●愛称は「オペラパレス」新国立劇場のオペラ劇場。ええっーーー!
●ちなみにアルファベット表記はOPERA PALACE Tokyo。そ、そ、そうか。まあ決まったものはしょうがない。「ハツゲキ」も「シブゲキ」もダメであったか。「さくら座」「フジヤマ劇場」「ヤマト座」「大江戸座」も全部ダメか。てか、応募してないけど。
●しかし愛称は「メト」みたいに一語で呼べないと呼びにくいというか、6文字もある愛称ってどうなのかって気もするが、こういうとき日本語では省略してさらに短縮化された愛称が広まったりする、たぶん。なので、「オペラパレス」は「オペパ」?……いや、違うな。「ペラキチ」みたいに「オペラ」は「ペラ」が残る。だから、「ペラパ」っすね。「ラノベ」みたいに3文字で平板に発音するとそれなりに今っぽい。
●「ペラパ」。あれ、「ペラ宮」かな。ペラキュー!みたいな。力強くお腹から叫んでみよう、ペラキューッ! やっぱり「ペラパ」か? うーん、悩むな。少し和風で「歌宮(ウタキュー)」でどうだろ。ウタキュー。いいかも。でもそれ、もう全然「オペラパレス」と近くないし。どう呼ぼうかなー、新国のこと。
2007年3月アーカイブ
「オペラパレス」の愛称募集中(ウソ)
U22ニッポンvsシリア@北京五輪2008第二次予選
●驚いた。U22ニッポンvsU22シリア@北京五輪予選。3-0で完勝、このチームはじまって以来最高の出来、途中から。
●前のマレーシア戦が不甲斐ない内容だったのでこの試合も心配してたんだけど、案の定、試合開始直後はシリアのペース。というか、黄金世代と言われるこの年代のシリア、技術も高いし、戦術的にもしっかりしてそうで、なんかイランあたりと対戦してるみたいだなっていう手ごたえあり。これは強敵、もしかすると歯が立たないかも、と思った。実際、1点シリアが取ったように見えたんだが、審判がファウルで取り消してくれた。
●が、この試合でトップ下に入った家長が利き足じゃない右で強烈なミドルを決めると、ガラリと雰囲気が変わる。急にボールが回りだし、2点目、平山のヘッドがきれいに決まって(唯一の長身フォワードをゴール前でドフリーにしてしまうシリアの守備はどうかしてる)、それからはどんどん選手が動いて、パスがつながる、楽しいサッカーが展開。人もボールも動くコレクティヴなサッカー。これってまさしくオシムが目指してるサッカーなんじゃないの、反町ジャパンだけど。やっぱりオリンピック予選だから、ゴールが入ってプレッシャーが減ると、のびのびプレイできるってことなんだろか。
●今回のニッポンは左サイドに家長と本田を併用。ウィングプレーヤーっぽいのは家長のほうだけど、家長は中に絞ってトップ下気味のポジションで、アウトサイドはもっぱら本田が担当。3バックなので前後に走って守備もしなきゃいけないから外側は本田、家長はなるべく攻撃させるという使い方か。トップは平山、これに李忠成と家長がからむ形。右側は水野の天下。中央は梶山と大学生の本田拓也。キーパーに西川周作が復帰、本田へのスゴいフィードが一本あった。一世代前のキーパーとは足の技術が全然違う感じ。しかも左利きだ(笑)。
●シリアは手ごわいけど、よく考えてみればニッポンはまだラッキーな組に入ったのかも。だって、サウジアラビア、オーストラリア、ヨルダン、イランっていう組があるっていうんだから。
楽園
●「あ、そんなに忙しいの、会社。3週間連続出勤かあ。休みも取れないのは辛いよねー。もしさ、休み取れたら何するの。いや、掃除とか洗濯ってそんなんじゃなくて、どーんと3ヶ月休みとか。違うな、どかんと3年間丸々休みとか。何する何する? 掃除も洗濯もし放題だぜ(笑)。ビバ自由、二度寝毎日オッケ。テレビ見るだろ、ゲームするだろ、だらだらネットやるだろ、欲しかった洋服買うだろ、映画も見てさー、それからまたゲームするだろ、デートもしなきゃな、デートっていうか旅行するだろ旅行、好きな子と一緒に旅行に行って、で、ゲームするだろ、美味いもの食って、好きなだけ酒も飲んで、朝風呂入って、音楽もたくさん聴いて、本も読んで、で、ゲームするだろ、あとは新しいことにもチャレンジできるじゃん、料理でも始めるかなあ、それともスポーツもいいかも、まずジム通うか、それでさ、ゲームするだろ、それから一人旅もしてみるかな、テレビ見て、映画見て、絵でも描いてみるかな、いや描かないな、釣りとか、クルマとかバイクとか、しないか、ダーツやるかも、やらねーか、でもまあゲームするだろ、でさ、このあたりでもう休暇は1ヶ月経ってて残りはあと2年と11ヶ月あるんだけど、何する何する? まず、ゲー……」
リュクスで、デラックスで、ドルックスな
●自由な女のワンテーマ・マガジン「FRaU」新創刊2号。特集が「肌、別嬪!」ってことですかさずゲット~。ウソ。日頃手にする機会はないわけだが、今月のSTAGE欄に招かれて「クラシック聴くが吉」みたいな話を喋ったので、見本誌をいただいた。なんて豪華な作りの雑誌なんだろ、オールカラーで紙もいいし写真もきれいだ、感嘆しつつ頭から全部目を通す。
●TRAVEL欄「砂漠リゾートで優雅に超異文化体験」、小見出しは「中東に豪華リゾート続々。リュクスなオアシスへ」。おお、普段自分が接するメディアには見かけない「リュクスな」についに遭遇。gooにある三省堂提供「デイリー新語辞典」にはすでにちゃんと載っている>リュクス。
●ワタシは漠然とこんなふうに解していた。リュクス(luxe)はきっとフランス語から来てて、一方デラックス(deluxe)はフランス語→英語→日本語と伝わってきた言葉で、本来意味は同じ。でも日本語の「デラックス」はなんか70年代風というか、豪華であっても庶民的な感じがして、「リュクス」は(ほとんど想像上の語彙なんだけど)00年代的で本物の豪華さ、階級的でとても高価な感じがするなー、と。
