●欧州のシーズンは夏の終わりとともに始まる。で、スペイン・リーグ開幕、問題のレアル・マドリッドの初戦はどうだったか。書くぞ!
●まずレアル・マドリッドがどう「問題」かといえば、毎年巨額の資金を投入して最高のスター選手を買う。今年はなんとなんと、イングランド代表のワンダー・ボーイ、あのオーウェンを買ってしまった。しかもモナコにレンタルしていたモリエンテスも帰ってくる。強力なアタッカーが二人増えた。で、例年ならアタッカーばかり買って、守備は自前のユースから育てたようなフツーの選手で済ませるから、ポロポロと失点しちゃうんである(なぜか。だってユニのレプリカは攻撃のスター選手じゃないと売れないから! きっと)。でも今年は一味違うよ。
●まず監督が変わった。2002年の日韓W杯でスペインを率いていたカマーチョ登場。一部でシャツの汗染みが話題を呼んだあの人だ(そしてこの日も期待を裏切らず、汗染みを作っていた。ごめん、ばっちい話題で)。ディフェンス出身のカマーチョは現実主義者なので、守備の新戦力も獲得した。ローマからアルゼンチン代表のサムエル。これは超強力。さらにイングランドの俊英ウッドゲイト。これも手堅い(ベッカムとオーウェンとあわせて英国人が3人そろう。これならスペイン語が話せなくても孤独にならずに済む)。
●で、こんなに新戦力を獲得したのに、いざ開幕したら先発メンバー去年とまったく同じだよっ!。大爆笑。オーウェンとモリエンテスはベンチに座っている。どこにバロンドール受賞経験者と昨年のチャンピオンズリーグ得点王をベンチに置くチームがあるというのか。さらに守備の新戦力は二人ともそろってケガでベンチにもいない。GK:カシージャス、DF:ロベルト・カルロス、ラウール・ブラボ、パボン、サルガド、MF:ベッカム、エルゲラ、左MF:ジダン、右MF:フィーゴ、トップ下:ラウール、FW:ロナウド。
●でもレアル・マドリッドはちょっと変わったかもしれない。一試合だけではなんともいえないが、少し攻撃にかける枚数が減った。そして、ロナウドが明らかに痩せた。さらにロナウドが守備をした! ロナウドが相手からボールをインターセプトをするというシーンをワタシは初めて見た。幻っすか。ただ、ジダンのコンディションが悪く、昨年のような2点獲られても3点獲って勝つようなチームには程遠かった。その代わり、1-0で勝った。負傷退場したラウールに代わって登場したオーウェンの個人技から、ロナウドが胸で押し込む1点。
●これで守備の新戦力が戻ってくれば、さらにしっかりしたチームになるだろう。優勝もできる。でもなあ。正直言えば、去年の非常識なチームのほうが楽しかった。ジダンのコンディションがもどってくれば、また笑ってしまうほどの超絶技巧連発チームになってくれるのだろうか。そうであってほしいと切に願う。
2004年8月アーカイブ
夏が終わり、新シーズンが始まる。マジョルカvsレアル・マドリッド
アテネ五輪終幕日
●えっ、クスリ、飲んじゃってたの? やっぱり。でもさ、これで金メダルって言われてもなあ。金メダルの正当性に疑問はないけど、なんかすっきりしない。もう1回やり直しじゃダメっすか。こちらもクスリ飲んで、正々堂々と戦うと。んなわけない。
●あとマラソンの後味の悪さもどうにもならん。終盤、アホたれがトップを走るブラジルのデ・リマに抱きついたばかりか、沿道の観客の中に押し込みやがって、デ・リマは絶望の表情、それでも最後まで走りきって3位になったのは偉大。でもこの事件で、デ・リマの受けたダメージは大きかったはずで、あのアホたれは何者なのか。もう1回やり直しってわけにもいかん。どうせなら、あのアホたれは走者全員に抱きついて公平を期すべきだった。んなわけない。
●それにしてもドイツvsクロアチアの決勝は熱かった。サポーターも異様に盛り上がっていて雰囲気最高。ドイツの5番のクレッチマーの決定力はスゴいね。でも接戦を制したのはクロアチアで、最終日に唯一の金メダルを獲得。コアなサポーターがついたら、日本でも人気が出るんじゃないかなあ、ハンドボールって。
アルゼンチンvsパラグアイ@ギリシャ五輪決勝
●なんというか、最初からここはレベルが違うなと思われたアルゼンチンが、そのまま最後まで1失点もせずに優勝してしまった。あまりにも強すぎる。序盤にテベスが獲ったゴールを、大人のサッカーで守りきった。1-0だが圧勝。
●ニッポンがパラグアイと戦ったとき、「パラグアイはメダル獲るな、きっと」って書いた。この決勝戦、パラグアイにも同点に追いつくチャンスはあった。しかしだれが見てもアルゼンチンの優勝が妥当な結果だったと思う。アルゼンチンのコンディションは下がっていたと思うが、パラグアイから退場者が出たこともあって、余裕の対応ができていた。
