November 16, 2004

「コラテラル」 マイケル・マン

コラテラル●映画「コラテラル」を観てきた。「コラテラル」って言われて意味わかる? いやー、ワタシはわからなかったなあ。「巻きぞえ」って訳しちゃダメなんだろうか。
●で、なにがどう巻きぞえかというと、タクシーの運転手(ジェイミー・フォックス)がたまたま殺し屋(トム・クルーズ)を乗せてしまったために大変な一夜を過ごすことになったという話。手に汗握って2時間スリルとサスペンスを存分に楽しんで、その2時間後にはさっぱりなにを観たか忘れてしまうような映画で、これはこれで満足。
●とはいえ、おそらく脚本家はもう少し奥行きのある話を想定していたと思う。本来この物語の主人公はタクシーの運転手である。リムジンタクシーの経営者になるという夢を抱き、「タクシー・ドライバーは仮の仕事だ」と12年間も自分で自分についたウソを信じながら、漫然と歳だけ重ねてしまった男。その男が、巻きぞえを食らうことで、初めて自分のすべてを賭けて人の命を救おうとし、なにかを成すというのが話の本筋だろう。ただ、殺し屋役にトム・クルーズが配されてしまったため、すべて彼を中心にフィーチャーせざるを得なくなって、こういう映画になったと。ジェイミー・フォックスとトム・クルーズが役を交換して撮ってたら、だれだって「ダメ男の覚醒の物語」と受け取ったんじゃないだろか。

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