●でもニュアンス違ってたかも、これ読むと→リュクス@livedoor辞書。「自分にとっての贅沢」「安らぎのある贅沢」。そうかあ、そうだったのか。一つ新しいコトバを憶えた、かも。
●つことで、これからブルックナーでも聴きながらリュクスなひとときを過ごすことにする。
蹴る者に幸あれ、走るだけの者にも幸あれ
●性懲りもなく、またしても草サッカー。本当は得意げにここで自分の神プレイの解説でもじっくりねっとり披露したいところであるが、現実に知るのは、われ無力なり、困惑、呆れるほどの肉体の躍動感のなさ、ゆっくりと(ここからギュンとテンポ加速して読む!)体が動き出した頃にはボールはもうはるか向こう!(a tempo)みたいな。(Largo)すーげーなー、みんな、どうしてそんなに走れるの、動けるの、若くない人だって。もうワタシ(Andante)走れないから歩くよ……。
●実はチャンスはあった。この3年分くらいいっぺんにやってきたのであって、シュート2本打ったし(全然ワクに入ってない)、ほかにも惜しいな!って瞬間あって、神様は微笑んでくれたのに、こっちが勝手にそっぽを向いてしまったようなもので、もうこんな好機はないかもしれん。夜、枕を濡らしながら頭の中に湧き上がる声。ドンドンドドドン、ジョー、ショージ、ドンドンドドドン。無関係。しかし自分としてはド下手クソなりに精一杯やってるのだ。
●今回、相手は某ミュージシャンチームということであったが、終わってから元Jの方がいらっしゃったと知る(しかも下のカテゴリーでの代表歴ありって)。畏れ多すぎ。やってるといろんなことあるなー、草。
●日曜夜、「やべっちFC」冒頭で、いきなりカタラーニの「ワリー」のアリア「さようなら、ふるさとの家よ」が流れてきてドキドキ。名曲、いつ耳にしても。でもなんでペルー戦にこの曲? 俊輔がふるさとにさようならってこと?
ニッポンvsペルー@キリン・チャレンジ
●オシム・ジャパンに初めて海外組が合流(といっても中村俊輔と高原だけだけど)ってことで注目の一戦、しかし相手のペルーはベストメンバーにはたぶん遠くて、そもそも来日メンバーたったの15人ってのはなんなのか。ニッポン代表は25人もベンチ入りしてるぞ(笑)。控えキーパーだって川島と西川、二人もいる。もっともそんな相手であっても簡単には勝てなかったりするし、実際ペルーとは何度か対戦していつも勝てない印象あり。
●でもさすがに今日は勝った。ニッポン 2-0 ペルー。ゴールは巻誠一郎と高原直泰(すごいトラップから光速で反転してシュート)、アシストはともに中村俊輔、両方ともセットプレイから。高原と中村俊輔は個人的に高い能力を見せてくれたという試合であって、チームとしてはまだまだこれからという印象。全体にぎこちないんだけど楽しみではある。良かったのは左サイドバックの駒野。ザルツブルクのアレックスが呼ばれなかったので久々の登場。バックラインは左から駒野、中澤(オシム初召集)、トゥーリオ、加地。毎回どんな選手が呼ばれるか見当もつかんと思っていたオシム・ジャパンだけど、気が付くと最終ラインはトゥーリオ以外はジーコ・ジャパン以来のおなじみのメンバー。キーパーも川口だし。
●途中から中村俊輔と中村憲剛のダブル中村共演が実演。この二人、ホントによく似てる。利き足が左と右で違うけど、ポジションもプレイスタイルもキックのフォームも顔の雰囲気も全部似てる。もう忘れられているかもしれないが、オシムは当初名古屋から中村直志も呼んでいた。したがってオシム・ジャパンではトリプル中村まで実現可能であることは指摘しておきたい(福岡の中村北斗、神戸の中村友亮、愛媛の中村豪らの活躍次第ではニッポン代表総中村軍団の可能性も見えてくる……わけないか)。
●清水の藤本淳吾も途中出場で代表デビュー。五輪組の家長、水野の両サイドアタッカーも交代出場。ベンチにガンバ大阪の橋本英郎、大分の松橋章太(驚いたなー)。中盤から前はどんどん新しい選手が呼ばれている。逆に言えばなかなか定着できないわけだけど、そんななかで所属チームでももう一つと言われていた巻が先発してるあたり、監督の信頼は大きいのだなあと再認識。祝、巻、オシム・ジャパン初ゴール。
ピピッと決済、軽快に
●私鉄&バスでもPASMOがサービス開始、っていうか自分的に実現したのは「SUICAでJRだけじゃなくて私鉄も乗れるようになった」ってことであって、おかげで本日もスイスイと私鉄、地下鉄、JR間を乗り換えることができたんである。ビバ、ICカード、ビバ、キャッシュレス。
●あ、これ、プリペイド型のICカードで電車やら地下鉄やらの自動改札を通れるようになったっていう首都圏の話。これ一枚で東京は全部オッケ。定期入れを軽くタッチするだけで、ピピッと料金支払ってくれる。横着な人だと、ハンドバッグの底にカード入れておいて、カバンをそのままポンとセンサーに乗っけて通っちゃう。すげー、そんなのでも通れるのかっと感心したワタシは、なにか意外な改札通過技でも編み出せないかと考え中。
●これって駅だけでなく、どんどんあちこちのお店で使えるようになってくれるといいなー。SUICA/PASMOはスピード面でもセキュリティ面でもクレジッ◎トカードより優れている。小額はSUICA、高額はカード、非常用が現金って感じで落ち着くのが理想形かなと。あ、でも決済用の機械が店舗に普及しないか、ICカードは。
レッツゴー!クラヲくん2007 レコード店編
●連続不条理ドラマ「レッツゴー!クラヲくん」第10回
クラヲ at 夕ウーレコード中野店
「お、お客様、お止めください、ほかのお客様が怖がりますので!」
ピアニストは二度死ぬ(クリストファー・ミラー著)
●音楽ファンのために書かれた今年度最大の怪作(笑)。「ピアニストは二度死ぬ」(クリストファー・ミラー著、石原未奈子訳/ブルース・インターアクションズ)。一般の読者にもアピールするようにとこのような邦題になっているのだが、この小説の趣旨は原題を見れば即座に理解できる。こんなタイトルだ。
