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2007年8月アーカイブ

August 31, 2007

midomiで鼻歌を検索しながら告知する

CLASSICA●今年はR・シュトラウスの「ばらの騎士」当たり年。6月の新国立劇場公演に続いて、この週末からチューリッヒ歌劇場の来日公演がはじまる。で、当サイトではおなじみ、野口方子さんから「「時」のアレゴリーとしての『ばらの騎士』」をご寄稿いただいたので掲載。ご覧いただければ幸い。
●「あー、この曲なんだっけー、知ってるはずなのに思い出せない!」っていうこと、あるじゃないですか。そんなときにPCに向かってフンフンフンと鼻歌を歌って検索できるサービスが始まったのだ。midomiというサービス。あまりクラシック音楽での利用は想定されてない雰囲気なんだけど、そこを無理矢理クラシックで検索したらどうなるか、っていうのを試してみた→midomiで鼻歌を検索する~連載「ネットエイジのクラシックジャンキー」@日経パソコンPC Online。

August 30, 2007

ビバ、ネトラジday、フツーに

●今日もBBCのプロムス。一週間経つと聴けなくなると思うと、なんだかスルーするのも惜しくて隙間時間にでもチョキチョキ聴こうかという気分になる。クリック一つでOKだし。アバド指揮ルツェルン祝祭オーケストラ(Prom 51。もう期限切れかも)、ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ(Prom 53、55)、ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団(Prom 59)とやたら豪華な一週間分が並んでいる今日。
●でもプログラムにひかれて、ビエロフラーヴェク指揮BBC交響楽団(Prom 56)。マルティヌーのピアノ協奏曲第4番「呪文」。ピアノはイヴォ・カハネクという人。だれの音楽とも違うような、でもだれの音楽とも似てるような、なじみのなさと眩暈感を堪能。マルティヌーが今ひとつ聴かれない理由には、生涯作品数400以上っていう多作さのせいもあると思う。どうしてそんなに量産できるのか。しかも400曲っていうのはリートとかで稼いでるんじゃなくて、オペラなんて10作以上も書いてるんである(全然聴いたことないけど)。交響曲は……第6番までしかない。これに一瞬安堵するが、よく見ると交響曲第1番から第5番までを、たった5年で書いている。やっぱり量産してるじゃん。生涯の創作期間を40年としても年間コンスタントに10作品以上(オペラも交響曲も含めて)。これを継続する創作力というか生産力ってスゴいなあ。もっとも、じゃあモーツァルトやヴィヴァルディはどうだと言われると、それまでなんだけど。
●マルティヌーの前に、この日の一曲目、ブリテンの「ピーター・グライムズ」からの4つの海の間奏曲が演奏されたんだけど、途中で(たぶん客席で)だれかがなにかフツーにしゃべってるんすよ。32Kbpsのネットラジオで聴いてるから気にならないけど、現場にいたら相当うるさかったんじゃないだろか。ライヴの中継だとこういうことがあるからなあ。でも、だからラジオはいいとも言える。メイン・プログラムのプロコフィエフの交響曲第5番は、時間がなくなったのと満腹感でつまみ聴き。早送りもできるし。スマソ、わがままで。

August 29, 2007

「日本人よ!」(イビチャ・オシム)

日本人よ!●「外国人から見た日本人論」っていう切り口なら勘弁してくれー、と軽く警戒心を抱かせる書名だったのでなかなか読む気になれなかったんだけど、実は猛烈にサッカー知のつまった本であった、大腿四頭筋にモリモリと力を込めながら断言する、傑作と。「日本人よ!」(イビチャ・オシム著/長束恭行訳/新潮社)。
「オシムの言葉」がイビチャ・オシムという人物の物語を書いたものだとすれば、「日本人よ!」はオシムがサッカー観を語ったもの。インタヴューや記者会見で「そこもう少し突っ込んだ話を引き出してくれないかなー、でもテレビじゃムリだよなー」って感じる物足りなさが一挙に解消された。日本人は一対一に弱いとかよくいうけど、オシムはごく当たり前のことを言ってくれる。「60キロの選手が90キロの選手とぶつかったら、一対一で負ける」。笑。じゃあ、どうするか、とか。
●目ウロコだったのは、オシムが学校の部活サッカーをポジティヴに評価してるってこと。ヨーロッパには存在しない、ああいう制度があるおかげで、クラブは下部組織から選手を育成するという大きな負担をある程度免れることができるっていうんすよ。欧州型クラブ組織が理想と思い込んでるニッポンのサカヲタ(ワタシのことだ)は驚く。でもクラブ視点で見れば納得の行く話。Jリーグのクラブは清水商業や筑波大学から選手を獲得しても、移籍金をこれらの学校や大学に支払う必要がない。無料で才能を育ててもらってる。
●あと、非フットボールな話になるけど、「リスペクトする」って意味。これをワタシは誤解していた。頭の中で「尊敬」と自動的に置換してたが違うんである。他者をリスペクトするってのは本質的にどういうことか。オシムによれば「リスペクトとはすべてを客観的に見通す」という意味だと。あっ、そうか。respectっていうのは aspect の re なんだな、と。
●サッカー選手という職業について語られた部分がすばらしいので引用しておく。

