●うおおっす。シャウトする、そして讃えよ、イラクの11番ハワル・モハメドを。ドンドン、ドドドン、イラク! ドンドン、ドドドン、イラク! 全アジア的願望と勝手に己が誤解する展開がまさにここに、オーストラリアが高温多湿に耐え切れずに膝を折った、今大会ブックメーカーにより最低オッズを付けられたサッカルーが。イラク 3-1 オーストラリア。
●前半から両者ともに積極的に戦ったが、決してオーストラリアがゲームを支配していたなんてことはなかったんである。どちらが先制してもおかしくなかった。23分にイラクのナシャート・アクラムのフリーキック、これはゴールに向かう速いクロスボールだったと思うが、目の前に走りこんだサレー・サディルに一瞬だけ気を取られたキーパーのマーク・シュウォルツァーが反応できず、そのままゴールへ。前半を1-0のリードで終えて、イラクにとっては理想的展開。
●が、47分にクロスボールにヴィドゥカが頭で合わせてオーストラリアが同点ゴール。ここから一気にオーストラリアが攻勢に転じて、逆転、さらには追加点と地力の差を見せ付けるんじゃないかとほとんどの人は思ったはず。でも予想に反して、60分にイラクのナシャート・アクラムがアウトでゴール隅を狙った技巧的なシュートを決め、さらには80分にカラル・ヤシムがゴール前にこぼれたボールを蹴りこんで3-1。イラクは強い。
●ま、ホントはわかってるのだ、オーストラリアが強いってことは。強いに決まってるし、これから毎回のようにワールドカップに出場するだろう。現時点でオーストラリアは1敗1分だけど、次の開催国タイに勝てばまだ決勝トーナメントに進むチャンスがある。ていうか、たとえアウェイでもタイにオーストラリアが勝てないなんてことがあるか? そんな可能性よりニッポンがヴェトナムに負ける心配をしたほうが良さそうなくらいだ。でも、ずっとアジアで戦ってきたワタシらは、彼らにも最初くらいはアジア特有の難しさみたいなものを感じてほしいんである。高温多湿だけじゃない。中東相手にリードを許すと、後半、相手キーパーはハイボールに競り合うたびに(いや競り合わなくても、指一本触れなくても)、倒れこんで動かなくなるという苛立ちだとかを、同じアジアの一員として共有したいじゃないっすか。これからずっと一緒にやってくんだしさー。
July 15, 2007