●こ、これは。試合が終わって茫然。見ごたえのある試合だった。
ポルトガル 1-1 イングランド Ex.Time 1-1 PK 6-5
●開始3分のオーウェンのアクロバティックな先制ゴールは美しかった。同点に追いついたポルトガルの若手ポスティガのヘディングは完璧だった。延長に入って、途中出場のルイ・コスタが個人技で決めたゴールなどは鳥肌モノ。黄金世代の生き残りが決めたゴールで、ポルトガルの勝利は決まったと思った。これで普通は終わる。ところがイングランドはランパードの同点ゴールで追いつく。駆け足で振り返ったが、この120分でもうお腹いっぱいである。が、本当の事件はその後だ。
●PK戦。先に蹴るのはイングランド。で、ベッカムが先鋒を務める。このキックの名手が、なんと、見たこともないようなホームラン級のミスキックで、ボールはスタンドまですっ飛んでいってしまった! あ、ありえない……。まあ、下が悪いんだろうが、しかし。ポルトガルはデコが落ち着いて決める。以降、ポルトガルがリードして進むが、今度は本日のヒーロー一歩手前だったルイ・コスタがPK失敗。PK戦ってのは不思議なもので、優秀なキッカーほどはずす(印象に残るだけかもしれんが)。で、根性でド真ん中に蹴りこむディフェンダーは簡単に成功する(ような気がする)。
●このPK戦のヒーローはポルトガルのポスティガである。蹴る瞬間にキーパーの動きを見て、チップキックでフワリと蹴りやがった。なんつうヤツだ。前にトッティが同じことをやってるので伝説にはならないが、こういうふざけたキックを成功させると、なぜかこの後、相手が失敗したりする。で、イングランドの7番手、ヴァッセルのシュートをポルトガルのリカルドが見事にセーブ。
●このポルトガルのキーパー、リカルドもヘンである。このとき、なぜか彼はキーパーグラブをはずして、素手で止めたんである。ワケわからん。で、リカルドはこれで自分が神の寵愛を受けたことを確信したらしく、次のキッカーを追いやって、なんとPKを自分で蹴る。おいおい、はずしたらどうするのだ。でもちゃんと決めた。そういう風に世界はできている。ポルトガルが準決勝進出。ポスティガとリカルドの魔術のおかげだ。