 多くの選手は、ある時期にプロとしてプレーし、栄光の瞬間を味わい、試合に勝利し、カップを手にし、カメラに写り……、すべての想い出の品は家の中だ。選手はサッカーで多くのものを失い、18歳から30歳までの時期も失う。本質的には、その時期は人間にとって人生でもっとも美しい時期であるにもかかわらず、だ。

 だからサッカー選手なんてろくなもんじゃない、っていう話ではない、もちろん。

August 28, 2007

音楽好きのための瑣末すぎるライフハック

小せえ工夫だなあ、それ●MS-IME等、日本語漢字かな変換システムにユーザー登録したい言葉編。
●「連符」。これは名詞じゃなくて助数詞で登録すると、三連符とか二連符とか五連符とかスイスイと変換できて吉。二百五十六連符でもワンワードとみなしてくれる。ないけど、そんなの。
●「嬰へ」。これは名詞でもなんでもいいと思うんだけど、登録しておくと安心。「変ホ」とか「嬰ハ」を登録するかどうかはどちらでもいいが、「嬰へ」は登録しておきたい。なぜかっていうと、画面上だとカナの「へ」とひらがなの「へ」の区別が難しいから。でも活字になるとわかっちゃう。なので「嬰へ」とか「ヘ長調」みたいな危険ワードはそのまま登録しちゃう。

August 27, 2007

急行電車の速度で遠ざかる産スタ

産スタは遠いなあ●夏休み終了、世界のサッカー選手たち。そう、今週スペインリーグが開幕、イェーイ、WOWOWで生中継録画するぜ! HDDレコーダーGO! で、朝起きて録画を再生したら、みんな謝ってる。「急遽放映権の関係で、中継できなくなりました。これはWOWOWだけではなくスペイン国内以外は全世界的に放映できません」。ありえない展開。でもスペインならありえる。
●そんなわけで(いや関係ないけど)、突発的にマリノスvs広島を観戦するために日産スタジアムへ行ってきた、はるばると。産スタはですね、行くたびに遠くなってるんすよ。もちろん代表やらマリノスやらワールドカップやらで何度も行ってるけど、行けば行くほど遠くなる。新横浜インフレーション理論と呼ばれている、ワタシだけに。
●試合前の練習、これはいつもやってるみたいなんだけど、3色のビブスつけてやる。5対5対1。普通の5対5に一人違った色のビブスをつける1人が加わる(この日はハーフナー・マイク)。この一人はおそらくどちらのチームにも加わっていて、ボールが来たらワンタッチでパスをくれたチームの誰かに返すという決まりになっているっぽい。
●一応メンバーを書いておくと(誰が読むのだ)GK:榎本-DF:田中隼磨、中澤 、松田、小宮山-MF:吉田孝行(→マルケス)、河合、山瀬兄、山瀬弟(→清水)-FW:大島、坂田(→ハーフナー)。こちらの守備のミスでゴールを奪われては追いつくという展開で2-2。結果にも失点の仕方にも納得はいかなくて落胆したことは事実なんだけど、やってるサッカーの質は高い。ボール回しのうまさ、選手の連動性、パスの強さ、当たりの激しさ。進化してる。一昔前のJリーグから見たら、ヨーロッパのサッカーみたいに見えるはず。
●ただ、相手も進化してるのだ、困ったことに。オシムが合宿に呼んで一時話題になった小宮山だけど、対面の相手が駒野となるとやっぱり分が悪い。敵に回すとヤな相手なのだ、駒野は。あと広島ではユース代表から五輪代表にレベルアップした柏木陽介。1ゴール奪われてしまったが、実にいい選手。技術もあるけど守備もする、気持ちも強い。体力以外のすべてを備えてるって感じ。森崎ブラザーズもいて、佐藤寿人がいて、槙野もいるし、いい選手は多い。ウェズレイ出場停止。
●こちらのゴールは大島と田中隼磨の神ミドル。次は中二日の日程になることを考えると、今日勝てなかったのは痛い。
●ここだけの話、ハーフナー・マイクの弱点はヘディング。
●名古屋グランパスで藤田俊哉が100ゴール達成。これ、すごすぎる。400試合と少しで100ゴールって、中盤の選手なのに!

August 25, 2007

「知ってるようで知らない バイオリンおもしろ雑学事典」

知ってるようで知らない バイオリンおもしろ雑学事典●「知ってるようで知らない バイオリンおもしろ雑学事典」(奥田佳道、山田治生著)を読む。これは良書。「ヴァイオリン」じゃなくて「バイオリン」であり、「おもしろ」であって「雑学」なので、もちろんクラヲタ向けではなく、普通に音楽好き向け。きちんとヴァイオリンについての基本的な知識やおもしろさが伝わるようになっている。「雑学」とかいうタイトルを編集者が好むのは、お客さんが好むということなんだろうけど、かといって本気で雑学トリビア・ネタを並べると案外つまらないわけで、実際には雑学なんていう範疇にとどまったりはしない。楽器の歴史から演奏者まで多彩な話題を取り上げて飽きさせない。しかも副題通り、知ってるようで知らないことっていうのは結構あるもので、ためになる。
●著者の奥田氏、山田氏には、ともにワタシは編集者として大変お世話になった。この本では半々くらいで分けて書いてらっしゃるんだけど、文章読んでるだけでどちらが書いたかすぐわかるくらい。
●少女時代の五嶋みどりがバーンスタインと共演して弦を切ったエピソードだとか、みんな知ってるみたいな話を「周知のように」で片付けずに、きちんと初めてその話を知る人に向けて新鮮な気分で語る。これ、大事だなと再認識。

