2005年8月アーカイブ

August 31, 2005

夏の終わり

●夏は終わるのだろうか。そんなに暑いわけではないし、実際これまで毎年必ず夏は終わっているのだが、今年も終わるのかどうか確信が持てない。かろうじて蝉の死骸が夏の終わりが近づいていることを知らせてくれる。8月31日とは、夏の次にやってくるのがなにか、思い出せなくなる日である。
●しかし、夕刊を見て驚いた。銀座の伊東屋の広告。「2006 手帳フェア 明日から」。そんなに先走らなきゃいけないのか。しかも、明日から。伊東屋はすでに冬に備えている。

August 30, 2005

「キッチンストーリー」(ベント・ハーメル監督)

キッチンストーリー●映画館で予告編を見て以来、激しく気になっていたのだが、結局ビデオで鑑賞。ノルウェー/スウェーデン映画の「キッチンストーリー」(ベント・ハーメル監督、作品紹介@映画生活)。設定が可笑しい。スウェーデンの「家庭研究所」が「独身男性のキッチンでの行動パターン」を観察しようと、ノルウェーの老人のもとに調査員を派遣する。調査員は老人のキッチンの隅に、テニスの審判が座るような椅子を置いて、ずーっと黙って老人を観察する。調査員は調査結果に影響を与えないように、調査対象の老人とのコミュニケーションを一切禁じられている。
●ヘンな話っすよね。でも人間はコミュニケーションせずにはいられない動物だから、最初は頑なにルールを守っていても、だんだんお互いのことを知り合うようになり、友人になっちゃう。途中、ノルウェーとスウェーデンの違いみたいなのが何度もネタにされるんだけど、このあたりはワタシには全然わからなくて、たとえば車線が右側通行と左側通行で違ってるのが、どうしてそんなにおもしろいのかピンと来ない。でも現地じゃ大ウケなのかも。
●この映画、若い女の子向けに「ビバ!スローライフ、田舎の素朴な暮らし礼賛!」って売られ方をしてたみたいだけど、そんな要素はまったくないと思う(舞台は1950年代なんだから、世界のほとんどはスローライフだろう)。暖かい話だけど容赦のない話でもあって、家族と死別したかもともと独身なのかはわからないけど、孤独な老人が独り暮らしをしていて、そこにやってきた中年の調査員もやっぱり独り身なんである。独りの人間が晩年をどうやって幸福に生きるか/そして幸福に死ぬか、っていうのを現在進行形の老人とその予備軍の中年の視点からユーモラスに描いている。老人と男の関係は友情なんて微温的なものじゃなくて、崖っぷちで生きる人間同士の命綱であって、「スローライフいいわ~、おじいさんかわいいー」とかぬかしておる場合ではない。

August 29, 2005

千葉にフクアリ、ひょっとして最強なのか

●聞いたですか、JEF千葉の新本拠地として建設中の千葉市蘇我球技場、ネーミングライツをフクダ電子という会社が取得したという話。で、名称が「フクダ電子アリーナ」(略称フクアリ)と。フクアリ……なんか語呂が悪くないっすか。どうしてフクスタにしなかったんだろうと思ったが、もしかすると「フクアリ=福有り」って意味で、めでてーなこりゃって思わせる作戦なのかもしれん。
●しかしワタシゃこのスタジアムの場所も知らないんだけど、見逃せないのは「サッカー専用球技場」だってこと。すなわちサッカー観戦の敵、陸上トラックがない。う、羨ましすぎる! これはすっごく素晴らしいスタジアムなんじゃないだろうか。ぜひ遠征しに行かねば。

August 28, 2005

ガンバ大阪 3-2 マリノス

マグロンは予想以上にスゴそうな感じ●ま、また負けたよ、マリノス。久々に中継があったのでテレビ観戦していたのだが、試合終了直前に失点して逆転負け。まあ、最近の勢いからするとホームでガンバが勝つのは当然のようにも思えるんだが、後半途中まで試合内容的には決して負けていなかった。今ガンバが標榜しているのは、ポゼッション重視の楽しい攻撃的なサッカー。パスもよくつながる。が、その相手に対してこっちはボール・ポゼッションで勝っていたんである。
●少し前のジュビロ、近年のガンバといった美しいサッカーをするチームに対して、マリノスは相性がいい。大型選手をそろえてパワーでつぶしにいけるからなんだと思う。この日も相手のよさを打ち消すサッカーでなんとかなるかと思ったのだが、結局地力の差で敗れたという印象。大黒のゴールは完璧。ガンバ大阪のJリーグ初優勝が見えてきた気がする。つうか、これで優勝しなくていつ優勝するんだってくらい今のガンバは強い。相手に自信を与える絶妙のアシストをしてしまったのかも(嘆息)。
●ニュースで見ただけだけど、カズの横浜FC初ゴール、スゴすぎない? ゴール前の見事なフリーキックっすよ! カズのフリーキックなんて何年ぶりに見ただろか。で、入っちゃうんだもん、ゴール左上隅に。あんたは神様か。いや、キングか。