●それにしてもアルゼンチン、試合終了直前、パラグアイが二人退場していて、ゴール前で4対2になるビッグ・チャンスを迎えながらも、それでもゴールに向かわず時間を稼ぐんだな。まあ芸術点も満点だから許せるけど。
●話がずれるが、今日のバスケットボールの準決勝で、なんとアルゼンチンがアメリカに勝つという番狂わせ(だよね)があった。終盤、リードしたアルゼンチンが「あとは時間を使えばオッケー」な状況になって、パスをまわすと、観客から「オーレー!、オーレー!」が。おお、これはわかるよなあ。サッカーと同じだ。ま、バスケだからパスをまわすといっても、せいぜい4本くらいしかつなげられないけど(狭いコートにウジャウジャと巨人がいる)、あれはテレビ見てても「オーレー」って自然に声が出ちゃう場面っすね。一日に2回もアルゼンチンの時間稼ぎを見れて、ちょっと嬉しい(?)。
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ペイチェック 消された記憶
●またまたP.K.ディックの小説が映画化された。ワタシは映画館で観たが、レンタル開始されてるみたいなのでご紹介→「ペイチェック」。ディック原作では最初に映画化された「ブレードランナー」(原題「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」)だけは名作となったが、あとはことごとく駄作(その辺は「マイノリティ・リポート」のときに書いた)。で、ワタシはその駄作たちが結構、好きなんである。
●監督や役者からしても、今回も観る前からバカ映画が約束されていたようなものなのだが、期待にたがわぬできばえ、つうかジョン・ウー監督の過剰なサービス精神のおかげで、本気で楽しんでしまった。まったく意味のないアクション・シーンとか、律儀すぎる伏線とか、なぜか一研究者なのにアクション見せちゃうユマ・サーマンとか(「キル・ビル」かよ)、どう見ても天才科学者に見えないマッチョなベン・アフレックとか。観念的に解釈されがちなP.K.ディックをここまでのんきな映画に仕立て上げる手腕はある意味スゴい。もともと「記憶を失っていた間に、自分に対して与えられたアイテムがまったく意味不明」っていうアイディアのワクワク度はかなり高いんである。
●「マイノリティ・リポート」と違うのはB級感か。他のディック原作映画でいえばシュワルツネッガー主演の「トータル・リコール」に近い。寛容にバカ映画を楽しめる人にオススメ。
「わたしのオーケストラ」なる食玩
●こやまさんの「ばよりん生活」で知ったのだが、「わたしのオーケストラ」なる食玩が来月に発売されるらしい。全然食玩マニアじゃないワタシもこれはかなり気になるんである。採寸に協力した大阪センチュリー交響楽団の紹介ページを見て、その精巧さに驚いた。だって、食玩っすよ。菓子のオマケにこんなフィギュアがついてきていいのか、とか訝しんでいるワタシは最近の食玩事情に疎すぎ。
●楽器もよさげだけど、指揮者と楽員のヤツが欲しいっすね。これをゲットした暁には……なにに使うかは内緒だ(笑)。でも、ちまちま買うのはメンドくさいなあと思っていたら、「わたしのオーケストラ BOX」として10個入りセットが販売されるという。こいつを予約さえすればオッケーなのか? いや、これって10個入りっていうだけで、食玩の種類はランダムなんすね。一瞬これで全部簡単にそろえられるのかと期待したのだが、よく考えたらそんな味気ないことするわけない。(菓子とはいえ)甘すぎるぜ>ワタシ。
●さらに言うと、オマケは欲しいが、お菓子のラムネとやらが10個も届くのはどうか。昔、駄菓子屋でオマケのカードさえ手に入れれば本体のスナック菓子は要らんとばかりに、不届きにも菓子を道端に捨てまくるクソガキがいたもんだが、今ワタシはそのクソガキの邪悪な気持ちにかなり共感してしまっていてヤバい。いや、道には捨てないが、たぶん。
イタリアvsアルゼンチン@ギリシャ五輪準決勝
●もう嘆息、アルゼンチンに。あのリアリズムのお化けみたいなイタリアを手玉にとって、華麗なアタッキング・フットボールでチンチンにしてやるという、この世のものとは思えない見事さ。まさかオリンピックでこんなにレベルの高いサッカーを見れるとは(←ら抜き言葉)。
●アルゼンチンはマラドーナを(ちょっぴり)髣髴させるテベスをはじめ、ダレッサンドロとか、それどころかセンターバックのコロッチーニに至るまで、みんな足元がスゴく上手い(一番下手なのがひょっとしたらオーバーエイジ枠のキリ・ゴンザレスかもしれん)。ショート・パスがビシッと強くても、確実に足元に収められて大丈夫、イタリアのプレスを軽々と交わす。体の使い方とかイチイチ巧妙で、もしワタシがイタリア人だったら歯ぎしりして悔しがった。
