●「今バンコク・オペラが面白い!?」(「おかか1968」ダイアリー)を読んでいて懐かしい名前に。バンコク・オペラで東南アジア初となるワーグナー「ニーベルングの指環」プロジェクトが開始、まずは「ラインの黄金」がソムトウ・スチャリトクルの指揮と演出で上演されたという。ぐはっ、スチャリトクル。どうやらスチャリトクルは現在のタイのクラシック音楽界のキー・パーソンとして活躍しているようではないか。若い頃にはシュトックハウゼンやブーレーズの影響を受けた作品を作曲していたという。
●が、ワタシの知ってる(そしておおむね日本で知られている)ソムトウ・スチャリトクルとは、SF小説の作家である。代表作は「スターシップと俳句」。残念ながら現在は品切重版未定のようだ。ウチの本棚にはある。もう記憶は不確かだが、あちこちのサイトを見て補うと、だいたいこんな感じの話(違ってたらゴメン、現物の本は探し出せそうもない)。
●核戦争後の地球、放射能汚染により人類は滅びそうになってるんだけど、かろうじて日本は文明を保っている。日本人は未来に絶望し、古来からの「滅びの美学」に基づいて、自殺がファッションとして大流行する。そんななかで、ある大臣が絶滅したと思われていたクジラとのコンタクトに成功する。クジラは実は大変知的な動物で、そもそも人類は太古の昔、クジラによって知性を与えられたことが判明。日本人たちはクジラを食べてきたことにショックを受け、恥辱のあまりどんどん自殺しちゃう。金閣寺から飛び降り自殺。雪の降る日本庭園で美しく切腹。火山の火口から飛び降りて夫婦心中。遊園地で途中でレールの途切れてるジェットコースターでダイブ。これではいかんと、主人公は人類とクジラの子孫を前世紀の遺物たる宇宙船を使って希望の失われた地球から脱出させようと試みる……。
●なにせタイトルからして「スターシップと俳句」っすよ。相当日本勘違い系の小説かと思いきや、実はそうじゃなくて、ワザとやってる。スチャリトクルは日本に在住経験がある。あ、そういえば彼はタイ王国30番目だかの王位継承権を持ってるって話だったんだけど、今何番目なんだろか。
●で、そんな人が「リング」やら「魔笛」やら「ねじの回転」「アイーダ」「トゥーランドット」なんかの演出をしているわけだ。人力車に乗って出てくる三人の童って(笑)。見たいでしょ、すっごく。ああ、頼む、どこかのオペラ団体がスチャリトクルを日本に呼んでくれないか。コンヴィチュニーの次はスチャリトクルが来る、きっと来る。
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●業務連絡を一件。今週末、仕事場兼自宅の引越しをします。土曜日の日中はほぼ連絡取れなくなります。ネット環境はトラブルがなければ土曜夜には即復旧予定。新しい連絡先は早めに各所にお伝えします。もっとも最近はケータイがあるからなんとでもなるんすよね。
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●↑引越し完了。ネット復旧なり。
April 21, 2006
ソムトウ・スチャリトクル演出のオペラが見たい
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ベルリン・ドイツ・オペラによる「ニーベルングの指輪」(以下「リング」)の日本初 続きを読む