August 26, 2005

帰ってきた、さいたま初号機

元気になってよかったぜ●いやあ、どうなることかと思った、さいたま初号機(ウチのPC名、くどい)。ある朝、突然に起動しなくなった。ワタシは狼狽しまくった。慣れないドライバー片手に筐体を開けて手を尽くしたが、BIOS起動に失敗する。で、その顛末なのだが。
●なんとですね、発売元(とうか組立元というか、PCショップ)に発送したところ、中一日で帰ってきてくれたのだ! すげーよ、なんと迅速なのか。結局、「マザーボードの故障」ということで、これを後継製品に交換してもらった。マザーボード以外は交換していないので、CPUもハードディスクも変わっていない。データも保全されていて、電源を入れると何事もなかったかのように起動する。いや、むしろ起動がスムーズになってる気がする。
●Windows用PCってエレガントには程遠い存在だけど、こういうときはいいっすね。中身を開ければいろんなパーツを集めた組立て品だから、壊れたと思ってもそこを取り替えれば復活する。自力で取り替えられる人も少なくないだろうし。フツーの電気製品のほうがよっぽどブラックボックス化してる。
●迅速かつ的確な応対をしてくださったSycomさんにお礼リンク。修理代も納得のいくもので、ワタシの好感度は激しくアップしたのだ。

August 25, 2005

シンセサイザーの開発者ロバート・ムーグ(モーグ)逝去

惑星●そうかあ、ロバート・ムーグ(モーグ)、亡くなったのか……。享年71。シンセサイザーの生みの親。ガキの頃、あのシンセサイザーの音にどれほど多くの夢を見たことか。いや、ホント、憧れのあまり夢の中に出てくるくらい、シンセサイザーというのは圧倒的に輝かしい存在だったんである。といっても、どうだろう、ムーグその人についてなにを知っていたかといえば、ワタシはなんにも知らない。衝撃を受けたのはムーグを使った音楽、ウォルター(ウェンディ)・カーロスの「スウィッチト・オン・バッハ」や、冨田勲の一連のアルバムに対してであり、ムーグというのは人というより楽器の名前だった気がする。あ、写真は冨田勲~ホルストの「惑星」。名作、というかもっとも懐かしい一枚。
●ちょっと前に「MOOG モーグ」っていうドキュメンタリー映画をどこかのミニシアターで上映していたような気がするのだが、見逃してしまった。DVDも出ているようだが、早稲田松竹あたりで再上映してくれないだろうか、うむきっと上映してくれる気がする、「モジュレーション」あたりと二本立てで。
●DHCさんのFROM 40にて「オトナのためのクラシック音楽入門」第4回掲載中なり。

August 24, 2005

チャップリン・フィルム・コンサート・イン・ジャパン

●これはなかなかない機会だと思うのでご紹介を。「チャップリン・フィルム・コンサート・イン・ジャパン」が9月2日、3日と開催される。フィルム・コンサート、すなわち映画が上映されるのに加えて、スコア復元者でもあるカール・デイヴィス指揮による新日本フィルの生演奏が添えられるんである(すみだトリフォニーホール)。演目は2日が「キッド」「のらくら」 、3日が「街の灯」。詳細は上記リンク先にて。
●で、その音楽はチャップリン自身が作っている。ワタシは前島秀国さんのプレスリリースを読むまで知らなかったのだが、チャップリンにはドビュッシー、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、シェーンベルクらとの接点・交流があったばかりでなく、トマス・ハーディの「テス」をオペラ化してスカラ座で上演しようという計画まであったというではないか。当時のサイレント・フィルムは生演奏つきの上演が前提とされていたのだから、映画とオペラの距離というのは今よりもはるかに近かったに違いない。
●しかし今じゃ生演奏付きで映画を見るなどという機会はまずない。クラシックの世界でも初演当時のオリジナルなスタイルで演奏することで作品の真価を明らかにしようっていう考え方はあるけど、サイレント時代の映画でそれをやろうと思ったらずいぶん大変そうだ。仮にスコアがちゃんとあったとしても、生演奏が必要になる。これはずいぶん贅沢である。その贅沢を味わえるチャンスがこの二晩であると。