●で、テベスの気絶しそうにカッコいいボレーシュートとか、スペクタクルに満ち溢れていながらも、アルゼンチンはなんとここまで無失点(!)、実は堅守。この日も3-0で完勝。そしてよく走る、オシムだってひれ伏すくらい走る。創造的、芸術的で、しかも勝負強い。まさに理想のサッカー。ビエルサ監督のアルゼンチンは、たぶん2002年W杯のときだって大会直前まではこういう「最強感」を漂わせていたと思う。あのときに蓋然性の悪戯で決勝トーナメントに残れなかったのは、美しいサッカーの信奉者にとって実に惜しまれる損失であったのだと再認識。
P.S. フル代表でも実績のあるサビオラ、ベンチに座りっぱなしで出る幕なし。恐るべし、アルゼンチンU23。
P.P.S. サッカーに「事実上の決勝戦」などないよ。
二本の虹
●虹が空に架かっていた。雨が止んで、北東の空を眺めると、見たこともないほど鮮やかな一本の虹が、さらにその外側にはうっすらと二本目の虹が浮かんでいる。北の分厚い雲に橙色の太陽光が映える。人が集まり、カメラを取り出す者もいた。しかし虹はみるみるうちに鮮やかさを失ってゆく。子の虹はもはや見えず、かろうじて親の虹が残るのみ。虹の寿命がこんなに短いものだったとは。後日写真で見せてもらった空の残花は、平凡な水滴のプリズム効果にすぎなかった。
続々メダルラッシュ!
●すごいよ、ほとんど毎日メダル、どうしちゃったの、マジでメダルラッシュ到来、えーとここまでで全部で何枚だろ、これだけ集まったのは何年ぶりだかわからんくらいだが出てくる出てくる、あっちの井戸で、こっちの壷で、いま数えたらちいさなメダル90枚でご褒美もらったね、メタルキングのたて。とっととルーラするしか!
●それにしてもこの夏は「猛暑」ときて「オリンピックでメダルラッシュ」なので、景気が良くなってくれたりするんだろうか。
●で、オリンピックのサッカー、当欄では触れなかったニッポンvsガーナは結果バレした後でビデオ観戦だったので、テンション下がりまくって光速で遠ざかる過去。マリvsイタリアを見たり、アルゼンチンvsコスタリカを録画し忘れて見逃したりしているんだが、もう一つ気分が盛り上がらないのはニッポンが敗退したからというよりは、ブラジルが出てないからかもしれない。ちらちら見た感じでは、アルゼンチンが子供の大会に迷い込んだ大人のごとく強そうである(だからといって勝てるとは限らないのがサッカーだけど)。
祝! CLASSICA 9周年
●本日で当サイトCLASSICA開設9周年なのだ。やーれやれ(笑)、マジっすか、9年て。もうYahoo! Japanより古いから、ここ。人間の寿命に換算すると何歳だ?(←って意味不明だよ) まあ相変わらずなような、ずいぶん変わったような、進歩がないようなあるような、ウケてるようなウケてないような、わかんないようなわかるような、甘いような辛いような、そんな感じだが、ワタシはこれからも楽しんで作っていくつもりなので、今後ともぜひご愛読を。つうか、楽しくなくなったら止める。
●ところで、少し前に当サイト上でプレゼント・キャンペーンを行ったときに、応募者の年齢分布を調べてみたことがある(氏名などの個人情報とは切り離した統計的な処理である、念のため)。ピークは30代で、20代がそれに続く。次が40代だったかな。全体に年齢層は幅広く、10代も全然珍しくないし、50代から上も自然な感じで広がっている。これにはちょっと安堵した。もし9年間、自分と一緒に読者のみなさま「全体」も年をとったのだとしたら、あんまり嬉しくなかっただろう。しかし20代、10代の割合からすると、ちゃんとフレッシュな方も入ってきてくれていると考えてよさそうだ。このほうがいい。
ウィーン交響楽団のリハーサル&本公演にご招待
●当サイトの「みんなの告知板」ですでにご覧になった方もいらっしゃると思うが、非常に良さげなのでこちらでも勝手にご紹介してしまおう。
●この秋、来日するヤコフ・クライツベルク指揮ウィーン交響楽団の公開リハーサルおよび本公演に、200名様をご招待してくださるという、ありがたーい企画 → TDKオーケストラコンサート2004「Special リハーサル&コンサート」。2004年11月3日(水・祝)、場所は東京オペラシティ。ただし応募条件がある。「小学生から社会人まで、音楽を学んでいる、あるいはアマチュアで音楽活動をされている方」ということなので、ご留意を。リハーサルとコンサートを両方楽しめちゃうというめったにない機会なので、よろしければぜひ。
ニッポンvsアルゼンチン@キリン・チャレンジ
