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2007年9月アーカイブ

September 28, 2007

メガネを上げる

●ウトウト……。ああ、今日はまだ一仕事しなければいけないのだが、もう眠い、だから少しだけ横になろう。ほんの少しだけ休んだら、また起きて働くから。メガネがジャマ、でもはずして片付けるのも面倒だし、あまり本格的に寝ちゃってもマズいから、おでこのところに上げておく。ウトウト、気持ちいいなあ、ウトウト……。
●はっ! 寝すぎた、起きよう。メガネをおでこから下ろす、と思って手をやったらそこにないのです、メガネが。寝てる間に落としたか。「メガネ、メガネ、僕のメガネ」ってマンガみたいなことを一瞬やったら、気がついた。フツーに見えてるよ、視界。そうだ、ワタシは今日は一日コンタクトレンズで過ごしていたのだ。寝る前におでこに上げたのは空想上のメガネだったのか、それとも夢だったのか、だとしたらどの時点から夢だったのか。
●イマジナリー・メガネはなにか普段なら見えないものを見せてくれていた可能性がある、だがなにも思い出せない。

September 27, 2007

「名波、元気かぁ~」

●録画で遅れて見る、フジテレビのチャンピオンズ・リーグのダイジェスト番組。ジョン・カビラと女子アナウンサー、そしてサッカー好きタレントの土田晃之の3人が出演。民放地上波なのでいろんな演出が入る。基本的にジョン・カビラは叫んでいる。エコーかかった英語のアナウンスとか入れながら、叫び続ける。サッカーに興味なさそうな女子アナは、誰かイケメン選手のファンを演じるのがお約束っぽい。土田晃之は細かく笑いを取る。試合のダイジェスト画面では青嶋達也の猛烈早口コミカルな実況が入って、たとえばASローマのスパレッティ監督が映るたびに、アテレコで「名波、元気かぁ~」と物マネ(?)が入る(スパレッティ監督は名波がヴェネツィアに在籍してた頃の監督だから)。ジョン・カビラ、絶叫、飽くことなく。
●で、サッカー・ファンはこう思うじゃないっすか。フツーにダイジェスト場面の中継だけすりゃいいじゃん。マンチェスター・ユナイテッドとかバルセロナとかACミランが試合してて、画面中スーパースターだらけの最強コンテンツなんだから、そんな無理矢理ヘンな盛り上げ方しなくても十分おもしろいに決まっている、と。
●でも、ワタシは誤解してた。この日、ジョン・カビラと土田晃之の絡みがもう一つスムーズじゃなかったこともあってか、全員が必死で自分たちの芸を繰り出していた。ジョン・カビラは120%の出力で叫んでいたし、土田晃之も気の利いたコメントをしようと頭フル回転させてたにちがいなく、女子アナだって懸命にサッカー選手好きのフリをしようとしていた。ここにあるのは純粋なプロフェッショナリズム。その真摯さを目にして、彼らは「一般視聴者にとってチャンピオンズ・リーグ(あるいはスポーツ全般)はつまらないものだ」という絶対的な信念を抱いているんだと気づいた。だから、みんなが全力で番組を救出しようとしている。
●このどす黒い善意。「名波、元気かぁ~」は、クリスチャーノ・ロナウドのドリブルに勝利している。テレビでは。

