November 21, 2003

準メルクルのメンデルスゾーン

●準メルクル指揮のメンデルスゾーンのCDを聴いた。交響曲第3番「スコットランド」と第4番「イタリア」(レーベルはAltus)。すっごくいいじゃないですか。濃厚で、演劇的で、まるでイタリア・オペラみたいによく歌うメンデルスゾーンである。ワタシのなじんでいるメンデルスゾーンってのは、端整でまだちょっぴり古典派残ってる育ちのよろしいサワヤカさんなんだが、これは裏側に愛と裏切りと欲望の物語がしっかり潜んでそうな色気のある天才青年風である。
●しかも、これ、N響なんだよなあ。これくらい表現意欲に溢れる音楽を聴かせてくれるんだったら、CDだけじゃなくて、定期演奏会にも行きたくなる人は多いと思う。ああ、オーケストラって豊かだなあって素直に感動できる。感動できないのは、曲が終わった後に入っているフライング気味の拍手だけだ(あ、ライヴ録音っす。あんまり細かいところに神経質になっちゃう人向きじゃないので、全体の流れ重視でよろしく)。
●ちなみにワタシはメンデルスゾーン好きである。昔、ある人が言った。「メンデルスゾーンとかウェーバーって、もうだれも聴いてなくない? 教科書にしか残ってなくねえ?」。それ、絶対に違うって。ワタシはウェーバーがこの世から消え去ってもちょっとしか悲しくないが、メンデルゾーンが失われたら深く悲しむ。それどころか、シューベルトの全作品より「スコットランド」一曲のほうが大事かもしれん。これ聴いて、改めてそう思った。(11/21)

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