●この前、アジア・カップで燃え尽きたのに、どうして今、代表戦やんなきゃいけないわけ? とか一瞬思ったけど、やっぱりアルゼンチン相手なので録画して観戦。リケルメはやっぱり巧い。アルゼンチンの2点目、リケルメのパスなんて芸術点でもう1点あげてもいいくらい。
●ま、リケルメだけじゃなくて、みんな巧いんだけど。さっさと2点とったら、暑いので後は省エネでパスまわしをしようという感じで、足元から足元へとつなぐんだが、これが本当にミスが少ない。国内組ジーコ・ジャパンはよくがんばってたけど、ボールを相手から奪うのに一苦労。悔しいなあ。コーナーキックから鈴木タカがヘディングで押し込んで、結果は1-2。
●中継のゲストはジュビロの名波。現役でシーズン中なのになんで? なんだか引退後の解説者の練習してるみたいでちょっぴり切ない。表現力はありそうだけど、発音の明瞭さに欠けて聞き取りにくいなあ。でも武田の100倍は上手い。
●「君が代」は西城秀樹が歌った。あまり国歌斉唱で非サッカー的な盛り上がりがあると、代表戦の雰囲気がますます悪くなると思っているので、西城秀樹という選択は妥当。もう今後もずっと毎回西城秀樹が歌ってくれてもいい。10年経っても、20年経っても「君が代」はヒデキ。で、60歳になっていうわけだ。「ヒデキ、かーんれきー!」(スマソ)。
「中二階」 ニコルソン・ベイカー
●ニコルソン・ベイカーの「中二階」(岸本佐知子訳/白水uブックス)を読んでいて、こんな描写にぶつかった。主人公がレコード店に入った場面を思い起こすところであるが、この情景、ピンと来るだろうか。
店に入ると、”二本の指でとことこ歩き”の動作でもって、アルバムを次々と繰っていく。たまに同じアルバムが何枚か続くと、まるで昔の五セント映画の原始的なアニメーションのように、<ドイツ・グラモフォン>の装飾的な黄色のタイトル枠の下で、ピアノに向かったアーティストが気取ったポーズのままじっと静止しているように見えた。ときたま二枚のアルバムの密封包装のあいだに軽い真空状態ができていて、そんなときには、一枚目を繰ると次のも一緒に身を起こし、途中でぱたんと倒れるのだった。
20代だと意味不明という方のほうがきっと多い。「二本の指でとことこ歩き」も「途中でぱたん」もアナログ・レコード体験のある方にはおなじみの光景。懐かしいっすね。この小説は微細な観察のみから成り立っている。
●ニコルソン・ベイカーは日常のきわめて些細な事象をミクロ的な考察によって描写するといった特異な作風を持っていて、この「中二階」などは一人のビジネスマンが昼休みからオフィスに戻ろうとして、中二階へ向かうエスカレーターに乗る瞬間からスタートし、エスカレーターを降りる瞬間で終わるというユニークな小説である。日常のディテールを掘り起こしていくと見えてくる真実やユーモアがある。ご存じなければ、ぜひ。
●ちなみにニコルソン・ベイカーは元作曲家志望で、イーストマン音楽学校で学んでいる。ニューヨーク州のロチェスター交響楽団で代理のファゴット奏者をしていたこともあるという。ファゴットというあたりが「らしい」気がする。
ニッポンvsイタリア@アテネ五輪
●山本監督の選手起用法などもおもしろかったのだが、そんなこと以前に、試合最初10分もたたないうちに個人能力の差を見せ付けられて2ゴールも奪われてしまってはぐうの音も出ない。ディフェンスのパワー、決定力の差、経験の差は大きかった。イタリアも最初から飛ばしていこうと決めていたんだろう。1-3になってからは、イタリアが守って勝つという戦い方をしてきたので、おかげでニッポンのスペクタクルあふれる攻撃を見ることができたのだが、イタリア流のリアリズムに付き合わされたにすぎない。実力差は大きく、完敗だった。
●大久保は体がキレまくっていたし、高松の泥臭い根性プレイもよかったんだけどなあ。チーム全体としては小野に依存していて、後ろはみんないつも小野を探している。バックラインでボールを持ったときに顔を出すのは小野ばかり。前線の選手が走り出すのも後ろで小野がボールを持ったときだけ。でも事実それでパスを通しちゃうから小野はスゴい。
●それにしても、このU23ニッポンはよく失点する。田中トゥーリオ、茂庭、那須あたりはJリーグではパワフルな肉体派なのに、ジラルディーノには歯が立たない。うーん、悔しいなあ。組織で守ることを前提にしても、もっと強くてしかも俊敏な選手が必要なのか。スコアは最後に高松が決めて2-3。プレースキックは武器だが、流れの中での決定力のなさは気になる……とかいっても、あと1試合でこのチームは解散するんだった。
日本 2-3 イタリア
得点:
デ・ロッシ(前半3分) ← このバイシクル、ありえん。
ジラルディーノ(前半8分)
阿部(前半20分)
ジラルディーノ(前半36分)
