●なんか今朝は寒いなあ、暖房が効かないなあと思っていたら、なんと、雪が降ってるではないですか。気温2度(げげっ)。大きな牡丹雪が次々と降ってきて、あっという間に地面は真っ白、少し積もりそうな勢いである。ニュースを見たら、「平年より4日早い初雪」。あれ、たったの4日なのか。今年は暖冬だったためか意外である。というか、そもそも東京はめったに雪が降らないという認識なので、平年と言われてもピンと来ない。
●さて、あれこれとたまってる仕事やら用事やらを片付けつつ、あわただしく年越し準備に突入するかなっと。
2004年12月アーカイブ
都心に初雪
チョン・ミョンフン指揮東京フィル「第九」期間限定無料配信中
●以前にもご紹介したso-netのWonder Jukeにて、現在チョン・ミョンフン指揮東京フィルによるベートーヴェン「第九」特別演奏会の映像が無料で配信されている。もちろん全曲配信。期間は2005年1月31日まで。
●これは昨年2003年の年末にインターネット生中継されたときの公演なのだが、今回Wonder Juke Classicの一周年を記念して、再度オンデマンドで配信されることになった。非会員の方でも自由に視聴できるので、一度試しにご覧になってみては? フツーにネットで音楽を楽しめるのだということを実感できると思う。要Windows Media Player、要ブロードバンド環境。
師走年末ビジー年の瀬
●ていうか、フツーに大変すよ、年末。みんなどうしたって12月は忙しい。仕事だって年内最終日へカウントダウン状態、家の中は大掃除待ち、年賀状はどうする、鏡餅と門松の用意はどうした(いや飾らないけど)、クリスマスは猛スピードで通り過ぎ、帰省ラッシュとかもあるし、世間じゃヤな事件は相変わらず続発してるし、あ、ゴミの日の最終日はいつだっけ、髪も切らなきゃな等々、一般的に暮れはやることが多いんである。あちこち行かなきゃいけないし、カジノにも行きたいし、船に乗ったりパンサーに乗ったり、小さなメダルも集めなきゃいけないし、宝箱探したり、経験値も稼がなきゃいけなくて、モンスター闘技場に行ったりとか、錬金釜でアイテム合成したりとか……は、いけね、気がついたらドラクエ8してるじゃん、ワタシは。
ウィーン金貨ハーモニー・プレゼント2005
●メリクリ! 今年もやります! ウィーン金貨ハーモニー・プレゼント2005。ウィーン・フィルをモチーフにデザインされたオーストリア造幣局発行の純金地金型金貨「ウィーン金貨ハーモニー」1/10オンス(時価5000円相当)を、CLASSICA読者5名様にプレゼント。オーストリア造幣局駐日事務所様ご提供。応募はこちらから。
●気がついたらこのプレゼント企画もこれで5回目。毎年のように開催している。最初の頃はワタシも「え、ウィーン金貨? なんですかそれ?」みたいな感じだったのだが、最近は新聞広告や経済記事でもしばしば見かける。装飾品っていうだけじゃなくて、資産の投資対象だったんすね、金というのは。無縁なので全然ピンと来てなかったかも。
●抽選は完璧にランダムです。ふるってご応募ください。
監督力(西部謙司著/出版芸術社)
●最近、サッカー・ライターのなかで、ワタシがいちばん読んでておもしろいなと思えるのが西部謙司さん。文章が平易で巧く、安心して楽しめる。確かな視点で新しい知見を与えてくれて、文章から伝わる人柄もいい。スポーツ・ジャーナリストでこれらの条件すべてを備えた人はほとんどいないっすね。
