●昨日ご紹介した緑色の豆(左)、これをこんがり焼き上げると右のようになるのだ。
というわけで、正解はコーヒーの生豆。これを自分で焼いた。甘みがたっぷりで、実に旨いのだなあ。技術がないので焼きムラだらけになってしまったが、初めてにしては大成功。焙煎直後は部屋中に濃厚なコーヒーの甘い香りが充満して、くらくらする。
●コーヒーは粉の状態ではもちろん、豆であっても焙煎してから日が経つと、どんどん味が落ちていく。良心的な自家焙煎のコーヒー店なら、焙煎したばかりの豆を売ってくれる。そういうコーヒーは、市販の大手メーカーの豆やフツーの喫茶店が出すコーヒーとは別の飲み物と言っていいくらい味が違う(簡単にたとえるなら、近所のパン屋がその日の朝に焼いた食パンと、スーパーやコンビニにあるメーカー品の食パンの違い)。あまりにも旨いので、いろいろな豆を飲んでいるうちに、どうしても自分でも焼いてみたくなった。
●ワタシが使った道具はこの手網。市販の焙煎器を使ってもいいのだが、100円ショップにある柄のついたザルと普通のザルを上下にあわせて、手元側を二ヶ所針金で結んだだけという、きわめていいかげんな代物を自作。これに豆を入れて、ガス台で100グラムほど焼いた。焙煎の方法は、「手網焙煎のやり方」他を参考にした。なかなか奥深そうで、難度は高め。
●焙煎器や生豆はネット通販で容易に手に入る。もし自家焙煎の豆を買ったことがないんだったら、自分で焼く前に目標地点として専門店の味を確認しておいたほうがいいだろう(もちろん豆を挽くミルは必須)。焙煎済みの豆だったら、ワタシがいつも買っているのはコーヒーモルティブ下北沢というお店。知る限り、ここがワタシにとっては最強である。生豆も少量ならここで買っていいだろうが、キロ単位で買うなら生豆の専門店(ワイルド珈琲等多数あり)で購入するとぐっと安くなる。
2004年10月アーカイブ
こんがり焼いてみたよ、自家焙煎コーヒー
意外と緑で青臭い
●ワタシの大好物なのだが、こうして生のモノを買ってみたのは初めてである。なるほど、緑色をしている。そして、青臭い。こんな匂いがするものだったのか。やっぱり植物なのだなあ。パナマ産。生だと驚くほど安いが、この後の手間を考えると妥当なところか。
●これ、わかる? 結果報告は明日。
ショパン・コンクールのサイトがオープン
●ショパン・コンクール(ショパン国際ピアノ・コンクール)の日本語公式サイトがリリースされた。コンクール概要はもちろんだが、スクリーンセーバーや壁紙のダウンロードができたり、インタヴュー・コーナーがあったり(第一回は小山実稚恵さん)となかなかバラエティに富んだ作りになっている。毎月更新していくそうなので、楽しみなことである。
フレデリック・ショパン国際ピアノコンクール
http://www.maxell.co.jp/chopin/
●新潟県中越地震義援金、救援物資ガイド。
平成16年新潟県中越地震に関する情報(新潟県)
新潟県中越地震災害義援金募集 (日本赤十字社)
エトーでエスパニョーラ!
●今年のスペイン・リーグはバルセロナが大変なことになっていて、毎試合笑いが止まらなくなるようなスーパープレイを連発してくれる(まるで昨年のレアル・マドリッドのように)。芸術点の高いゴールをロナウジーニョ中心に狙う。
●そんなスキルフルな集団のなか、身体能力のスゴさで異彩を放っているのがカメルーン人のエトー。日本でも「江藤さん」って名前があるから親しみが持てますなあ(笑)>エトー。で、そのエトーがWOWOWのインタヴューに答えていた。もうスペイン語ペラペラ。
(カメルーンの小村からマルセイユに出てきた頃を思い出して)
エトー:「あのスタジアムを見てどんなに興奮したことか。少年はどんなものになることだって夢見ることができるんだ」
(日本の皆さんに一言)
エトー:「そうそう、日本語で感謝を伝える言葉はなんて言うんだったっけな。ワールドカップの時に覚えたんだよ。えーと……、アンニョンハセヨ!」
●てめー、こら、エトー。
ビール缶を投げない、投げ返さない
●怖すぎる。→ N響でアクシデント アシュケナージ氏、指揮棒が手にささる(FujiSankei Business i)
さすがに後半のチャイコフスキーの第4番は振れなかったと。指揮棒を持たない指揮者はこういう点で安全っすね。
●微笑ましいネタを一つ。→ 気弱すぎ(at the end of the day)
憧れの有名アーティストを見かけちゃったら、あなたならどうする?