高松(後半46分)
「アシュケナージ オーケストラへの情熱」
●NHK-BS2で「アシュケナージ オーケストラへの情熱」を見た。これ、昔一度見たことがあるような気がするんだが、どうだろうか。イギリスのテレビ局が制作したドキュメンタリー。
●で、これ見てて改めて思ったんだけど、アシュケナージってソ連の出身なんすね。もちろんそんなことは知ってはいるんだけど、人柄にも音楽にもソ連っぽさが限りなく稀薄なので、すっかり忘れていた。これをドキュメンタリーのなかで紹介されている逸話で思い出した。チャイコフスキー・コンクールの話。
●ショパン・コンクールで2位を獲得し、本格的なキャリアをスタートさせたアシュケナージに、ソヴィエト当局からチャイコフスキー・コンクールにも出場するようにとのお達しが届く。アシュケナージとしてはチャイコフスキーが嫌いで、ピアノ協奏曲第1番なんか弾きたくなかったんだけど、当局に逆らうことは以後のキャリアを完全に絶たれることを意味する。選択肢はない。アシュケナージはやむを得ず練習を積み出場する。ソ連としては、第1回のチャイコフスキー・コンクールの優勝をアメリカ人のヴァン・クライバーンにさらわれた以上、第2回は是が非でもソ連のピアニストに勝たせたかった。で、その嫌いなチャイコフスキーで、アシュケナージは見事優勝を果たす。
●結局アシュケナージにとって得たものは大きかったわけだが、彼は演奏旅行で国外に出たときに祖国を捨てる。その経緯を話すアシュケナージの語り口がまた淡々としていて、内面はわからないが、少なくとも外側に喪失感みたいなものがまったく見えない。むしろ、どんなことを話していても、チャーミングな表情を保つところがこの人の人間的な魅力なんだと感じた。
●ところで、これ、30年近く昔のドキュメンタリーで、番組中の「今」も「最近」も現在の視聴者からするとずいぶん「昔」なんすよね。最後に制作年は表示されていたとはいえ、もうちょっといつだれがどういう機会に作ったドキュメンタリーか説明があってもよかったんじゃないかなあ。日付と文脈が大切なんじゃないかと、ドキュメンタリーには。
ニッポンvsパラグアイ@アテネ五輪
●南米予選でブラジルに勝って出場権を獲得したんだからさぞや強いだろうと思っていたら、パラグアイ、本当に強い強い。足元はしっかりしてるし、パスは正確だし、シュート力はあるし、組織がしっかりしていて、当たりも激しい。メダル獲るな、きっと。
●那須の凡ミスから失点し、しかしエジプト人主審は大暴れ、キーパー6秒ルールとか、ニッポンに2PKプレゼントとか大活躍だが、パラグアイがニッポンをほとんどすべての面で凌駕していたのは確か。ニッポン 3-4 パラグアイ。負けたけど、スコア的には幸運なくらいだと思う。
●先発だけでも書いておこう。GK:曽ヶ端、DF:茂庭、田中トゥーリオ、那須、MF:徳永、阿部勇樹、今野、森崎浩司、小野、FW:高松、大久保。この後、イタリア戦、ガーナ戦。このグループは厳しい。
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P.S. ガーナvsイタリアのハイライト映像見てて思ったんだけど、ガーナもイタリアも十分金メダル狙えるくらいにレベル高そうな気がする。あ、でもアルゼンチンは別格かも。
バス車内の惨劇
●数人しか乗っていない静かなバスの車内で、突然後方から大声が聞こえてきた。
「ねえっ、ちょっと! この交差点、いつも乗るときのバス停よね、さっき降りなくてよかったの!?」
「……ああ、乗り過ごしちゃったな」
「どうするのよ、どうして気がつかなかったのよ、いつもここの駅前で乗ってるじゃないの!」
「いや……バス停の名前が地下鉄の駅名と違ってたから、気づかなかったよ……」
「ダメじゃないの、本当に困ったわねえ、だいたいバス会社だってどうしてそんなわかりにくいことするのよっ!」
「さあ……」
「さあじゃないでしょ、どうするのってあなたに言ってるの。終点の新宿まで乗る? こんなところで降ろされたって、道なんかわからないわよ」
「(さらに小声で)……わかるよ、バス停一つくらい歩けばいいじゃないか」
「歩くだなんて、本当にこの道わかるの、ねえ、わかるの!? もう困るわねえ、新宿で電車に乗ったほうがいいんじゃないの」
「……そこまでしなくたって、近くなんだから道くらい……」
「わかるんでしょうね、わからなかったらどうするの、本当にどうしてさっき降りなかったのよ、もう困ったわね、いつも乗ってるバス停だったじゃないの」
「……。降りるよ」
「(降りながら)どうしてあなたはいつもこんなに不注意なのよ、ほらもうどこかわからないわよ!」
●地には平和を。
灼熱草サッカー天国!?