August 23, 2007

一日二ニッポン。代表vsカメルーン&五輪代表vsヴェトナム

ニッポン!●一日2試合も連続でサッカー中継見れないって、フツー。夜、大分でニッポンvsカメルーンがあって、その試合が終わる頃に東京でニッポンU22vsヴェトナムU22@五輪最終予選。前者は親善試合だが、後者は本物の予選だ。でも前者はフル代表なのに対して、後者は五輪代表にすぎない。どっちを見るか。
●まあ両方見たわけだ、結局。一部チラ見。で、いちばん気になったのは何かっていうとカメルーン代表のエトーっすね。この前、横浜でマリノスvsバルセロナの試合に来日してたじゃないですか。ってことは、エトーは一度スペインに帰ってまた来日したのか、それともひょっとしてずっと日本にいたのか。日本にいたならバカンスっすよね。2週間くらいかな、この間、何やってたのかなあ、エトー。秋葉原で買い物して、新橋あたりで「江藤」とかいう名刺作ったりして、中野ブロードウェイで買い物して、新幹線乗って、旧中津江村村長さんと旧交を温めて、大分で温泉に入って……とか、ゴージャスに遊んでたのかなあ、この世界最強ストライカーは。あ、もしかしてコミケとかで同人誌漁ってた?
●で、カメルーンはコンディション良くなくて、その真価を見せることなく去ることになったんだけど、でも50%の出来でもニッポンによっては強烈な相手で、どうしようもない差というのがあるんだなーと改めて実感。でも試合はニッポンが2-0で勝利したんすよ。トゥーリオと山瀬(代表初ゴール)が決めて2-0。ニッポンはいつもの守備陣プラス、前線に田中達、前田遼一、大久保(→山瀬)を置いた新鮮な布陣で、これがとてもよかった。大久保の潜在能力の高さ恐るべし。そもそもスペインにいた頃はエトーのいるバルセロナと公式戦で戦ってたわけだ。それが帰国してJリーグにもどると、なんだかヌルい感じの空気が流れ出しててどうかと思ったけど、やっぱり大久保はあの大久保だった。
●テレ朝の松木さんは呪文のように「ダイレクト・プレイ」を連発。しかしサッカー界がいう「ダイレクト・プレイ」ってのは、松木さんのいうワンタッチパスのことでは全然ないのだが、大丈夫なのか。トルシエ・ジャパンとかマリノスでの岡田監督がやったみたいな、バックラインからまず前線に送れるなら送るような、手数をかけずにゴールへ直線的に向かう、華麗じゃない効率的なサッカーを「ダイレクト・プレイ」って言ってると思う。松木さん以外の世界のサッカー界では。あ、もしかしたら武田もまちがえている可能性あるかも!
●五輪予選のほうはNHK-BSがあったので、呑み屋のオヤジモードからは開放されて、反町組へ。今回からユース組が合流して、新たに柏木がポジションゲット。ビバ。あと五輪組もユース組もサイドの人材がやたら充実してる。五輪だと左に本田、右に水野でともにフル代表レベルだけど、ユース組でも左に安田、右に内田とそれぞれガンバとアントラーズのレギュラー選手がいる。やっぱり前線だなあ、難しいのは。
●とりあえずホームのヴェトナム戦という、最終予選でもっとも有利な試合を1-0で辛勝したという結果が残り、やはり北京への道はかなり険しい気がしてきた。ユース組はすっごく明るくて元気なのに、五輪組はみんな胃が痛そうな表情なんだけど、どしてなんだろか。

August 22, 2007

人間失格

人間失格●ニュースで知った。太宰治の「人間失格」が売れに売れていることを。といっても、それはカバーが「DEATH NOTE」の小畑健の絵に新装されたから。で、それがこの絵なんだけど、どうっすか。もうどう見ても夜神月(=キラ)。そばに死神がいないのが不自然なくらいである。「ヒッヒッヒッ、僕は新世界の神になる」って薄気味悪く笑ってそうな感じ。太宰の「人間失格」については、改めて紹介するまでもないだろう。「恥の多い生涯を送って来ました」が有名な第一の手記冒頭、唐突な絶望感で始まり、子供の頃から病弱で寝込んでばかりいたとか、メシを食わなくても腹が減らないけど、メシを食べなければ死ぬといわれていやいや食ったとか、ある日空から一冊の帳面が落ちてきて、そこに人の名を書いたらその者が死んだので世の悪人たちを懲らしめてやることにしたとか、フルパワーでネガってる話だ。あれ、なんか違うぞ。まあいいか。
●しかし人間失格っていうのは救いがない。身も蓋もないわけで、なんとか合格にしてもらえないだろうか。だから「人間合格」ってのを書いたらどうか。みたいなネタを書こうと思ったら、すでにあるのだな、井上ひさしに「人間合格」が。
●「犬失格」とか。
●「猫失格」とか。(投げやり)

August 21, 2007

GO! アルテスパブリッシング!