SIMON SILBER : Works for Solo Piano
ね。つまりこの本は、サイモン・シルバーなる作曲家&ピアニストの作品集である4枚組CDボックス……に添えられたライナーノーツという趣向なのだ。4枚組CDに400ページ近いライナーノーツが付いていることになる(!)。解説を書いたのはサイモン・シルバーに雇われた伝記作家ノーマン・フェアウェザーJr(という設定ね。実際にCDブックになってるわけじゃない)。では作曲家サイモン・シルバー、それにライナーを書いたノーマンとはどんな人なのか。
●そうだなあ、一言でいえば二人とも天才じゃまったくなくて(いや本人は天才を自認していたかもしれない。自分で自分にウソをつくことで)、なんつうか、とことんダメというか変人というか。その描写の冴え、著者の底意地の悪さには舌を巻く。
●たとえばサイモン・シルバーはこんな鬼才だ。幼少時から父親にその天才性を純粋培養させるべく、一つの例外をのぞきあらゆる音楽を耳にすることを禁じられた。例外とは音楽室でループで流れるベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲。昼夜を問わず、サイモン少年がそこにいようがいまいが、それどころかピアノの練習をしていようが、ずっと深遠なる晩年のベートーヴェンが流されていた。
●で、作曲家サイモン・シルバーはどんな作品を書いたか。それはこの大部なライナーノーツ(笑)にいくつも紹介されているわけだが、これなんかステキじゃないだろうか。「バベッジ置換曲」。これはシューマンの「アベッグ変奏曲」にインスパイアされて書かれたと思われる。そう、勘の鋭い方はおわかりだろう。アベッグ変奏曲といえば音名 ABEGG を主題とした変奏曲である。それに対してBABBAGE置換曲……ぷぷぷ、あんた、おもしろすぎるよっ!
●サイモン・シルバー、恐るべき鬼才である。さすが、グレン・グールドに「永遠に憧れ、恨んでいた人物」である。そして、このライナーを書いている雇われ伝記作家ノーマンもまた、この世で本人以外誰一人理解してくれない天才(候補)なのだ。ノーマンは金言作家で、過去に一冊金言集を書いている。じっと世間が自分の天才を発掘してくれるのを待ちながら、田舎町で変人ピアニストの伝記を書かされているのだ。二人が散歩するときはこんなシーンが現れる。ノーマンは「これだ!」という金言を思いつくとテープレコーダーにそれを吹き込む(どうせ後から書き起こしたりはしないんだが)。サイモン・シルバーもミューズの神が舞い降りてきたときに、テープレコーダーに思いついたメロディを口ずさんで録音する。すごいな、創造者たち。
●これ、念のため言っておくと、ダメ男を高みから見下ろして嘲笑しているような本ではない。音楽を作ったりモノを書いたりするような創造的な行為に対して、真摯な敬意や畏怖の念があるからこそ、この種のユーモアは成立する。で、飛躍したことを言ってしまうと、ワタシはこれを読みながら思ったのだ、これは理想のライナーノーツだ、と。理想のライナーノーツは小説という形態を採るしかない、きっとおそらく確実に。
クラック総当たり戦
●週末を前に、フットボールライフ的にはすでに暗雲が立ち込めていた。マリノス期待の星、長谷川アーリアジャスールが骨折で全治4ヶ月という診断だったし、マルケスは肉離れで全治6週間。そして、土曜日。マリノスはヴィッセル神戸と対戦。ここのところ生でサッカーを観戦する余裕がなかったので、久しぶりに新横浜まで出かけるか!とほんの一瞬思ったが、そこまでの気力も湧かず、スポーツ・ニュースで試合結果を確かめてみると、1-4で大敗していた。横浜FCとヴィッセル神戸というJ2からの昇格組相手に連敗。開幕戦では優勝争いを夢見ていたというのに、今は久々に残留争いをしなければならないのかと慄いている。なあ、どうしてウチのチームは助っ人ブラジル人がピッチに立たずにベンチに座ってたり、あるいはベンチにもいなかったりするのだろうか……。
●最近印象に残ったネット犯罪。顧客のID盗んだ日立のSE逮捕。26人分の証券口座のIDとパスワードを盗んだというのだが、パスワードを固定してIDを総当りさせるプログラムで割り出したのが鋭いと思った(古典的な手口かもしれんけど、ワタシは知らなかった)。つまり、一つのIDにパスワードを総当りさせようとすると、誤パスワードによるロックがかかってしまう。だが、いかにもありそうなパスワードに対して、IDを総当りでぶつけるのなら大丈夫というわけ。この会社ではIDは数字のみらしいので、比較的容易に割れてしまいそうだ。
●よくあるパスワードとして想定したのはなんだったんだろう。まっさきに試しそうなのは「password」とか「123456」か。あとはIDと同一文字列とか(いやそんなのは最初から設定できないようになってるかもしれんが)。まあログイン用のパスワードだけで任意の口座に送金できる金融機関はないと思うけど、予期せぬ手口ってのはいつだってありうるんだろうな。
U22マレーシアvsニッポン@北京五輪2008第二次予選
●一日遅れでオリンピック予選、アウェイでのマレーシアvsニッポン戦。いやー、参った。久々にひどい試合であった。コンディションは最悪。ピッチは雨でグシャグシャ、蹴ったボールはすぐ止まる。主審はいつものアジア基準で、ニッポンは軽く相手にぶつかっただけでもファウル、一方相手は遠慮なく当たってきてもOK。気候も違う。もっともケガしやすい状況かもしれない。こういう環境で選手にいつもと同じようなプレイをしろってのは酷な話ではある、が。
●スコアは1-2。ニッポンが辛勝したけど、もう結果はどう転んでもおかしくなかったんである。マレーシアは守って守ってカウンターをやってたわけじゃなくて、時間帯によってはゲームを支配し、なんども日本のゴールを脅かした。こういう展開って、コンディションだけの話で済ませられるんだろか。それともマレーシアが強くなった?
