2004年9月アーカイブ

September 30, 2004

大熊監督さらに吼える、ニッポンvsヴェトナム@U19アジア・ユース選手権


 「ノーファール! ノーファール!」
 (あー、監督、るっせーなー。うざいうざい、うざすぎだよ)
 「おいっ! もうちょっと出て来いよ、寺田! オマエだよ!」
 (また寺田、オマエ呼ばわりされてるよ)
 「キープっ! キープっ!」
 (だから、オレ、キープしてるじゃん、ちゃんと見ろよ、ジジイ)
 「かずま! もどってこいって言ってるだろ、こら!」
 (今朝のレアルとローマ、見たかったよなー。クマ、チャンピオンズ・リーグくらい見せろよ)
 「おいおいおい! おいっ!!」
 (おいおい、ってそれどんなコーチングだよー、わかんねーよ)
 「そこで、さげるなよ! 開け開け」
 (あ、チャンス、はいゴールね。モナウドって呼んでくれよー)
 「おいっ! そこで行けって言ってるだろ!」
 (もう点とったんだし、そんな怒るなよー。あー、ゲームボーイしてー)

●テレ朝はどうしてわざわざ画面の右上に「衛星中継」って入れるかね。そりゃ衛星中継なのはまちがいないけど、「衛星生中継」ではない。ハーフタイムまですっかり騙されてしまった。

September 29, 2004

「ヴァン・ヘルシング」(スティーヴン・ソマーズ監督)

ヴァン・ヘルシング●映画館で「ヴァン・ヘルシング」。なんの予備知識もなく見たのだが、これは楽しかった。モンスター・ハンターであるヴァン・ヘルシングが、ドラキュラをはじめとする化物と対決する荒唐無稽なアクション・アドヴェンチャー。「なにも起きていない場面」が15秒間と続かず、次から次へと畳みかけるようにイヴェントが起きる。「CGを使えばなんでも描けるようになった」と言われて久しいが、こうも唖然とするほど凄い映像というのはめったにない。しかもカッコいい。「インディ・ジョーンズ」の楽しさに、センスのいい強烈なCGが加わったらこんな感じなんじゃないだろうか。
●基本的には化物退治に過ぎない話なのだが、これは「過剰さ」から来る眩暈感がすばらしい。ゴジラ対キングギドラでも十分おもしろいけど、そこにモスラが加わったらもっとおもしろい。さらにメカゴジラも加わって怪獣大決戦ならなおいい。シリーズが違うけど、ガメラも加わって、ええと、ついでにバルタン星人やらカネゴンとかも加わって、戦隊ヒーローなんとかレンジャーとか全部ありありだったら、スゴいことになるんじゃないか。
●みたいな発想が「ヴァン・ヘルシング」にもあって、なにしろ大ボスはドラキュラだが、フランケンシュタインやらウルフマン(←狼男って呼べよ)も出てくる、冒頭のヴァン・ヘルシング紹介のためのチョイ出のヤラレ役としてハイド氏(「ジキル博士とハイド氏」の)が出てくるといった調子でお腹いっぱい。ハイド氏だけでももう腹八分目になるくらい満腹度高い。一作目でこれだけやってしまったら、続編はどうするのか。あとは……透明人間とかミイラ男と戦えばいいのか? 日本に来れば妖怪は山ほどいるのでネタに困らないと一瞬思ったが、化物にも国際的知名度が必要だから、そうもいかないか(ていうか、原作あるんだっけ?)。
●でも、よく考えたらドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男を相手にするモンスター・ハンターって、要するに「怪物くん」(藤子不二雄A)だよな。フランケンシュタインが「フンガー」って言ってくれたら完璧だったのに。

