July 30, 2007

盟主交代。新たな時代の予感。

●日曜日のビッグ・イベントといえば、もちろんこれだ。アジア・カップ2007決勝! イラクvsサウジアラビアだ! さあ、全アジア注目の一戦を見るぞ~。
●などとワクワクしているわけはないんである、さすがに。でもここまで来て決勝を見ない自分というのも許しがたい気がして、指をくわえながら見る、イラクvsサウジアラビア。
アジア・カップ●グループリーグでイラクがオーストラリアが勝ったとき、みんな「オーストラリアがアジアで苦しんでいる」と見たのであるが、そうじゃなかったんである。素直にイラクが強かったんである。イラクとサウジアラビア、ニッポンから見るとどちらも中東勢で似たように感じる。実際似てる、やたら一対一の勝負を仕掛けるとか、試合中ボールと無関係な駆け引きが多いとか。でも対戦してるのを見るとやっぱり違ってもいる。イラクはサウジよりフィジカルが強い。そして守備が強固。
●インドネシアの観衆が圧倒的にイラクびいきだったこともあって、イラクの選手たちは1-0とリードして後半に入っても、決して後ろに引かず、前を向いてプレイした。1-0。消耗戦になりがちな大会ではあったが、イラクはチャンピオンにふさわしい戦いをしたと思う。スタジアム内には Peace とか I hate war とかの文字を掲げる地元の人々が大勢いて、悪役を担うことになったサウジが少々気の毒ではあったけど。
●これから4年間、アジア王者はイラクとなった。ニッポン、韓国、サウジアラビア、イランの従来4強に加えて、イラクとオーストラリアが加わって6強となったといった印象。ほかに中国や次回アジア・カップ開催国のカタールもいる(そう次回はカタールなのだ。連続して中東が優勝する可能性がある)。アジアのなかでの相対的なニッポンの強さという点では、トルシエ・ジャパンのレバノン大会がピークだったかもしれない。以後、ニッポンも力をつけたけど、アジア間の実力差が縮まっている。前回、ヨルダンやバーレーンといった新興国の台頭を感じたし、今回は東南アジア勢のレベルアップが印象に残った。
●こうなると、ワールドカップのアジア枠が仮に減らなかったとしても、ニッポンにとって出場が簡単ではなくなってきているのはたしか。6強+中国&その他で4枠を争う。ヘタをすると3枠。今いちばん恐れているのは、ニッポンが最高の監督を向かえ、史上最強の代表チームを擁しながら、本大会出場を逃してしまうという十分にありうるシナリオ。

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