●「監督力」は、あちこちに書かれたものの寄せ集めなので、一貫した監督論などではないのだが、サッカー話として監督の話ほどおもしろいものもない。たとえばマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルの違い。この二つが対照的なクラブであることはわかる。ワタシは漠然としかその違いを把握していなかったのだが、これを読んで霧が晴れたようにすっきりとした。「威張るマンチェスター・ユナイテッド」の章で、彼らの典型的な攻撃スタイルを例に挙げて、こう説明する(ベッカム在籍時の話)。
まず、ファーディナンドからファンニステルローイへの”くさび”、ここがすでにイバっている。ファンニステルローイの半径10メートル以内に誰も寄りつかない。つまり、このパスコースはみえみえなのだ。みえみえでも必ず通す、背負っているディフェンダーとの1対1なら必ずボールを守って見せるという自信。助けはいらん、邪魔だ寄るな、という自負。
次にイバってるのがベッカムだ。この人はウイングのくせに、ドリブルもしなければフェイントもやらない。止めて蹴る、ほぼこれだけで右サイド世界一の大イバリであった。さらに、ベッカムから絶対にいいクロスが来ると確信してゴール前へ殺到する選手たちもイバっている。
つまり、マンチェスター・ユナイテッドの強さは、個々が持つ強力な武器をもとにした「決め打ち」の強さで、アーセナルの流動的でフレキシブルなスタイルとは対照的である、またそれはファーガソンという昔ながらの頑固オヤジと、ヴェンゲルのような卓越したマネージメント能力を持つ戦術家との対照性にも呼応している、というお話。
●ほかにもチェルシーでなぜ(一見ダメそうな)ラニエリ元監督が支持されていたかとか、目からウロコ。
憧憬スポーツ中継
●最近、深夜のNHK-BSでアメフト中継をよく見かけるのだが、これくらい不思議なスポーツはないっすね。いったいどうしたらこんな複雑なルールの競技が発生するのか、謎すぎ。分業化が徹底していて、プレーヤーの半数以上はほとんどボールに触る機会がなさそうなのがスゴい。
●で、この種の日本じゃまだそんなにメジャーじゃないスポーツ中継に欠かせないのが、分野限定でおなじみのやたらと詳しい解説者さん。海外の最新事情に詳しく、一般視聴者には想像もつかない戦略や戦術を説明してくれ、各選手のプレイスタイルを熟知していて、しかもほぼ例外なく熱い。メジャーじゃないゆえに熱い。熱くて、深い。アメフト、アイスホッケー、バスケ、ボクシング、どんなスポーツにも一人くらいは、こういう頼りになる解説者がいて、ワタシら蒙昧な視聴者にそのスポーツの魅力をパワー全開で伝えてくれる。こんなカッコいい存在があるだろうか、いやない(きっぱり)。
●ワタシは強く憧れるのだ、いつかマイナースポーツに精通して、その道の専門家としてNHKから解説を依頼されたらどんなにすばらしいだろうか。
「こんばんは、アフリカン・セパタクローのワールドシリーズ第1戦の中継をお届けします。解説は日本アフリカン・セパタクロー協議会東京支部のiioさんです。今日のンジャメナ・ファイターズとンゴロンゴロ・ホッパーズの対戦、みどころはどんなところでしょうか?」
「これはですね、高さとパワーに勝るンジャメナを、ディフェンス力のあるンゴロンゴロがいかに抑えるかというところですね。特にンゴロンゴロのラウラウ選手、近年ナイジェリアのフル代表にも招集されましたが、瞬時にディフェンス陣形をコントロールするプレイスタイルが注目されておりまして、リフト成功率で世界歴代2位に入っているんですね。ンジャメナのエース、ムカタリ選手の左足のスパイクは時速150kmと強烈ですから、ラウラウ選手との対決は見ごたえがあります。それとンゴロンゴロのフディウエド選手のサーブにも注目してください。軸足と交差させるように右足のアウトでスピンをかけてくるスタイルはほかの選手にはまねできません。蹴る瞬間の、彼の軸足の向き、これにぜひ注目してください!」