●U22アジアを相手にしたときの本田圭佑は、フル代表とは別人。増田誓志も平山相太も寂しい。そしてこういう環境でも水野晃樹と家長昭博は果敢にドリブル突破をチャレンジしてくれて頼りになる。途中から出てきてすぐにゴールを決めた李忠成への期待度も大。雨なのに馬力のありそうなカレン・ロバートはずっとベンチ。平山はサイドに流れるの禁止。
●シャウト大熊の叫び声が懐かしくなってきた。アウェイの悪コンディションに対抗できるのは、ド根性部活サッカーなんじゃないか、とか。代わりにテレビに向かってオレが叫ぶぞ、とか。あ、愚痴ってるな、自分。きっと相手の19番に1点決められたのが癪でしょうがないっつうだけなのかも。あれ、なんなのさ、高さでマレーシアに負けるって。
●五輪出場権なんて獲得して当然くらいに思っていたのだが、だんだんわからなくなってきた。
難関テレビジョン
●大阪の朝日放送に日帰り出張。関東では放映されていないのでワタシは知らなかったのだが、「ビーバップ!ハイヒール」という深夜バラエティ番組があって、これにゲスト出演してきた。毎週さまざまなジャンルからワンテーマを特集し、司会のハイヒールさんとゲスト、パネリストの筒井康隆氏、江川達也氏、吉本の芸人さんらであれこれ楽しむという番組。拙著「クラシックBOOK」をご覧いただいて、「クラシックをテーマに」ということでワタシにご連絡をくださった次第。
●が、番組のために何週間か前から打ち合わせを重ねるたびに、ワタシはどんどんこの仕事が不安になっていった。どうやらテレビは自分の知っている活字やウェブの世界と違いすぎる。本やウェブだったら、なにを書くにも記憶だけに頼ることはめったになくて、一応イチイチ調べたり確認しながら進めるし、なにかわからないところやまちがえたところは校正でフォローできる。でもテレビはそれがムリ(実際収録時にいくつかまちがった)、特にバラエティなんて、なにもかも己のコントロール外。進行も雑誌よりずっとバタバタ。「うーん」ってゆっくり考え込めば、おもしろいことを言えるかもしれないような題材があっても、それを当意即妙でやれと言われたらワタシはお手上げだ。ああ、全然向いていない。この仕事はワタシの手に余るのでは……?
●んなわけで、朝方まではじんましんでも出そうな勢いでストレスになっていたのだが、なんとか収録を乗り切って(本番は意外と楽しかったりもした)、こうして帰京した今、たしかに言えることがある。二言三言であれ仕事ととして筒井康隆先生と言葉を交わすことができた。これは伝説だ。自分伝説帳に記録しておこう。
●も一つわかったこと。TVモニターに映った自分は激しくブサイクだ(笑)。太って見える。いや、事実太ったのか。明日は1万歩以上歩くしか。明後日も、明々後日も。
高性能スパムフィルタ付きメール・リーダー
●グーグルのGmail、ケータイで便利に使えるという話をしたが、その後PC上でも継続して使用している。呆れるほどよくできていて、正直、PCのメーラーが要らなくなるんじゃないかと思うほど。
●たとえば、その日最初にPCを起動するとき。フツーにPCメーラーが立ち上がると、まずサーバー上のメール一覧みたいなのを読み込んで、それから200通とか300通とかのメールを一通ずつ受信して、これをなんらかのウィルス・チェック・プログラムがスキャンして、さらにスパ◎ム判別用のプログラムがスキャンして、で、メーラー側で今度は「振り分け」を行う(メルマガはこっちのフォルダ、スパムはゴミ箱、メーリングリストはこっち、とか)。10分じゃ済まない、たぶん。
●でもブラウザからGmailにアクセスしちゃえば、これが一瞬で済む。サーバー側ですでに振り分けててくれるんだから。スパ◎ム判別率もPOPFileとほとんど遜色なし。99.0%程度は正答してくれている。分類の必要なメールは振り分けるけど、それ以外の「用の済んだ」メールは一切合財「アーカイブ」に放り込んで目に付かないようにしてしまうという使用スタイルも実にスマート。
●ただし、メールを書くのはどうしても使い慣れたPC用のメーラーになる。自然と「読むだけでいいメールはGmailで」「返信が必要なものは秀丸メールで」みたいな感じに使い分けるようになってきた。
●Gmailに限らずグーグルのサービスって、漫然と考えられた凡庸な仕様ってのがなくて、いちいち頭がいいんすよね。そのあたりが良くもありときには苦手でもあったり。あと、ウェブメールはお手軽だけど、いろんな面で信頼性が十分とはいえないから、すべてこれに依存してしまうのは怖すぎる。Gmailが落ちるとか、なにかのはずみでIDが抹消されたりとかだってありうるんだし。今のところ、高性能スパムフィルタ付きメール・リーダーとして最強。
「タンホイザー」GP@オペラの森(ネタバレなし)
●15日からの「タンホイザー」@東京のオペラの森のゲネプロへ(東京文化会館)。パリ・オペラ座、バルセロナ・リセウ歌劇場との共同制作でロバート・カーセン新演出。小澤征爾指揮東京のオペラの森管弦楽団。
●本公演はこれからだし、大変意欲的な演出なので、ネタバレしちゃいかんだろう。平凡ではない。ヒント。第1幕。少しドリフなテイストありでかなりウケる。第2幕。ワーグナーを知り尽くしたお客さんが勝手に乱入して歌い出さないかとドキドキ。第3幕。えーっと、あの幕切れって、どう解釈すればいいの? 今度だれか賢い人に教えてもらおう。