●祝! 本日にて当サイト開設12周年。12年ってのはもはや冗談のような長さである。干支が一回りしちゃうって。1995年開設。Yahoo! Japanより古い、というか現存する日本語ウェブサイトでより古いサイトというのがごくわずかしかない。久しぶりにアクセスログも確認。ブログ部分だけのアクセス数を抽出してカウントしたところ、およそ1日あたり約5000PV強となっていた。e爺さんの独り言にはなっていないようで安堵。とはいえ、アクセス数を増やすための運営はもう目指していない。マイペースが吉。
●で、こっちが本当の祝! アルテスパブリッシングのウェブサイト開設。新しい出版社が誕生したのでご紹介させていただく。
●元音楽之友社の鈴木氏、木村氏が二人で立ち上げた出版社である。お二人ともこれまでに数多くの音楽書を作ってきた経験豊富かつ優秀な編集者で、ワタシもずいぶんお世話になっている。驚くべきは、「編集プロダクション」ではなく「出版社」を作ったところで、出版社を興すっていうのがどれほど大変なことか、参入障壁の高いものかってことを、つい力説したくなるんであるが、あんまり一般に通じる話じゃないのでその辺はぐっとこらえる、で、刮目すべきは来月刊行となる第一弾が、なな、なんと。
村上春樹にご用心内田樹著「村上春樹にご用心」なんですよ!!!!! すばらしすぎる。会社興していきなり内田樹の新刊。もうこれは買うしか。ベストセラーにするしか。1万部、いや10万部、いや10億部くらい売れてほしい。しかもこれを企画した編集者というのが、拙著「クラシックBOOK」で直接の編集を担当してくださったFさんであって、彼女の編集者魂を目の当たりにして深くリスペクトするワタシとしては、断然応援モードに入ってしまうのだ。これ、おもしろくないわけがない。
●ちなみに同社の第2弾以降は音楽書が並んでいて、たとえば今年の冬には「片山杜秀音楽評論集」という、これまた強力な企画が予定されている。いやー、ホントにスゴい。ビバ、エンタープライズ。

August 20, 2007

この使徒を見よ

●マリノス破竹の4連勝。もしかしてバルセロナと試合してからなにか憑依してるのかも。花試合だと軽く見ていたのだが、スマソ。代わりにバルセロナにマリノスのなにかが憑依してたら大変大変大変申し訳ないっす。
BBCプロムスのListen Again で、Prom 46のエルガー「使徒たち」The Apostles を聴きはじめる。サカリ・オラモ指揮バーミンガム市交響楽団。長いから今日は半分くらいまで。しかもPCであれこれやりながら、ラジオだし。でもついつい手が止まる。で、音楽に引き込まれて聞き入っているところで、メーラーがキンコーン♪とか鳴るマイコンピュータ。どうにかしよ。
●そういえば「使徒たち」といえば。思い出す、何を考えてるんだか全然わからんATフィールド使いの敵性生命体を。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」、9月1日に公開。全4部作予定。これをリメイクって言っちゃいけないみたいなんだけど、ヤシマ作戦がクライマックスだっていうから、物語的には基本的にオリジナルと重なっているのか。気分的には今エヴァ(いやヱヴァと書くのか)かって言われると微妙ではあるんだけど。

August 17, 2007

夏の終わりが近づくと

CGで描く夏●毎年夏がラストスパートに入る頃になってようやく思い出すのだ。しまった、なにかオリジナルTシャツを作ればよかった! クラヲタにはなんの絵柄かわかるんだけど、フツーに街中でも着てて恥ずかしくないようなデザイン。あ、でもそれじゃあやっぱり恥ずかしいか、クラヲタカミングアウトしてるみたいだし。来年の夏までにはなにか考えよう。遠い。
●気温37度。外を出歩いていると意識朦朧とするくらい強烈な熱が太陽から降り注いでいるというのに、ガンガン石油燃やしてエアコン動かさなきゃいけないのは不条理って気がする。こんな暑いんだから、太陽光でエアコン動いたらいいのに、とか。
●アントニオ猪木の永久機関を待ちたい。
●ドクター中松の発明でも可。
●やっぱり不可。

August 16, 2007

残暑Fマリ祭

エフーマリーノス!の「フ」が落ち着かない●アジア・カップで燃え尽きたかのようになってしまったが(偉大なり、王者イラク代表)、Jリーグという日常があったのだ。しかし本日、中継もなく川崎まで駆けつける時間もなく、結局スポーツニュースでハイライトだけを見る。軽く残暑Fマリ祭開催中のようである。少し前にマリノスvsバルセロナという遠近感の狂った絵画みたいな試合があって、WOWOWで見てたらロナウジーニョvs河合竜二みたいなスゴい光景が繰り広げられていた。エトーとロナウジーニョとアンリの3トップだって。
●マリノスはすごくジェントル。何年か前にベッカムとかロナウドとかレアルマドリッドが夏のシーズンオフに来日して、本気のヴェルディに削られまくって負けた試合があったじゃないっすか。ワタシはそういうのを見たかったんすよ。ラポルタ会長が集金ツアーに来日したことを後悔するような、空気読めないマッチョなフッボーを展開するマリノスを。栗原に削られて激怒するエトーとか。でも予定調和的に0-1で上品に負けた。
●なんだかなー。そうマリノスに対して軽く失望していたら、なにかがあの試合で覚醒してしまったのか、続く横浜FCとのダービーに8ゴールを奪って猛勝し、そしてこの日、川崎相手にアウェイで2-1で快勝してしまったのである。坂田と大島の2トップっていうのも理想だなー。週末は瑞穂で対名古屋戦かあ。「よし、名古屋まで行くぞ」と心にもないことを書いてみる。行きません。でもバスツアーあるか調べたらあった。