●さあ、ニッポン代表に続けっ! ということで本日はよそさまの出版社さんチームにゲストに招かれて草サッカー、いつもと違うグランドで、本当に「草」サッカー、つまり芝のグラウンドだった。それにしても、暑かった。暑さに体力を奪われたのか(←言い訳)、今日はワタシは頭の中のネジが2、3本、まちがったところに入ってたかのように、空振りを繰り返し(こっぱずかしいぜっ!)、ボールは足元に収まらず、しかも恐竜のごとく反応速度が鈍ってしまい、ダメ度100%。
●ここ数試合、自分たちのチームでワタシにしてはプレイができていたので、なんとなく試合に入ってしまったのだがこれがまたマズかった。最近、自分でも動作緩慢になってきていることは強く自覚していて(くわわ、昔はスピード勝負だったのに)、だからこそプレイ速度を上げようと意識しなければいけなかったのに……。ま、いっか。試合は3-0で勝ったのが救い。
●いつもと違うチームでプレイすると、いつもと違った文化が見えてくる。草サッカーにもいろんなやり方がある(特に未経験者主体の大人の場合)。審判はいるのか、セルフジャッジか、プレーヤー兼任か。お互いの人数は必ずそろえるのか、そろえずにするか。1本何分か、休憩はどうするか。ポジションはだれがどうやって決めるか、だれも決めないか。監督がいるかいないか。ユニの有無、ビブスの有無。勝利にこだわるか、楽しい雰囲気を大切にするか。試合は平日夜か、休日か。グラウンドをどうやって予約するか、費用はどうするか、試合後の懇親をどこでどうするか、待ち合わせ、雨天対策の連絡網等々。幹事さんは大変である(本日はSさんに深く感謝)。なにも気にせずにプレイだけできるのは、ずいぶんありがたいことであると再認識した(あ、これ、アマオケなんかとちょっと似てるんじゃない?)。
●あと、どんなにヘタクソでも、自分でボールを蹴ると、ニッポン代表とか自分のサポートするチームに対して優しくなれる。気温35度超えてるのにプレイの質を求めたりしなくなる。マシンじゃないんだから、普段のプレイなんかできるわけないって。
ニッポン、二大会連続アジア王者に!
●China2004の決勝戦、開催国の中国が相手となってどうなることかと心配したが、試合の結果は3-1。ニッポンの完勝。実力差は明白である。たとえニッポンの2点目、中田コのゴールがハンドだったしても。果たして審判はどこまで見えていたのか……というか、まともなレベルの審判ならこんな大会にはならなかった。ここまで来ると「ホーム寄り」なんてものではなく、審判がアジア全体のレベルの足枷になるのではないかと心配になる。普通なら何人か中国側に退場者が出ていておかしくない。
●これだけの逆境にあっても、冷静さを失うことなく戦ったニッポン代表は見事の一語に尽きる。92年、広島ではじめてニッポンがアジア王者になったときは、あくまでチャレンジャーの立場であり、しかもおそらく審判の庇護も受けていただろう。これがいまやチャンピオンとして、いかに「受けて立つ」かを問われる側にまわったのだから感慨深い。欧州クラブと五輪とけが人でメンバーを欠き、不利な日程を組まれ、異常なアウェイの逆境におかれながら、そのすべてをジーコ・ジャパンは品格とタフネスで跳ね返した。代表チームというのは率いる監督のキャラクターが乗り移るんものなんすね。ニッポンがレバノン2000とは違った形で、挑戦者たちとの大きな差を見せ付けた大会だった。
●前回に続いての優勝で、これで計8年間、ニッポンはアジア・チャンピオンの座を保持することになった……と思ったら、次からは五輪の前年開催に前倒しされるので、計7年か。次回は2007年、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナムの共同開催である。
●それにしても試合後、表彰式ですらニッポンにブーイングが起きたのには呆れてしまった。負けた自分のチームに対してブーをするのならまだわかるが……。少なくともオフト・ジャパンの時代には、中国のサポーターも自国のふがいないプレイにブーをするくらいの洗練度はあった(日本戦でですよ)。それがいまやホスト国でありながらこのありさま。国内プロリーグ化とサッカーブームが妙な方向に迷走しているということなのか。
片付けない作家と西の天狗(笙野頼子)
●「片付けない作家と西の天狗」(笙野頼子著/河出書房新社)、この美しい装幀はどなたであるかと確かめるとミルキィ・イソベ。さすが、美しい。美しい本に、美しい日本語。
特にどうしようもなかった居間と仕事部屋の床が入居当時のままの色で、傷ひとつなくあらわになっていた。それらは越してまもなくから三年以上も私が散らかした、紙や布やバッグに覆われていたため、片付け後は「未入居」同然の状態で出現したのだった。積もりに積もった埃と猫毛の中には何年か前の雛祭りに飾ったドライフラワーのような桃の蕾と、それについていた芋虫のミイラが混じっていた。
●これには魔窟王を自認するあちこちのヲタクの王様たちも敵うめえ。
またそのあたりで台所の床の洗ったガラス瓶の間から覗いていた土の固まりが、二年前のじゃがいも一個であると気付き、というより思い出して植木鉢に入れた。台所の床には瓶を入れたザルと野菜を入れた籠位しか置いてなかった。そしてザルと籠の間にそれは眠っていた。
じゃがいもの事は一年半位はずっと気にしていた。毎日毎日神経質に気にして、そしてああ、と落ち込み放っておくのである。
●おお。えっ、バッチい? うーん、でもいいっすよ、あ、掃除と猫の話ばっかじゃなくて、純文学だから。生きるのって大変。
♪ち・きゅ・う~は、ひ・と・つ!
