●怖かった。ワタシゃバスに乗っていたのである。バスがゆっくりと交差点を左折しようとしたときのことだ。左折した先に、ケータイを片手に会話に夢中になっているオッサンがいたのであるが、そのオッサンは車道の真ん中に突っ立っていたんである。よっぽど大ウケの話だったらしくて、顔を空に向けながら大喜び。表情はへらへら、足元はふらふら、そしてバスが近づいてきたというのに、まったく意に介さない!
●バスは十分スピードを落として、クラクションを鳴らす。しかしオッサンは無視。ケータイの会話に没頭。くどいが車道の真ん中っすよ。運転手さんはしょうがなくバスを止めて、何度かクラクションを鳴らして待つが、オッサンはそれでも動かず、大笑いしながら会話を続けている。5秒、10秒、15秒……、バスは動けない。どうする。オッサンは突然バスのほうを向き直った。そして、あろうことか、バスに勝負を挑んだ。
●運転手さんに向かって「おりゃー、なにしとるんじゃこの野郎、そこから出て来んかい、こりゃ!」と逆ギレ。あまりのことに車内呆然、そして車内にも気短な方がいらっしゃって、叫びだす。「なんだとー、この酔っぱらい、ふっざけんな、轢くぞ、コラ!」。赤ん坊が泣き出す。ああ、阿鼻叫喚地獄絵図、ワタシはどうしたらいいんでしょうか、ガクガクぶるぶる。運転手さんも苛立って「ちょっと、酷すぎませんか、警察呼びますよ」。
●オッサンはバスの乗車口(前側にある)に近づいてきて、今にもドアを蹴りそうな勢いで運転手さんに向かってわめき散らす。その隙に運転手さんはさっとバスを発進させた。オッサンは後方でまだなにかを叫んでいた。車内でも「ふざけるな、酔っぱらい」がリピートされた。こうさぎのごとく小心なワタシは、震えながらもなにも起きなかったことに安堵した。運転手さん偉い、冷静で。短気な人だったらカッとなって轢殺してたかもしれん。ガガガガガッ。ワタシは想像上の自動小銃でオッサンを蜂の巣にした。
May 12, 2005
最近遭遇した一番怖い光景
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