August 23, 2005

Yahoo!がサウンドステーションを開始

●どう転んだってPCと音楽の親和性は高い。昨日よりYahoo!ミュージック サウンドステーションがはじまった。「CDともラジオとも違う、新鮮な音楽体験」と謳われているのだが、とりあえずクラシックのコーナーを試してみたところではネットラジオに近い。でもラジオじゃないんだなあ、番組じゃないから。「番組」ではなくて、ランダムにNaxosの音源が選ばれているような感じ。で、これがまた困ったことに曲が1トラック単位のようなんである。ティントナーのベートーヴェン「英雄」第1楽章が流れてたんだけど、その次は全然無関係の別のCDに飛んでしまって、第2楽章以降を聴きたくても聴けない。曲の途中で放り出されて実に落ち着かない。
●クラシックの場合、Yahoo!ミュージックに限らず問題になるんだけど、「1トラック=1曲」と扱われるとお手上げっすね。もちろん、人間の目で曲の切れ目を識別すれば、クラシックだって1曲単位で扱うことはできるが、コストを考えれば現状では困難か。なるべく人の手をかけずに効率的にサイトを作って無料提供&広告収入を目指すのか、人が番組を作って有料で提供するのか(WonderJukeみたいに)、なかなか微妙な問題。
●しかしこんな時代が来るとなると、音楽CDのフォーマットで悔やまれる点が一つ。「曲の切れ目」というなんらかの信号を含んでくれていたらよかったのに! トラックの切れ目とは別に。それだったら機械的に曲の切れ目を判別できた。

August 22, 2005

週末ぐうたらフットボールTV

●日曜日の夜はNHK教育「芸術劇場」とやべっちFCがあって、しかもぼちぼち欧州サッカーが始まりつつあるから最強。スカパーないけど最強。
●で、やっぱりオランダ・リーグの平山デビューゴール2連発っすかね。ADOデンハーグ対ヘラクレスという本来マイナーな対戦がここまで注目されることになろうとは。テレ朝の映像見たけど、どちらも得意のヘディング。高さがオランダでも通用するとは。オランダの成人男子の平均身長は180cm超。当然プロ・スポーツ選手はもっと高いはず。およそ日本人と10cm差と考えると、平山の190cmのインパクトってのは、Jリーグでの180cm程度にすぎないわけで、特に高くはない。だから高校時代から高さに頼ったプレーをしてきた平山は苦労するだろうな……と思っていたのだが、ぜーんぜんワタシの予想は当たらない。ナカタ以来の鮮烈デビューではないか。
●ナカタのボルトンでの英語記者会見にも感心。イタリア語を流暢に話すことに比べりゃ英語のインパクトは小さいけど、でも移籍直後にいきなりだもんなあ。他の海外組といまだに圧倒的な差を感じるのはこのあたりで、やっぱり「リーダー」って感じがする。田中軍団のキャプテンもぜひナカタに務めていただきたい。
●Jリーグ、マリノスはジュビロに完敗。カレン・ロバートに2ゴールも奪われてしまって屈辱感大あり。でもきっと近いうちにカレンを応援することになる、ニッポン代表で。