●フェスティバルと呼ぶにふさわしい公演になるのではないかと。スティーヴン・グールド、楽しみにしてていいのでは。
週末フットボール、一瞬ウトウトしたらオレゲール退場篇
●先週予感していた通り、マリノス、横浜FCに破れる。中継がなかったし試合も見にいけなかったんだけど、「あーあ、やっぱりな」と軽くヘコむ、が、いかんのだ、開幕して1勝1敗くらいでヘコんでいてはサッカーなんて見てられない。ただ、マルケスが足を痛めて退場していく映像が昨年の再現を予感させてくれるわけであり、眉間に皺を寄せながら言う。横浜FC、J1初勝利おめでとう、先発するキング・カズ、偉大なり。
●スペインではクラシコこと、バルセロナvsレアル・マドリッド。さすがに試合は熱くて、バルセロナが異様に攻撃的になりすぎたために、序盤からボカスカ点が入る展開。ホームのバルセロナに退場者が出て苦戦、リードされてこのまま敗戦するかと思われた試合終了直前に、メッシが同点ゴール。3-3。気がついたらメッシがハットトリック。メッシも好きなのだが、これでひいきのジュリの出番がますますなくなると思うと気分は複雑。来季はヨソに行くしか。
●ロナウジーニョ、エトー、メッシの豪華3トップはもはや不動。となるとベンチでグジョンセン、サヴィオラ、ジュリ、エスケーロがふてくされる。個人技は相変わらずみんなスゴいんだけど、最近のバルセロナはなにかうまくいってない感じ。チャンピオンズ・リーグをあっさり敗退してしまったのに、フォワードだけでこれだけ選手を抱えてしまっている。不穏、かも。
ブリテン「アルバート・ヘリング」@新国立劇場
●「ブリテンの音楽は本当は得意じゃないんだけど、これを逃すとこの作品を見る機会もないだろうから」くらいの気分で出かけたのだが許せ。作品、演出、演奏、あらゆる面で期待をはるかに超えた公演で、ラスト・シーンにはウルウルと来るものあり。ブリテン「アルバート・ヘリング」@新国立劇場オペラ研修所研修公演。9日(金)、タイトルロールが中川正崇のほうのキャスト(8日、10日だと助っ人?のイアン・ペイトン)。
●「アルバート・ヘリング」がどういう話か、一言でいえば上流階級版教養小説みたいなものであって、ドラクエや桃太郎や指輪物語と同じように、主人公の少年が町を出て旅することで大人になるという話。舞台はイギリスの田舎の小村ロックフォード。ここでは毎年5月に村を代表する娘を「5月の女王」として選出する。その選出基準は? 美しさでもなければ賢さでもない。それは貞節と純潔。ビロウズ令夫人に言わせれば村の娘たちは誰一人として女王の資格がない。「あの娘は男友達と森に出かけたから、邪淫の虜になっている」といったモラルを振りかざす夫人にとって、もはやロックフォードは淫欲と飲酒と賭事で堕落した人々の村なのだ。
●もうまともな娘はいないから、今年は男を選んで「5月の王」にしようという話になる。街のフツーの若者たちは、男も女もフツーに若者らしく人生を謳歌しているんだけど、一人、純潔な存在がいる。それが八百屋の息子アルバート・ヘリング。アルバート・ヘリングは働き者で好ましい。少々トロいんだけど、女友達も一人もいないし、酒も賭け事もやらない。彼は厳格な母親にきちんと管理されており、恋人も賭けも酒もダンスも全部禁じられているのだ。このあたりからして相当これは可笑しい話なんである。ビロウズ夫人のように極端な道徳水準を要求すると、自然とそれを満たせるのは、無垢というよりは、ヒキコモリ的未熟さにとどまる社会性のない若者ということになってしまう。アルバート・ヘリングは「5月の王」として、その純潔を称えられ、賞金25ポンドを手にする。これはそこそこの金額なのだ。
(以下、筋を割ります。古典だからいいと思うんだけど、万一ネタバレがヤだという人はここでおしまい)
●もしこれがハリウッド映画だったら、異常なまでに厳格な母親に育てられた若者は、大きくなったら猟奇的連続殺人犯になったりするわけなんだけど(笑)、ブリテンのオペラではそうはならない。そしてすばらしく冴えた物語になる。
●アルバート・ヘリングは「5月の王」の式典で、悪いお友達からレモネードにお酒を入れるっていう悪戯をされちゃう。アルバートは酔っ払って考える。「ボクの人生、このままでいいのかなあ。財布に25ポンドがある。村を出て自分の人生を歩もうか、それとも母親のもとでこれまで通り暮らそうか」。夜、アルバートはコインを投げて決める。
●翌日、村からアルバートが消えたことで大騒ぎになる。行方不明だ、死んだのか。帽子が落ちている。皆が追悼の挽歌を捧げる(笑。若い男が一晩帰ってこないってだけで!)。そこにアルバートがひょっこりと帰ってくる。なにをしていたかと問い詰められて答える。お金がたくさんあったから、あんなことやこんなことに使いましたよ、楽しかった、でも自分の村はやっぱりいいよね。母親もビロウズ夫人も怒り心頭。アルバートは村を出て、大人になって帰ってきたのだ……。