September 26, 2007

映画館でよみがえる「グレン・グールド 27歳の記憶」

グレン・グールド●おっと、そうだった、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を観に行って知ったのだった、グレン・グールドの映像ドキュメンタリー「グレン・グールド 27歳の記憶」が上映される、と。ビバ生誕75周年。といっても上映館はワタシが今把握しているのは銀座テアトルシネマ吉祥寺バウスシアター(ともに10/27より)で、「モーニング&レイトショー」ってあたりに小声で「無慈悲なり」と呟いてしまうのであるが。
●この映像、グールド好きは大半の人がすでに見てるはず。もともとは「グレン・グールド Off the Record/On the Record」として、LDとかVHSで発売されたものだったと思う(えっ、LDって何の略だって? 平成生まれならググってみれ!)。テレビでもきっと放映されてる。で、それが後にDVD化されて発売され、さらに映画館でも上映される。フツーの映画の流通コースから逆流してる感じ。
●映像の内容は? もし未見なら必見。LD時代に見たきりなので、さすがに記憶は薄れているが、バッハのイタリア協奏曲第2楽章を頭グルグルまわしながら芝刈り機みたいになって弾くアレが入ってたんじゃないか。ていうか芝刈り機じゃ意味不明か。シューベルトの交響曲第5番をピアノで弾き出す場面とかも印象的。そしてピアノを弾く陶酔的な姿は、ごく控えめに言って美しい。他のグールドの映像(たとえばゴルトベルク変奏曲)とかと何が違うかって言えば、「27歳」っていう若さなんだと思う。まだコンサートから引退する前のグールド。
●一応言っておくが、これは1時間足らず、モノクロ、モノラルである。料金も上記2館では1200円ってことなのでリーズナブルなんでは。てかモーニング&レイトショーが立ちはだかる壁。まあレイトか。

September 25, 2007

逃げちゃダメだ。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」

ヱヴァンゲリヲン●映画館で「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を見てきた。懐かしい。最初のテレビアニメシリーズが95年~96年だもんなあ。今回、表記が「エヴァンゲリオン」じゃなくて「ヱヴァンゲリヲン」。で、内容的にはかつての「エヴァ」のリメークではないけど、まったく新しい物語でもないという、微妙なことになっている。
●「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」は全4部作。「序」は「序破急」の「序」ってことなんだそうだけど、それじゃあ3部作だろうって気もする。「急」が2部に分かれるのか。まあワーグナーの「ニーベルングの指環」だって全4部作だけど第3夜までだから、それと似たようなものか。
●今回の「序」は、旧「エヴァ」とストーリー的にはほぼ同じで、「ヤシマ作戦」がクライマックスになっている。だから惣流・アスカ・ラングレーは登場しない。エヴァンゲリオンも初号機と零号機しか出てこない。ただあちこちで微妙にいろんな違いがあって、知ってるけど知らない世界みたいな感じ。碇シンジが葛城ミサトに連れられて地下で見る×××は、前回は×××って呼ばれてたよなあとか(意味不明だよっ!)。絵は全部描き直されているみたいで、大変美しい。
●物語の核となるテーマは自分のなかで色褪せているところもあるけど、それでも十分楽しめた。碇シンジがいつもイヤフォンで音楽を聴いてて、そのハードウェアは相変わらずDATだった(S-DATと書かれている)。iPodみたいな携帯オーディオではない。全般にケータイの存在感が薄いんだけど、携帯電話自体は存在している。舞台は前と同じく「セカンド・インパクト」後の第3新東京市。でも西暦何年かはどこにも明示されていない。旧作では西暦2015年だったのに。意味があるのかも。あるいはないのかも。
●エンドクレジットになっても席を立たないように。「サービスサービス」あり。