●みたいな。ああ、想像するだけでも悶絶級に憧れる。あ、アフリカン・セパタクローなんて、実在しないっすよ、念のため。
米グーグル、大学や公立図書館の蔵書をデジタル化
●米グーグル、図書館の蔵書を検索対象にする計画を発表。図書館の文献が遠隔地からもアクセス可能、検索までできるというのは革命的である。このニュースはTVでも放映されていた。自動ページめくり装置つき超高速スキャナで、蔵書をギュンギュンとデジタル化していくんである。すっごい速さ。しかもビットマップとしてスキャンしているのだが、ちゃんと検索できるのだ!(もちろんそうじゃなきゃ使いものにはならないわけだけど)。ニュース映像を見たところでは、普通のローマン体はもちろん、イタリック体で印刷された文字もちゃんと認識していた。どういう仕組なんでしょうか。これと同等のことを漢字文化圏でやろうとすると、技術的な難度は数段階上がるんだろうなあ。
●インターネット関連のテクノロジーは「英語中心の世界」を加速化すると嘆いていた人がいたけど、これもその現象の一端といえるのだろうか。
ニッポンvsドイツ、マリノスvs草津
●ニッポン 0-3 ドイツ。あらゆる面で完敗。ホームゲームとはいえ、こちらはシーズン終了した国内組と海外組二人(うち一人は試合に出てない)。しかも国内組にも主力を何人か欠いて、これくらいのメンバーでシーズン中のドイツと戦うと手も足も出ない。相変わらずフィジカルの強い相手と戦うと、なかなかシュートにすら持ち込めないわけだが、まあ、それはしょうがない。
●むしろメンバーからいってもW杯予選への強化にもなりようもなく、かつバックアップメンバー選抜の試合としては相手がワールドクラスで強すぎ。集金試合ならそれはそれで構わないのだが、だったらアルゼンチン戦のように華やかな相手を呼んでほしいもんである。いかに優れた選手とはいえ、バラックやクローゼなんか見たいかなあ? あ、でもこれはドイツ・サッカーへの偏見か。
●しかし悲惨なのはマリノスっすよ。天皇杯、退場者が二人も出たザスパ草津に延長Vゴールで負けますか。チャンピオン・チームが、3部リーグ3位の相手(退場者2名)に負けると。はぁ? なにそれ。
●日本サッカー史に残る番狂わせだな……というのはウソ。確かに二人多くて負けたのは酷いが、あそこに出てきたマリノスは控えメンバー、若手や新人だらけ。大橋、山崎、山瀬(弟)、尾本、北野、榎本テツのような実績のないマリノスの選手と、実戦経験を十分積んでモチベーションも高い草津の選手では、後者のほうが強いんである。たとえ奥とドゥトラがいても、どうにかなるものではない。ベンチやサテライトといった温室で育成されている選手たちよりも、3部でも目標を持って毎試合公式戦に出ている選手のほうがずっとたくましい。
クリスマス特集!須栗屋敏のミスティック星占い
●街はクリスマス一色。いやあ、ウチもなんかクリスマス企画でもするかなー、今だったら占いとか? うん、やっぱ占いだな、星占いにしよう。
●ってことで、猛烈最強に投げやりなクリスマススペシャル企画、「須栗屋敏のミスティック星占い」っていうのを作ってみた。とりあえずクリスマス用に作ったけど、2月になったらバレンタイン特集として流用しようっと。
エリオット・カーターの弦楽四重奏曲
