●守っちゃダメだ! 守っちゃダメだ! 守っちゃダメだ! ああ……。
●いくらなんでも全試合を見る時間はないので、なにを見たかといえば、
イタリア 1-1 スウェーデン
オランダ 2-3 チェコ
なんである。イタリアはリードした1点を守るために、次々と攻撃のタレントを下げ、守備職人を投入した。にもかかわらず、スウェーデンに追いつかれた。イブラヒモヴィチのゴールは奇跡のようなゴールで、あれを必然の結果という気はない。しかし、守備を固めた後に追いつかれてしまうと、イタリアに打つ手はない。「守りきる」というイタリア・スタイルが崩壊した。黄昏の指揮官トラパットーニ、旧世代のマフィアのボス。
●オランダとチェコの名勝負もこれと似ていた。2-1とリードし、問題なく試合を運んでいたオランダだが、左ウィングの若手ロッベンを下げて、守備要員のボスフェルトを入れてからおかしくなった。もちろん直接的にはこれも若いタレント、ハイティンハが2枚目のイエローで退場したのが痛かったとはいえ、今の欧州で「守って勝つ」ことの難しさを痛感した。
●とはいってもな、これ結果論だ。ずいぶん多くのシュートがバーをたたいた。ファン・ニステルローイやらネドヴェドやら、あのシュートこのシュート、決まっていれば結果は全然違っていた。それでもこの大会、後から振り返って「守備戦術終焉の大会」と位置づけられる可能性は高い。イタリアもオランダも追いつめられた。第3戦は大変なことになりそうである。