August 21, 2005

祝! CLASSICA 10周年、ていうかマジっすか、10年って

CLASSICA●うおお。カレンダー見てはっと気がついたら、当サイト、本日にて10周年なのであります。ぎょええ、インターネットの世界で10年。もう生きる化石なのか。Yahoo! Japanより古い、って話は前にもしたからもういいか。しかし10年そこそこ活発に継続するサイトってのもなかなかないかもしれんが、10年経っても進歩してない自分ってどんなものだろって気もする。あー、でも進歩とか言ってるうちはまだ余裕か。肉体的には退化してるんだし。
●先週、久々に草サッカーしたんですよ。で、その直前にウチのPCがぶっ壊れたじゃないっすか。なんか不吉だな、ケガしたらヤだな、あれはウチのさいたま初号機(←PC名)の警告じゃないだろなあとか案じつつも、バカみたいに頭真っ白にしてボールを追いかけたんすけどね。あー、体がついてこない、やっぱり反応速度が遅いな、カラダ退化してるなあと思ったわけだけど、でもちょっと待て。別に昔からサッカー本気で全然ヘタじゃん、自分。結局ケガもなく、わがままなシュートも3本打てて、それが全部ワクを外してて、えっ、でもそんなヤツが「高原はシュートの精度が問題だよなあ」とか言ってるのっていいわけ? とかくだらない反省をしつつも、知ったのである、こんな話がズレてゆく散漫な連続体がすなわちワタシの10年。
●今後もあれこれおもしろいことつまらないこと楽しいこと脱力すること、いろいろ提供できて行ければいいなと思ってるので、みなさん、呆れずに今後ともよろしく。そして流れを無視して唐突にミニ情報、以前当欄でご紹介したイギリスの作曲家を主人公にしたイアン・マキューアンの「アムステルダム」、文庫化されてるので未読の方に改めてオススメ。これ、文庫になるとこんなに薄くなるのか!

August 19, 2005

「ワンダージュークな日々」最終回掲載

●ご好評をいただいていた山尾敦史さんの連載「ワンダージュークな日々~ネット音楽配信奮戦記」を更新、今回が最終回である。so-netによるWonderJukeのサービス自体が9月で終了となってしまうため、これに伴って連載もおしまいなのだ。これまでにクラシック音楽をこれだけちゃんとした方法で配信したサービスはなかった。クラシック音楽業界的な感覚では着実に成功への道をたどっていたように見えたんだけど、プロバイダの商用サービスとしてはもっと規模が大きい早期の成功が求められたのだろう。まあ、外野からはなんとでもいえる。当事者である山尾氏の原稿をお読みください。

August 18, 2005

日産スタジアムから帰還。ニッポン 2-1 イラン@W杯ドイツ大会最終予選

君こそ好敵手だよ、イラン君●最近、代表の試合となるともっぱら新横浜か埼玉。ウチからはどっちも遠くて、そして帰りは猛烈に混雑するので、ヘトヘトになるんである。公式戦だからそれでも行きたいわけだけど、今後親善試合はテレビでいいかなと思ったり。
●それにしてもこの試合、場合によってはドイツ大会出場をかけたイランとの決戦ふたたびとなる可能性もあったわけだが、結果的には消化試合となってしまった。お互いすでに出場権を獲得しているんだから、ムードは実に友好的である。これくらい負けても失うもののない試合もないと思うんだが、果たしてテレ朝はそれでも「絶対に負けられない戦い」とか連呼していたんであろうか。
●イランもニッポンも似たような立場で、海外組は不出場、国際的スター選手が見当たらない。もちろんカリミとかいないっすよ。なじみのあるのは大ベテランのアリ・ダエイだけ。試合は予定調和的にホームのニッポンがほとんどボールを支配し、加地様の代表初ゴールで先制。後半オウン・ゴール(記録は大黒)で追加点、審判はバランスをとってアリ・ダエイにPKをプレゼント、妥当な結果に終わった。ニッポンの守備が崩されたシーンはなかったように思う。
●後半、ワタシはうとうとして一瞬気を失ったくらい、平和な夏の夜だった。蒸し暑く、次々とビールが売れたためか、あたりにホップの芳香が充満していた。口の中で空想の苦味を味わいながらも、実際に手にしていたのは甘いコーラ。ピッチの上もそんな感じ。巨大スタジアムの最上段後ろから2番目の列というはるか彼方からのんびりと眺めていたが、試合が終わればジーコの挨拶やセレモニーをあきらめて、駅へと急ぐ。6万6千人の大行列の6千位くらいを目指して。

August 16, 2005

頼む、覚醒してくれ、さいたま初号機(涙)