●エリオット・カーターの弦楽四重奏曲全曲演奏会(第一生命ホール)を聴いてきた。演奏はアメリカのパシフィカ・クァルテット。弦楽四重奏曲第1番から第5番まで一晩で演奏してしまうという恐るべき企画で、しかも作曲者のインタヴュー・ビデオの上映まであって、近年ニッポンでこれほどエリオット・カーター密度が高まった時空がほかにあったであろうか、いやない。
●クラシック音楽ファンの間でも、こういう「現代音楽」らしい現代音楽つうかゲンダイオンガクの話題はなかなか通じない。ていうか、クラシック音楽ファンに通じなかったら、誰に通じるのだって気もするが。なので開き直って、自分向けの寝言をメモしておこう、帰宅が遅くなって時間もないし。
●カーターは現代音楽村のなかでは穏健派なんだけど、調性も明快なメロディもない音楽なので、一曲演奏するごとに聴衆の数が減ってしまう(比喩じゃなくてホントに)。現代音楽全般に言えることとして、これを「まだ×××の音楽が十分に受容されていない」的な言い方がされることがあるが、30年経っても50年経っても受容されていないのは、「まだ」なのではなくて、「もう」来ないと考えるのが自然だろう。実際「まだ」どころか、「ゲンダイオンガク懐メロ」的な側面があると思った。しかし偉大な作曲家への敬意を欠くのはまちがいで、たとえばカーターの音楽に大きな慰めを得る精神というのは確かに存在する。個人的には無調の音楽は若者のための音楽だと思っていて(感受性が未来に向かって開かれているからでは決してない。ある種の余裕があるから受容できる)、仕事や勉強ではなく自分の楽しみにエリオット・カーターを聴くのは主に20代までじゃないか、根拠レスだけど。5曲のなかでは、第4番がいちばん安心して聴けて他人に薦めるならこれ。少し力の抜けたような第5番もいい。第2番と第3番はおもしろいけどそろそろもう疲れる、第1番は長すぎ(40分)。文脈が追えない長い作品はどんな曲でも退屈してしまう。あと、一晩で全曲演奏したパシフィカ・クァルテットは化け物。
トヨタカップvs天皇杯
●今サッカーイベントが集中する時期で、日曜の夜は民放がトヨタカップ生中継している裏で、BSでは鹿島アントラーズvs川崎フロンターレの天皇杯録画中継。どっちを見ようかと少し悩んだ末に、天皇杯のほうを見た。川崎が2点をリードして番狂わせかと思いきや、鹿島が3点取って大逆転。お互いに攻撃的で見ごたえがあった。トヨタカップよりこっちのほうがプレイの質も高かったんじゃないのかなあ(暴言?)。
●しかしトヨタカップが今年で最後なのは感慨深くもあり、同時に「役目は終わった」感も大あり。これまで何度も世界的名プレーヤーを生観戦させてもらったので愛着もあるが、一方で舞台が国立競技場から悪名高い横浜国際へ移され、スーパースターのいないFCポルト対オンセ・カルダス(知らない、そんなクラブ)というカードにゴール裏7,000円(信じられない!最高席15,000円)などという価格設定がまかり通るようになってしまっては、もはやこれはあの「トヨタカップ」とは別物としか思えない。
●以前、トヨタカップで現役最晩年のトニーニョ・セレーゾがプレイしたのを見た、サンパウロの。これは歴史だ。客席ではみんなオペラでも観に来たみたいに静かに観戦し(笑)、いいプレイが決まったらアリアの後みたいに拍手していた。スローインのボールを取りに来たパパン(ACミラン、フランス代表のエースストライカー)にだれかが「ジャンピエール!」って叫んだら、パパンは片手でガッツポーズ作って応えてくれたっけ。さらばトヨタカップ、静まり返ったスタジアムよ。
赤組の完全包囲より無事帰還、マリノス連覇!
