●もー、ダメダメっていうかわかってないっていうか、自分。SONY スゴ録 RDR-HX72の快適さに耽溺し、テレビ囚われ人になってしまってるではないか。週末フットボール天国、HDD/DVDレコーダーは次々と試合を溜め込んだ。スペインリーグだけでも週中と週末で計5試合。フジのミランvsユヴェントス。Jリーグ。各種サッカーニュース&ダイジェスト番組。見切れないって、全然。
●なのに、結構見ちゃったんだな。正確には見たというか流したというか。そこで発見したものは、大量に垂れ流されて希薄化されたサッカー中継が、いかに味気なく無価値なものであるか。90分の試合には一曲の交響曲と同じように流れがある、文脈がある、起承転結がある、その辺をちっとも気に留めず、ただゴールを告げるアナウンサーの声、スタジアムの歓声に反応して、ちらちら画面に目をやるなんていうのは、自らサッカーから得られる喜びを放棄しているようなもんである。こんなんじゃダメだ。反省。といいながら、なぜワタシの指は来週のサッカー番組を大量に予約してるのか!
●ともあれ、セレッソvs鹿島の0-0がいちばん見ごたえあった……(←説得力ゼロ)。水面に映った肉をくわえた犬に「ワン」と吠えたアホ犬の気分。
2005年10月アーカイブ
録っても見ないと思いきや、見てしまうワナ
「オヤジ国憲法でいこう!」(しりあがり寿+祖父江慎著/理論社)
●この世からオヤジは絶滅して欲しい。若者ならそう思う。ところが、そう言っていた若者(♂)も、生きている以上はいずれオヤジになってしまうんである。で、気づく。実はオヤジっていいじゃん! そういう元若者たるオヤジから、悩めるティーンエイジャーに向けて書かれたのが「オヤジ国憲法でいこう!」(しりあがり寿+祖父江慎著/理論社)であって、たしかに本文にいちいちルビが振られているのだが、でもこれ、「自分はまだ若者だ」と思ってる人なら、年齢にかかわらず読んでいいかも。
●前文で「オヤジは、底抜けに自由な存在である」とし、一方「ヤングは、ほんのちょっとしたことに、『もう死んじゃいそう』というくらい、ヘロヘロになるまで悩む不自由な生き物である」と述べられている。そんな不自由な生き物である若者のみなさんに向けて掲げられた、「オヤジ国憲法」の5条がこちら。
第1条:個性ハ 必要ナシ
第2条:友達ハ 大切ナモノニアラズ
第3条:恋愛ハ ロクナモノデナシ
第4条:真理ヤ理想ハ 幻想ナリ
第5条:ヤングノ敵ハ 隣室ニアリ
●これを見て、「なんだ、そんなの当たり前じゃん」と思った人はフツーのオヤジ。「ええっ! なに言ってんの??」と思った人は若者。ホントに。最後の「隣室」ってのは家族のこと、念のため。
●たとえば「個性」。みんなすぐ「自分探し」とか「本当の自分」とか言うじゃないっすか。あと仕事とかスポーツとかで「自分を表現したい」「自分らしく~したい」って臆面もなく言ったり。これ聞くたびに、オヤジどもは「はぁ? そんなささやかなテメーの『自分』になんて、だーれも興味ねーよ」って心のなかで思ってるんである。あなたもワタシも全然非凡な存在じゃない。どこも変わったところはないし、特異なところもない。われわれはドラクエの主人公みたいに勇者ロトの血はひいてなくて、本当は山や森に無数に棲息するスライムA、B、C、D、EのなかのスライムCくらいの存在である。だから個性だのオリジナリティだのに自分の価値なんか求めてたら、社会じゃ即死確実。ってくらいに思っておかないと、基本的な他者への敬意を必要なときに欠いちゃったり、不躾な他人の批判に直面してボロボロに傷ついたりする。大事だよなあ、「個性ハ必要ナシ」。あ、これは「自分を卑下する」とか「人生をネガティヴに見る」っていうのとはまるっきり別物っすよ(むしろ人生の超肯定)。
●でもなー。若者なのにこんな憲法に共感しちゃったら、それはそれでかなりマズい気がする。一から十まで明後日の方向に誤解するのが普通かも、特にティーンエイジャーだったら。ていうか、これってだれが読む本なんだろ。
録画ジャンキーでビバ!