September 28, 2004

大熊監督吼える、マレーシアvsニッポン@U19アジア・ユース選手権

●さすがに19歳以下の代表まで試合を見なくてもいい気がするのだが、テレ朝が中継してくれて、対マレーシア戦(ワールドユースのアジア予選)をポツポツと見た。大人のプレイするJ2やJFLよりも、子供のプレイする代表の試合のほうが関心を持たれてしまうのはサッカー的にどうかという意見もあるだろうが(高校野球なんかと同じセンスだし)、一人の選手の変遷を追うおもしろさというのもあるので、ユース年代まではワタシは楽しめる。これより下になると、少年サッカーっぽくなってきてもう見れない。
●で、U19なので現役高校生、大学生、プロまで一緒になってチームを作っている。率いるのは大熊監督。いまや東京ガス監督時代の印象が薄まって、ユース部活サッカーの「顧問の先生」みたいである。地元開催のマレーシアの観衆に対抗して、一人でシャウトしまくっていたが、今ひとつマイクが遠ざけられて「サンキュー!坂田」のような名言が残されなかったのが惜しい。もちろん「茂木!」の名も呼ばれていない。茂木は卒業して広島でプレイしている(笑)。
●平山は確実に高さでマレーシアを圧倒していたが、フィジカル以外の面では魅力をあまり感じない。将来フル代表に呼ばれる可能性は低いのでは。フォワードで起用されたカレン・ロバートも微妙な存在。一番楽しみなのは途中出場したヴェルディの森本@16歳。飛び級なので体力負けするのはしょうがないとして、本人が非常にロナウドを意識している風なのが頼もしい。あの連続またぎフェイント、あれはロナウドを意識してやったら、カズそっくりになってしまった、しかも全然相手との距離が遠すぎて意味レスだったという素敵すぎるプレイで、大物振りを存分に発揮。シュートのフォームもちょっぴりロナウド似で、速くてぶれない。コイツは将来ワールドクラスのストライカーになるかもしれないと本気で思ってしまった。

September 27, 2004

クラシックなワナ

●シューマンのサイトを作ろうと思って、schuman.comのドメインを取得したが、後でシューマンはnが二つのschumannだったことに気がついて、しょうがなくそのままウィリアム・シューマンのファン・サイトを作ってしまうというワナ。
●なわけねー。

September 24, 2004

夢見る人の物語(ロード・ダンセイニ)

ある日、行く先もなく曲がりくねってのびている道に行き合ったので、わたしの気分にぴったりだと思い、その道をたどることにしたら、やがて深い森の中へと入っていった。そのどこか奥深くで、<秋>が、豪華な花冠を戴いて腰を下ろし、謁見式を執り行っていた。年に一度の<木の葉の踊り>の祭りの前日だった。(「都市の王」~ロード・ダンセイニ「夢見る人の物語」所収)

夢見る人の物語(ロード・ダンセイニ)●東京は一瞬、秋の気配が感じられたと思ったら、また残暑がやってきて<木の葉の踊り>どころじゃないんすけどね。
●「指輪物語」も「ゲド戦記」もここから生まれた、と帯にあるように、ロード・ダンセイニはファンタジーの始祖みたいな人なんだろうと思うが、確かにこの短篇集「夢見る人の物語」は100年近く昔に書かれていて、そんなものが訳出されてくるのだからこれは古典だ。神話的な幻想譚からホラ話風の軽い作品まで、神々、都市、妖精、英雄らの物語をたっぷりと味わうことができる。
●それにしてもダンセイニ作品にはいろんな楽器が登場する。たとえばプサルテリウムなんて楽器をあなたは小説でみかけたことがあるか(ツィター風の弦楽器。ギリシャ時代からあるが15世紀以降には廃れた)。ファンタジー世界に古いヨーロッパの楽器はよく似合う。
●ダンセイニの世界で、「神」の楽器として何度も登場するものがある。クラシック音楽ファンは、神の楽器といわれると、モーツァルトらの例を挙げるまでもなく、まずトロンボーンを思い出す。しかしダンセイニの世界ではオルガンなのだ。これはこれでなんとなくわかる。オルガンは人間の肉体からは遠く、クラシック系の楽器ではもっとも「機械」に近いブラックボックスだが、人間の肉体から遠いからこそ神の楽器という考え方だってあるだろうから。

September 22, 2004

Goooooooooooalとは言いがたいっ!!!!!!!