●つ、疲れた……ぐったり。いやあ、しかし良い経験をさせてもらいました。はるばる埼玉スタジアムへ出向き、チャンピオンシップ第2戦。試合開始前に駅からスタジアムまでの間、大勢のガイジン&日本人が「一枚1000円、この日のためのレッズ・マフラー」とやらを販売していた。
●ワタシのチケットはコーナーフラッグ近くの「アウェイ側指定席」である。これが大誤算。やられた。その指定席に行ってみたら、前も後ろも真っ赤で WE ARE REDS!!!! WE ARE REDS!!!! の大合唱。熱い、熱すぎる。座席に赤い旗まで置いてある。ワタシにこれを振れというのか?? マリノス・サポはいずこへ。この屈辱、わかりますか。
●ワタシは一瞬ムッとして、毅然として立ち上がり周囲の異教徒たちに向かって、大声で叫んだ、「さあ、みなさん、みなさんはまちがってます、いっしょに歌いましょう、エフーマリ~ノス! エフーマリ~ノス!」……ウソ。できるわけねーよ。もうひたすら黙って耐えた。マリノスのピンチにもチャンスにも、一言も発せず、耳をつんざくような大音量でレッズの歌をうたわれても一切無視。よく観察すると、たしかにポツリポツリとこの「アウェイ側指定席」に同胞がいるようである(赤くなくて、拍手のタイミングが周囲と違う人たちが)。しかしこれではワタシはいかなる感情表現も許されないではないか。
●これはワタシの失敗である。相手がレッズなんだから、ゴール裏以外にマリノス・サポが生きていける場所はない。そして、「アウェイ側指定席」にもかかわらずチケット争奪戦に負けたわれら非ゴール裏派マリノス・サポが情けないんである。このままではあんまりだと、ワタシはハーフタイムにゴール裏へ移動しようと思った。
●ところがそうはいかないんだな、これが。マリノス側ゴール裏とこちらの席とのあいだには空席の緩衝地帯が設けられている。そして、こちら側からゴール裏へ通ろうとしてもあいだにはずらりと警備員が並び、一部機動隊まで控えていたりする。おいおいっ!ワタシゃホントはそっち側の住人だよ、救い出してくれよ! もう味方からも見放され、敵陣のなかに見捨てられた気分である。これで120分プラスPK戦。
●試合内容は第1戦の続きのようで、マリノスは耐えて守って、ボールをとったら坂田めがけて大きく蹴るような、泥臭いサッカーをしていた。0-0で終わって勝てるかなと思った後半、中西エイスケが退場、アレックスにフリーキックを決められ追いつかれた。これでもうダメかと思ったが、レッズは一人多くなった割にはマリノスのディフェンスを崩しあぐねていた。こういう押されながらも守りきるサッカーは本来マリノスのお家芸でもあって、久保、アン、遠藤、ユら怪我人だらけのチームにとって唯一現実的な対抗策であったとも思う。
●PK戦に入るとき、レッズのGK山岸が自ゴール裏のサポを大きなジェスチャーで煽っていた。これを見たとき、「もしかしたら勝てるかも」という気になった。あれはキーパーの緊張の裏返しというか、重圧で自信が揺らいだから煽ったのだと解した。とはいえ、PKの本質は「抽選」っすね。どちらが勝ってもおかしくなかった。
●ワタシはどっちが勝っても試合終了したら即座にスタジアムを脱出すると決めていた(満員の埼玉スタジアムでぐずぐずしていると駅は大混雑する。しかもヘタすると終電なくなる)。負ければ用はないのは当然、勝ってもこんな真っ赤な場所にいては選手と喜びを分かち合うわけにもいかない。最後のキッカー、ドゥトラ(反対側の席からは山崎か田中ハユマに見えた。謎)が蹴ったボールがネットに吸い込まれたのを確認した瞬間、出口へダッシュした。出口のところで若いカップルが飛び上がって喜んでいた。ほんの少しだが、マリノス・サポもいるにはいるんである。ワタシも「うおっしゃー!」と一言だけ叫び、うなだれるレッズ・サポーターたちを背にして走り去った。
ワールドカップ2006アジア最終予選組合せ決定!