●週末のJリーグ、レッズはアウェイの鹿島戦にも勝ってしまって、ステージ優勝は決まったようなものだろう。わがマリノスとチャンピオンシップを戦うわけだが、これは頭が痛い。浦和での第2戦はチケット取れないだろうなあ。第1戦(だけ)を観にいく気はないんである。優勝決定戦の前半だけ観れて、後半は観れないっていうのは、確実に喜びも悲しみも味わえないから。各種カップ戦の決勝が中立地一発勝負なのは、こういう理由もあるからだと思う。
●鹿島本田、サポーターに殴られた(日刊スポーツ)。ちらっとNHKの映像にも映っていたが、ゴールネットのなかで本田が鳥カゴ状態。反フットボール的なり。
短い名前共演ナンバーワン
パラダイス・ブラジル
●ス、スゴすぎる。ワールドカップの南米予選、ヴェネズエラvsブラジルを見ていたのだが、ブラジルがゴール・ラッシュで5点獲った。それもただゴールしたんじゃなくて、楽しくゴールしたんである。ロナウドなんて、レアルにいるときと顔色が違う。解放されたかのごとくサッカーを楽しんでる。ロナウジーニョはバルセロナにいるときとまったく同じ表情で、同じように楽しんでいる。で、カカは天才。この3人がそろうと、他のブラジル人がかすむ。勝ち負けを超越して、夢みたいに楽しいサッカーになる。
●真にブラジルが偉大だと思うのは、5点獲った後に、2点獲られちゃうところ。やっぱりそうこなくちゃなあっ! ディフェンスがルーズになって、2点くらいくれてやってこそ王国。こういうのに「勝ったけど、ディフェンスに課題を残した」みたいなコメントを残すくらい無粋なことはないね。
秋は大砲をぶっ放せ
●雨の日が続いて、これだから秋はヤになっちゃうのだなあ。また台風発生してるし、天気がよろしくない。昨日は雨、今日も雨、明日も雨なり。
●今日知ったこと、その1:このページはブログなので、ケータイからもちゃんと読める。なので、ここのURLをコピペしてケイタイに送っておくと、PCが手元になくてもアクセス可能でもしかしたら便利かも。→ http://www.classicajapan.com/wn/ ケータイでもブックマークすれ!