Goooooooooooal!!!!!!! GolGolGolGolGolGol Gooooooooooooooaaaalとは言いがたい~!!!!!
●性懲りもなくまたも草サッカーをやったわけである。今回は初めてのお相手で、某楽譜出版さん。「みんな初心者です」と聞いていたので油断しまくって行ってみたら、絶対初心者じゃありえねーみたいな若者さんがそろっていて(←ありがち)、こちらはキー・プレーヤーを何人か欠いていたこともあり大敗。ていうか、ワタシはまたも空振りするし(もう驚かねーよ)、屈辱のマタ抜きまで決められて(キーッ!)、意気消沈……かと思えばそうでもない。シュートを2本打てたのである程度満足。1本は完全にはずした。もう1本は、はずしていたのだが、自陣ゴールに向かって走る相手ディフェンダーにあたってオウン・ゴールを誘発した。さて、これはGoooooooooooal!!!なのか??
●感覚的にはワタシのゴールではない。枠をはずしていたし、勢い余った相手ディフェンダーが力強く自ゴールに蹴りこんだ(往年の井原を思い出す)。これをオウン・ゴールと呼ばずしてなんと呼ぶ。とはいえ、ワタシはシュートを意図して蹴ったし、思い切って蹴ったからこそクリアにならなかったともいえる。それにシュートに至るまでの過程が、偶発的なものではなく、プレーヤー間の意思の疎通が生んだサッカーらしいものだった。だから、単にオウン・ゴールとして忘れ去るには惜しい。完全にGoooooooooooal!!!とはいえないが、Goooaa!!くらいは言ってもいいかもしれない。いや、謙虚さは大事だ。Gooo!くらいを主張しよう。
●俺Gooo!、イエーイ。

September 21, 2004

ブラジルvsボリヴィア

ロナウド、キレまくり●NHKで放映されたブラジルvsボリヴィアのW杯予選をビデオ観戦。いやー、ブラジル、楽しすぎる。スコアこそ3-1での勝利にすぎないのだが、もう勝つためでもゴールのためでもなく、ただただ美しく回すパスとか、おもしろいフェイントとドリブルとか、思わず笑ってしまうようなプレイ続出で、羨ましすぎる。しかもサンパウロの10万人収容のスタジアムは、ピッチが見るからにデコボコに荒れてて、ボールが妙なバウンドで突然弾んだりする。それをブラジルは苦にしている様子がまったくない。
●サッカーには芸術点がないので、終わってみりゃタダの3-1なんすけどね。実質256-0くらいだろう、楽しさでポイント付けたら。ブラジル人はセレソンのプレイを見て、マネをする。ワタシゃあんなマネしようにもできるわけないので、バーチャストライカーでブラジル天国の再現を目指す。

September 20, 2004

ドラゴンクエスト8 空と海と大地と呪われし姫君

ゾーマをやっつけたっ!●「ドラクエ8 空と海と大地と呪われし姫君」予約受付中と。毎回待たされるので、「えっ、もう出るの?」と思ったりする。最近、ウチのプレステ2はすっかりDVD再生機になってしまっているのだが、これまでドラクエ全作コンプリートしている以上、これははずせない。
●で、新作ではどんな趣向が凝らされているのかと(ほんの少し)あちこち覗いてみたところ、キャラクターの絵が3Dアニメ化されてるとか、戦闘に「ためる」コマンドが追加されたとか書いてあるが、本質的に新しいものはなにもなさそうで安堵。基本的にドラクエ・シリーズ(以下DQ)はDQ3以降、DQ4を除いてはDQ3の自己パロディ、再生産を繰り返してきたと解している。現時点の最新作DQ7をプレイしたときも、これはDQ3の拡大されたドラクエ総集編であるという印象が強かった。それだけドラクエという原型が普遍的で完成されたものなんだろう。ワタシは新作が出るたびに毎回DQ3を期待し、その期待はほぼ満たされている。
●8bitの初代ファミコン機で大ヒットしたDQが、その後ハードウェアがこれだけ代替りしていても、相変わらず最高の人気RPGの一つとして君臨していることは驚かされる。DQはゲーム界のクラシックである。

