●デンマークはすばらしい。あのチェコ以上にポゼッション・サッカーを志向し、攻撃的で、ピッチをワイドに使い、強いパスをどんどん回す。ダイナミックで美しい。相手は前の試合に控え組でドイツに逆転勝利したチェコ。コンディションではチェコ有利だが、前半はデンマークが攻めまくる。65%程度の支配率。チェコが手も足も出ない、しかし結果はこうなった。
チェコ 3-0 デンマーク
●どうしてこうなるのか、ワタシにゃわからん。ハーフタイムになにかがあった。チェコの大魔術師ブリュックナー監督が不思議な模様を空中に描くと、後半から突如として、デンマークにあった華麗なオートマティズムが崩壊し、ヨルゲンセン、グロンキアらのサイドアタッカーが沈黙する。コーナーからのコラーのヘディングという平凡なゴールを合図に、ポボルスキーのパス一本にバロシュが裏に飛び出てふわりと2点目、さらにネドヴェドのパスからまたもバロシュ、3点を奪ってチェコが快勝した。
●チェコはコラーとバロシュの2トップ、中盤左右にネドヴェドとポボルスキといて、さらにその後ろ、ボランチの位置にファンタジスタ系のロシツキがいる(一皮も二皮も剥けた中村俊輔って位置づけ、自分的には)。こんな下がった位置にいるので、あまり攻撃に絡めなくてせっかくのテクニックがもったいないとワタシは思ってしまうのだが、現にチームは勝っている。偉大な魔術師の考えは凡人にはわからないのだ。