amazon
May 1, 2007

「西部の娘」新国立劇場、マリノス、2010

●見ていないときにだけ大勝するマリノス。先発からベンチまで全員日本人選手。強化したブラジル人選手たちはどこに? そして鈴木隆行は?
2010年ワールドカップ、不測の事態あれば代替国開催も=日本も候補。前々回半分だけを開催したときから、みんな薄々意識していたことがこんな形で記事になってしまって、ややうろたえる。2010年アフリカ、2014年南米という大陸間持ち回り開催案はずーっと前から決まってるわけだけど、「そんな先の話はわからないから」って意識は猛烈アリアリだったはず。いろいろとビミョー。
●先週金曜日は新国立劇場でプッチーニの「西部の娘」。作品のことは半年に1回しか発行されないメルマガに書いたので、演出について。本来はゴールドラッシュに沸くアメリカのカリフォルニアが舞台で、ここで働く男たちは鉱夫だろう。でもアンドレアス・ホモキの演出では、舞台は「ほぼ現代、あるいは現代より十年か二十年くらい前」というような設定で、労働者たちは世界中のあちこちからやってきた移民たち。公演案内に「製作協力:レンゴー株式会社」って書いてあったから予測は付いたんだけど、舞台後方は段ボール箱の山。味も素っ気もない見た目フツーの段ボール箱。
●カリフォルニアにあるだだっ広い倉庫、で、本来酒場の女主人であるミニーは、移動ワゴンに煙草とか酒を積んで、従業員相手にこれを販売してるんである。漠然とワタシは「あ、これはあそことかあそこみたいなIT系とかカタログ系の巨大通販会社の倉庫なんだろな」と勝手に想像した。従業員の国籍も人種もまちまち。日本人だって中国人だっている、アフリカ系や東欧系もいる。シャルケ04(サッカーの)マフラーをしてる人もいたからドイツ人もいるってことなのか。まあ元の話がアメリカだからアメリカ企業と移民労働者という風にとらえるわけだけど、近未来と考えれば必ずしもアメリカととらえる必要だってないかもしれない。経済発展を遂げた中国やインドに、日本人やドイツ人が仕事を求めて移民労働者として渡るっていう見方だってあるだろう。いつのどこでもない国を舞台に、そこに世界中から集まってくる異邦人たちの孤独を描いた物語として、普遍化されたテーマが描かれていた。
●とはいえ段ボール箱は殺風景な商品倉庫にはふさわしいけど、第2幕(本来山中にあるミニーの一軒家)以降もそのまま積まれているってのはやや萎えるかも。ミニーは職場から商品パクって部屋に積み上げてるのかよっ!もしかしてそれヤフオクとかに出品してるのかよっ!みたいなツッコミを心の中で軽く呟く。

トラックバック(0)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.classicajapan.com/mtmt/m--toraba.cgi/834

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ逝去」です。

次の記事は「前夜祭「熱狂のプレ・ナイト」」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。