●あー、やっぱり。ハードディスクDVDレコーダー、テレビにつなげたらもうハマるハマる。狂ったようにテレビ番組を録画しはじめてしまった自分に唖然。EPGって言うんすか、あの電波に乗ってやってくるTV番組表。これ、すげえ(今頃感心するか)。世の中にはこんなに便利なものがあったのですかー! さらばGコード、さらば手動失敗録画(ワタシはよく一年未来の番組を録画予約してた)。今こそワタシは録る。録りまくるぞ、テレビ番組を。
●他社のレコーダーにも同様の機能があると思うんだけど、番組のジャンルとか特定のキーワードとかをあらかじめセットしておくと、機械が自動的に番組表を検索して該当番組を録画してくれる。これがおもしろいんである。たとえば「スペインリーグ」を全部録画するんじゃなくて、バルサとレアルの試合だけ、しかも再放送は無視して本放送だけ自動で録る設定、みたいなのを工夫するのが楽しい。午前の「クラシック倶楽部」は全部録画するんだけど、月~金のそれぞれの回を曜日ごとに上書き録画する設定にしておくと、いつでも最新一週分だけがHDDに残ってるから便利だ、とか。「きょうの料理」は平日の本放送、平日の再放送、BS深夜まとめて再放送の3パターンがあるから、どれを捕捉するのがいちばん効率的かなー、とか。パズルっぽい。
●つうわけで、稼動初日からウチのレコーダーは猛然とテレビ番組を蓄積しはじめた。これを視聴する時間はない。見る気もあんまりない。見るなんて、録るより全然つまんないし(←ヲタ的メンタリティの例)。
「スゴ録」で決まり、ハードディスクDVDレコーダー
●そんなわけで、壊れてしまったビデオデッキとはさようなら、山とあるビデオテープとも決別の意志を固め、ハードディスクDVDレコーダーの機種選定へ。ちょっと前にも購入を検討してやっぱり止めにしてたんだけど、しばらく見ないうちにいろんなメーカーから様々な機種が発売されてて、いまや選択肢は多すぎるくらいある。本来ならあれこれスペック調べたり店舗で実機を眺めてみたりしながらのんびり比較するのも楽しみのうちなんだけど、そんな余裕はない。BSが映らないとサッカー見れないし。ていうか、ワタシの生活はこんなにもテレビに依存してたなんて。トホホ。でもしょうがないか、ジャック・デリダだって「私はあまりに多くの時間をテレビに割きすぎる」って言ってるぞ(「テレビのエコーグラフィー」)。
●簡単に機種選定するために条件を絞った。1. アナログBSチューナー内蔵(これでかなり絞れる)。2. テレビのデジタル放送のことは今は忘れる。 3. たぶん先行メーカーのような気がする東芝、松下、パイオニア、ソニーから選ぶ。で、進歩の激しい分野だから商品寿命は短いと見て、現行機で安価なもの。
●となるとあっさりと選択肢は二つに。東芝 RD-XS37 か SONY スゴ録 RDR-HX72 。どちらも巷の評判は良さげ。価格帯は同じ。東芝のほうは高機能で(特に編集機能)マニア受けも良い。2番組同時録画も可能。ソニーは機能はシンプル、同時録画もできないが、HDDの容量が大きめで機体が薄い。うーんと思いっきり眉間に皺寄せながら悩んで、ソニーに決めた。たぶんワタシには編集機能は不要、すぐに使い方を隅々まで覚えられるシンプルなほうがいいかなと思って。タイムシフト専用、録っては消しのスタイル。
●で、発注したら即日発送であっという間に届いた。あー、よかったのかなあ。これ、テレビを見るためだけの道具なのに。
日本に来ることになったきっかけは?