●と紹介すると、アルバートはオトナの遊びを覚えて帰ってきたから成長したのか、と勘違いされるかもしれない。そうではない。音楽的にも物語的にもクライマックスはそのアルバートの帰還に続く、小さな最後の場面にある。母親やビロウズ夫人たちが去った後、アルバートを子供たちや若者が囲む。アルバートは店の商品である桃の入った木箱を担いできて、こう言う。「さあ、みんなで桃を食べようぜ。これはオレのおごりだ」(!)。これって鋭くない? 桃の原資は「5月の王」の賞金の残りだろう。つまり、この物語はこう言っている。「大人になること、それは贈与の応酬である」と。ドラクエなら大ボスを打倒してクライマックスとなるところが、「アルバート・ヘリング」はビロウズ夫人からもらった賞金をみんなに桃として分配するという場面がクライマックス(笑)。ちゃんと伏線も張ってあった。村を出て、街でいろんな体験をして、経験値をためてレベルアップした結果、アルバート・ヘリングは半ヒキから共同体の一員になったともいえる。
●この作品はグラインドボーン音楽祭のために書き下ろされた。丘陵地帯にある裕福な地主ジョン・クリスティが、自分の奥さんのためにカントリー・ハウスの庭に小劇場を建てたことではじまった音楽祭である。ブリテンのこの風刺が効いたオペラに対して観客は熱狂したが、ジョン・クリスティは眉をひそめたという。いいっすな。
●演出はデイヴィッド・エドワーズ。細部まで凝っていて、アイディア豊富、手際鮮やか、予算よりも知恵上等という印象。あと歌手陣が研修公演だからリアル若者が多いんだけど、それが物語と合致していてとてもよかった。というか気がついたんだけど、若者ってすべてにおいて動きがシャープだ(笑)。自分もそうなったからわかるけど、ほんのちょっとした動作でも40歳以上の人間は動きが「もっさり」している。もっさり小走り、もっさり座り、もっさり立ち上がる。だからオペラの舞台は標準的に「もっさり」してて、それにすっかり慣れきってた。でもこの舞台だと歌手も役者もみんな体にキレがある(マジで驚くよ)。それって舞台(ともしかしたら音楽も)の印象を決定的に変えてしまうくらいの大事なんだなと。
●あと、シーズンオフにやってくるロナウジーニョがいるバルセロナの花試合よりも、J2の小クラブの昇格争いのほうが全然おもしろいっていう、サッカー経験則を思い出した。
●本日にもう一公演残ってます。
爆食プレステッィシモ
●「オランダ人」で新国立劇場に行ってはじめて気づいた。チラシの間に挟まって、劇場内のレストラン「マエストロ」の案内が入ってて、そこに「完全予約制の幕間メニュー」ってのが載ってるんすよ! 終演後の普通のメニューもあるんだけど、それとは別に幕間メニュー。「ペンネ スモークチキンのクリームソース パン・コーヒー」2000円也。幕間は25分である。座席にもよるが、レストランへの移動に片道5分は見ておきたいから、正味max15分。これって席に着いたら即座に食べ物が出てくるのだろうか。「お客さま、もうすぐ第2幕がはじまりますのでアレグロ・コン・フォーコでお召し上がりください! ペンネはプレスティッシモ・モルト・アパッショナートで、コーヒーは一気にアッチェレランドして!」とか。
●なんて言っておいて、実際に食べてみたらフツーに10分で食べ終わったりするんだろな(笑)。
「さまよえるオランダ人」@新国立劇場
●すっごくおっそろしげな人、偉くて怖い感じの人っているじゃないですか。パワフルで、圧倒的な存在感があって、その人の前に出ると自分が卑小な存在であると感じてしまうような。ところがそういう人の若い頃の写真とか見ると、まだまだカワイイっぽい、あどけなさが残ってたりして、なーんだ、案外フレンドリー?みたいになったりとか、あるでしょ。それが「さまよえるオランダ人」。この人、将来には聖杯がどうとか神々がどうとか愛の死がどうとか言い出して大変なことになるんだけど、まだこの時点では規格内、みたいな。
●神罰を受けて幽霊船で彷徨する船長は不老不死、7年ごとに陸に上がって永遠の愛を誓ってくれる女性を探す、船は沈まないどころか空も飛べちゃう、船倉には金銀財宝ザックザクといったわけで、「さまよえるオランダ人」生活も案外悪くないんじゃないかって気も一瞬するのだが、やっぱり帰るべき故郷もなく未来永劫孤独な旅を続けるというのは呪いだ。求む、魂の救済。
●さまよえるオランダ人、すなわちFlying Dutchmanと英語で書かれると、サッカー・ファンは空飛ぶオランダ人、ヨハン・クライフを想起する。でもその空飛ぶようなジャンピング・ボレーをワタシは見ていないんだな。選手としてはリアルタイムで知らないから。クライフってもう監督だったし。ちなみにヨハン・クライフのイニシャルがJ.C.でイエス・キリストと同じってのはよく言われることだけど、息子でサッカー選手だったジョルディ・クライフも同じくJ.C.っすね。ワーグナーのオペラに登場するオランダ人にはフルネームはあるのだろうか。
●で、昨日の公演。すばらしく堪能。歌手陣が見事で(歌手のことはワタシの守備範囲外だけど)、ゼンタ(アニヤ・カンペ)が超強力。オランダ人(ユハ・ウーシタロ)、ダーラント(松位浩)、エリック(エンドリック・ヴォトリッヒ)も満足。序曲では軽く心配になったが、ミヒャエル・ボーダー指揮東響も良かった。最近の新国では一番楽しかったかも。で、音楽的には素直に喜ぶとして、ある意味強烈だったのがマティアス・フォン・シュテークマンの演出!