●たまたまテレビつけたらNHKの「のど自慢」ロンドン大会予選とかいうのやってて、見るからにオタっぽい白人ガイジンがガッチャマンを熱唱中、それにしてもオタっぽさは万国共通で説明不要でわかるっていうかわかりあえるっていうか、で、やっぱりコスプレで、歌詞は当たり前のように日本語。一瞬ガイジンのコスプレ・アニソン大会かと思った。「北国の春」とか歌う白人女性とか見るとすごく不自然な気がするが(テレビの仕込みじゃねーのー、みたいな)、ガッチャマンなら何の違和感もない。中野のまんだらけ付近(あるいはもちろんアキバ)を歩いている白人そのもので、まさしく♪ち・きゅ・う~は、ひ・と・つ!
バーレーンvsニッポン@アジア・カップ2004準決勝
●4年前、レバノンでトルシエ率いるニッポンは、圧倒的な強さを見せつけて優勝した。アジアのなかで頭一つ抜け出たのではないかとすら思った。そしてChina2004、毎試合のようにニッポンは苦戦している。バーレーンもヨルダンもアジアのなかでは強くなってきている。にもかかわらず、彼らとニッポンとの差はまだまだ大きく、むしろニッポンは(おそらくイランも)、バーレーンやヨルダンとは違うステージに立って戦っていることを実感した。
●この試合、準々決勝に続いて、奇跡的な展開で勝った。なにしろ、先制点を奪われた段階で、ニッポンが大きなカウンターアタックのチャンスを得たと思ったら、主審はバーレーンを笛で救ったばかりか、意味不明のレッドカードで遠藤を退場させた。バーレーンの選手は遠藤の手がかすったかどうかも怪しい顔面を、わざわざ氷で冷やしてもらっている。主審はすぐ目の前で見ていた。ビデオのリプレイのどこにも乱暴な行為は映っていない。あまりにもばかげている。前の試合に続き、この日の審判もこれだ。これだからアジアは……。
●ジーコ・ジャパンは本当に偉い。次々におとずれる不条理に対して、不平や不満を爆発させたりせず、黙々と自分たちのプレイに集中する。つまり、サッカーの成熟度が高い。ワタシは遠藤が退場になった瞬間、髪をかきむしり、こんなアジア・カップなど止めてしまえ、ニッポンはイベリア半島の隣あたりに国土を移動させてUEFAに加盟しろっと叫びながら、テレビのスウィッチを切る寸前まで逆上してしまったわけだが、ジーコ・ジャパンは冷静さを失わない。トルシエ・ジャパンになく、ジーコ・ジャパンにあるのは品位だと思う。
●忘れないように、得点を。ニッポン 4-3 バーレーン。1点ビハインドから一人退場者を出した状態での戦いだったことを忘れずに。
ニッポン 4:中田コ(後半3分)、玉田(後半10分)、中澤(後半45分)、玉田(延前3分)
バーレーン 3:A・フバイル(前半6分)、A・フバイル(後半26分)、ナゼル(後半40分)
後半10分の玉田の逆転ゴールは浅い角度からニアの高いところをぶち抜く見事なもので、ワールドクラス。笑顔がかわいい24歳、ワタシが女性だったらブログでファンサイト作っちゃいそうなくらいカッコいい。中澤のロスタイムの同点ゴールは、山のようなディフェンダーに包囲されながらも決めたもので、もちろん偉いのは中澤なんだけど、こういう確率的に低いプレイがこんなタイミングで決まるのを見ると、サッカーの神様の後押しを感じてしまう。
●延長戦、玉田が再度逆転ゴールを決めてくれたが、この後は両者とも疲れきって、消耗戦になった。俊輔なんてもう目が虚ろ、顔は真っ青。疲労困憊し、意識が飛びそうになっていた選手も多かったにちがいない。
●試合終了後、中国の一部観客からブーイングが起きた。絶句。たとえ嫌いな国が勝ったとしても、第三国同士の対戦でこれだけの死闘を見ることができたんである。ゴールもたくさん入った。「ああ、今日はスタジアムに来て良かった、すごいサッカーを見ることができた」と嬉しくはならないのか。これで楽しめないなら、いったいどんな試合なら満足できるのか。この人たちの目にサッカーは映っているのだろうか。
作曲家占い
●みんな占いって好きっすよねえ。じゃあ、ワタシもやるぞっ、作曲家占い。ホント、よくできてるんすよ、これ。占いっていうか性格自己診断なんだけど。
あなたの作曲家: リスト (類似度 83%)
類稀な才能に恵まれたあなたは、多くの友人や後輩に恵まれます。ただし人を信用しすぎるところがあるので気をつけましょう。なんでも信じるのではなく一度は疑う気持ちも大切です。さまざまな魅力を持つあなたに異性は"とりこ"となることでしょう。しかし調子に乗りすぎると後で痛い目をみることに。自己アピールも度が過ぎると周囲の反感を買う原因となるので、そこそこにしましょうね。
えー、リスト!? ないない。これが19世紀だったら、リスト様ファンから石投げられそうだ。あ、でもリストとはかろうじてロンゲ仲間って気はする(笑)。
相性の良い楽器: ピアノ
相性の悪い楽器: 電子ピアノ
ごもっとも。
ヨシカツは神! でもジーコは神様!