September 23, 2007

You are REDS! マリノスvs浦和レッズ。

テレビ観戦でスマソ●やっぱり。一試合に二度ほどそう呟いたのだ、テレビを見ながら。マリノスvs浦和。相手の浦和は首位だが、内心勝つべき相手と思っていた。向こうはアジア・チャンピオンズ・リーグの試合もウィークデイにあったし、代表組は週2試合ペースで疲労困憊してるはず。こちらは山瀬欠場が痛いものの、チームの調子は大変よろしい。先週もガンバ大阪に快勝したし。
●で、前半はほとんど一方的にマリノスが攻めまくった。大島と坂田の和製最強ツートップ、中盤にスピードのある清水、テクニックのあるマルケス。中盤で河合と那須が体を張って守る。質の高いサッカーを見せてくれた。が、いくつかあった決定機をことごとく外して前半を終える。もうこの時点でマリノス・サポは「嫌な予感」全開である。
●なんかクロスボールがよろしくない。オシムが一度合宿に呼んだ売出し中の若手左サイドバック小宮山、突破力はすばらしいがあのクロスはどうなのか。ベンチに置いている田中裕介の気分はどうなのか。とか考えていると、どんどん己の「嫌な予感」力みたいなものが高まって、左サイドを破られて失点してしまったのだ。浦和の永井に。65分。0-1。やっぱり。
●これで十分気分は凹むのだが、さらにその後、試合内容が低調になってくる。中盤はダラリと間延びして、お互い疲れてくる。ウチはマルケス(34歳)とか清水とか、そんなに走れないんすよ。90分持たないから、そうだなあ、70分になる前にはせめてどちらか交代できないものか。吉田孝行か山瀬弟とかどうっすか、早野監督。と思ってたら、疲れゆえに守備が粗くなった清水が救いもなく2枚目のイエローをもらって、退場。75分。やっぱり。
●サッカーにおいては「嫌な予感」はおおむね当たる。当たると嫌になる。これを何年も繰り返しているわけだ。どんどん人間がペシミスティックになる。ワタシは「自信にあふれたサッカー・ファン」を想像できない(除くブラジル人)。ダメなときはダメ。喜ぶときはたいてい「ダメかもダメかも」とビクビクし続けた後に喜ぶ。
●そして敗北以上にある意味自尊心をズタズタにされるのは、ホーム日産スタジアムに響き渡る赤い人々のWe are REDS! We are REDS!の大合唱なのだ。もうそれしか聞こえてこない。どこいったのさ、青い人は。全然マリノス・サポの声なんか聞こえてこない。We are REDS! We are REDS! はいはい、わかりましたよ、ホントに日産スタジアム悲惨、どっちのホームゲームなのさ。この不甲斐ないありさまはいったい誰のせいなのか! もちろん知ってる。そう、それはスタジアムに足を運ばずにテレビなんか見てるワタシのせいだっ!

September 21, 2007

ベートーヴェンの遺髪ダイヤを100万ドルからで

●いろんなプレスリリースが送られてくるので、世の中にはいろんな世界があることを知る。

米ライフジェム、ベートーヴェンの遺髪を用い作られたダイヤを100万ドルからオークションで。
http://www.lifegem.co.jp/topic_vtb02.html

●髪の毛からダイヤモンドを作るっていうのが今ひとつピンと来ていないのだが、遺髪とか遺灰に含まれる炭素から合成ダイヤモンドを作るっていうことらしい。上記オークションはebayで行われているので、参加したい方はどうぞ。ノークレーム、ノーリターンでお願いします。あ、そんなこと書いてないか。「ベートーヴェンの髪」を提供するギネスブック認定の世界的歴史遺髪コレクターがいるっていうのも驚くが。
●峰不二子がルパンにおねだりしてもおかしくない逸品といえましょう(←その口調誰よ)。

September 20, 2007

22里の道も1曲から

●24時間くらい前、ワタシの妄想力は久しぶりに高まっていた、草サッカーするぞ、ゴール決めるぞ、オレの心のサンチャゴ・ベルナベウが呼んでいるぜ、GOAL夢見れ。ところが今現在ワタシの怠惰な筋肉は傷一つ負わず、足の親指の爪も踏まれていない、ニューボールはピカピカと輝く、なぜなら参加者数最低遂行人数に満たず、予約した都営サンチャゴ・ベルナベウがキャンセルされたから。低まる、フットボール熱。だが、禁誤解、白状する、ワタシは落胆しているというよりは安堵しているというこの忸怩たる現実を。オヤジ力なのか。歌います、モテット「踊るな、喜ぶな、汝老いたるフットボール魂よ」♪ もう走れない。まだ走ってないのに、走れない。息切れる。
WORKS OF IGOR STRAVINSKY●代わりに勇気を振り絞って、CDのBOXセットを開封することにした。もう散々話題になった、例のSONYのWORKS OF IGOR STRAVINSKY、ていうか買ったのにまだ封も開けてないってどういうことか、ストラヴィン好きー。わかっているのだが、一枚一枚買っていればなんでもなくても、BOXセットだとなかなか開かないのだ、フーガ、いや封が。「庭は夏の日ざかり」さんのストラヴィンスキー・マラソンのエントリー読んで、ロナウジーニョの高速またぎドリブルで抜き去られるエルゲラの気分を満喫してた。だが、ついに封を開けたぞ、まずはDISC10のCONCERTOSから。ビバ新古典主義、そしてウェーベルン風のムーヴメンツ。このCD、中のジャケットの作品名のところに作曲年も添えてくれたら良かったのに。22枚の道も1枚から。どうしてなのか、BOXになると開けられないのは。ウチには10年以上開封されていないBOXセットがいくつかあるが、みなさんのところにもあるでしょ。たとえばショルティのニーベ……とか。えっ、ない? それ、忘れてるんじゃなくて? 流し台の下の中華鍋の奥とか、冷蔵庫のキムコの裏側あたりとかに。ハイドンのピアノ・ソナタ全集とかドビュッシー歌曲全集とか。