●卒業後大学とは一切縁がないのだが、学部の広報誌というのがいまだに送られてくる。案外おもしろい。大学の国際化というテーマで、外国人教員と外国人院生たちの座談会が載っていた。(以下大意)
イギリス人助教授「柔道をやっていたので、一度本場でやりたいと思って来日したんです。地球科学の研究者としては、日本列島は地質学的に興味深い研究対象でもあります」
フランス人助教授「私が興味を持っていた自然言語処理の分野では日本がトップクラスだったので、来日しました」
インドネシア人学生「中学生のころから日本のマンガやアニメに興味があって留学しました♪」
イギリス人学生「実は私も日本のマンガを読んでて、小さいころから日本に興味を持ってたんですよっ!」
結局それかよっ!みたいな。司会の偉い先生はさりげなくスルー。
ナカタ@ボルトン移籍後初ゴール
●日曜深夜のフジテレビ「フットボールCX」、こいつが大変な番組であってワタシはつい騙されてしまうのである。欧州リーグのハイライト番組を期待してチャンネルを合わせると、女子アナサッカークイズ大会。またかよ。っていうかこれがレギュラーなの? 女子アナ二人がボルトンのサポーターズソングを(知らないのにムリヤリ)歌ってて、くらくらと眩暈が。宴会の余興みたいなのが続いていて、絶望して寝る。ああ、フジに期待したワタシがバカだった……。
●とフテ寝しつつあるところに、ボルトンvsウェスト・ブロムウィッチがはじまった。さすがに試合は試合であって、バラエティ番組化していない(今のところ)。お、ナカタ、出てるのかー、なんだかボルトンでもパッとしないみたいだから、このままナカタの時代は終わっちゃうのかなあ、がんばってくれナカタ、ワタシは眠いよ、おやすみ……。
●zzz……ん、ナカタ、体を張ってがんばってる。お、ゴール前絶好の位置で倒されてフリーキックもらったよ。それ、たまには自分で蹴れよ。あ、自分でボール置いた。蹴るかのな、蹴るのかな、あー、味方が大勢寄ってきたよ。お前らウザい、ナカタ様に蹴らせろ。なんか小細工っぽいサインプレーやろうとしてるし。ん、ディウフがナカタに寄ってきて耳打ちしてる。味方選手、ボールから離れてる、うわ、ホントにナカタが蹴りそう、蹴る、フリーキックなんて最近やってったっけ、でも蹴るよ、ナカタ。ああ……
「うおっしゃー!」(ガバッ!)
ブラウン管の向こうのナカタと声を合わせて、力強く近所中に響け、ワタシとナカタの魂の雄叫び、「うおっしゃー!!!」
●これが決勝点となって、2-0でボルトン勝利。ナカタのゴールってすっごい久しぶり。公式戦じゃボローニャ時代の昨年4月以来だって? フィオレンティナじゃ無得点だっけ。記念にナカタのレプリカ着て寝る(ウソ)。
さらば、ビデオデッキ(涙)
●ビデオデッキの電源を入れると、ほんの数秒間、チカチカとインジケーターを光らせた後シャットダウンしてしまった。イジェクトボタンを押してもビデオカセットを取り出せない。あ、こりゃ逝ったかな……。あちこちネットで調べて、コンセントを抜いてしばらくしてから電源を入れなおしてみたり、ドライバで上蓋をカパッと開けて中を覗いてみたり(こういうことは以前はしなかったんだけど、PCとプレステで慣れてしまった)、グワシッ!ベキッ!とあちこち押したり引いたりしてみたり。しかしビデオデッキは復活しない。なぜだ、わが愛機よ。お前にはラザロという名前を付けてやったのに(ウソ)。
●ワタシは機械類の故障をひどく気に病むタイプなのだ。ああ、どうしよう、ビデオデッキ。この前、ここで「ハードディスクレコーダー欲しいなあ♪」みたいなことを書いたのがバレて、ヘソを曲げたんだろうか(ヘソどこ?)。ビデオテープの録画や再生ができないのは、ある程度はがまんができる。しかしビデオの電源が入らないとなると、BSが見れない。今週末のWOWOWスペインリーグ中継は全滅決定! ひでぶっ!(←死語、いろんな意味で)
●冷静になれ、自分。このビデオデッキは自分じゃ修理できない。しかしこれを修理に出したり、新たにビデオデッキを購入するなどというのはリソースのムダ。これを機にハードディスクDVDレコーダー導入するしかないだろう。だが、これまでに撮りためたビデオテープはどうする。テープでしか発売されてない音楽ソフトもある……。ビデオ付きハードディスクDVDレコーダーなんていうのもあるが、実に中途半端だし、ビデオみたいな機械系が入るとその分安定性が失われる気もする。うーん、どうする。思い切って、ビデオテープ全部捨てちゃうか! モノは少ないほうが吉。怒涛の勢いでハードディスクDVDレコーダー機種選定するしか!