●ついにワールドカップ2006ドイツ大会のアジア最終予選組合せが決定。アジア枠は4.5ヶ国。各組2位までは自動出場。A組とB組の3位がプレイオフにまわり、その勝者が北中米カリブ海予選4位とさらにプレイオフを行う。
グループA
クウェート
ウズベキスタン
サウジアラビア
韓国
グループB
北朝鮮
バーレーン
イラン
日本
●ウワサ通り、北朝鮮がニッポンのグループに入ってきた。しかも初戦である(ニッポンのホーム)。アジアで急伸する注目株バーレーン、カリミらの優れたタレントを擁するイランといずれも強国ぞろい……なんだが、最終予選なんだからこれくらいは当然。特にどちらが弱い組とも言えない。個人的にはウズベキスタンが向こうに行ってくれてよかった(フランス大会予選のアウェイ戦を思い出す)。
●で、パッと見れば、どう考えてもB組はニッポンとイランが勝ち抜けるだろうと思ってしまうわけだが、そうそう簡単には決まらないのがW杯予選。「ニッポンはイランとは五分だが、あとは全部勝てるだろう」なんてことにはならない。フランス大会の予選で、いったい何度新聞に「ニッポンW杯出場絶望的!」と書かれたことか。2勝1敗3分くらいで2位通過とかでも十分。フランス大会の予選では、最初の6試合を終えた時点で1試合しか勝ってなかったことを忘れずに(→こんな感じだった)。
ゲルギエフ/マリンスキー劇場、「指環」4部作来日公演
●ゲルギエフ指揮マリンスキー劇場によるワーグナー「ニーベルングの指環」来日公演、現在チクルス券先行予約受付中……って、これ2006年1月の公演なんすけどね(笑)。さすが、4日間にわたる超大作オペラ、あらゆる面でスケールが大きい。来年のことを言うと鬼が笑うというが、再来年のことはどうなんだろか。ちなみにお値段はS席¥168,000~C席¥104,000(もちろん4日分)。今から買うと、2006年1月にはうっかり忘れちゃったりする方もいないかと他人事ながら心配だ(←いねーよ)。
●写真を見た感じでは、演出はむちゃくちゃ尖がったものではないようだ。つまり、舞台にTVモニタが並んでたりはしないし、登場人物がスーツを着用していてたりもしない。抽象化された簡素なものでもない。巨大な像が立ったり傾いたりしてて、これがシンボリックに神々の世界を表現しているのかなあ、と。
「泳いで帰れ」(奥田英朗著/光文社)
●小説だけじゃなくてエッセイもたいへんにおもしろいんである、この方は。「小説宝石」に掲載された『「野球の惑星」日本代表観戦記(アテネ・前後編)』を「泳いで帰れ」と改題して単行本化。あのアテネでだれも予想していなかったところで敗退してしまった長嶋ジャパンを追いかけつつ、五輪という大運動会をきわめてまっとうなスポーツ・ファンの視点で眺めている。笑いどころ満載(おっさんノリだけど)。
●が、笑いのなかにも批評性あり。スポーツ・ファンとして現場で各国のファンと共有できるものは多い一方で、試合や競技そのものと日本のメディアが作り出す予定調和的な人間ドラマ・スポーツ主義が救いがたく乖離している様子など、よく伝わってくる。野球がテーマなんだが、サッカーにもかなり通じるものがある(2002年のW杯とか)。
●たとえば、長嶋ジャパンに向かって「感動をありがとう」のボードが掲げられたときに抱く野球ファンの失望。容易に想像可能。野球に限らずスポーツ・ファンはいつもこういうのに歯軋りしながら、だれに向かってかわからないが「ゴメン、これ、そういうんじゃないから、ホントは違うから」と心の中で必死に釈明しているもんである。
●とか言いながら、本筋とは無関係にウケたところを引用してしまうのだ。日本がカナダ相手に送りバントを繰り返しつつ大量点で勝利して銅メダルを獲得したその日、試合後にアテネのコリアン・レストランに入った場面。
隣のテーブルに、絵に描いたような大手広告代理店の日本人二人連れがいて、非常にうるさい。一秒たりとも黙っていない。業界人のこのテンションの高さは何なのか。沈黙がそんなに怖いのか。関係者でいることがそんなにうれしいのか。