September 19, 2007

学生限定。エッシェンバッハ指揮パリ管リハーサル&コンサートご招待

●学生の方専用告知を一つ。11月7日サントリーホールで行われるエッシェンバッハ指揮パリ管弦楽団の公開リハーサル&コンサートに100名様をご招待。ただし条件があって、音楽を学んでいる、あるいはアマチュアで音楽活動をされている学生の方が対象(中学生以上、当日要学生証)。曲はベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番(ピアノはラン・ラン)、ベルリオーズの幻想交響曲。詳細および応募は以下のページから(10/6〆切)。

TDK オーケストラコンサート2007 パリ管弦楽団「公開リハーサル&コンサート」ご招待

●「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」、見るべきかどうか……うーん、迷う、でもやっぱ見るべきだな。よし見よう!と決めたが、しかし意外と上映館の数が少ないのが惜しい。ウチから射程内にある劇場だと、スクリーンの画質とか音響設備的にイマイチだし。ていうか、都内全域でこれじゃあ足りんと思うのだが、ワタシのなかでのヱヴァの存在感が大きすぎるのか?

September 18, 2007

秋のフーガ

●何気なくテレビを眺めていたら「春のワルツ」とかいう韓国ドラマがはじまって吃驚。なにそれ、「冬のソナタ」の続編なのか! だったら「夏のプレリュード」とか「秋のフーガ」とかあるのかよっ!とツッコミつつ、軽くググってみたら本当に四部作だったことを知る。ユン・ソクホ監督の「秋の童話」「冬のソナタ」「夏の香り」「春のワルツ」で「四季シリーズ」なんだとか。フーガじゃダメっすか。
WOWOWのスペインサッカーは、引き続き現地権利元のゴタゴタによって、今週もバルセロナやレアル・マドリッドの試合を放映できず。世の中には「これでサラゴサやセビリアの試合が見れる!」と喜ぶ人もいるのかもしれないが、ワタシは素直にスター軍団の試合を見たい。

September 16, 2007

ザ・ファイヴ・ブラウンズ初来日公演

ザ・ファイヴ・ブラウンズ/ラプソディ・イン・ブルー●ザ・ファイヴ・ブラウンズの初来日公演へ行ってきた。東京文化会館大ホール全席完売の人気ぶり。実の兄弟姉妹5人のピアノ・アンサンブル、全員がジュリアード音楽院卒業、まだ20代でカッコいい。つまり一般的には注目度が高くてこれからさらに人気出てきそうな感じ、でもクラヲタには関心を呼ばなさそうなポジション。曲と曲との間にはトークも入る。休憩の間にメンバーは着替えて雰囲気がガラリと変わる(で、その衣装に「わぁー」と軽いため息みたいなのが客席からもれる)……といったようにサービス精神にあふれた舞台で、客席の若者率もかなり高め。
●といったノリなんだけど、油断大敵、選曲は容赦ないんすよ。第1曲目こそガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーなんだけど、その後、レクオーナの「アンダルシア組曲」から「マラゲーニャ」、ローウェル(ロルフではない)・リーバーマンの「ガーゴイル」(ゴルゴイユ)から、と来て、ラヴェル、ラフマニノフを経てヒナステラの「アルゼンチン舞曲集」ともう一曲で前半。後半はヴォーン・ウィリアムズの「富める人とラザロ」幻想曲とか、ルトスワフスキの「パガニーニの主題による変奏曲」、ストラヴィンスキー「火の鳥」他。軽いノリで来てしまったお客さんたちはのけぞっていたか? いや、全然。思いっきりみんな楽しんでた。なかなか痛快な光景である。
●前半の最後にグレゴリー・ブラウンがソロで弾いた曲があった。予定と違う演目を弾くために客席に二者択一させるという演出があったりして、で、弾いたのがアーロン・ジェイ・カーニス(1960- 米国。会場表記はケルニス)の「スーパースター・エチュード」第1番。「クレイジーな曲だ」というからどんな曲かと思ったら、確かにクレイジーで猛烈に鍵盤を叩きまくってしまいに両手じゃ足りないとばかりに左足まで使うという反則技系(笑)。で、これはロックスターのジェリー・リー・ルイスにインスパイアされて作曲されたっていう説明で、そこで「ああ、だからね」と納得できればよかったのだが、ジェリー・リー・ルイスがわからないクラ者なワタシは帰宅してググってからやっと合点。ピアノに火を放って燃やしながら演奏したっていうんだから、左足使うくらいはかわいいもんだな。あ、でも第1番があるってことは第2番以降もあって、もっと過激になっていくのか!?

