●ヴィヴァルディ「四季」のDVDが近日発売。演奏はあのイル・ジャルディーノ・アルモニコである。といってもイル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏シーンを延々と映しただけのDVDではない(それはそれでおもしろかったろうけど)。春夏秋冬のそれぞれの冒頭にチラッとだけ演奏者たちが顔を出すのであって、メインの映像はヴェネツィアの四季の風景。ヴィヴァルディといえばヴェネツィア。もちろんこれは現代のヴェネツィアであって、作曲者がソネットに描いたような四季の風物詩はどこにもなく、むしろ視点はツーリストのそれ。つまりパッと見たところ名曲アルバムなんかとそう違わないのだが、唯一決定的な違いは、演奏がイル・ジャルディーノ・アルモニコってこと。映像よりはるかに雄弁でアグレッシヴな音楽が背景で鳴っているんである。わかる人にはわかるこのアンバランスさにウケていただきたい。あ、解説原稿はワタシが書いています。営業してスマソ。
●ところでイル・ジャルディーノ・アルモニコといえば、ソロ・ヴァイオリンはエンリコ・オノフリ氏である。今年のラ・フォル・ジュルネ・ジャポンでディヴィノ・ソスピロを率いて強烈な演奏を聴かせてくれた(→公式ブログ写真)。ワタシはこのDVDの演奏場面でオノフリ氏の姿を探したのであるが、最初見つけられなかったのである。えっ、なにをいうか、そんなのいちばん左でヴァイオリンを弾いている男に決まっているだろうが、とあなたは思うかもしれない。だがなー。演奏は1994年。その男性がこういうお顔であったわけで、ワタシはにわかに同一人物とは認識できなかった。ふと頭に浮かんだ言葉。使用前、使用後。でも使用ってなにを?
October 20, 2006
DVD ヴィヴァルディ「四季」 イル・ジャルディーノ・アルモニコ
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