横浜F・マリノスオフィシャル 応援バスツアー
http://www.sotetsu-kanko.co.jp/marinos/marinos.html

●ていうか、こういうツアーってやっぱり体力ないとムリだな。朝出発して、7時間もかけてスタジアムまで行って、試合応援して、終わったらそのままバスに乗って帰って、午前2時30分帰還。その後朝5時まで車中で寝ててOK。せっかく名古屋行ってもシャチホコにもナナちゃん人形にもひつまぶしにも目もくれず帰ってくる。マネできない。

August 15, 2007

本日より夏は永遠に続きます

●あわててBBCプロムスのアーカイブにある鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏会を聴いて、というのは一週間期間限定公開なのでたぶん今日消えるからなんだけど、そして気がついた、この演奏会って現地時間で夜10時開演だったのか。夜中に聴くバッハのカンタータ。いいなあ、でも終電を気にするのって落ち着かないもんだよねえ、とか思いつつ、テレビをつけたら、V6っていうグループ名の若者たちが屋久島で夏休みを過ごすという番組をやっていて、それって夏休みっていうかキミらの仕事じゃん休暇レスな若者たちよ大変であるなあと感心してたら、屋久島のV6に歌のプレゼントということで米良美一氏がスタジオからもののけ姫を歌って聴かせてあげたのである。ロンドンから、そして屋久島から、この微妙なるシンクロニシティ。
もう光合成したくなるくらい夏だぜ●ラブ太陽。容赦なく照りつける。goo天気予報の発表によれば昨日のアイスクリーム指数は100。明日のアイスクリーム指数も100。あさってのアイスクリーム指数もきっと100。永遠に100。だから食べるのだ、いや食べ尽くすのだ、全世界のアイスクリームを。

August 14, 2007

映画「トランスフォーマー」(マイケル・ベイ監督)

特に意味レス、青空以外●世間がお盆休みっぽい。メールの量がぐっと減る。道を走るクルマの量が減る。でもとにかく仕事する。今はひたすら地道に仕事。ぢぢぢぢぢ、カタコトカタコト、ぢぢぢぢぢ、カタコトカタコト……とPCに向かっていたら、暑い、照りつける太陽、見上げれば蒼天、オーマイブッダ、カタコトやっている場合なのか、なにかがワタシを呼んでいるぞ、正義のために、地球の平和のために、今こそ出撃せよっ!
●なわけで行ってきました、映画「トランスフォーマー」(マイケル・ベイ監督)。前評判はちゃんと聞いていて、「男子が好きなものがいっぱい詰まった自動車ロボ格闘映画」と承知の上で見たんだけど、まさにその通りの自動車ロボ格闘映画。もともとのトランスフォーマーについてはアニメのほうもオモチャのほうもワタシには原体験がないので新鮮な目で見ることができたんだけど、もうサービス満点、恐るべき節操のなさ。
●だって変形巨大ロボっていうだけでも男子は放っておけないのに、それがスポーツカーとかトラックに変態するんすよ。正義のロボット生命体と悪のロボット生命体がいて戦うし、主人公と正義のロボット生命体には友情まで芽生えちゃう。マッチョな男子と付き合ってたクラスでいちばんのステキ女子が、いっしょに悪と戦ううちに非モテな自分とラブラブになってくれる。ロボの変形&戦闘シーンはバリバリにCG使ってて、まあこれが最大の見ものなんだけど、ホントにカッコいい。実は主人公の先祖が地球の運命を変える発見をしていました、みたいな設定も高ポイント、で、メカ、ロボ、クルマ、女子、自分の隠された出自、ベタなギャグ、正義、友情と来て、これに加えてもうひとつ男子の好きなものがある。
●軍隊、それは。戦闘機とか戦車とか銃器とか。自衛隊がゴジラといっしょにキングギドラに立ち向かうのと同様、アメリカ軍も悪玉ロボと戦ってくれる。バギュギュギュギューン! そして、この映画で繰り返されるメッセージは「犠牲なくして勝利なし」。男子も大人も正義ロボにも共通した価値観。勝つためにはガマンしよう、がんばろう、命を投げ打ってでも、みたいな。それってアメリカというよりは、軍事的弱者である彼らの対戦国が好んで使ってきたメッセージだったような気がするが……。ま、そんなこと言っても意味レスか、男のコ映画には。
●ストーリーとかマジメに追ってるとツッコミどころ多すぎなので、ロボ変形に「うおっ!」と盛り上がるのが吉。実際、そこんところは自分的にも大吉。ひとつ残念だったのは、「最高に笑えるすばらしいシーン」があるんだけど、これを事前にテレビの情報番組で見てしまってたってことだな。腹を抱えて笑える場面のはずだったんだけど。どうしてそんなネタバレするかなあ、配給会社(あるいはテレビ?)の人。

August 10, 2007

リヒテルのドキュメンタリー「謎(エニグマ)~甦るロシアの巨人」

 プロコフィエフはラフマニノフのことを毛嫌いしていた。なぜだかわかるか? それは…… (スヴャトスラフ・リヒテル)