September 17, 2004

レヴァークーゼンvsレアル・マドリッド

さーあ、あなたはハイネケンを飲みたくなる~。●欧州チャンピオンズ・リーグがもう開幕。スカパーのないワタシは今年もフジテレビの地上波頼み、当分ベッカム様のレアル・マドリッドの試合しか見れそうにない。でもまあ、十分ありがたいし、全部放映されても困る。
●で、レアル・マドリッドは真に優れたディフェンダー、新戦力のサムエルを先発させ、ロナウド、ジダン、ベッカム、フィーゴ、ラウール、ロベルト・カルロスらのオール・スター・キャスト。このスーパースター銀河系軍団が、ドイツのレヴァークーゼンにボッコボコにやられたというのがこの日の試合だ。やれやれ、どうしてこうなるか。3-0でホームのレヴァークーゼン完勝。元ブラジル代表のフランサが切れていた。このグループは同じ組にローマもいるので大変。
●レアル・マドリッドはジダンの負傷退場が痛かった。これだけスターを集めても、ジダンがいないと「楽しさ50%減」になる不思議。で、全体にダメダメだったわけだが、それでもみんな思ったはずだ。2失点目のフランサのゴールを許したベッカムのディフェンス、ありゃ何かと。ベッカムは真ん中にいるとフリーキックしか見せ場がない。右アウトサイドなら、地上最強のクロスボール職人。フィーゴとローテーションじゃダメなのかねえ……。

September 16, 2004

本屋のワナ

●ふらりと立ち寄った本屋で、以前に読んだお気に入りの本が文庫化されているのを見つけ、手にとってちょっと眺めたり、巻末解説誰が書いているか確かめたりして、中身をちらちらと見たらこれがやっぱりおもしろくて、気がつくともうほとんど読みふけりそうになるくらいに読んじゃってて、どうしてワタシは家の本棚に収まっている本をここで立ち読みしているのか。
●というワナ。

September 15, 2004

本日のお気に入りの数字は~

●おらおら、ヨタ話、吹いてんじゃねーよっ!→昨日の自分。つーか、ご指摘いただきまして、「メシアンが素数好き」っての、よく考えたらトゥーランガリラ交響曲は10楽章だし、「ハラウィ」は12曲だし、「世の終わりのための四重奏曲」は8楽章だし、「みどり児イエスにそそぐ20のまなざし」は20曲だし、偶数だらけじゃないかよっ! 要するに大きな数が好きだっただけという疑いあり(笑)。
カウント伯爵●ちっ。こうなっちゃったら呼んじゃうよ。数字のことならおまかせ、ザ・カウントことCount von Count、カウント伯爵だー! (←意味不明の展開)
●セサミストリートの「カウント伯爵」の名が、数字のCountと伯爵のCountをかけているのは大人にならなきゃ気がつかない隠し設定だが(日本人のガキにとっては)、伯爵にふさわしく種族はヴァンパイアというのは一目瞭然。しかしクッキーモンスターはいつもクッキー食ってばかりなのに、カウント伯爵が吸血しているシーンを見た記憶がない。もしクッキーモンスターがカウント伯爵に噛まれたら、やはり血を吸いたくなるのか、それともまだクッキーを欲するのか、大いに気になる(←ならねーよっ!)。
●そんなわけで、本日のワタシのお気に入りの数字は98731~!(素数、くどい)。

September 14, 2004

メシアン「彼方の閃光」

彼方の閃光●わざわざ予約して発売日に入手したのに、やっと聴いた→ラトル/ベルリン・フィルのメシアン「彼方の閃光」。メシアン好きではないんだけど、ベルリン・フィルならぜひ聴きたいというか、これまでに出ていたこの曲の録音をスルーして来たのがついに報われたとか、スゴく妙な考え方で飛びついてしまった(←絶対まちがっとる)。
●「彼方の閃光」は1992年のニューヨーク・フィル創立150周年を記念して委嘱された作品で、作曲者は初演を聞かずして世を去った。そんな最晩年の作品なんだけど、作風は「トゥーランガリラ交響曲」や「世の終わりのための四重奏曲」から遠くない。「彼方の閃光」というのは復活したものたちを照らすキリストの光のこと。が、作品に込められた宗教的黙示録的題材はとりあえず(しかし永遠に)脇に置いといて、鳥のさえずりや星の輝き、愛の歌を存分に堪能した。80歳すぎた爺さんが書く曲じゃないよなあ。こんなに濃厚な「白鳥の歌」はない。
●ブックレットでロジャー・ニコルズって人が指摘しているんだが、メシアンは奇数、特に素数に惹かれていた。3楽章、5楽章のような自然な構成はもちろんいくつもあって、さらに7楽章の「クロノクロミー」「栄光の御体」、9楽章(素数ではないが奇数だ)の「主の降誕」「ミのための詩」、13楽章からなる「鳥のカタログ」がある。だからそのあいだを埋めるべく「彼方の閃光」は11楽章であると。なるほど。この素数好きをいろんなふうに解釈することは可能だろうけど、まず「お茶目な人」だったのかなあと思った。メシアンに17楽章の曲はあるんだろうか。
●天国ではぜひ193楽章とか8779楽章の素数大作を完成させてください。