世界一小声の鬼コーチ
●スタジアムでサッカー観戦をしていると、人にはそれぞれ固有の応援スタイルがあることがわかる。集団でマスゲーム的に応援する派、ゴール・シーン以外は静かなまったり観戦派、黄色い声で選手名連呼する派、等々。各自自由なスタイルで観戦するが吉である、が。
●ワタシは苦手なんである、「鬼コーチ」型観戦の人が。延々と選手に野次を飛ばし続ける。「ヘッタクソー、どうしてそんなところでミスするんだよっ! ほら、そこ左だよ、左が見えないのかよ! 左に出せよ、サイドサイド、よーし出したか、あちゃー、違う違う、そこはためて逆サイ、こーらっ、あー(イライラ)、もっと速く走れよっ!」みたいなタイプの人、いるでしょ。たまに隣とか前に座られちゃうのだが、だんだんワタシが叱られているような気分になって委縮してしまう。でもヘンだよな、これって。いくら叱ったって選手までは声が届かない。ホントはなんでもいいから誰かを叱りつけたいだけなんじゃないか。
●先日のJEF千葉戦でもそういう鬼コーチがワタシのすぐそばに座っていた。ただし、この鬼コーチはほかとは一味違った。とても小声で叱るのだ。あまりに小声で、ピッチどころか目の前のワタシにしか届かないくらいである。「ヘッタクソー、ほら、そこ左だよ、左が見えないのかよ」(ヒソヒソ)。ワタシ専用鬼コーチは試合の最後まで小声で野次っていた。
ピアノ連弾用「大フーガ」自筆譜発見
●ベートーヴェンの「大フーガ」自筆楽譜発見(asahi.com)。弦楽四重奏じゃなくて、ピアノ連弾用に書き直したものである。発見された場所は米フィラデルフィア郊外のパーマー神学校の地下室。この神学校では90年にモーツァルトの幻想曲ハ短調&ソナタ ハ短調も見つかっているというんだからスゴい。その地下室はワタシの魔窟並に散らかってるんじゃないだろうか(違うと思う)。ウチの実家の納屋も探したら何か出てくるかもしれない(→それじゃあ「開運! なんでも鑑定団」だよ)。
●自筆譜は全部で80枚。「欲しいなあ」と思った方は、12月1日にロンドンで開催されるオークションに3億円くらい持ってGO! オークションっていってもヤフオクじゃないぞ。サザビーズだ。18世紀から営業中。オークションへの参加方法は Buying at Sotheby's に書かれているので、初めての方はご一読を。「オークションの最中に、うっかり髪に触ったり鼻を掻いたりしても、あなたが買うことになったりしませんからご安心を」とか書かれていて、意外と親切だぞ、サザビーズ。サザビーズはくれぐれもルパンに盗まれないよう注意するように。
●なお、もしこちらの読者の方で落札した方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。自慢話を聞かせていただきます。
●恒例のコラム、DHCのFROM 40にて「オトナのためのクラシック音楽入門」第8回掲載中。
「サッカーでメシが食えるか?」(スタジオダンク編著/ノースランド出版)
●こりゃ、すげえ取材量だ!と感心したのがこの本。「サッカーでメシが食えるか?」という題の通り、サッカーに関するありとあらゆる職業人に取材した仕事案内で、なんとその年収や待遇までおおむね公開しちゃっている。年収欄はサッカーボール一個で200万円、5個満点でいくつ、みたいな感じで結構生々しい。一見、本屋さんの実用書コーナーに並ぶ若年層向け競技入門書みたいな体裁をしていながら、まさかこんな内容がつまっていようとは。
●で、どんな仕事があるのか。そりゃあJ1のプロ選手から、アマチュア選手、審判、コーチ、トレーナー、フロント職員、このあたりは当然。さらにはオフィシャル写真管理業、スカパーのプロデューサー、WOWOWのアナウンサー、サッカー誌編集長、ライター、カメラマン、翻訳&コーディネイト業、国立競技場職員、toto販売職員、スポーツメーカー社員、アマチュアサッカーマネージメント業、人工芝メーカー、サッカーバー経営者、(主審用の)笛職人、さらにはマリノスクイーンまで(笑)。いやー、よく取材した。思うにこの取材量の1/3でも楽に一冊の本は作れる。きっと編集者さんは若くて情熱のある方にちがいない。
●で、サッカー界はトップレベルの選手を頂点に、下は無報酬のアマチュアクラブ職員まで裾野が広がっている。とはいえなあ。それぞれの職業に添えられたサッカーボールの個数をついつい数えてしまうのだが、4つ5つはぽんぽん出てきて、日本のサッカー界は希望に満ちてるなって気がする。これと同じ企画を斜陽の業界でやったら若者逃げ出すこと必至っすよ(爆)。
テレビでムーティ特集放映中