謎(エニグマ)~甦るロシアの巨人●リヒテル没後10年を迎えてということなんだろうか、先日、NHK-BSでリヒテルのドキュメンタリーが放映されていた。昨日HDDに録画したものを途中まで見た。中身は以前にもご紹介したことのある「謎(エニグマ)~甦るロシアの巨人」で、DVDで発売されている。ワタシはレーザーディスク時代に見てるんだけど、もう一度見ても抜群におもしろい。どうしても時間がなくて途中で止めてしまったが、これはまた最後まで見なくては。音楽ドキュメンタリーの最高傑作なんじゃないだろうか。
●80歳になったリヒテルが淡々とその生涯を振り返るというインタヴューに、古い貴重な映像(よくわからないものもあるけど)が次々とさしはさまれる。YouTubeにも載っているショパンの練習曲Op10-4の映像なんかも入っていて、この強烈さには呆れるしかない。
●ウクライナに生まれたんだけど自分の父親がドイツ人で、大戦中に国家権力によって銃殺されたこと、ピアノは8歳か9歳から始めたんだけど(最初から天才なんである)ピアノよりオペラのほうに夢中になっていたこと、モスクワに行ってネイガウスに師事したらすぐに「もう教えることはない」って言われたこと……。リヒテルのネイガウス評も興味深かった。心から賞賛を重ねた上で、ポツリと「ピアニストにとって教育熱心であることは致命的である」なんて言ったりする。
●大物女流ピアニスト、マリア・ユージナとのエピソードなんかもそうなんだけど、本質をえぐるようなシリアスな物言いのなかにチクッと棘のあるユーモアが混じる語り口がすばらしいんすよ。冒頭に挙げた「危険な男」プロコフィエフについての評言はこう続く。

 プロコフィエフはラフマニノフのことを毛嫌いしていた。なぜだかわかるか? それは(プロコフィエフが)影響を受けていたからだ。
August 9, 2007

ゴーレム100(アルフレッド・ベスター著)

ゴーレム100●アルフレッド・ベスターの「ゴーレム100」(渡辺佐智江訳/国書刊行会~未来の文学)を読む。ベスターは純然たるSF作家なので、ジャンル外ではたぶん名前を知ってる人は少ないと思う。寡作家であり伝説、クラシック好き向けに形容すればカルロス・クライバーみたいな存在。
●で、ベスターといえばまっさきに挙げられるのが名作「虎よ、虎よ!」(ハヤカワ文庫SF/なんと品切中)。これはストーリー的にはデュマの「モンテ・クリスト伯」に着想を得た復讐譚で、この分野では古典として知られている。タイトルのTiger! Tiger!はウィリアム・ブレイクの詩(虎よ!虎よ!あかあかと燃える……)から。ブリテン作曲の「ウィリアム・ブレイクの歌と箴言」にも出てくる詩っすね。ベスターの「虎よ、虎よ!」が書かれたのは1956年。もう半世紀も経っているのに、今読んでも新鮮でそのアイディアの豊富さや物語のおもしろさに感心する……と言いたいところなんだが、なにしろこれを読んだのは四半世紀くらい昔の話なので、薄情にもよく覚えていない。ただ、ベスターは寡作家で、その後、今はなきサンリオ文庫から「コンピュータ・コネクション」が出た。そして「とんでもない傑作」といわれる「ゴーレム100」(ゴーレム百乗)という作品が書かれたようなのだが翻訳されそうにない、という状況が1980年代からずっーと続いて、「ゴーレム100」は「名のみ高い未訳の作品」の頂点みたいな場所に君臨し続けていた。
●それがついに翻訳されたんである、1980年の作品が2007年になって。国書刊行会の「未来の文学」シリーズで。再度クラヲタ的言い方をすれば、カルロス・クライバー最高の名演と呼ばれた伝説のライヴが正規盤として日の目を見たっていうのと、同じくらいのインパクトがある(あるいはない)。で、読みはじめて驚いたのだが、「ゴーレム100」はとても1980年の作品とは思えない。どう見ても、1950年代。恐ろしく古い小説を読んでいる気分になってしまった。1980年だったら一応こういう未来がうっすら見えてただろうなっていう期待をねじれの位置で素通りして、変わらず1950年から未来を予見している。そして「虎よ、虎よ!」というのはとてつもなくカッコいい小説だとぼんやり記憶していたのに、おそらく同じセンスで描かれているであろうはずの「ゴーレム100」はどうしてこんなにカッコ悪いのか。激しく謎。
●舞台は22世紀の巨大都市。不可解で残虐な連続殺人事件が発生する。主人公の科学者とヒロインの精神工学者、そして敏腕警察官の捜査によって、事件は魔術的儀式により召喚されたゴーレムが起こしていることがわかる。3人はゴーレムを追いかけ、ドラッグによって集合的無意識下にあるサブリミナル世界へと向かう。ん、こうして書いてるとおもしろそうじゃないか。実際、読みはじめて半分くらいまでは一読みするほどには楽しんだのだ。オルフの「カトゥーリ・カルミナ」とか出てくるんすよ。あとこの時代の著名作曲家としてスクリャービン・フィンケルっていう人がいて、どんな曲を書いているかというと22世紀だからわけわかんないことになってる。こんな感じ。

