June 25, 2004

哄笑するチェコ、抱擁するオランダ@ユーロ2004

ユーロ2004●もう止まんないよ、ユーロ2004。こんなにおもしろいとは。で、グループ・リーグ最終戦はこうなった。

ドイツ 1-2 チェコ
オランダ 3-0 ラトヴィア

●これもまた決勝トーナメントへの生き残りをかけた試合で、大変だったんである。唯一、すでに同組1位を決めているチェコだけは余裕。ブリュックナー監督はガラセク一人を除いて、全員控えの選手を先発させた。この種の集中的なスケジュールで行われる大会では(しかも暑いとなれば)、これは正しいコンディション調整である。ノーリスクで主力選手を1試合分休ませることができる。激闘続きの他チームに比べ、これだけでも優勝に一歩近づけるアドヴァンテージ。アンフェアではない。
●ドイツはチェコに勝ちさえすれば2位で勝ち抜ける。一方、辛い立場なのはオランダで、たとえ自分たちが勝っても、ドイツが勝ってしまえばそれまで。しかもドイツの相手はほぼ全員控え選手のチェコ。
●にもかかわらず、控え組のチェコは主力組そっくりのサッカーをやって、ドイツを打ち負かした(しかもまたしても逆転勝利で)。チェコにとってこんな痛快なことはない。ブリュックナー監督は笑いが止まらないだろう。この監督、大変な理論家のようだが一方でトンデモ系テイストもあって、ワタシはサッカー界のマッド・サイエンティストというキャラで見ている。逆にドイツの監督はルディ・フェラー。まだ監督というより選手の印象が強い。思い切りのよいストライカーで、策士にはほど遠い。
●オランダに意外なシーンを見た。彼らはブラガ(以前、広山が所属していた)にある不思議なスタジアムで試合をしていた。メインスタンドとバックスタンドしかなく、片方のゴール裏に岩壁がそびえるという驚異的な建築物。ここでラトヴィアに勝ったのだが、試合途中、ドイツが追いつかれ、さらに逆転されたとき、サポーターが歓声を上げた。選手たちは試合前には悲観していただろうが、スタンドの反応で彼らが決勝トーナメント行きの切符を手にしつつあることに気づいたはずである。で、試合終了の笛。チェコvsドイツはまだロスタイム。ベンチに座っていたクライファートもニコニコしながら待っている。昨日のイタリアとなんという違いか。少しして、ドイツが負けたこと確認すると、全員がまるで優勝でもしたかのように、輪になって抱き合って喜んだ。これがあのオランダなのか。いつも大会ごとに内紛を起こして、最後は白人組と黒人組に分裂するあのオランダが、全員で輪になっている! このオランダなら、この先も勝ち進めるかもしれない……。
●では、これからトーナメントに進む前に優勝予想を。チェコもいい、オランダもいい、でもワタシが賭けるなら、イングランドまたはポルトガル。つまり次にこの2チームが対戦するのだが、この勝者がそのまま優勝すると見た。あなたならどこ?

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