●もうすぐこのドラマ、終わるんだよなあ、阿部寛主演「結婚できない男」。いよいよエンディングに向けてテレビドラマ的に本筋部分が盛り上がってきたため、小ネタが控えめになってきて少し寂しい。いや、でも十分楽しんでるんだけど。
●さて今週登場の曲は、ロッシーニのオペラ「セビリアの理髪師」から「私は街の何でも屋」。「♪フィ~ガロ、フィガロフィガロフィガロ……」って歌ってるところに、信介がボソリと「違うな」と言ってストップ。そんな愉快な音楽を聴いている場合ではない。
●ロッシーニの「セビリアの理髪師」にはフィガロが登場する。フィガロといえばモーツァルトの「フィガロの結婚」。登場人物が共通する。これはともにボーマルシェの戯曲が原作で、「セビリアの理髪師」の続編が「フィガロの結婚」である。ってのはクラヲタ的にはみんな知ってるわけだけど、ワタシはこれを最初に知ったときには結構違和感があった。音楽史的にはモーツァルトの「フィガロ」のほうが先になのに、物語的にはロッシーニの「セビリアの理髪師」が先。ヘンなの。
●ちなみにボーマルシェの戯曲は三部作である。「セビリアの理髪師」「フィガロの結婚」と来て、おしまいは「罪ある母」。どんな話か調べてみると、なかなかヤな感じっぽくて凶。時代設定は「フィガロ」から20年以上も経ってて、伯爵夫人はケルビーノと不倫してて、二人から不義の子レオンが生まれ、これを苦にしたケルビーノは自殺(ええっ)。一方伯爵はレオンが実の子ではないと知り冷遇、代わりに他の女に産ませた子供を養女に迎えて溺愛。そんな背景で、レオンが成人したところから戯曲は始まるそうだが、なんだか「セビリア」や「フィガロ」と雰囲気が違ってそう。こりゃだれもオペラ化しなかったわけだ……。
●いや、しかしこの「罪ある母」もオペラの一部にはなっている。アメリカの作曲家ジョン・コリリアーノのメト創立100周年委嘱作「ヴェルサイユの幽霊」、このなかの劇中劇として「罪ある母」が出てくる……ようだ。このオペラ、以前レーザーディスクでは出てたけど、ワタシは惜しくも見逃してしまった。DVD化は少なくとも日本ではされていないと思う。
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●音楽配信サイトMaXMuse クラシック・コーナーにて、さっくりとオペラ特集掲載中。どぞ。
September 6, 2006
♪フィ~ガロ、フィガロフィガロフィガロ、フィーガロ
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