 男女平等産院では、二十人の裸の小人が胎児の<命の権利>バレエを踊っていた。陰茎を思わせる五月柱の先端にへその緒でつながれ、野蛮なコサック人が指揮する無音のオーケストラをバックに、全員で胎児合唱をニャーニャーやっていた。

 スゴくない? あれ、やっぱりスゴいのか。2007年に見る、1980年に描かれた絢爛たる1950年代の懐かしい未来。

August 8, 2007

猛暑にヨガファイア ボツワナ応援編

ダルシムのエンディング●暑い日が続きます。今年から1日の最高気温が35度以上になる日を「猛暑日」と定めました。猛暑日にはご注意ください。また、気温40度以上で「激暑日」、50度以上で「炎暑日」、60度以上で「灼熱日」、70度以上で「狂暑日」、100度以上で「滅亡日」と定めます。ウソです。
●もう暑くて気分はダルシム、皮膚感覚でヨガファイアっすよ(←意味不明)。
●そういえば完全にスルーしてしまったけど、中国でサッカー五輪代表の4カ国大会とかいう強化試合があったじゃないっすか。あれ、国際大会なのに全員審判が中国人という、「中国の不思議な主審」状態だったんすよ。で、忙しく試合見れなかったんだけど、唯一、ニッポンvsボツワナ戦だけチラ見したら、客席は猛烈ボツワナひいきでニッポンにブー、審判もワケわからんくらいボツワナを後押ししてる(ニッポンのゴールを取り消しちゃうし)。で、ボツワナが1-0で勝ってお客さんも喜んでて、てっきり中国が優勝したと思ってたら、なんと、続く試合で中国が北朝鮮に負けちゃったので、大会の優勝はボツワナになっちゃったんすよ! もうありえない豪快な展開。そんなにボツワナ応援しちゃうから。ていうか勝点計算どうしてしないですか、お客さんたち。

August 7, 2007

さらば、ザ・コン館

パスワードは上上下下左右左右BA●自分的には大きなニュース。秋葉原のラオックス、ザ・コン館、9月30日に閉店。ザ・コン館っていうのは「ザ・コンピュータ館」のことで、かつては秋葉原のランドマーク的存在だった。「パソコンに関する商品ならなんでもそろっている巨大なお店」というのが圧倒的な輝きを放っていた時期があって、ワタシもここでずいぶん散財したものである。PCそのものもそうなんだけど、周辺機器とかソフトウェアとか、眺めているだけで楽しい、みたいな。専門店じゃなくてデパートの楽しさ。いろいろ買ったなー。
●いちばんよく覚えている買い物はAdobeのPhotoshop3.0。今じゃ画像編集なんてフリーウェアでもそこそこできてしまうが、当時Photoshopは夢のソフトウェア。どうしても欲しいと思ったが、十数万円という個人使用には考えられないような価格。プロが使うツールだから「これを買っても、難しすぎて使いこなせなかったらどうしよう」と心配になり、まずPhotoshopの活用術みたいな書籍を何冊か買って隅から隅まで読んでイメージトレーニングを重ねた上で(エア・フォトレタッチなのか!)、満を持してザ・コン館へ。それでも商品棚の前をウロウロして躊躇していたというのがダメっぽい。
●なにがいちばんスゴいと思ったかといえば、PC上でカラー画像が(印刷用の)四色分解できるってこと。今思うとそこになぜ興奮を覚えたのかまるでわからない。仕事上でDTP絡みのトラブルを間近に見すぎたせいかも。
●ちなみにザ・コン地下のメイド喫茶も9月9日に閉店なんだそうです。いや、ワタシは関係ないんだけど。

August 6, 2007

「ロストロポーヴィチ・メモリアルコンサート」@松本

●告知を。8月15日に開幕するサイトウ・キネン・フェスティバルであるが、音楽祭と縁の深かったロストロポーヴィチを追悼するコンサートが行われることになった。8月19日(日)午後3時より、ザ・ハーモニーホール(松本)。入場無料、250組500名が招かれるので、鑑賞希望の方は往復はがきにて応募。プログラム詳細は現時点で未定だが、サイトウ・キネン・オーケストラのメンバーによる演奏のほか、在りし日のロストロポーヴィチ氏の映像が流されるとのこと。
●詳細および応募方法は音楽祭公式サイトの以下のページをご覧いただきたく。

「ロストロポーヴィチ・メモリアルコンサート」 ~スラヴァよ永遠に~
http://www.saito-kinen.com/j/news/detail.php?view=87

米アマゾン・ドット・コム、生鮮食品販売を試験的に開始。本屋で始まったネット通販がついに生鮮食品にまで、というニュース。数年後、amazonに注文して近所のスーパーからネギやらトマトやらを配達してもらう自分らの姿が容易に想像できる。CD、本、ゲーム、電気製品、PCソフト、日用雑貨等が現状あって、さらにこれに食料品。遠からず自分の消費活動の大半をamazon内で済ませられそうな気がする。

August 3, 2007

プロムスを聴いていたら

●BBCプロムス開催中。生中継で聴く根性はないが、ここは一週間だけライヴ音源をオンデマンドで聴かせてくれる。ありがたいことである。こちらのページから好きなのを聴ける。要RealPlayer。

BBC - Proms - Radio Broadcasts
http://www.bbc.co.uk/proms/2007/promsbroadcast/radio/

