●今年のチャンピオンズ・リーグ決勝はパリでの開催。バルセロナvsアーセナル。バルセロナが攻めて、アーセナルが守るという展開を予想していたら、キックオフ直後からアーセナルが全力プッシュ。どんなスゴい試合になるかと思いきや、前半18分でアーセナルのGKレーマンが退場になってしまう。もしあそこで主審がアドバンテージをとって、ジュリのゴールでバルセロナが先制して、お互い11人のまま戦っていたら……。
●と、やや落胆しつつバルセロナのボール回しを見ていたら、コーナーキックからソル・キャンベルが決めて、なんとアーセナルが先制。おかげでぐっとスリリングな試合になってくれた。バルセロナはエトー、ロナウジーニョ、ジュリの3トップでもともと攻撃的なのが、エジミウソン→イニエスタ、ファン・ボメル→ラーション、オレゲル→ベレッチと次々選手交代し、とんでもなく攻撃的な布陣へ。
●それでもアーセナルはアンリやリュングベリの個人的な能力だけでバルセロナを脅かすから恐ろしい。この人たち、怪物っすね。後半30分まで一人少ないアーセナルがリードを保っていたけど、このあたりから足が動かなくなり、エトーの同点ゴール、ベレッチの逆転ゴールを許してしまった。雨足が強まっていったのも、一人少ないアーセナルには不利に働いたかも。
●気になったのはバルセロナのファウルを欲しがる姿勢。あれ、普段のスペイン・リーグだとおおむね笛を吹いてもらえると思うんすよ。フリーキック、ハンド、ペナルティキック……主審がバルセロナひいきであるっていうことじゃなくて、名門クラブがまとっている目に見えない威厳が自然と笛を吹かせてしまうっていう感じ、国内リーグでは。それがなくなったときどうなのよっていう点では、バルセロナはどこかでアーセナルに負けていた気もする。救ってくれたのは、ラーションの美しすぎる2アシスト、エトーとベレッチのゴール。ワタシはジュリとラーションがお気に入りだし、ライカールトもバルセロナも応援しているので大満足の結果だけど、アーセナルへの敬意はギュルギュルと増したのであり、恐るべしヴェンゲル、そしてプレミアシップ。
May 19, 2006