September 13, 2004

サンキュー坂田! マリノスvsジュビロ

マリノス●アジア・カップ、五輪、欧州W杯予選、欧州リーグ開幕とサッカー的に盛りだくさんの時期が続き、久々のJリーグ生観戦。国立競技場でマリノス主催ゲームの開催、相手はジュビロ磐田。
●マリノスは案外ジュビロを苦手としていない(天敵は鹿島、苦手はFC東京)。これまではいつも、技術で勝るジュビロにボールを回され、ひたすら攻められる展開になるのだが、マリノスはパワーで対抗してなんとか勝負に持ち込む。これで結構、勝ってきた。しかし今節、ワタシははじめてジュビロ相手にマリノスが中盤を支配するゲームを見た。立ち上がりこそいつもの展開になったのだが、すぐにマリノスが盛り返し、奥や坂田らのゴールで3-0と完勝。ゴールも美しかった。
●マリノスは中澤を欠いたが、松田、那須、中西永輔のスリーバックが強固で、両サイドもドゥトラ、田中隼磨が攻守両方で機能していた。短髪になったボランチ上野も健在。坂田はマン・オヴ・ザ・マッチ級の活躍。
●ジュビロは新人カレン・ロバートが右アウトサイドで先発。意外と体がガッチリしていて、スピードだけではなくパワーもありそうなのだが、対面のドゥトラに何もさせてもらえなかった。逸材だけど、まだまだ。途中からフォワードに入ったが、本来ならサイドのほうがスピードが生きるタイプだと思う。前田遼一はセンスも技術も最高なのだが、なぜか怖くない。藤田、名波、服部、中山らに続く世代の成長をどこまで待っていられるか。この日、福西の不在はマリノスにとっては大きな幸運だった。
●天気さえ良ければ、国立競技場はやっぱりいいっすね。国立を本拠とするチームは存在しないのだが、ワタシにとってのホーム・スタジアムはここだな。
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New Release Radarを更新。右上の更新案内欄、リンクを張りまちがえていたので、訂正。

September 10, 2004

付箋紙参照点

付箋紙●付箋紙をよく持ち歩いている。電車などで本を読んでいて、後から参照したい部分にペタリと貼る。本は検索できないので、付箋を貼ったりページの片隅を折ったりして、ブックマークする(そしてこれを後日参照することはめったにない)。
●ある日、地下鉄東西線を降りるときに、自分の座っていた場所に一枚の青い付箋を置き忘れたことに気づいた。うっかりゴミを落としてしまったのだから、拾っておくべきだったのだが、すでにドアは閉まり、東西線の電車は付箋と一緒に千葉方面に向かって走り出してしまった。そのときにふと思った、これでワタシはいつでも東西線のあの付箋紙を置いた車両を参照できるのではないか。電車が西船橋にいようが、三鷹にいようが、いつだってワタシは青の付箋にアクセスして、その場所を参照することができる。
●任意の時空を参照可能な付箋紙があれば、だれもがこれを持ち歩くだろう。もっとも甘美な瞬間にこれを貼り付け、後からなんどでも反芻し、味わい尽くすことができる。可笑しな瞬間に貼っても構わないし、悲劇的な瞬間に貼って被虐の喜びを感じる人だっているだろう。誰がどこに貼るかはわからないが、時空は様々な色の付箋で満ち溢れるにちがいない。