●NHK-BS2で「ムーティ指揮ウィーン・フィル日本公演2005」。東京公演「三角帽子」他の初日を収録したもので、「えっ、もう放映してくれるの」感、大あり。満喫。10月22日 (土) 00:30から再放送されるので、見逃した方も大丈夫。番組冒頭でムーティがインタヴューに答えていた。「ウィーン・フィルは世界最高のオーケストラ、舞台上で奇跡を起こすことができる唯一のオーケストラである」等々。
●今週のBS2はムーティ特集ということで、ほかに何本か数年前のスカラ座での公演を放映してくれる。今日なんて20:00からウィーン・フィルで、00:30から「トスカ」の二本立てで、そんなに一日で放映されても観てられない。っていうかフツーは録画して見るのか。
●こういうときにハードディスクレコーダーがあると便利なんだろなあ。テレビ番組スケジュールに縛られないタイムシフト用の機器としてハードディスクレコーダーには惹かれるんだけど、あるとかえって慌しくなる気もして躊躇。時間を作り出す機器なのか、時間を潰しちゃう機器なのか、どっちなんだろう。
フクアリこけら落とし。JEF千葉vsマリノス戦
●はるばる千葉の蘇我まで遠征。本日はJEFの新スタジアム、フクアリことフクダ電子アリーナのこけら落とし。さすがに全席完売、周囲はJEFサポーターに埋め尽くされて、ワタシにとっては完全アウェイ。で、この新スタジアム、圧倒的にすばらしいんである。ただただひたすらにJEFサポが羨ましい。
●収容人員は1万8千人。サッカー専用、陸上トラックは存在しない。小ぢんまりしていて、いちばん後列の席に座ってもピッチは十分近い。最後列でも日産スタジアムの最前列より近いんじゃないか(マジで)。ワタシはコーナー付近、後ろから3番目の席に座ったが、最初の45分でペナルティエリア付近の芝があちこちはがれているのまで見えて、「今日開いたスタジアムがたったの45分であんなになるのだから、芝の整備というのは大変なのだろうなあ」と思ったくらいである。
●関東圏にはピッチが近いスタジアムはほかにもあるが、三ツ沢をはじめみんな古い。ワタシの行ったことのあるスタジアムで順位をつけると、カシマとフクアリで1位と2位を争う感じ。スタジアムが小さいと有利なのは「見やすさ」だけではなく、たとえば試合終了後の混雑度も「満員でこの程度ならかわいいもの」という印象。駅からスタジアムまでの道のりは味スタがある飛田給にそっくり。屋根もあって音の反響も適度、日産スタジアムみたいに広大な空間に拡散しない。
●JEFサポのゴール裏には「フクダ電子様、ありがとう」の垂れ幕。試合前にオーロラビジョンに映ったフクダ電子の社長さん(たぶん)に対して、JEFのゴール裏から熱烈なコールが。「ドンドンドドドン!フクーダデンシ!!ドンドンドドドン!フクーダデンシ!!」。すげえ、これは泣ける。ネーミングライツって、うまいやり方っすよね。
●歴史に残るスタジアム初ゴールはJEFの阿部。できすぎ。その前に中澤が自軍ゴール・ポストを叩いてあわやオウンゴールを決めそうになった。あれが入らなくて安堵したのはマリノス・サポだけではなかったと思う。試合は終了直前にJEFが決勝ゴールを奪った……と思ったら1分後にマリノスが追いついて2-2。場がすっかり白けてしまってスマソ、でも勝負事だから。控えめにガッツポーズしながら会場を後にした。
どっちが遠いかなあ、あの山と俺ゴール
●ふくらはぎ、腿、二の腕、腰。全身のいたるところで筋肉が悲鳴を上げているのは、昨晩草サッカーをしたから。10分~15分を4セット、全部で50分なんすけどね。試合前にアップするでしょ、ケガしたくないから。ランニングして入念にストレッチして、チームメイトと軽くボール回すヤツ。そんときがいちばんピークで、キックオフの時にはぜえぜえ言って息切れしてる(笑)。試合中に形だけでも頭で競ろうと思ってジャンプしたんすよ、2度ほど。2回とも着地するときに足が攣る寸前までいっちゃってる。もうそろそろ引退してもいいんじゃないの。
●試合中、半分の時間は犬コロのようにボール追い回しているだけなんけど(そして残りの半分は歩いている)、一度俺ゴールのビッグチャンスが見えた。左サイドからクロスが転がってきて、ゴール前でちょんと触ればもうゴール、空振りしないようしなきゃと思ってたら、目の前のディフェンダーをボールがかすめてコースが変わり、味方の若者の目の前に落ちた。ボールのコースが変わるまでのコンマ数秒でワタシの妄念は無限に膨れあがっていたのですよ。「よっしゃー、これで久々の俺ゴール、さーて、どんな決めポーズを取ってやろうかなあ、ロナウド風、ロナウジーニョ風、ひょっとしてカズダンスとか。ぐははは。あっ、そうだ、このゴール決めて引退宣言するのってカッコよくね? いやーこりゃおいしすぎるよ、シメシメ(死語)」。ボールは邪な欲望を察知して逃げた。味方の若者は、落ち着いてボールを蹴り、優雅に彼方の方向にふかしてくれた。0-4、大敗にして問題外。