人間もパソコンも健康第一だね●今、ワタシは焦っている。軽くパニックなのだ。わかってるんだ、昨晩まで元気に動いていたパソコンが、ある朝、突然起動しなくなることもあるってことは!
●うおおお、頼む、お願いだー、動いてくれ、さいたま初号機!(←あ、ウチのパソの名前です)。でも動かない。BIOSの起動で引っかかってリセットしてループ、OS以前の段階。BIOSのSETUPも効かない問答無用、CD-ROMからのブートも無理。ハードウェア周りの問題なので、ケースの蓋を開けて、マザーボードに異常がないかと観察するが、そんなの目視してもわかんない。そして、ワタシの生活は仕事も遊びもなんとPCに依存していることであろうか。うわん、困った困った困った。
●一日悶々として過ごし、盆休みから明けた組み立てショップのサポートに電話した。おそらくマザーボード交換になるだろうが、見ないとなんとも言えないとのこと。イタタタタ、やはり電話で解決できるほど甘くはないか。PCを修理に送り出すことに。
●この記事はサブのノートPCから書いている。3日前までのデータはバックアップがあるので、当面、これで凌ぐ。用意がいいといえばいいのだが、それにしても心細いもんである。あ、ひとつ便利そうなサービスを知ったので紹介しておこう。パソコン壊れたときって、箱とか梱包材がなくて修理に出すのも大変だったりするでしょ。そんなときにたぶん頼りになる、クロネコヤマトのパソコン宅急便サービス。いやあ、さすがだ、需要をわかってるね。
●このサービスの利用者の多くは、みんなこの世の終わりみたいな顔してクロネコのドライバー氏を待つのだろうなあ。たった今のワタシのように。

P.S. パソコン、クロネコに引き取られて行きました。ワタシゃ歌いましたよ。♪ドナドナドーナドーナ……。

August 15, 2005

マリノス 3-1 大宮@ナビスコカップ準決勝

快勝なり●三ツ沢公園球技場まで行ってきた。ここのところ全然スタジアムに行けてなくて、もう記録的に久々ってくらいの生観戦。夏の夜に、夕涼み気分で見るサッカー。ああ、なんてすばらしいんだろう。やっぱりサッカーいいなあ!……と思えるためには条件2つ。勝つこと、スタジアムが良いこと。
●三ツ沢球技場はホント、いいっすよ。陸上トラックがないから、もう目の前がピッチ、すぐそこを選手が走ってる。ボールが自分のところに飛んでくる可能性ありという、まさにそこでボール蹴ってる感、大あり。小さすぎてマリノスはあまり使わないのだが、ここに横浜FCの試合を見に行くって手もある(カズもいるし)。
●本拠の日産スタジアムはワールドカップ決勝に使われたくらい立派なスタジアムだが、あそこはまったく非サッカー的空間で、生観戦をしているのかモニター画面を見ているのかわからないくらい、ピッチが遠い。悲しいことにワタシの知る限りもっともサッカーがつまらなくなるスタジアム。そういう割りにはよく行ってるけど。
●で、三ツ沢のような場所で見ると(しかも座席が前から2列目だった)、なにがわかるか。Jリーガーって化物ってこと。すごいよ。中澤とか人間じゃないってくらいデカい。ほかの松田とか那須とかもデカいし、久保は長い、しかし中澤はとにかくデカい。あともっとスゴいこと。お前らホントに人類かよってくらい速い! 坂田も清水もドゥトラもみんな速い、敵チームだけど桜井のドリブルなんて、ビデオを早回しで見てるのかと思うくらい異常に速い。サバンナでチーターに追いかけられても桜井ならドリブルしながら逃げ切れると思う。みんな天才、化物。判断のスピードも速いし、走っても速いし、デカいし、パワフルだし、圧倒されっぱなし。これを楽しめないサッカーファンはいない。
●でも日産スタジアムで見ると、別に中澤デカくない、坂田もまあまあ速いかなってくらい。どっちが本物? もちろん、三ツ沢で見た中澤や坂田が本物に決まってる。
●ちなみに首都圏だったら、大宮も同じくらいオススメ。

August 13, 2005

オルタナティヴ話題の公演

●某チケット販売サイトから、ゲルギエフ指揮マリンスキー・オペラの「リング」韓国公演の案内メールが届いた。日本公演は来年1月だが、同じ公演を一足先に韓国で上演するんすね、9月に。なるほどなあ。チケット料金自体は少し韓国のほうが安いので、どうせなら旅行と組み合わせてソウルで見るという手もあるわけか。ヨン様にも会えるし(会えません)。
UAE●で、思い出した。そうだ、来年はウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート同等公演と思しきものが、なんと、1月5日にUAEのアブダビでも開かれるから本家のチケット入手できない人はそっちのほうを見に行くって手もあるかもよ!と一瞬思ったのだが、これは closed to the public な公演なのでありました。っていうか、すごいなUAEは。

August 11, 2005

田中さん、あなたも総田中軍団に入ってみないか?