●すっごいツボに来たところがあって、まあもうネタバレしてもいいかなと思うので書いちゃうんだけど、1幕の終わりのところだったかな、水夫たちが正面を向いて不自然なくらいに整然と並ぶんすよ。で、なにかなと思ったら、各々のシャツに描いてある絵がつながって、船の舳先の一枚絵になってる!(笑) お、おもしろすぎる。シャツっていうよりトレーナーみたいな感じか。ひょっとしてシャツの柄で「パラパラマンガ」とかやりだすんじゃないかと本気で期待したくなる。一般にオペラの演出って、どこまでがウケ狙いでどこまでがシリアスなのかよくわからなくて心配になるんだけど、これはきっと悪ノリ気味のサービス……たぶん。なんか水夫の踊りのベタさかげんとかもスゴかった。
●あと最後の場面、これはシリアスなんだろうけど、ゼンタが一人で幽霊船に乗っちゃう。オランダ人は陸にいる。あれ、ゼンタは身投げしないの? 船と一緒に沈んだってこと? どうもよくわからなかったんだけど、もしかしてこれから「さまよえるゼンタ」の物語がはじまって、オランダ人は陸で7年間ゼンタの帰りを待つのでしょうか(なわけない)。
●作品としての「さまよえるオランダ人」について。落ち着かないのはエリックっていう存在っすね。物語上、噛ませ犬みたいな役割を一方的に負っていて、共感のしようがない。ゼンタとの前史とか、オランダ人の正夢だとかが、常にセリフで後追い的に歌われるだけなのがまた辛い。音楽面で一番楽しいのは後半の水夫たちの宴の場面で、幽霊船からの応答があるあたり。あと、今回は第1幕と第2幕&3幕の間に一回休憩が入る形で安堵。これ、全部通して一幕形式だったらワタシはパス。長すぎて生理現象面で耐えられないとか、それゆえに公演前に飲み食いしちゃダメとか、いろんな余計なことを気にしなきゃいけないから。映画も3時間とかあったりすると足が遠のく。そう考えると「2001年宇宙の旅」は長い映画でもないのに途中に「休憩」が入るから偉い(笑)。ラブ休憩。
デスクワークとテレビで歩数計1500歩
●その後もしっかりと追跡はしているのだ、アニメ版「の◎だめ」。相変わらず動かない、絵が。ピアノ演奏や指揮場面になると、予算の都合を感じさせる「止め絵」(って言葉を最近教えてもらった)が多用されるのだが、その間、音楽は流れているので落ち着かない。他のシーンも紙芝居だったら勝手に想像で補えるんだろうけど、難しいものっすね。ドラマ版の完成度の高さを改めて再認識。
●アニメ版 DEATH NOTE はまた話が動き出しておもしろくなってきた。しかし週に2本もアニメ見てるというテレビ稼動率の高さ。いいのか。いいけど。
●明日は初台にヨハン・クライフのオペラを見に行く。
●ヨハン・クライフ(本物の)の名言(?)。「私はサッカーをはじめて以来多くの選手を見てきたが、全員私よりヘタだった。私はヘタな選手を誰よりも見続けてきた。だから彼らの気持ちはよくわかる」
●わかんねーだろ、それじゃ。
その耳はモスキート級
●しばらく前から話題になっていた「モスキート着信音」、すなわち大人には聞こえない高周波音を使うガキども専用シークレットな着信音であるが、やはりというか早くもというべきか、日本でもケータイ着信音として配信が開始されたんである。さあ、存分に楽しんでくれ、若者たちよ。
●といいつつも、果たしてモスキート音がどれくらい自分の耳に聞こえるか気になるって方はここで確認可→ What is the mosquitone? 。ゴロウ日記さんでも紹介されていた。ただ、これ、ホントに合ってる? ワタシはヘッドフォンで聴くと「赤ちゃんと犬にしか聞こえない」はずの super mosquitoneまで聞こえる(液晶モニタ付属スピーカーではムリ。2番目までしか聞こえない)。ありえない。だって以前テレビで同様の企画をやっていたときは、モスキート音はまったく聞こえずわが身に起きている老化現象にショックを受けたんだから。周波数だけで決まるってわけじゃないのかも。
●モスキート音だけを使って、若者にしか聞こえない交響曲を作曲してみるというのはどうか。交響曲第一番「蚊」。
●さらに強まったモスキート音を使って、犬にしか聞こえない交響曲を作曲してみるというのはどうか。交響曲第二番「蚊と犬」。
J開幕、伝説ゴルゴル
●あー、やっと開幕してくれた、Jリーグ。歓迎J。とはいえ、スタジアムどころかテレビ観戦する時間も取れなかったので、代わりに「スパサカ」や「やべっち」他でハイライトをチェック。で、驚いたのだが、あれはなんすか、久保@横浜FCのゴール。J1初昇格チームが、王者浦和を相手に、あのスーパー・ゴール。ゴールからどれくらい離れていたのか、化物としかいえない強烈なロング・シュート。
●決めた後に喜びのあまり、素でおどけた表情を見せたのが衝撃だった。だって、マリノスにいた頃はあんな表情、一度たりとも見せてくれなかったではないですか>久保。なんか、お互いにホント合わなかったというか、結果だけは出てたのにすれちがってたマリノス時代で申しわけない、久保。次の試合、ウチとダービーマッチなわけなんだが、敵に回すと恐ろしすぎる。