ムーティ/ウィーン・フィル、そしてウクライナ戦
●去年もそうだったんだが、なぜかニッポン代表の試合とウィーン・フィル来日公演が重なってしまう。水曜日は試合ある可能性があるから注意しなきゃいけないってわかってたのに。前半はシューベルト「ロザムンデ」序曲、モーツァルト「ハフナー」、後半にラヴェル「スペイン狂詩曲」、ファリャ「三角帽子」第2組曲。「三角帽子」に魅かれてこの日を選んだのだが、どれも大満足。特に後半はめちゃくちゃ楽しかった。開放的で快楽度高くて、しかも繊細で洗練されていて、「三角帽子」の「ホタ」ではあまりの高揚感にワタシの周囲のオバサマおじさまたちが次々と失神していったのであった(軽くウソ)。自分がコンサートで得られる最良のものは、新たな知見でも発見でもなく、この楽しさであったのだと再認識。前日同じプロがFMで放送されていたように、アンコールは「運命の力」序曲、お腹いっぱい。
●浮き立った気分で帰宅し、ビデオでウクライナvsニッポン代表戦を再生。黄金色のパラダイスから一気に灰色の暗鬱な世界へ。ガマンだ、人生に大切なのはガマンだ、ジーコ・ジャパンはそう諭していた。雨の重い芝でウクライナの巨人たちと体を激しくぶつけ合い、吹っ飛ばされそうになりながらひたすらハイボールを跳ね返す。耐え切ればきっと好機は訪れる、いつもそうだったじゃないか、そして忍耐の末に中田コは退場を宣告され、本日代表デビューの箕輪は不思議なPKをとられ、0-1で敗退した。ジーコは激昂して試合終了後も審判に抗議を止めない。あ、シェフチェンコは風邪で欠席。
●茂庭と箕輪のセンターバックはコンビがよい、名前的に。MONIWAとMINOWAのセンターバック2枚っすよ。たとえるならアフリカのどこかと対戦したら2トップがチャムチャムとチョムチョムだった、みたいなもんだろう。
ガバッ! はぁはぁ、夢だったか……
●いま悪夢を書くのがクラシック音楽ブログ界の流行なのかっ! → オレって気が小せぇぇぇぇ(山尾好奇堂)、ビジネスマン的悪夢(中空庭園)。悪夢ってホントに怖い。怖いんだけど、目が覚めて「ああ、でもあれは夢だったんだ、ホントはそうじゃないんだ、よかったよかった」って安堵するときに漂うプチ幸福感ってのも味わい深い。あの徐々に覚醒していく段階のどこかに、夢でもウツツでもないウルトラQ的な中間世界があるような気がする。
●仕事系悪夢もたまに見るが、ワタシは高所恐怖症だからファンタジー系「落ち夢」が定番。猛烈に高く聳え立つ無数の塔だかビルだかテトラポットみたいなものの上を、スパイダーマンみたいにジャンプしながら飛び回る。いくらでも高くジャンプできるので、調子に乗ってほーいほーいと飛ぶんである。でも「これ以上高く飛んだら無事着地できない限界」っていうのがあって、ついそれを超えて飛んじゃうんすね。しかもどうやらワザと。落ちる瞬間、承知の上の絶望に直面するというペシミスティックな夢。
●あ、昨日見た夢がWMV形式だったよ(意味レス)。
モバイルでネットにつなぎたい
●ウチにあるノートPC、モバイルというほど小さくないし、無線LANアダプタも内蔵していない。デスクトップのバックアップ機として最近購入したもので、最低限の機能だけを持った廉価なものである。が、時々ではあるが、これを持ち歩けるといろいろ便利だって状況があることに気づいた。A4ほぼジャストサイズ、ちょっと重いけどデイパックに入れて抱っこすればなんとかなるムリモバイル。
●とはいえ、いまやネットにつながらなきゃ持ち歩く意味はないんである。メールはもちろん、ウェブも見たい。で、近頃のモバイルでのネット接続事情にまるっきり疎くなっていたので、浦島太郎状態でググって調べてみた。どうやらワタシの選択肢は二つあるっぽい。
1. 無線LANアダプタを購入する。
この場合、ホットスポットがあれば高速で通信可能。ただしホットスポットにもいろんな会社のがあって、無料やら有料やらいろいろあるみたい。一社にだけ支払えば都市部なら困らないって状況になってくれればいいのだが、まだ都内でもそんな感じにはなってないらしい。近所のマクドナルドやルノアールではつながる。しかし電波が来てない場所に行ってしまえば万事休すってことだから、いざってときには頼りにならない気がする。あと「野良電波」っていう危なげなコトバを覚えた(笑)。
2. PHSカードで定額接続サービスを利用する。
