァ!」
のっぱさん「……」
声「……」
ゴソ太くん「フガァ! フガァ!」
のっぱさん「……」
声「……」
ゴソ太くん「フガァ! フガァ!」
のっぱさん「……」
声「のっぱさん、画面にInternal Server Errorって出てるよー」
ゴソ太くん「フガァ! フガァ!」
のっぱさん「……」
声「……」
ゴソ太くん「フガァ! フガァ!」
のっぱさん「……」
声「……」
ゴソ太くん「フガァ! フガァ!」
のっぱさん「……」
声「……続きはまた来週だよー!」
♪でっきないかな、でっきないかな、はてさてふふ~(♪はてふふ~)
♪でっきないかな、でっきないかな、はてさてふふ~(♪はてふふ~)
(08/01)