September 9, 2004

インドには悠久の時が流れていたよ。インドvsニッポン@W杯予選

インド●停電っすよ、停電。前半終わったところでスタジアムが停電。どうも電力供給不足っぽくて、10万人も客入っているのに試合が止まって、しょうがないから薄暗い中で選手たちはリフティングしたり談笑したり。これがニッポンだったらイライラ爆発でヤバいっぽいが、全然客が荒れなくて、さすがインドだ。ていうか、慣れてるのか(笑)。
●そのあいだに次から次へとジーコのところにサインを求めてくるインド人のオフィシャルやら軍人たち。ジーコの名声、インドでも健在なり。結局停電は40分くらいは続いただろうか。なんだか牧歌的な時間がまったりと流れていた。あの殺伐とした中国でのアジア・カップも国際試合なら、これも国際試合。ちなみにジーコは「停電なら慣れている」と。
●やっと電力がもどってきて後半開始、前半は1-0のリードでハラハラさせられたが、後半から追加点を重ねて4-0。このグループで一番力の落ちる相手から無事大量点を獲ることができた。ゴールは鈴木タカ、小野、福西、宮本。シリア人の主審は藤田にイエローを出すときに二枚目と勘違いしてレッドまで出しちゃうし(すぐに取り消したけど、ジェスチャーがまたややこしい)、事件の多い試合であった。印象に残ったのは、惜しいフリーキックに飛び跳ねて歓喜するインドのお客さんたち。もう爆発的に喜ぶ、ゴールしたわけじゃないのに。でも試合を楽しんでるんだから、これでいい。断然いい。

September 8, 2004

ぼくは怖くない(ガブリエーレ・サルヴァトーレス)

ぼくは怖くない●ガブリエーレ・サルヴァトーレス監督の「ぼくは怖くない」を観た。舞台はイタリア南部の小村。ほんとになんにもないような寂しくて素朴な村である。この村の少年を主人公にしたささやかな物語。素朴な村だから、人々の生き方も素朴でのんびりしていて、ああ、シンプルな生活っていいわあ、こういうところに自分探しの旅に出かけようかしらん……なーんて思ったら大まちがい。素朴な村で生きる大人は、いかにそこで生き抜くか、さまざまな困難や葛藤を抱えながら生きている。そういう大人の事情を知らない少年の無垢な目から、小さな世界を描いたのがこのイタリア映画。傑作だと思う。
●10歳の少年は遊び場の廃屋で奇妙な穴を発見する。その穴に何かがいる。化け物なのか、天使なのか。まるでファンタジーのように始まりながら、背景にはイタリアの南北問題までうかがえる筋立て。アラブ系の血をうかがわせる顔立ちの村の男たちとミラノの人たちの対比は明白であるが、しかし一方でこの小村にふりそそがれる太陽の明るさ、見渡す限りに続く黄金色の麦畑の広大さはどうだろう。単に村が貧しいだけの土地だとしたらこの話はそれほど印象に残らなかったが、村には太陽がある。だから「告発の姿勢」を強調した小うるさい映画にならずに済んだ。進退きわまって悪事に手を染めるダメ親父がかなりいい感じ。

September 7, 2004

どんなコンサートホールだよっ!

●決してコンサート・ゴアーとはいえないワタシだが、それでも都内のホール事情に疎いわけでもない、少なくとも聞いたこともないようなコンサートホールがいくつもあるとは思えない。でもなんか、最近あちこちで「えっ?」と思うようなホールの名前を耳にして、ちょっと気になってたんすよ。「コンサートホール渋谷」とか。
●で、バスに乗ったときに広告見かけてやっとわかった。渋谷だけじゃなくて都内にいくつもあるんだが、チェーンのパチンコ屋だった。わかんないって、それ。
●水曜日のW杯予選、インドvsニッポンなんだけど、試合会場となるスタジアムでは洗濯物を干している男、水道で体を洗っている男などがいて、さすがインドな異次元っぷりを発揮しているらしい(→スポナビ)。ひょっとしてダルシムとか、いる?

September 6, 2004

傲慢か余裕か。フランスvsイスラエル@W杯欧州予選

フランスは傲慢だったと思う●なんと、NHK-BSがワールドカップ予選を放映してくれるではないですか。一日一試合しか放映できないので、今日のフランスvsイスラエルは結果知らずに楽しめたけど、明日以降の試合は結果バレ必至。でもありがたい。
●で、フランスである。ジダンが代表から引退して、さらに監督も代わったフランスがどうなるか。前回(優勝国)も前々回(開催国)も予選には出ていなかったので、「ドーハの悲劇」ばりの敗退を喫した前々々回以来か。
●フランスはすっかりメンバーが変わっていた。ピレスもベンチ。キーパーはバルテズがケガなんだそうだが、なぜ第二キーパーが国内リーグから出てくるのか謎、フレイとかいるのに。いくらモナコ勢が昨季のチャンピオンズ・リーグで活躍したからとはいえ、全体に国内組が多すぎたという印象。しかもメンバーが若返っているのに、あたかもチャンピオンのごとく「受けて立つ」姿勢だった。相手のキーパーが冴えていたせいもあるが、イスラエル相手にホームで0-0というのは厳しい。
●「フランスの黄金時代」は、カントナをはじめとするスターたちを追い出して、大胆にジダンら若手を抜擢するところから始まった。そのジダンのフランスが若返りに苦しんでいる。ジダンのポジションにはロテンが入っていたが、ロテンはチャレンジャーではなかった。3-5-2のフォーメーションもフランスらしくない。なによりスペクタクルを欠くのが寂しい。