●今日知ったこと、その2:陸上自衛隊朝霞訓練場にて、ホンモノの大砲を使ったチャイコフスキーの大序曲「1812年」のコンサートがある(笑)。入場整理券制なので、要事前申込。大砲は105mm榴弾砲4門(といわれてもなんのことかわからんのだが)。詳しくはこちらまで。どなたか知らないけど、これ企画した人は偉い。
「くたばれ!ハリウッド」
●「ゴッドファーザー」「ある愛の詩」「ローズマリーの赤ちゃん」らで知られるパラマウントの伝説的な映画プロデューサー、ロバート・エヴァンズの自伝映画「くたばれ!ハリウッド」を観た。劇場で見たかったのだが、見逃してWOWOW鑑賞。が、なんだか想像していたものと全然違う。主に昔のフィルムをつなげた映像に延々と頭から最後まで一人称ナレーションがかぶさっているという低予算映画で、ワタシはてっきり波乱万丈のエヴァンズの人生をドラマ化しているのかと思ったら、単なるドキュメンタリーではないですか。まるで成功した年寄りの長い自分語りにつき合わされているようなもので、居心地の悪さといったらない。あー、劇場で見逃しててよかった。
●で、この映画に落胆したのは期待が大きすぎたせいもあって、実は先に読んでいた原作の「くたばれ!ハリウッド」(ロバート・エヴァンズ著/文春文庫)は猛烈におもしろかったんである。型破りな人物が才能やらハッタリやら機転やらを利かせて成り上がったりドン底に突き落とされたりする姿を、とても率直に綴っている。ユーモアの質も高く、抱腹絶倒のエピソード多数(ナボコフの新作の映画化権をコロンビアにさらわれる話とか可笑しすぎる)。おまけに当事者ならではの映画関係トリビアも満載。ロバート・エヴァンズ時代の映画に疎いワタシですら夢中になって読んだくらいで、映画ファンだったら無限に楽しめると思う。オススメ、原作だけ。
一人で聴く人々
●先日、某在京オーケストラの定期演奏会を聴きにいって、ふと思った。クラシックのコンサートってこんなに一人で聴きに来てる人が多かったっけ? いや、今までそういうことを気にしたことがなかったのだが、しばらく前にJリーグの一人観戦率の統計を見たものだから、クラシックのコンサートだとどれくらいかなあと改めて観察してみると結構多い。一人客、全然フツーにいる。購入者ベースで余裕で25%超えてる気がする。昔より増えてないか?
●一人客だと、帰り際が寂しいっぽい。ホールから出て、スタスタと駅までまっすぐ、一人で黙って歩く。そこの人もここの人も、みんなさっきまで同じもの聴いていたはずなのに、だれもお互いに感動(や失望)を分かち合うことができない。これはもったいないことではないだろうか、コンサートの楽しみの半分は終演後にああだこうだと感想を述べ合うことにあるんじゃないだろか、うーん、たしかに身近にクラシック聴く人はなかなかいなかったりするし、シキタリもあるし値段も高いから気軽に誘いにくいし、でもみんなここに一人でいる人たちがそれぞれ寂しいんだとしたら、そうだ、こういうのはどうだろうか。一人客同士で話をする機会を設ける。ネット使って、会員組織とかにしちゃって、行ったコンサートで話し相手を見つけられるシステムを作ってみたらいいんじゃないか。
一人客ヲ:「ども。はじめまして」
一人客タ:「あ、どもども。よろしく」
一人客ヲ:「いやー、それにしても××響のトランペットはダメっすね」
一人客タ:「え、そうなの? でも感動したよ。涙出た」
一人客ヲ:「ウソ、マジ、だって管はハズしまくってたし、全体に縦の線があってなくてアンサンブルはバラバラ。だんだんヘタになってるよ、このオケ」
一人客タ:「オレは感動したんだよ、涙出たって言ってんじゃねーか。おまえウザい」
●やっぱ、このシステム、止めとこ。一人上等。
アジアだって大変だ
●ニッポン代表の勝利に安堵して、落ち着いて周りを見渡してみると、アジアにも戦国時代が訪れつつあるのに気づく。欧州同様、各国の実力差がなくなってきている。
●現在、二次予選突破を決めたのは日本、ウズベキスタン、北朝鮮、バーレーン、サウジアラビア。UAE、イラクは敗退した。現時点の結果一覧はこちら。最終戦を待たずして二次予選進出を決めた北朝鮮、バーレーンの強さは疑いようがない。
●イランとヨルダンは勝点で並んでいる。当該国同士の対戦でイランがリードしているので、最終戦に両者勝利したとしてもイランが勝ち抜けるのだが、ヨルダンがここまでイランを追い詰めている点に注目したい。アジア・カップでもヨルダンは強かった。
