February 2, 2004

君はステファン・イシザキを知っているか?

stefan_ishizaki.jpg●ついにその日がきたか。その日とは週刊「サッカー・マガジン」にスウェーデン代表歴もある期待の若手選手ステファン・イシザキが紹介される日だ。先週発売号にカラー2ページで紹介されている。スウェーデンのAIKから、イタリアのセリエBジェノアに移籍した。オフィシャルサイトにも名前がある(→ここ)。
●たぶん、よほどの海外サッカー通でもステファン・イシザキの名を知るまい。でも、何度かご紹介しているサッカー・マネージャー・シミュレーション・ゲームChampionship Managerの世界では、彼は3年前から有名人である。日系人だから日本で知られているのではない。このリアルなシミュレーション・ゲームでは若手有望株の売買が重要であり、将来性豊かなアウトサイドのアタッカーとして Stefan Ishizaki の名前は世界のあちこちの攻略サイトで紹介されていたのだ。ワタシも海外の攻略サイトを見て3年前にその名を知り、(ゲームの中で)彼を自分の率いるチームに移籍させた。(ゲームの中で)10代でセリエAの舞台に登場し、(ゲームの中で、くどい)23歳でチャンピオンズリーグの決勝に出場するまでに成長した。そして今、ようやく現実が虚構に追いついてきた。

●このゲームの制作者は世界各地にスカウト陣を配している。ワタシは現在バルセロナにいるサビオラもクァレズマもこのゲームで名を知った(そして現実が追いついた)。湘南ベルマーレにいた Moniwa という才能のあるセンターバックもこのゲームで知った。Moniwa、つまり現在FC東京の芝庭はジーコに日本代表にまで呼ばれるようになった。そして、ステファン・イシザキはイタリアにやってきた。
●ステファン・イシザキはお父さんが日本人の石崎さん、お母さんがスウェーデン人である。純粋にスウェーデン人として育っており、日本語も喋れない。このまま将来のスウェーデン代表を背負う選手として育ってゆくだろう。しかし「サッカーマガジン」のインタヴューを読んで仰天したのは、ステファン自身は「日本でプレーしたい、日本で代表選手になりたい」という気持ちがあったにもかかわらず、本人にもお父さんにも日本サッカー協会とのコネクションが皆無で、しかもユースの大会でせっかく来日するチャンスがあったのに、扁桃腺を腫らせてその機会を逸したという事実である。海外ゲーム・マニアにとっての有名人も、日本サッカー界では無名の人。もし彼が扁桃腺を腫らすことがなければ、今ごろ日本の五輪代表に呼ばれていたかもしれない(現在まだ21歳)。
●すでにステファンにはスウェーデン代表歴があるので、もう日本代表になる可能性はない。扁桃腺の腫れが本人にとって不運だったのか、幸運だったのかは誰にもわからない。

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