●「売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門」(山本直人著/新潮選書)を読んだ。著者の山本直人さんがクラシック音楽好きだということもあって、音楽つながりで著書をご恵送いただいたのであるが、ワタシはこれまでマーケティングというものにまるで縁遠く、一瞬軽く身構えたのである。中身に全然興味が持てなかったらどうしようかと。でも杞憂であった。どんどん読める。具体的な事例を拾いながら、マーケティングのものの見方を指し示してくれる。カンの鋭い方ならいろいろな仕事上のヒントを得ることもできるかもしれない。あと、門外漢にでもすらすらと読ませる書き方というのは大切であるなあと改めて実感。
●挙がっていた事例で懐かしかったのはSEGAのドリームキャスト。「湯川専務」っていたじゃないっすか。ドリキャスは(プレステに比べて)あまりヒットせずに短命に終わってしまったんだけど、湯川専務だけはCMでヒットしちゃった、みたいな。ワタシは当時猛烈にドリキャス派だったので、「SEGAに忠誠を誓う! プレステなんぞ要らん!」と鼻息を荒くして日々せっせと「サカつく」でわがフットボール・クラブの強化に努めていたのである。しかしその後うっかりプレステなんかを導入してしまったら、あるとき、ドリキャス、プレステと続けてハードウェアが故障するという事態に見舞われ、なんとなくドリキャスの渦巻きマークからワタシに向けての怨念が発せられているような気になったものである。
●ドリキャスはもうとっくに捨てたけど、今でも机の抽斗にDreamcastポイントカードをそっと忍ばせています、「サカつく」の思い出のために。ウソ。いやホント。
July 12, 2007