●で、わがマリノスvs甲府戦。こちらにも伝説のゴールはあった。山瀬の爆走ドリブル・シュート。鈴木タカはいきなり先発、そして終了間際に退場。ワナか。あと大ブレイクの予感、長谷川アーリアジャスール。坂田とかハーフナー・マイクもいいけど、インパクト的には長谷川アーリアジャスール。1m86cmの大型MF。埼玉出身、お父さんはイラン人。近い将来の代表候補(と勝手に決め付ける)。
●去年はなあ、開幕から華麗なサッカー披露して4連勝くらいしたので、つい騙されて期待してしまったわけだ。でも今年は違う。開幕1試合を1-0で勝っただけですでに騙されそうになっている。試合見てもいないのに。
気になるオンライン・サービス
●ネットの世界では「こんなことができたらいいのにな」(←ドラえもんかよ)と以前から思ってたことが、どんどん実現されている感があって、たとえば先日、ある編集者から言われたのであるが「Yahoo!もGoogleもない時代に、どうやって編集の仕事してたんすかね」という一言に全力で同感。コピー機なき時代の編集者が想像できないのと同程度に。過去と現在は遠い。
●で、今、個人的に注目しているオンライン・サービス、「こんなことできたらいいな」が実現しつつあって、でもまだ完成形には達していないものを2つほど。
●まずオンライン・ストレージ。自分が作ったデータのバックアップを、ネット上に置きたい。ウチでは2台のPCでマイ・ドキュメントを同期させてるほか、外付けHDD一つにも同じデータを置くようにしてるけど、いくつバックアップ取っても、外に出たらもうアクセスできない。だから、オンラインに置きたい。
●で、しばらく前からこの手のサービスをいくつか申し込んでみたんだけど、使い勝手とか容量/料金面でイマイチ感があった。でももしかしてこれならいいかなと思ってるのが、NTTコミュニケーションズの cocoa。一度納得できなくて解約したサービスだが(契約して即日解約)、久しぶりにみたら不満だった点が改良されている。月額315円で2GB。手軽になった。試用できるのもいい。
●もう一つはプリント・サービス。富士ゼロックスのネットプリントを使うと、PDFをはじめいろんな形式のファイルをセブンイレブンで出力できる。いや、ウチでだってプリントアウトはできるんだけど、プリンタってエレガントとはいえない存在じゃないっすか。紙詰まりとか起こすし、トナーがないとか文句言って止まったりするし、全般に信頼性が低い(笑)。そもそも、できればデータであるものを紙にしたくない。だからプリンタレスな環境がいいんだけど、現実にはなかなかそうはいかない。じゃ、せめてプリントアウトは例外処理っていうことで外に出して、家庭やオフィスではプリンタを目にしなくても済むようにならんかなと。まあ、まだムリなんだけど。でもcocoaにもある、どこにでもあるコンビニでデータ出力って考え方はいい。
U22ニッポンvs香港@北京五輪2008第二次予選
●何日か前にバルセロナの試合を見たんすよ。ロナウジーニョがスゴいプレイを連発してて、特に終了間際だったかな、伝説一歩手前っていうプレイを見せた。左サイドを駆け上がって、軽めのエラシコを入れて相手を抜き去り、さらに二人に囲まれたところを一人ワンツーやって、もう一回くらいフェイント入れて、キーパーの目の前でボールを浮かしてゴールへ……と思ったらキーパーが手をかすらせてかろうじて弾いた。決まってたら伝説。カンプノウ・スタジアムのお客さんはいっせいに「ロナウジーニョ」コール。Jリーグだと選手が少し転んだだけでも名前を呼んでコールするけど、スペイン・リーグじゃよほどのことがないと個人名なんてコールしてくれない。それが起きた。ロナウジーニョ、天才。力強い美。
●で、U22ニッポンvs香港、試合の前半と後半の終盤あたり、ニッポンのプレイはバルセロナを連想させるなーなんて寝言を言いたくなった。いや反町ニッポン、全然よくない。でも相手がU22香港だとバルセロナっぽいパス回しができる(こともある)。余裕。陣形も同じ3-4-3だし(笑)。で、早めの先制点もあったためか、美しいサッカーと個人プレイに淫しているうちに、チーム・プレイを見失って結局苦労して一瞬同点に追いつかれるかと冷汗をかき、でも終わったら、3-0で完勝。さすがにこれだけ力の差があれば。
●ベスト・プレイヤーは右サイドの水野晃樹。ときどきメッシに見えた。平山相太はサポをやきもきさせる天才。調子の悪いときのグジョンセンに見えた。左サイドの本田圭佑はアメリカ戦に続いてもう一つプレイに積極性を欠いてて心配。ロナウジーニョに見え……ない。
●香港は前線の選手がよくがんばってた。ニッポンの攻撃に耐えて、自陣でボールを奪い返して前の選手に送る、このときに香港の選手が思いのほかキープ力があって感心。弱い相手が強い相手と戦うときには、恐れないことが大切。と改めて教わる。