September 3, 2004

ラカトシュ来日公演チケット・プレゼント!(本物)

ラカトシュ●「ヴァイオリンの怪人」なるキャッチフレーズ、数度の来日公演、DGからのアルバムなどで、すでにラカトシュの名前はクラシック音楽ファンにもおなじみだと思う(→参照:知らない人のためのラカトシュ講座)。「クラシックからジャズ・映画音楽なんでも弾けちゃう」というアーティストはいくらでもいるだろうが、ラカトシュの場合はその毛並みの良さで他と一線を画している。ハンガリーのジプシー・ヴァイオリンの名門ラカトシュ家(っていうのがあるんです)の出、ご先祖様はベートーヴェンやリストを感動させたという伝説の持ち主ヤノーシェ・ビハリだし、ラカトシュ本人にだってメニューインやイダ・ヘンデルを魅了した逸話がある。これで華麗なテクニックがあるんだから、本格派のエンタテインメントといっていい。
●で、ジプシー・ヴァイオリンのアンサンブルなんだから、やっぱりライヴが楽しそうじゃないっすか。なぜここでラカトシュを話題にしているかといえば、それはこの秋に来日するラカトシュ・アンサンブルの東京公演に、本サイト読者様限定で2組4名様を抽選によりご招待しちゃうからだ(おお!)。11月2日(火) 午後7時開演、会場は東京オペラシティ コンサートホール。応募締切りは2004年9月20日。遠慮なく、応募してやってくれ!

>> ラカトシュ・アンサンブル東京公演ご招待 応募ページ 〆切済

September 2, 2004

いよいよ、あの超ベストセラーが!「ハンス・ホッターと冬の旅」

ハンス・ホッターと冬の旅

●いよいよ登場! 大ベストセラー連作歌曲集のシリーズ第2弾、今回のテーマは「さすらいの旅」。水車小屋に働く平凡な若者が、希望に満ち溢れた冒険の旅へと出発、冬の雪と氷と戦いながら、菩提樹で憩ったり、鬼火と戯れたり、ガール・フレンドを懐かしんで涙を流したり、郵便馬車と出会ったりと大活躍。ラストシーンでは謎の辻音楽師と対決、果たして主人公は敵の魔法のライアーが生み出す幻想と幻覚、そして孤独に打ち勝てるのか! 新境地へ到達した不朽の名作、ハンス・ホッターと冬の旅、大好評発売中!

September 1, 2004

中野にメイド喫茶

●秋葉原に次々とメイド喫茶ができているらしいが、東京でオタクの街といえば、東のアキバ、西の中野、中野にもついに一軒できたらしい(あ、そこの人、ひかない)。「まんだらけ」の本拠地、中野ブロードウェイの4階にあると。ワタシゃ用はないんだけど(笑)。
●中野は北口の書店事情が興味深い。もともとは明屋書店というオーソドックスな大型書店があったわけだが、このそばに「まんだらけ」という特殊な(笑)古書店が根を下ろし、さらに一般書店として「あおい書店」の超大型店が進出してきた(地域事情を無視したほど大型、しかも夜11時まで開いていて、採算が取れているとは思えない)。で、当然のごとく古くからあった明屋書店の客は減る。ワタシもすっかり足が遠のいた。が、ある日、久しぶりに明屋書店で買い物したですよ。そしたらなーんだか雰囲気が変わってる。改装したせいもあるけど、はたと気づいた。
●以前はレジに普通の書店員さんがいたんだけど、いまやどのレジもみんなやたらと若い女のコばかりで(たぶん10代、制服着用)、これはもしかして街のオタク化に呼応して、萌え要素を導入しようとしているんだろうか?
●つまり、これはメイド書店の誕生も時間の問題だなと思った(ウソ)。

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