●4人連続して相手のPKを止めた(ないしは失敗させた)ゴールキーパーなんて、見たことがない。一人目と二人目のキッカーが失敗してPK戦に勝ったチームというのも記憶にない。川口能活は今大会で再びニッポン代表の正GKに返り咲いた。逆境に立つと異様な力を発揮する。川口が神のように見えた……が、サッカーの神様は最初からニッポンのベンチにいるではないか。
●ジーコの采配に批判が集まるのは当然で、とにかくどんなに暑くて日程がつまっていても、レギュラー選手を固定する。すでに決勝トーナメント進出を決めていたグループリーグの第3戦ですら、固定メンバーで戦った。いくら「勝っているときはチームをいじらない」が基本原則とはいえ、試合ごとにどんどんと選手のコンディションは下がっていく。試合中も手を打たずに、選手に任せる。プレ・モダンな監督である。
●しかしワタシはジーコを批判する気になどなれない。選手としてあまりにも偉大だったので、ニッポンのベンチにいてくれるだけでも奇跡のように思える(不合理な話だということは承知)。さらに、ジーコは人格者である。試合後にジーコが以下のような談話を残しているのだが、これは嬉しかったし、ワタシはこういう考え方がとても好きだ。
今日のPK戦のときに相手の選手は、われわれが外すたびにおどけてみたり、自分たちの勝利をアピールしたりしていた。あれはやってはいけないこと。わたしも絶対自分のチームにはやらせない。互いの尊重あってこそのスポーツ。その結果、彼らは家に帰らなければいけなくなった。(ジーコ)
怪しげで反スポーツ的な大会に堕ちつつある China2004 のなかで、サッカーの尊厳が守られた瞬間である。仮に次のバーレーン戦でニッポンが負けたとしても、今大会の代表に対しては十分誇らしい気分になれる。
ニッポンvsヨルダン@アジア・カップ2004
●昨日のニッポンvsヨルダンっすけどね、いやー、やっぱりダメだ、アジアは……と嘆息。まずマレーシア人のレフリー。これは中国、じゃないやヨルダン贔屓とかいうレベルじゃない。ワールドカップならレッドカードが出かねないような、ヨルダンの悪質後方タックルを無視し、ニッポンは肩が触れただけでもファウル、いや、場合によっちゃ触ってなくてもファウル。公式記録のファウル数を見れば、ニッポンのファウル数がヨルダンの何倍にもなっているのがわかると思うが、あの試合を見て激しいタックルをしていたのがニッポンだと思うサッカー人は一人もいないだろう。ワタシはこの試合を、ワールドカップ2002の韓国vsイタリア戦と同じように見た。公式戦でこんなことをやっているようでは、アジア・カップの価値など高まりようがない。
●さらに重慶の観客。あの人たちは個人の意思であそこに来ているのか、仕事としてきているのか知らないが、サッカーと無関係であることだけは確かだろう。スタンドで「歴史を直視し、アジア人民におわびし、釣魚島(尖閣諸島のこと)を返せ」などという横断幕を掲げる(朝日新聞記事)。こんなことをやりはじめたら、キリがない。スポーツの国際大会など成立しなくなる。だいたい、これは中国戦ではないのだ。第三国同士の対戦に、毎試合大勢の観客がスタジアムを埋めているという異常事態、しかもその観客はサッカーの試合に興味がないという不気味な光景。China2004はサッカーとスポーツをひたすら蹂躙し続ける。
●ニッポンとヨルダンの120分の1-1になんの意味があるのか。こんな試合を見ているとサッカーが嫌いになりそうだ。しかし、PK戦には救いがあった。(つづく)