こっちは128kとか言ってるくらいだからあまり速くない。実効速度はもっと遅いかもしれない。でも体感速度でISDN並だったら構わないけど。無線LANに比べると月額利用料が高い。しかも過渡期の接続方法って気がするので、今からこれを導入するのはなんだか夢がない。ただ圧倒的なメリットは、PHSの電波さえ来てれば、どんな場所からでもつながるってことなんだろう。出張先のホテルで夜に部屋から接続したいみたいな状況だと、頼りになるのはこっちのほうか。
●とりあえずワタシの理解はこんな程度なんだけど、見当違いしてたら教えてください→詳しい方。ご助言歓迎。
ラトヴィアvsニッポン@東欧遠征
●東欧遠征第1弾、ラトヴィアvsニッポン。国内でJリーグのオールスターゲームがあるため、海外組フル参戦+国内組限定参戦という珍しいパターンの代表に。小野はコンディション面の問題があるらしく控え、代わりに松井先発、初召集箕輪出番なし、中田コが左サイドバック、右は駒野。キーパーは土肥。川口と楢崎がベンチに並ぶのもめったにない光景。
GK:12 土肥洋一
DF:31 駒野友一、2 田中誠、24 茂庭照幸、6 中田浩二
MF:29 稲本潤一、7 中田英寿→19 本山雅志(後半41分)、10 中村俊輔→20 坪井慶介(後半31分)、32 松井大輔→14 三都主アレサンドロ(後半31分)
FW:9 高原直泰→11 鈴木隆行(後半41分)、13 柳沢敦→27 大久保嘉人(後半20分)
●攻撃陣は見事。前半、ほとんどこちらがボールを持っていたという印象で、技術では圧勝。高原のロングシュート、柳沢がもらったPKを俊輔が決めて2-0とした時点では、どう見ても勝てる試合だったのだが、後半はミスもあって結局2-2。ナカタ、俊輔、松井がいなくなるとボールの収まる場所がなくなる。でも本番の試合じゃこんな選手交代はありえないか。
●マルセイユ移籍以来、どうも中田コに「ついてない」感、大あり。今日の最後の失点につながった、ありえない敵へのアシストだけじゃなくて。右サイドの駒野が目立っていただけに気になる。そういえば左サイドバックはアレックスだろうと中田コだろうと本職ではないのだな。
●テレ朝の中継、飲み屋でオッサンどもが騒いでいるのと変わらん。
オタクの市場規模は12分野で172万人
●野村総研の調査研究がおもしろかった→オタクの市場規模は12分野で172万人。ヲタはこだわり分野にはムリしてでもお金を注ぎ込むから、こういうマーケティングも有効なんだろう。それにしても見逃せないのはこのオタク12分野である。コミック、アニメ、芸能人、ゲーム、組立PC、AV機器、携帯型IT機器、自動車、旅行、ファッション、カメラ、鉄道。ふはっ。ないのである。クラヲタはもちろん、音楽という分野自体が存在しないんである。われわれは日常世界でも少数派なら、なんとヲタク世界でも少数派だったのだ。さあ、一緒に歌おうじゃないか。♪わたしはこの世に忘れられ~(マーラー「大地の歌」より)。
●一昔前は経済視点で描いたオタク世界ってのは的外れなものになりがちだった。オタクとは無縁のオッサンが作るものだったから。でも今は調査研究する本人がもうオタク上等世代なので安心。休日をアキバで楽しく過ごせる感がしっかり伝わってくる。
●記事後半の「オタク層の5つの類型」は秀逸。「家庭持ち仮面オタク」「わが道を行くレガシーオタク」「情報高感度マルチオタク」「社交派強がりオタク」「同人女子系オタク」の5タイプ。特に「同人女子系」というカテゴリーをちゃんと押さえてるのが偉いんじゃないだろか。
明日までアジア・オーケストラ・ウィーク2005
●今日と明日で終わってしまうものを今ごろ紹介するのもなんなのだが、アジア・オーケストラ・ウィーク2005開催中。昨晩のタスマニア交響楽団(オーストラリア)が清新で気持ちよかったので。本日6日は東京がインドネシア(!)のヌサンタラ交響楽団、大阪が韓国のテジョン・フィル。明日7日は東京で中国の広州交響楽団。アジアの勢いを感じることで、ワールドカップ・アジア予選みたいな気分になれる(ウソ)。
●映画監督クリストファー・ノーランの次回作「ザ・プレステージ」って、原作はプリーストの「奇術師」なんだと。「メメント」の鮮烈さに比べると「バットマン・ビギンズ」は物足りなかったので、こっちには期待大。
ニッポン代表新キャッチフレーズ募集中
●新キャッチフレーズ募集中っていうからには「旧」もあるわけで、「旧」はなによ? と思ったら「Go for 2006 !」だったのだ。で、新キャッチフレーズは以下からの五択で募集中。
頂点へ、全員で。
WIN NOW!