●先日、「田中達」は実は「田中たち」であり、日本代表は田中達也、田中誠、田中隼磨、田中マルクス闘莉王、(以下有名ではないが)田中賢治、田中輝和、田中亜土夢、田中裕介、田中佑昌、田中大輔、田中俊也からなる総田中軍団という可能性はないかと書いた。もう気持ちいいくらい全員田中。しかしワタシの考えは甘かった。ガーター亭亭主殿より、あまりにも鋭い指摘をいただいた。

田中軍団に中田は入らないのですか?

 ああっ、それは正しい、正しすぎる! 幾何学的にトポロジー的にきっと入る。そんなわけで、中田ヒデや中田コも使えることになった。
●これはいける。GKが田中賢治(大宮)、バックラインは4バックで、右から田中隼磨(マリノス)、田中誠(磐田)、田中マルクス闘莉王(浦和)、田中裕介(マリノス)、中盤は中田浩二(マルセイユ)、田中亜土夢(新潟、名前のインパクトで選んだ)、中田洋介(仙台)、中田ヒデ(ボルトン)、フォワードは田中達也(浦和)、田中俊也(広島)。これを図にしてみる。

GK:      田中
DF: 田中 田中 田中 田中
MF: 中田 田中 中田 中田
FW:    田中 田中

●おお、すげえ! サッカー史に残るインパクト。これは漢字文化圏へはもちろんだが、ヨーロッパにもちゃんと伝わると思う。だって TANAKA、NAKATA、TANAKA、TANAKAってなってるんすよ。これはおそらくヨーロッパから見ると、アフリカの小国の代表がこんなイレヴンだった場合の衝撃に相当すると思う。

GK:        ジャンボ
DF: ジャンボ ジャンボ ンジャボ ジャンボ
MF: ンジャボ ジャンボ ンジャボ ジャンボ
FW:      ンジャボ ジャンボ

August 10, 2005

クチュクチュバーン(吉村萬壱)

クチュクチュバーン●本屋さんに行ったら、「クチュクチュバーン」(吉村萬壱/文春文庫)が文庫化されているのを見かけた。何年か前の文學界新人賞受賞作。これ、読んだ? ワタシは単行本のほうで読んだのだが、近年これほど強烈な小説はなかった。なにしろ一切の説明もなく、あらゆる人間が次々とさまざまな異形の怪物に変異していくという不条理な話で、ある者は蜘蛛人間、ある者はシマウマ男、ある者は犬人間と化す。救いも希望もない、震え上がるようなおぞましき世界が現出するのだ。遠慮して割と平和な光景を引用しておくけど。

 この地域の外れに処理施設はあり、前山はここに収監された。来る日も来る日も、見たこともないような人間が送られてきた。化け物たちは五十体ずつ部屋に監禁して餓死させた。大概食い合いが始まり、何体かは最後まで生きている。それを拘束して頭をハンマーで叩き割り、すぐさま解体にかかる。

●いや、単に気持ち悪いっていうんじゃなくて、人間の剥き出しの欲望ってこんなに醜悪だから、平和な日常なんて一枚めくればこれっくらい絶望的なんだよっていう話、きっと。

August 9, 2005

郵政法案否決の日

●郵政法案否決で衆院解散総選挙へ。本当に否決されちゃうとは。しかし政治の話はご法度なんである。普段仲良くしてる人でも、うっかりするとお互いに「自明」と了解している事柄が全然違ったりする。政治の本質を「ヤツは敵だ、殺せ」と表現したのはだれだったっけ。だから政治の話をするとケンカになるのは必然かも。
●なのでどこの政党も政権も支持も不支持もしないけど、今日、古いVTRで小泉首相が郵政民営化を叫んでいるのを見てちょっと思った。髪が真っ黒で若々しい。ワタシが小泉だったら今日はあんなもんじゃないな。絶対、荒れる。自民党を、ニッポンを、地球を、全宇宙をぶっ壊す! ってゴジラ並みの暴れ方必定。あと今日の野党の人たちの勝利宣言みたいなのを見て感じたんだけど、もし次の選挙を対象に賭けをするなら、自民と公明の圧勝にチップを置く。
●DHCのFROM 40で連載「オトナのためのクラシック音楽入門」第3回掲載中。

