●98年に初めて世界チャンピオンとなり、2000年に欧州チャンピオンとなった王者フランスが敗退した。相手は今回初めてユーロで勝利をあげたというギリシャ。
フランス 0-1ギリシャ
●今大会も優勝候補に挙げられていたフランスだが、気がついてみれば00年はおろか98年からの生き残りの選手たちがずいぶん多い。成功したチームの若返りは難しいのか。いや、そんなはずはない、02年で大きな敗北を喫している。それでもこのイレヴンは新味を欠き、運動量や積極性がいつの間にか失われ、にもかかわらず「たぶん問題なく勝てるだろう」という雰囲気の中で試合が進む。
●相手のギリシャがレーハーゲル監督(まだ健在だったのですか!)のもと、古式ゆかしいドイツ式マンツーマン・ディフェンスを敷く。おかげで昨日のポルトガルvsイングランドとうってかわって、スローで退屈な試合になった。65分にギリシャのハリステアスが先制点をあげるまでは。
●その後、サアやロテンらの新しい力が注入されると、フランスに少し可能性が見えた。もしアンリがフリーのヘディング・シュートをはずさなかったら、疲れたギリシャを簡単に逆転することができたかもしれない。そのときは老獪で試合巧者、地力で勝る優勝候補の順当な勝利として、この試合は明日にでも忘れ去られたはずだ。
●98/00年バージョンのフランスは長すぎた。今度こそさようなら。フランスは若いタレントの宝庫である。98年組のバルテズ、ピレス、デサイー、テュラム、リザラスらが06年を目指す新生フランスに必要とは思えない。ジダンは? 惜しいが、おそらく本人に残る気はないだろう。