September 14, 2007

スイス代表vsニッポン代表

●休暇終了。本日から通常営業。近頃休みというものがなかったので、久々に気分は「月曜日」。社会復帰せねば。
●で、今頃になって先日のスイス代表vsニッポン代表を録画で見る。結果を知らなかったので、これはホントに驚いた。前半早々に2失点した時点で「やっぱりこのレベルの相手と戦うと脆いなあ」と負けを覚悟していたのが、なぜか終わってみれば4-3で逆転勝利。「ホームでの親善試合」ならともかく、実質アウェイで、しかも試合の性格が「インターナショナル・マッチデイに、予選を免除されている欧州選手権開催国が組んだ強化試合」である。先日の内容的に相手を圧倒したオーストリア戦と合わせて、たった今がニッポン代表史上最強の瞬間なのかもしれない……ってことをトルシエ時代のアジア・カップでも思ったっけ。
●いまさらだけどメンバーを。GK:川口、DF:駒野、トゥーリオ、中澤、加地、MF:遠藤(→佐藤寿人)、中村俊輔(→中村憲剛)、鈴木啓太、松井(→山岸)、稲本、FW:巻(→矢野)のワントップ。開始直後はスイスの守備が厳しくて、しかもオーストリアと違って技術もあるということで、一時大量失点の可能性も頭をよぎったけど(サンドゥニのフランス戦以来のトラウマ)、後半は内容で相手に勝っての4ゴール。
●こういう強豪国との試合では「自分が相手国のサポだったらどう感じるか」を想像してみる。たとえばしばらく前の日本でのカメルーン戦の場合だったら、結果的に日本が勝ったけど、自分がカメルーン人だとしたらあの試合を見て「ニッポン相手にワールドカップで勝つのは難しい」と感じることは決してないはず。むしろ「あ、これなら大丈夫。勝てる」という印象を受ける。でもこの試合を見たスイス人だったら。「後半はメンバーを落としたし、ベーラミ一人のミスで試合を壊してしまったので負けた。ただ足元の技術ではかなわないので、ワールドカップで対戦しても勝つのは大変そうだな」くらいには思うんじゃないだろか。クーン監督が「われわれの最終目標はユーロ2008」って試合後に釈明しているところも、サポ的にはきっと気に入らない。
●ニッポンは4点目の矢野のゴールがすばらしかった。守備時にマークを見失って相手にゴールを許してしまった矢野、交代出場直後にミスパスをした中村憲剛、失点につながるつまらないコーナーキックを与えてしまった山岸という、3人の交代出場した選手たちが絡んでの逆転ゴールは美しすぎる。ブルッと震えた。

