●NHK-BSで「ザ・フィル~オーケストラの舞台裏」Vol.1を再放送していた。イギリスのフィルハーモニア管弦楽団を取材したドキュメンタリー。前に観ていたのにまた観てしまった。この番組の優れたところは、登場する楽団員全員が不幸で、そのストレスをカメラの前にさらけ出しているところ。オーケストラの団員はアーティストではなくて職人だっていう視点。みんなハードワークに疲れ切った労働者なんである。
●だれも「イギリスのオーケストラはすばらしいよ」みたいな幻想を語らない。そして、まあ、だれもかれもできるものなら辞めたいんだよな。いくら好きな仕事をやっていたって、大勢が一ヶ所に集まって長年働いていればこうなるのは当然のことなわけで、そのあたりを欺瞞レスにしっかり描く。ダメなドキュメンタリーだと「でも僕たちは音楽を愛しているから、どんなに仕事が大変でも平気だ」みたいな教育的結末をつけちゃうけど、そうならない。いいっす。(10/05)
October 5, 2003
「ザ・フィル~オーケストラの舞台裏」
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