●寒い日が続きます。Tシャツ腹部のぴょん吉が寿司を食わせろとうるさいので、そろそろ冬眠に入ろうかと思います(ウソ)。
●今日発売の「レコード芸術」2月号に掲載された西村朗対談シリーズ「作曲家の現在~吉松隆2」は必読。抱腹絶倒かつ実に味わい深い。ワタシゃあまりにもおもしろいので3回くらい繰り返して読んだ。西村氏と吉松氏はもともと仲良しだから、対談っていっても自然体になるのは無理もないが、それにしても日本を代表する作曲家でありながらこのかつてないテンションの低さはどうだ。これ読んで感動して尊敬の念を深める人がきっと続出。だって、作曲という創作活動を語った上でたどり着く50歳からの人生の理想が「隠居」っていう結論なんすよ(笑)。偉大だ。
●(吉松氏が「鉄腕アトム」の仕事などである程度お金をもらって音楽の仕事をできるようになった、という話題に続いて)
吉松 金をもらって書くということを20代、30代で一度やったらもう戻れないだろうね。
西村 それはそうだろうな。
吉松 本来、そうやってお金をもらったら、それ相応のものを次から次へと書くというのがプロの作曲家なんだろうけど、僕はプロの作曲家として過ごしたことはそれまで一度もなかったからね(笑)。
西村 今や完全にプロになったんだよ。
吉松 だから、困ったなあという状況なのよ(笑)。
20代、30代でお金もらってやったらもう戻れないって、どんな仕事だよっ!(笑)
●作曲活動における自己模倣の話なんかも興味深かった。モーツァルトやハイドンは作品が蓄積されていくんじゃなくてその都度その都度の機会性が高かったから、いくらでも自己模倣できたんだろうなあ、と一瞬思ったが、よく考えたら現代でも自己模倣が創作のベースというのはフツーによくあるんだった。