●韓国はアウェイのレバノン戦に引き分けて、次はホームでモルディブ戦。モルディブなんて敵じゃないだろうと思うのだが、なんと、韓国はアウェイのモルディブ戦で引き分けている。勝ち点1差でレバノンが追う。こちらも当該国同士の対戦で韓国がリードしているので番狂わせはなさそうだが……。
●クウェートと中国の組はまったくわからない。勝点でも当該国同士の対戦でも並んでいて、残りの一戦を考慮に入れても、最後は総得失点差の争いに持ち込まれそう。ここでクウェートが勝ち抜けば「じゃあ、この前のアジア・カップはなんだったのよ?」ってなことになるわけだ。中国は最終戦ホームに香港を迎えるというあたりがまた微妙な感じ。後味の悪いゲームにならないことを切に祈る。
やれやれ、無事W杯一次予選通過したよっ! オマーンvsニッポン
●敵地でのオマーン戦だったのだが、この日の勝ち抜け条件は「勝つか引き分ける」。一方で、2点差以上で負けると、事実上、ニッポンは一次予選にして早くもドイツ大会への道を閉ざされるという恐るべき現実。ジーコが何ヶ月も前に「一次予選は一ヶ国しか勝ち抜けないから大変なんだ」と言ってたっけ。1点差の負けの場合は、次のシンガポール戦も含めての総得失点差の争いになって、そうなっていたらどうなるかはまったくわからない。
●陣形は3-5-2。GK:川口-DF:宮本、田中誠、中澤、MF:福西、小野、左:アレックス、右:加地、トップ下:中村俊輔-FW:鈴木タカ、高原。序盤から圧倒的に攻め込まれるのだが、ニッポンはクリアはセーフティ・ファースト、中盤でボールを持ちすぎない、迷ったら前線に蹴り入れるといった具合に、失点しないための現実的な戦法。アジア・カップの続編を見ているようで、改めて今の代表は大人の戦い方ができるんだなあと感心。ただ、オマーンのアタッカーたちにスペースを与えすぎていたので、前半はうまくいっていたとは思えない。
●後半、俊輔の見事なクロスから鈴木タカが頭で決めてくれて、ようやく安心。これでもし1失点しても無問題。今日は高原がなにをどう蹴ってもゴールできない日。あと、田中誠が川口の後ろでゴール・ライン上に入って失点を防いだ場面がすごかった。「可能性は低いけど、もしかしたら来るかもしれない」からあそこでディフェンダーはいつもゴールに入ってカバーするわけだが、その「もしかしたら」がこういう場面で来るんだから、サッカーはマジメにやらんといかんのだなあ……。1-0で完勝。
●鈴木通訳の退場シーンも味わい深くて、あれはワタシの解釈では、主審が近づいてきたときに「ジーコが退席させられたらヤバい」と感じた鈴木通訳が、わざと前に残って自分が身代わりとなって退席処分をくらったことになっている。主審だって、ジーコにはカード出したくないだろう。田中誠と同じく、鈴木通訳は体を張った。
●しかし一次予選から大変だよなあ、W杯は。オマーン、バーレーン、ヨルダン、中国といったこれまでアジアの第二グループだった国が力をつけてきたので、「一次予選は勝って当然」なんて言ってられなくなった。
プロコフィエフのクラリネット・ソナタ?
●ネットラジオでWCNYだったかをダラダラと流していたら、クラリネットの、よく知ってるはずの曲が聞こえてきた。「あー、これ、なんだったかなあ」と漠然と思いながら聴き進めていても思い出せない。クラリネットとピアノの曲なんだけど、曲調はプロコフィエフとしか思えん、しかしプロコフィエフにクラリネット・ソナタなんかないよなあ……。
●で、最後まで聞いた後、ボッとしてたので曲名のアナウンスを聞きそびれ、さらにWCNYのサイトに行ってもわからなくて、結局自力であれはプロコフィエフのフルート・ソナタ(のクラリネット版)だったんだと判明したのだが、だれの演奏なのかはわからない。CDが出てるかと思ったんだけど、CDショップやGoogleで検索かけても、案外見つからない(ストルツマンのがあるけど、あれは伴奏がオケになっている)。もう一回聴きたいんだけど、どなたかプロコフィエフ/フルート・ソナタ(≒ヴァイオリン・ソナタ第2番でもある)のクラリネット版のCD、ご存知ないっすか? 入手しやすいとなお吉。
お前は愛深きゆえに愛におぼれる
「さ……、最後に一つだけ聞きたい事がある。愛や情けは悲しみしか生まぬ。なのに、なぜ悲しみを背負おうとする。なぜ苦しみを背負おうとする」
(「北斗の拳」第三部「乱世覇道編」~第82話 聖帝サウザー! お前は愛深きゆえに愛におぼれる!!)
