●われながら思いっきりわかりやすい消費行動なんだが、「このミス」を読んだら、今年の国内ベスト1に選ばれていた歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」(文芸春秋)を読みたくなって、ゲット即読了。傑作。
●終盤にある転換点があって、それまでに読んできた光景がガラリと変わって見える。これがもう笑ってしまうほど鮮やかで、ワタシはあわてて冒頭から再度目を通し、自分が読んだものを確かめた。反則なし、フェアー・プレイである。小説としても今日的な視点が盛り込まれていて(まあ多少は異論もあるにしても)読み応え十分。この書名と装幀(←京極夏彦のクレジットあり)にまた読み終えてから感心しちゃうのだなあ。巧い、巧すぎる。なお、巻末についているオマケは蛇足だと思うので、先に見ちゃうと大凶。(12/17)
December 17, 2003