●こりゃ、すげえ取材量だ!と感心したのがこの本。「サッカーでメシが食えるか?」という題の通り、サッカーに関するありとあらゆる職業人に取材した仕事案内で、なんとその年収や待遇までおおむね公開しちゃっている。年収欄はサッカーボール一個で200万円、5個満点でいくつ、みたいな感じで結構生々しい。一見、本屋さんの実用書コーナーに並ぶ若年層向け競技入門書みたいな体裁をしていながら、まさかこんな内容がつまっていようとは。
●で、どんな仕事があるのか。そりゃあJ1のプロ選手から、アマチュア選手、審判、コーチ、トレーナー、フロント職員、このあたりは当然。さらにはオフィシャル写真管理業、スカパーのプロデューサー、WOWOWのアナウンサー、サッカー誌編集長、ライター、カメラマン、翻訳&コーディネイト業、国立競技場職員、toto販売職員、スポーツメーカー社員、アマチュアサッカーマネージメント業、人工芝メーカー、サッカーバー経営者、(主審用の)笛職人、さらにはマリノスクイーンまで(笑)。いやー、よく取材した。思うにこの取材量の1/3でも楽に一冊の本は作れる。きっと編集者さんは若くて情熱のある方にちがいない。
●で、サッカー界はトップレベルの選手を頂点に、下は無報酬のアマチュアクラブ職員まで裾野が広がっている。とはいえなあ。それぞれの職業に添えられたサッカーボールの個数をついつい数えてしまうのだが、4つ5つはぽんぽん出てきて、日本のサッカー界は希望に満ちてるなって気がする。これと同じ企画を斜陽の業界でやったら若者逃げ出すこと必至っすよ(爆)。
October 19, 2005
「サッカーでメシが食えるか?」(スタジオダンク編著/ノースランド出版)
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