●ひでぶっ! いやー、うっかり調べものしてたら、つい「北斗の拳」シリーズの全話ストーリー&奥義解説してるサイトを見つけちゃって、読み出したらこりゃもう止まらない止まらない、昔アニメで見たけど本編よりこっちのサイトのほうがおもしろいんじゃないかってくらいで、ポイント押えた要約とさわやかなツッコミぶりにノックアウト、はっと気がついたら夜が明けそうなくらい読みふけってしまったという、世紀末級に見事な自分のダメっぷり。
●「北斗の拳」って、青春ドラマなんだと思った。
台風22号超高速で去ってゆく
●ブオオオオッ! 台風22号が房総半島を暴走してます!……ふ。
●東京にも久々に大型の台風がやってきた。「ウーウー」とサイレンが鳴っていて、なにかと思ったらどうやら川の増水警報らしい(ネットで知った)。ウチのすぐそばに小さな川があって、これは普段「えっ、川? っていうか溝くらいじゃねーの」ってくらいに水がちょろちょろと流れているだけなのだが、台風のピーク時にはものすごい濁流になっていて驚いた。水位は路面まであと1メートルくらいにまで迫っていて、流れも激しく、ガードレールがあるとはいえちょっと近づく気になれない。
●しかし、この台風はやたら速くて、あっという間に去っていった。近所のスーパーでは、台風の来る夕方までに野菜がすっかり売り切れていたらしい。
気になる部分(岸本佐知子)
●先日、当欄にニコルソン・ベイカーの「中二階」についてのエントリーを載せた。で、そのニコルソン・ベイカー作品の翻訳者である岸本佐知子のエッセイ「気になる部分」(白水社)を読んだのだが、これがもうムチャクチャに可笑しいんである。翻訳についてのエッセイではなく、日常にひそむ「気になる部分」をマイナー者の視点で観察したもので、その鋭さとヘンさ具合がすばらしい。翻訳小説読んで作者を「なんてこりゃ変わった人なんだろう」と思うことはいくらでもあるだろうが、その翻訳者の本を読んで「この人のほうがもっとスゴいかもしれない」と思える体験はめったにない。
●たとえば最近、巷で聞く「ポジティブ・シンキング」とやら。これを元来ネガティブな人間がやれば早死にするだけだと看破し、積極的なネガティブ・シンキングを勧める。
いらい私は、心ゆくまでひがんだり、くよくよしたりすることに決め、あまつさえこれを一つの趣味にまで高めていったのである。(中略)
私のお気に入りのガミネタの一つは、<飲食店で邪険にされた思い出>のパターンである。特に新宿のTというおでん屋、ここの夫婦はなぜか私を目の敵にしており、私の注文は必ずといっていいほど聞こえないふりをするか忘れるかし、ある竹輪麩を「ない」と偽ったりするのである。(中略)<自分だけ仲間はずれにされた>もよく効くネタだ。何か月かに一回定期的に開かれる食事会に呼ばれていたのだが、半年ほど連絡がなかったので、メンバーの一人に「あの会、最近どうしちゃったんだろうね?」と訊いたところ、口ごもり、目を逸らされた。私抜きでちゃんとやっていたのである。他に<旅先でボラれた><自分の並ぶ列が必ず一番遅い>なども定番である。そうやって、その時の気分に応じて好みのネタをセレクトし、心ゆくまでひがみエクスタシーを味わったあとは、すっきりとした気分で安眠でき、朝の目覚めもさわやかで、体調もすこぶるいい。(「私の健康法」~「気になる部分」より)
●すっごく頭のいい方なんだと思ったです。脱力しつつオススメ。
ニッポンvs韓国@U20アジア・ユース選手権
●マジすごいよ、大熊監督。また120分間叫び続ける驚異の声帯は、ニッポンのレベルを超えてる。
熊 「おい、かずま! かずま! ********よっ!」
か (え、聞こえないんだけど)
熊 「かずま! かずま! なんで*******だよっ!」
か (わー、監督、聞こえないっすー)
