●これはなかなかない機会だと思うのでご紹介を。「チャップリン・フィルム・コンサート・イン・ジャパン」が9月2日、3日と開催される。フィルム・コンサート、すなわち映画が上映されるのに加えて、スコア復元者でもあるカール・デイヴィス指揮による新日本フィルの生演奏が添えられるんである(すみだトリフォニーホール)。演目は2日が「キッド」「のらくら」 、3日が「街の灯」。詳細は上記リンク先にて。
●で、その音楽はチャップリン自身が作っている。ワタシは前島秀国さんのプレスリリースを読むまで知らなかったのだが、チャップリンにはドビュッシー、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、シェーンベルクらとの接点・交流があったばかりでなく、トマス・ハーディの「テス」をオペラ化してスカラ座で上演しようという計画まであったというではないか。当時のサイレント・フィルムは生演奏つきの上演が前提とされていたのだから、映画とオペラの距離というのは今よりもはるかに近かったに違いない。
●しかし今じゃ生演奏付きで映画を見るなどという機会はまずない。クラシックの世界でも初演当時のオリジナルなスタイルで演奏することで作品の真価を明らかにしようっていう考え方はあるけど、サイレント時代の映画でそれをやろうと思ったらずいぶん大変そうだ。仮にスコアがちゃんとあったとしても、生演奏が必要になる。これはずいぶん贅沢である。その贅沢を味わえるチャンスがこの二晩であると。
August 24, 2005
チャップリン・フィルム・コンサート・イン・ジャパン
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昨日(土曜日)すみだトリフォニーホールで行われた「チャップリン フィルム・コンサート」に行って来た。 チャップリンのサイレント映画にオーケストラが生演奏をつけて上映するというもので、ステージ後に(パイプオルガンの位置)に設置された大スクリーンに映像を映... 続きを読む