などという八つ当たりを心の中でしながら、ビールを追加。こっちは口を利く元気もない。
●あー、しみじみ。笑。
「街場の現代思想」(内田樹著/NTT出版)
●あまりにすばらしすぎて、再読しようと思ったために紹介し損ねていたのだが、やっぱりオススメしておきたくなった→「街場の現代思想」(内田樹著/NTT出版)。内田氏の他の著作同様、社会の仕組みを解き明かし、人はどういう生き物かを説き、どうやってワタシらは生きりゃいいのさってことを豊かな洞察力で教えてくれるわけだが、しかしそれらとは別にクラヲタ的に決して見逃せない一章がある。第1章「文化資本主義の時代」。
●この章では日本に新しい階層社会が誕生したことが述べられている。学歴でも年収でもない、文化資本の有無による階層であり、さらに「家庭」で習得した身体的な文化資本と、「学校」で習得した後天的な文化資本の質的な違いに着目し、その両者の決定的な差を指摘する。
ブルデューの卓抜な喩えを借りて言えば、「血統による文化貴族」は自分の見た映画に出てきた俳優の名前を記憶し、「学校による文化貴族」は自分が見たことのない映画の監督の名前を記憶する。前者は「経験」をたいせつにし、後者は「知識」を「経験」に優先させる。「作品そのものを熟視することをおろそかにしても作品について語ることを優先させ、感覚を犠牲にしても訓練を重んじる」こと、それが、「学校による文化貴族」の「馬脚」なのである。(「街場の現代思想」~第1章「文化資本主義の時代」)
●どうですか、この気持ちよい辛辣さ。ここでバッサリと斬られている「学校による文化貴族」は(実際には学校ではないが)、つまりわれわれクラヲタのような人々のことを言っている。ブルデューの喩えなんてまさにそうで、これほどヲタ気質を見事に説明した言葉はない。ヲタク性と「生まれつきの文化貴族」とは激しく対立する概念である。では血統による文化貴族ではない人々、文化資本に恵まれない人(教養がない人)は屈辱に耐えながら生きていくしかないのか、という疑問を持った方はぜひこの本を読んでみてほしい。目から鱗がポロポロ落ちる(と願う)。
マリノスvs浦和レッズ@チャンピオンシップ第1戦
●来季からはワンシーズン制になるので、チャンピオンシップは今年で最後。フットボール的にはあるべき正しい姿になるので基本的に歓迎なのだが、その分、タイトルを争う機会は減ったわけだ。優勝も降格もなさそうなシーズン半ば以降、退屈な試合をこなすことになる。それはそれで楽しむ術はあるが……。
●で、横浜国際でのこの試合、テレビで観戦。チャンピオンシップ第1戦は、実質的に試合の「前半90分」にすぎない(だから前期優勝チームはつまらない、ホームで優勝も敗退もできないわけだから)。マリノスの岡田監督は「自分たちのサッカーをする」より「相手に合わせたサッカーをする」ことを選択、中盤の構成を捨てて、ダイレクトフットボール、というかヘタをするとロングボールに近いような戦いを貫いた。レッズの持ち味は中盤でボールを奪ってからの速さなので、中盤省略して攻撃は坂田と清水の快足ツートップにおまかせ、と。
●けが人だらけで久保もアンも遠藤もユもいない。マリノスの持ち味のパワーがやや落ちるわけだが、センターバックの松田、中澤、河合がよくエメルソン、田中タツヤ、永井らを抑えた。中盤の底は中西、上野でほとんど黒子に徹していた。
●かつてレッズを解雇され、自由契約選手のセレクションで拾い上げた河合が、古巣相手にゴールを決めて1-0、見事に恩返しの人間ドラマができあがった。でもまあ、ホントは松田はエメルソンをひっかけてPK食らってもおかしくなかった。プラン通りに進めたのはまちがいなくマリノスだが、さいたまスタジアムでの試合を残している点で、レッズにもそう悪い結果ではないだろう。
●来週の第2戦、おてやわらかに。さいたま、行くしか、行けるのか、行けるらしい!