熊 「おいおいおい! かずま! かずまだよっ!」
か (それ聞こえたけど、オレ、なにすりゃいいのさ)
熊 「おーーーい! かずま! ********よっ!」
か (わかんねーけど、とりあえず、走っとこ)
●つうか、森本なんて、まるで監督の指示を相手にしていない気がする。
●宿敵韓国に関しては、この世代ではいつもほとんど歯が立たない。そんななかで1点ビハインドの後半ロスタイム、森本の突破から、渡辺のゴールが生まれたのは見事。さらに延長に入ってからも1点リードされるが、再びロスタイムに苔口のクロスから平山のヘッドで決めて再度追いついたんだから、これはスゴい。結局PKで韓国が決勝に進んだとはいえ、得たものはニッポンのほうが多かったと思う(ワールドユースへの出場権はすでに得ているので、言えることなんだけど)。先発の平山とカレン、兵藤を残したまま、森本、渡辺の攻撃的な選手を投入する采配が結果的に実を結んだ。
●韓国側には「ニッポン戦は簡単に勝たせてくれない」という印象を与えられたと思う。ただ、パワーとスピードで韓国がニッポンを勝っていたのはまちがいない(若年層ではいつものこと)。10番や8番など若いタレントが順調に育ってきている感じ。
●前回のPK戦でも思ったんだけど、ニッポンは増嶋みたいに上を狙って蹴ってくる選手が結構いてびっくり。狙ったところに行けばめったに取られないけど、その代わりはずしやすい。前のユース世代と同じで、すごく自信があるというか、強気。ちょっと前までフル代表でさえカズや井原が「思い切ってドン!」だったのに、いまやユースのバックの選手が上を狙って蹴って来るんだもんなあ。お前らはブラジル人かっ! 今日は増嶋ははずしちゃったけど、進化してるっす。
スキャナーズ 1,2,3 (クローネンバーグ他)
●昔、スキャナーズごっこをやらなかっただろうか。映画「スキャナーズ」の第1作(これのみデイヴィッド・クローネンバーグが監督)は1981年の作品だが、その後テレビでも繰り返し放映されている。サイキック同士の対決で、顔面に血管をブクブクと浮かび上がらせるシーンとか、衝撃的な「頭がボーン!」のシーンだとか、かなり話題になった記憶がある。これ見ると、嫌いなヤツの頭をジッと見つめ、念じてみたくなるわけだが、やっぱり何も起きない(笑)。
●で、その「スキャナーズ」の1,2,3を改めて見ていたのだが、シリーズものの宿命というか、第1作目が圧倒的に傑作で、監督が変わった2以降の劣化ぶりがすさまじい。1はショッキングなだけではなく、独特のポエジーあり、マイケル・アイアンサイドの怪演あり、オチありと完成度が高い。2は「普通のエンタテインメント」を目指した作りで、傑作とはいいがたいが、しかしまあフツーはこんなもんだ。ある意味、これはこれで職人的によくできていて、まだ見られる。3になると「普通のエンタテインメント」としてもすっかり失敗していて、開始20分で挫折してしまった。どーしてスキャナーがタイで僧侶と修行してるんだよー(涙)。
●DVDは1~3のBOXセットなのが凶悪。1だけでよかったんでは。
ニッポンvsカタール@U20アジア・ユース選手権
●危なかった。あわやワールドユースの出場権を逸するところだったのだ。もしワールドユースに出られなかったら、かつての「谷間の世代」のどこが谷間だったんだって話になりそうなくらいヤバかった。しかも、
日本 0-0(PK 5-3) カタール
っていう結果はかなり幸運だったと言わなきゃならん。カレン・ロバートが試合後に言っていたように、カタールのほうが強かった。体格差をかなり感じたし、技術や積極性などでも一枚相手が上手。
