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February 3, 2007

新刊平台伝説

●拙著「クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!」(三笠書房・王様文庫)、お求めいただいた方々には深く感謝。
●写真を送ってもらった某書店の光景。書店の平台に並べられるなんて、一生に一度の体験だろうから載せておこ。マジ焦る永遠の弱気派の自分。

某駅の構内にて

●ちなみに、写真の右隣でもっとすごい山になってるのは、文庫化された三崎亜記の「となり町戦争」っすね。これは単行本で読んだけど、いい小説だったなあ。今度映画になるみたい。主人公は、あるとき町役場の広報紙によって、自分の町と隣町が戦争状態に入ったことを知る。役場要請によって与えられた任務は「敵地偵察」。ところが戦争といっても、町の風景は昨日までとなにも変わらない。どう見ても平穏な日常が続いているのに、広報紙には淡々と戦死者の数が報告されていく。戦争というものが不可視の存在として描かれているのがおもしろい。常に世界中で戦争は起きてるけど、ワタシらはそれを町役場の広報紙のように、ニュース上での数字や文字としてしか感知していない。ならばワタシら自身が参戦しても、最前線以外では相変わらず紙の上のものとしてしか戦争を実感できないんじゃないかという、恐ろしく希薄な当事者意識も想像可能だろう。徹底した役所の論理とルールで進められる戦争っていう描写はかなり笑える。しかもちゃんとロマンスもある。何年か前の小説すばる新人賞受賞作。オススメ。
●うお、いかん、自著の宣伝をしようと思ってたのに、違う本の紹介をしてしまった!お、落ち着け。

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