「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」 ケリー・コンラン
●「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」を観た。予備知識なしで映画館へ。
●舞台は1939年のニューヨーク。ここに巨大ロボット軍団が来襲し、迎え撃つは完全無欠のヒーロー「スカイキャプテン」(ジュード・ロウ)、プロペラ機を自在に操るスーパー・パイロット。特ダネを狙う美人新聞記者あり(ギネス・パルトロウ)、ナゾの最終兵器を開発した悪の科学者ありの、狙いに狙った大娯楽お約束映画。アメコミ調というかレトロSF調というか、太っちょな光線銃からわっかになったビームが出て、鉄のロボットが溶けたりするんすよ(笑)。
●ここにある「ワールド・オブ・トゥモロー」は、少年時代に見た「懐かしい未来」である。ヒーロー、ヒロイン、敵役、すべて現実には存在しえない完璧なものばかり。ストーリーにもリアリズムというものは一切なく、すべては子どもの夢想のようなご都合主義だけで進んでいくという趣向。登場人物は俳優が演じているが、なんとその背景はほぼすべてがCG。つまり、とても内向きなオタクの夢の世界なのであり、だからちょっぴり救いがなくて退屈なのだが、一から十まで腹を抱えて笑えるという秀作でもある。
平日夜7時からのコンサート、晩メシってどうしてる?
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●トップページ設置の第17回のQuite Vote結果発表である。
●この質問の意図、わかっていただけたであろうか。つまり、夜7時からのコンサートというのは、なかなか大変なのである。会場までの移動にも電車やら地下鉄やらを複雑に乗り継いでそれなりに時間がかかる。そして、仕事が早く終わるとは限らない。しかし、腹は減る、人類みな腹は減る。ああ、どうしようか。
●無事コンサート前に食事を摂れる方は3人に一人しかいない。4割強の方は空腹に耐え、終演後ないしは帰宅後に食べる忍耐強い人々である。そして、早あがりもできなければ、飢えにがまんできない残りの4%の猛者はどうしているか。なんと、コンサート中に食べているのであった! おお、その手があったくゎっ、ガッテン、ガッテン、ガッテン。
●新しい設問を置いておいたので、トップページからぜひご参加を。お題は「コンサート、一人で行くか/誰かと行くか」。
コーヒー自家焙煎 その2
●先日ご紹介したコーヒーの自家焙煎、その後なんども挑戦を続けている。いまやコーヒーは「生豆で買うもの」になってしまった。最初に買ったパナマ産に満足し、続いてニカラグア産のおいしそうな豆を1kgゲット。生豆だと1年でも保存が利くのでキロ単位購入オッケー。しかも安価。
●が、このニカラグア豆、意外と焼くのが難しい。15~20分程度で焼きあがると期待していたが、20分を超えても二度目のハゼ(パチパチ小さくはじける)がはじまらない。粘って30分くらいかけてフルシティまで焼いて飲んでみたが、全然甘みがなく、焦げっぽい。本当は甘みたっぷりのはずなのだが、どうも焼き方が悪いらしい……と悩むこと数回、結論が出た。
●どうやら一度に100g以上焼こうとしていたのがまちがいだったらしい。豆の量が多いとそれだけ熱が十分に伝わらなくなる(フツーのガス台で焼いてます)。50gくらいならきれいに焼けて、コーヒー特有の甘みたっぷり、気絶しそうなくらい美味。しかし毎回たったの50gでは、面倒くさくてたまらんなあと思ったが解決策を見つけた。一度焼くごとに、2~3往復してしまえばいい。
●自家焙煎は秋冬の楽しみ、梅雨くらいから夏までは暑くて焼けそうにないのでシーズンオフと定めてしまえば、季節感もそれなりに出てきて良さげ。