●まず更新情報を。山尾敦史さんの好評連載「ワンダージュークな日々~ネット音楽配信奮戦記」第6回、掲載しました。
●さて、チャンピオンズ・リーグ決勝。朝ビデオで観て、夜中にフジのハイライトを見て思った。今年の決勝は伝説だった。リヴァプールのファンだったら、こんな痛快な試合はなかったと思う。なにしろ前半で3点取られたのに、後半に追いついて、しかもPK戦で勝ったんだから。
●しかしワタシはミランを応援していたのだ。試合後のインタヴューでアンチェロッティ監督が「名誉ある敗北だ」みたいなことを言っていたけど、その通りだと思う。チャンピオンズ・リーグでもワールドカップでもそうだけど、フツーは決勝戦はつまらない。0-0とか1-0とか、そんな慎重すぎる試合が多い。特にイタリア勢が出てくるとそうなる。でもミランは違うんだな。3点取って、3点取られた。こんな狂った決勝はない。しかも後半30分くらいまで、イエローカードが両者に出なかったような気がするのだが、記憶違いだろうか。
●ミランのサッカーは本当にスペクタクルで、華やかさという点でリヴァプールをはるかに凌駕していた。特にカカ。あのクレスポへの長いスルーパス、美しすぎる(同じ時代にブラジル代表の中盤にカカとロナウジーニョが並存しているってスゴい!)。クレスポのアウトでちょんと打ったシュートもいい。シェフチェンコはゴール・シーン以外ツキがなかったけどプレイはよかった。華麗なミランで泥臭いプレイをして中盤の守備を支えるカットゥーゾが、ファウルで相手に同点ゴールとなるPKを与えたのは象徴的だったと思う。美しくて強いサッカーの裏側にはガットゥーゾみたいなファイターが必要なのが現実、でも当たり前のように相手の足をめがけてスライディングしたり、ほとんど癖のように敵の背中に手をかけたりするプレイを見たいかと言えば全然見たくない。中盤の底で技巧派のピルロがツンと澄ましていられるのは、ガットゥーゾやセードルフのおかげではあるが。
●まあ、負けて悔しいけど、救いは勝ったのがイングランドの中でもリヴァプールだったってことか。イングランド勢でもマンチェスター・ユナイテッドやアーセナル、チェルシーらに負けるとかなり腹立たしいのだが、リヴァプールだったら素直に「おめでとう」って言える。それにしても、イングランドの強豪クラブにはほとんどイングランド人がいないっすね。今日も2人くらい? イングランドが外国人の移籍に「労働許可証」を要求して、自国選手の職場を確保しようとするのもわからなくもない。
※関連書籍(笑)→「リヴァプールより悪意をこめて」(トニー・クロスビー著/双葉社)