●日本のツートップは平山とカレン。平山は高さで相手を圧倒できないと苦しい。カレンはシュートに持ち込む積極性がないのが気になるが、デキは良かった。カレンは馬力があって(歳とると太るタイプと見た)、突破力は案外なく、精力的な守備とチームプレイが持ち味で、ゴールに向かわない。実はフル代表でいえば鈴木タカの役割に近い気がする。
●あと大熊監督がやっぱりスゴいと思うのは、これだけ試合してて、しかも延長に入って120分叫び続けているのに、全然声が枯れない(笑)。試合終了後には「クマの目にも涙」で、この人は地で熱血漢なんだと思った。東京ガス時代の驚異的な実績も含めて考えると、40歳にしてこれだけの経験と実績を積んだ日本人監督はいない。いつかはフル代表を率いて、ワールドカップにも出場し、世界の中心で「ノーファール、ノーファール!」を叫んでほしい。
ヴァルトビューネの野外コンサート
●ヨーロッパの音楽イベントで「東京にもあったらいいな」と思うのは、ウィーンのニューイヤー・コンサートでもなければ、ザルツブルクの音楽祭でもなく、ベルリンのヴァルトビューネで行われる6月の野外コンサート。夕方からピクニック気分で芝生に寝転がって、持参した飲み物や弁当を口にしながら、チャイコフスキーやガーシュウィンを楽しめるなんて最高じゃないっすか。演奏会中に日没するという趣向もすばらしい。
●ってのを、NHK-BSで放映されたヴァルトビューネ2004(ラトル指揮のチャイコフスキー・ナイト)を見ながら思ったんである。続いてヴァルトビューネ2003(小澤征爾指揮のガーシュウィン・ナイト)も放映された。小澤征爾のガーシュウィンはすでにDVD化されている。ラトルのチャイコフスキーもすぐに出てくるのだろう。ラン・ランの独奏でチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番でスタートしたのは、この種の演奏会としては重すぎるような気もしたけど。ピアノ協奏曲第1番第1楽章の終わりで拍手、「くるみ割り人形」は「トレパーク」が終わって拍手といったふうに、客の作法も自然でいい。盛り上がったとこで拍手。喉が渇いたらなにか飲む。リラックスした姿勢で音楽を聴く。全部普通のコンサートでは禁じられている。
●で、これと同様の企画を東京で実現させるのは無理なんだろか。既存の野外ステージで、緑が深くてなおかつ収容人数の多いところなんてあったっけ? 通常のコンサートを超える大勢の人数を野外で集めるのであれば、常套手段としてはスタジアムを使うという手があるが(昔、野球場でオペラとかやったなあ)、スタジアムには、肝心の「緑」がない。ピクニックなんだから、目を潤してくれる緑がなければ論外。ベルリンでは6月開催だが、東京でよい季節といったら5月だ(秋だと日没以降、薄ら寒くて侘しくなる)。5月なら濃やかな新緑を楽しめる。風も気持ちよい。
●東京には美しい公園も、広い公園(←日本の基準で)も豊富にあるんだけど、客が座るための傾斜面の確保が難しそうだ。どこかいい場所を見つけて、在京オーケストラが企画してくれないすかね。あ、ベルリン・フィル呼んだりしちゃダメっすよ。高額チケット買ってピクニック・コンサートっていうんじゃブラック・ジョークにしかならんので。
仙台ジェンキンス
●すごいな野球界は。いつの間にか株式会社ライブドアベースボールなんていう法人まで立ち上がっていて、球団名を公募しているではないか。堀江代表曰く、「チーム名には、『仙台』や『東北』という名前を使う予定です」と。
●でさ、この球団名ランキングの途中経過なんだけど、現時点での上位3つだけ紹介しておくっすよ。
1位 仙台ジェンキンス
2位 浦和レッズ
3位 楽天
●もー、腹痛え。3つともいいけど、3位「楽天」に入れるヤツは鬼だ。
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