●で、よくわからないことがひとつあるんだけど、これって音源の音質が公演ごとによって違ってるのだろうか。どうも聴いてみると、64Kbpsのものと32Kbpsのものがあるみたいで、前者は何の不満もなく音楽を楽しめるんだけど、さすがに後者のほうは非オーディオ者のワタシでも少々物足りない。たとえばProm 22のミンコフスキ指揮ルーヴル宮音楽隊は64Kなんだけど、Prom 23のサロネン指揮BBC交響楽団は32K。どうしてなんでしょか。ウチの環境のせい? それともなにか意味あってもともとそうなってるの?
●隔月刊の大人のためのピアノ専門誌ピアノスタイル 2007年 8月号発売中。特集原稿を何点かお手伝いさせていただく。非ヲタ系。見本誌を手にして全般に勢いを感じる雑誌であるなあ、と。

August 2, 2007

ブラウザをDonut RAPTに。タブブラウザを比較する

●またブラウザを乗り換えてしまった。しばらく前から定番フリーウェアとして有名なSleipnirを常用していて、当初はその高機能さや見栄えのよさに感動していたものの、使っていると軽快さや安定性にイマイチ欠けるなと感じはじめた。で、こうなるとワタシは気になってしょうがない性質だ。世間に出回るあらゆるタブブラウザのなかからベストを選ばなきゃ気が済まなくなる。
●そんなわけでタブブラウザ推奨委員会を大いに参考にしながら、次々と可能性のあるブラウザをインストールして使ってみた。結局、自分が選んだのは再びDonutファミリーにもどってDonut RAPT。だれの参考にもならないかもしれないが、以下に自分なりの使用感を。前提として必要な条件は、軽快であること、IEコンポーネントを使用すること、タブが複数行にまたがること、「お気に入り」がIEと共用できること。原則レジストリ未使用のもの。

Donut RAPT http://rapt21.com/
軽快かつ高機能、そして手になじむっていう総合点の高さでこれ。すばらしい。唯一弱点は美しくないことで、アイコンとかダサダサ。これって「便利だから」という理由でいかなる場所に出かけるときもデイパックを背負うのと同じではないかと恐れるのだが、でも最強、しょうがない。

GreenBrowser http://www.morequick.com/indexen.htm
もっとも軽快だったのはこれ。しかも高機能で美しい。外国産(中国?シンガポール?)だが無問題。唯一、タブが複数行にまたがったときの挙動がどうしてもなじめない感じだったので止めた。惜しすぎる。プリセットされた検索エンジンにGoogleとかと並んでbaidu(百度)が入っているアジア感の高さが吉、あるいは凶。

タブブラウザ「ぶら。」 http://www.geocities.jp/tabbrowser/
軽快で美しい。全般に微妙なノリが気になるけど、実はかなり良い。細かな機能の有無でDonut RAPTを選んだだけで、こちらもオススメ。「あいつ、もっとフツーにしてれば人気出るのになあ」っていうクラスに一人はいるタイプ。

Sleipnir http://www.fenrir.co.jp/sleipnir/
高機能で美しい。が、これでもやや重いと感じるのは贅沢なのか。なにかが過剰。その過剰さを愛せるかどうか。名前は北欧神話の神獣に由来するってのもそうなんだけど。優等生だと信じていたのに、ときどき落ちたのでショック。機能的には最高。

Grani http://www.fenrir.co.jp/grani/
上記Sleipnirの弟分。美しいし、シンプル。これを「欲しい機能が足りない」と打ち捨ててしまう自分自身に敗北感を感じる。Graniがあれば十分、そう言い切ってシンプルライフを楽しめる潔い人間になりたい、でもなれない。

unDonut http://undonut.sakura.ne.jp/
前の前に使ってたブラウザで長くお世話になった。Donutファミリーなので基本的にはDonut RAPTとそう違わないのだが、しばらく前に開発が止まってしまった。キレイなお家でも人が住んでないと荒れる、みたいな感じ? 完成形だと思っていても、バージョンアップがないと衰えていく。たまに落ちたりして、ああ、こいつも老境に差しかかったのだなあ、と。哀愁のDonut。

●「IEやFirefox使えばいいじゃん」ってのは禁句だ。

August 1, 2007

反逆の男前豆腐

うまいぜ●こっ、これは。一口食して絶句。なるほどー、これが最近ウワサの「男前豆腐」なのか。昔、豆腐屋が売り歩いていた豆腐に比べると、スーパーでドカンと山積みになって売られている豆腐はずいぶんさっぱりしているというか、味がない。どうしてこんなに豆腐って薄い食べ物になったのかと思ってたら、反逆の「男前豆腐」である。「男前豆腐」と「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」(っていうネーミングすごすぎ)、どちらもうまい。
●どう美味か。「う~ん、外はカリッとして中はジューシー♪」。ウソ。んなわけない、それは最近マイお気に入りのテレビ的常套句。ホントは濃い。水じゃなくて豆腐、いやむしろ豆。「男前豆腐」のほうは二重底になってて自然と水が切れる構造になってるんすよ。で、なんで豆腐が男前かっていうと、「水も滴るいい男」ってことなんだけど。
●サイトのほうも大暴れしてる。角に頭ぶつけんなよってくらいに。→ 男前豆腐店

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