世界を驚かせよう。
Make the HISTORY
SAMURAI BLUE 2006
●「頂点へ」ってのはないよなあ。頂点まで目指してないし。WIN NOWもしっくり来ない。勝つことばかりが大事じゃないし、引き分けって目標だってあるし、なんだか強豪国の発想っぽい。「世界を驚かせよう」はそんなに周囲の評価ばかり気にするなって言いたくなる。他人の目より自分だろ、みたいな。Make the HISTORY もどうかなあ。そんなにヒロイックなものばかり求めなくてもいい。だいたいどうして英語なんだ。ああ、いかんいかん、文句ばかり言ってちゃダメだ。なんでもネガティヴに見てるとつまんない人間になっちゃう。よし、じゃあSAMURAI BLUE 2006 で行こう。いいよね、SAMURAI BLUE (超訳:拙者、鬱でござる)。禁切腹。
●応募はこちらから。ワールドカップ ドイツ観戦ツアーに抽選で1名様ぽっきりご招待。おそらく、この1名様はずばりワタシなんじゃないかなって気がしてます、そんな都合のよすぎる予感がたった今。
パスカル・モンテイエのバッハとヴィゼ
●パスカル・モンテイエのテオルボ(大型のリュート)によるバッハの無伴奏チェロ組曲第1番~第3番とロベール・ド・ヴィゼの組曲集。Virgin/VeritasX2で廉価2枚組で再リリースされたものを聴いている。いつでも聴けるように、ワタシのCDプレーヤーの脇に一ヶ月以上ずっと置かれている。バッハの無伴奏チェロ組曲はリコーダー、ヴィオラ、サキソフォン、マリンバ等々さまざまな楽器で弾かれるが、もちろんテオルボで弾いたってちゃんとバッハ。何の不足もない。ロベール・ド・ヴィゼはルイ14世のギター教師。バッハと同様、プレリュードではじまってアルマンドが続き、クーラントやサラバンドを挟んでジーグで終わるという、フランスの古典組曲集。しっとりした情感豊かな舞曲が並ぶ。名曲を聴きたいなと思ったときはバッハのほうを、ぼうっとしながらつらつらと考えごとをしたいときはヴィゼを聴く。と思ってたが、結局ワタシはいつでもぼうっとしてしまいがちなのだ。
●そして、バッハのほうには「ぼうっとしてしまう人」のためのサプライズが用意されている。最後のトラック、無伴奏チェロ組曲第3番のジーグだが、タイムテーブルに10分16秒と書かれている。なんだこれは。演奏は普通に3分強で終わる。そして、その後たっぷり6分ほどの無音状態が続く。曲はとっくに終わってるのに、CDプレーヤーが停止しないんである。で、突然、「♪ぼろろんろん~」と即興っぽい(?)フレーズが短く弾かれて、おしまいとなる。びっくりするのである。何度もかけて、何度もびっくりするんである。
ピッチを駆け回る背番号1
●チャンピオンズリーグのハイライト番組を見てたら、オリンピアコスのカフェスって選手、ミッドフィルダーなのに背番号が1じゃないっすか! キーパー以外が1を付けているのを初めて見た。この人、どうして1番なんかつけようと思ったんだろう。あと正ゴールキーパーが嫌がってる気がする。
●Jリーグって開幕当初はたしか背番号が選手に固定じゃなくて、ポジションに固定だったと思う。キーパーは誰がやっても1、センターフォワードは誰が出場しても先発した人が9。あれ、でもポジションがどこかなんて主観的な解釈も可能だから、先発選手が1~11をつけるって決まってただけか。10番の選手が出場停止だと、代わりに出てきた知らない選手が10だったりして、なんだか味気ない仕組みだなと思ったものだが、しばらくするとこのルールは廃れた。今じゃありえんって気がする。背番号が決まってないと、ユニフォームのレプリカを売りにくいから。
●↓一つ前の阪神優勝の記事、これ全然意味不明っすね。夜中に自分で大笑いして作ったのに、朝見たら思いっきりすべってる。わかんなかった人は解説求めずに忘れてやってください。
阪神タイガース優勝について
「阪神タイガース、2年ぶりのリーグ優勝について、コメントを一言お願いします」
「お前、話聞く相手まちがえてんじゃねーの」