August 8, 2005

ニッポンvs韓国@東アジア大会

●中国戦に続いて控え組み中心の先発。ていうか、3試合中2試合に出たんだからこっちがレギュラー組というべきか。土肥、駒野、坪井、茶野、茂庭、村井、阿部、今野、本山、巻、玉田。1-0でニッポン勝利。
●しかし日韓戦だというのになんだか低調な試合になってしまった。いや、もちろん途中から出てきた小笠原のコーナーキックに、やっぱり途中から出てきた中澤が技巧的なシュートを決めたときには力強くガッツポーズとりながらシャウトしたっすよ、街中に聞こえるくらいの大声で(ややウソ)。でも、大会自体のレベルがこんなんでよかったんだろか。結局優勝したのがどこなのかなんて、まったく気にならない。相手の韓国にも少しそんな空気(これなんの大会だっけ?みたいな)が流れてて、単なる親善試合でも削りあった日韓戦は遠い過去って感じありあり。
●大会関係者は日本が最下位にならなくて安堵してるに違いない。だって4位だったら次の大会は予選からやるらしいんすよ。そんなグアム代表とかモンゴル代表とかと試合するためにニッポン代表(そしてJリーグ)のスケジュール何日も空けられるのか、みたいな大人の事情っすね。もうこれで4位だったら大学選抜チームとか送るしかないんじゃないかとかちらっと思った。……って書いた後、知ったんだけど、韓国が最下位じゃん! どーすんのよ、次回の大会は。

August 5, 2005

憎悪から愛へ。デジタル複合機なるもの

BROTHER MyMio●ワタシは以前からプリンタとかFAXというものが嫌いで、一度も所有したことがなかった。基本的に「ペーパーレスであることが吉」ってスタンス。たとえばPC。データを紙に印刷するのは、同じ内容のものをデータと紙と両方で持つんだから原則ムダだろうと思っていた(もちろん移動中や出先で読みたいという理由があれば別)。もっとひどいのはFAXである。PC内のドキュメント(デジタル)をプリントアウト(アナログ)して、そのプリントアウト(アナログ)をFAXという名のスキャナでスキャンして(デジタル)、これを電話回線を通して先方に送り、先方ではFAXという名のプリンタで紙にプリントされる(アナログ)。なんたる煩雑さ。最初からデータをメールすりゃいいじゃん、みたいな。
●とまあ、そういう偏屈な考えにインターネット時代以前から固執し、ヤセ我慢的にプリンタとFAXを所有せずに来たのであるが、この「なるべくペーパーレス主義」はあっさり打ち捨てられた。理由は簡単、会社を辞めたから。こうなると自分の行動範囲のどこにもプリンタとFAXがなくなってしまうのだが、いくらなんでもそれでは仕事にならない。速攻で購入決定。FAX、プリンタ、できればコピー、うーん、いったい全部でいくらになるんだろう、これは必要な投資だからしょうがないけど、結構な出費になるよなあ……と覚悟していたら、なんと。
●世の中には「デジタル複合機」なる商品が生まれていたのですね。あー、正しい、これは。PCとつながって、FAX、カラープリンタ、コピー、スキャナ、すべての機能をこなして2万円もしない、しかも驚くほど小型。そうだよなー、FAXそれ自体がスキャナ+プリンタ(=コピー)なんだから、一体化させるよなあ。コピーといってもスキャンしてプリントしてるだけなので、事実上大量にはできない。でも大量にしたいときは近所のコンビニでオッケー。あれほどまでにプリンタとFAXを憎悪していたのに、いまやこのBROTHERのMyMioとやらがかわいくてしょうがない。メンテナンスとかいって、一日一回くらい自発的に「カシャー、コシャー」と準備運動をする姿がとってもラヴリー。なんか名前つけてやらなきゃ(おいおい)。

