●三日ほど前にここで「昔見た、歯医者に拷問される映画」について書いてたけど、微妙に記憶が違ってたみたい。その映画、ダスティン・ホフマンが主演してた「マラソンマン」っすね。何も知らない主人公に宝のありかを吐かせるために、元ナチ戦犯の宝石商(ローレンス・オリヴィエ←かなり萌える)が、「ワタシは以前歯科医だったんだよ。ほうら、この虫歯の神経を刺激すると痛いだろう? うりゃーー!」ってやるんだった(怖すぎる)。なんで思い出したかっていうと、昨日偶然ビデオで見たから。なんつうシンクロニシティ。
●で、このジョン・シュレシンジャー監督の「マラソンマン」(76年米)、ワタシはリアルタイムで観ている世代じゃないけど、昔テレビでなんども放映してたから記憶はあった。「くたばれ!ハリウッド」のロバート・エヴァンズのプロデュース作品でもある。今になって観たからこそおもしろいと思えるところは多々あって、サスペンス、ロマンス、家族、青春、孤独、恐怖、痛み、階級、ナチスとユダヤ人と、盛りだくさんのテーマが詰め込まれているのに、脚本がよく整理されていて大変わかりやすい。スゴいなあ。
●微かにネタバレになるかもしれないけど、これは知性と勇気に恵まれた若者が、いろんなものを得たり失ったりしながら、また最後に知性と勇気以外に何も持たざるマラソンマンにもどっていく話なんすよね。恋人も家族も失ってなお喪失の物語にならないのは、これがあらゆる可能性を持った若者のビルドゥングス・ロマンだから。父の形見の銃を捨てて走り出すシーンなんてまさにそう。もし観たことないなら(特に若い人に)強くオススメ。(01/30)
January 30, 2004