August 4, 2005

ニッポンvs中国@東アジア大会

ニッポン!●おお、予告通りフレッシュなメンバーだ。おかげで見どころの多い試合になった。楢崎、駒野、坪井、茶野、茂庭、村井、阿部、今野、本山、巻、田中達。この季節でこの日程なんだから、仮に北朝鮮に負けてなくても、総取替えでオッケーだったと思う。
●ディフェンスのミスもあって前半から2失点してしまったわけだが、意外なほど中国に競り勝てない。ジーコがいっているようにこのメンバーだからというより、Jリーグ全体の問題なのかもしれない。中澤がいるといないでこれだけ違うのか。0-2。が、2失点したとはいえ、ニッポンのほうが水準の高いプレイをしていたので、試合が終わる頃には4-3くらいで逆転勝利しているんじゃないかと予感した。そうはならなかったけど(笑)。
●でも2-2のドローなら十分満足。正直、負けるならこういう大切じゃない試合で負けておいたほうが、長期的には得なんじゃないかとか、妙な考えが頭をよぎった。田中達はプレイの質も高いし、メンタリティ的にもたくましいし(若いのに)、ホントに頼りになる。和風サビオラ。駒野もよかったが、このポジションにはブレイク中の加地様がいるからなあ。本山は相変わらず巧くて、でも謎なくらい消極的。将来すごい選手になると思ってユース時代から楽しみにしてる(た)んだけど……。
●終盤、中国が疲れてるのにニッポンが横パスばかりでもどかしかったんだが、たぶん暑くてバテバテで、ゴール前に放り込む気にはなれなかったんだろう。しかもターゲットマンの巻が退いていたし。巻はどんなキャラかよくわからんのだが、ワタシの脳内幻想サッカーワールドでは「友達になれそうなヤツ」ってところに分類された(なんじゃそりゃ)。

August 3, 2005

ジーコ、中国戦は総入れ替えと

●今晩、東アジア大会のニッポンvs中国戦なんだけど、前の北朝鮮に負けたことで俄然この試合が楽しみになってきた。ジーコは先発メンバー総入れ替えでいくらしい。昨日の記者会見によるとメンバーは、

楢崎、駒野、坪井、茶野、茂庭、村井、阿部、今野、本山、巻、田中達

 ってことなので、どう見てもA代表に見えない(笑)。これ、なんの代表?みたいな。そんなにサッカーファンじゃなければ、知ってる選手ゼロもありうる。
●「田中達」はもしかしたら「田中たち」って読むのもアリじゃないか。すわなち「田中達」とは田中誠、田中達也、田中隼磨、田中マルクス闘莉王からなる「田中たち」であり、その背後には田中賢治、田中輝和、田中亜土夢、田中裕介、田中佑昌、田中大輔、田中俊也らが控えるサッカー界総田中軍団という可能性も考えられないだろうか→考えられない。

August 2, 2005

ピアノ調律師(ゴフスタイン)

ピアノ調律師●ピアノのリサイタルでは、ヒーロー/ヒロインはピアニストである。が、だからといってピアノを学ぶ子供がピアニストに憧れるかというとそうとも限らない。たとえば、さまざまな器具を用いてピアノの音を一変させる調律師が、魔術的で神秘的な存在として、ピアニスト以上に輝いて見えることだってあるだろう。
●絵本作家M.B.ゴフスタインの最新刊は「ピアノ調律師」(すえもりブックス)。大人のための絵本、というかもはや絵よりも言葉の比重が大きくなり、ちょっとした短篇小説くらいの読み応えがある。主人公である老ピアノ調律師は孫娘にピアノを教えているが、少女が目を輝かせるのは調律の瞬間である。ピアノ調律師の古い友人である世界的なピアニストが言う。

 わたしがあの子の年の頃には、もうロシアの王妃さまの前で演奏していたんだよ。ルーベン、君の小さな孫娘も、わたしと同じように才能があるかもしれない。だけど、世界中の何よりもピアニストになりたい、と思うのでなければ、そうはなれないと思うよ。あの子はピアノ調律師になりたい、とそう言っていたじゃないか。

 子供は自分が何者であるかを知っている。大人になると自分が何者かを探しはじめる。

August 1, 2005

北朝鮮vsニッポン@東アジア大会

ニッポン!●あー、なんか気が晴れないなと思ったら、この試合のせいか。結果は0-1でニッポンが負けるという大番狂わせとなったわけだが、まあそれはいい。なんか、この大会ってなんなの? 一応公式戦だが、アジアにはすでにアジア・カップがある。「東アジアの盟主を決める」にしても、ワールドカップ予選が並行して開催されるときにそんなこと言われてもなあ。あと中継の人たちはもう少し本音で話してもいいんでは。「絶対に負けられない」ってことはないでしょが、さすがに。「フツーに負けられない」とか「そこそこ負けられない」じゃダメ? ダメか。
●とりあえずスタジアムのヘンな雰囲気には目をつぶることにして(サッカーと無関係なものを持ち込んでほしくない)、レッズの田中タツヤとJEFの巻が代表デビュー。結局この大会の意義って、国内組の新戦力発掘ってことになるんだろうか。昔「ニッポン代表にもB代表を作ろう」っていう議論があったが、自然と海外組と国内組で2チームができつつある。ヨーロッパから遠い国はみんなこうなる。

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