September 10, 2007

オーストリア代表vsニッポン代表

オーストリア●遅まきながらオーストリア代表vsニッポン代表を。この試合、0-0で終わって引分けになるのかと思ったら、なぜかPK戦とは。これまでに中澤がPKをはずすシーンを何度か見ているような記憶があって、嫌な予感がしたらやっぱり外れてしまった。でもまあPKはオマケ。90分の中身を見ればニッポンがオーストリアを圧倒していた。オーストリアにこれといったチャンスをまったく与えていなかったし、たしかコーナーキックもゼロだったような気が。オーストリアは強豪とはいえないにしても、ヨーロッパの代表を相手にアウェイのニッポンがこんなに完全にゲームを支配しているっていうのがスゴい。ていうか、これでヨーロッパ選手権の開催国(2008、スイスと共催)だなんて大丈夫なのか、オーストリア。客席からはかなりブーイングが飛んでいた。この試合、たまたま現地ORFの放送で見たので、日本のテレビ中継でどれくらいブーイングが聞こえていたかはよくわからないんだけど、バックパスをするたびにブー。サポもまさかアジア相手にあれだけ一方的に押されるとは思っていなかっただろう。
●とはいえ、スコアは0-0なので爽快感はなし。中盤で勝ってた割には、シュートが少ない。怖くない、きっと。お互いに「この相手には勝てる」と思った試合だったのかもしれない。

September 7, 2007

パヴァロッティの時代

パヴァロッティ・グレイテスト・ヒッツルチアーノ・パヴァロッティ死去。ワールドカップでの三大テノール・コンサートだとか、いろいろな話題があったけど、自分の中に「パヴァロッティの時代」が来たことはなかった。ところが今年になってマネージャーのハーバート・ブレスリンが書いた暴露本(?)「王様と私」を読んで以来、急にパヴァロッティに親しみがわくようになってしまい、あろうことかパヴァロッティのベスト盤を買い求め、リビングに常備するようになってしまった。現在形のスーパースターであるあいだは近寄る気にならなくても、表舞台から退くとある意味素直に楽しめる、みたいな。でもドミンゴでは同じことは起きないはず。オペラを歌手で聴かないワタシみたいな者までも魅了してしまう、甘くて明るい声。クラシックの枠を超えたポピュラリティを獲得した。横紙破りな生き方をした人なんだろうけど、「お客こそわが命」という徹底したショーマンシップはきっと筋が通っていた。また訃報エントリーになってしまった。

September 6, 2007

爆睡ドリーミング

ぐっすり眠れるクラシック●若い頃は爆睡王で、太陽が真上まで昇ろうが寝ていられる、いやそれどころか日が傾いた頃にやっと目が覚めたみたいな伝説の持ち主であっても、歳とってくるとあまり眠らなくなったりする、一般に、そして自分も。「お、睡眠時間少し減ってもOKなの? ラッキー」くらいに思っていられるうちはいいんだけど、「眠れない」っていう悩みがありうることを知るとやはり戸惑うものであって、爆睡力の衰えをひしひしと感じるわけである。
●で、CDの告知なんだけど、「ぐっすり眠れるクラシック」好評発売中。2枚組。リラックスできる定番の名曲を集めたヲタ度ゼロ選曲。もう大群となった羊を必死に数える必要はありません。ビバ脱力。
●訃報を一つ。渡辺護さん。91歳。すでに7月に亡くなっていたとは。10年以上前にイギリスに移住されている。合掌。

September 5, 2007

いつまでもデブと思うなよ(岡田斗司夫著)

いつデブ以前、テレビでBSアニメ夜話を見てたらオタキングこと岡田斗司夫氏そっくりの痩せた人が出ててしゃべる内容もそっくりでご兄弟かなあと思っていたら本人だったって話をしたじゃないですか。あり得ない痩せっぷり。で、しばらくしたら書店に並んでいたのがこのダイエット本。「いつまでもデブと思うなよ」(岡田斗司夫著)。ガーター亭さんでも紹介されていたように、これはすばらしい。読み物としておもしろい上に、確実に実用に使える。50キロ痩せて安定する方法はこれしかないって確信できる。いや、ワタシは5キロも痩せられればもう十分なんだけど。
●普通のダイエット法って、人を舐めたことばかり言うじゃないっすか。おおむね継続できるわけのないことばかりを要求する。ダイエットに関するスパムトラックバックとかスパムメールは山ほど受け取ってるけど、そこには「どうしたら私は不屈の意思力を必要とせず、リバウンドもせず健康も害さずに、スリムな人間になってモテモテで楽しい人生を送れるのか」っていう切実な問いかけがない。この本にはそれがあるんすよ。
●著者の言う痩せるための方法は、突き詰めれば「記録すること」。これは50キロ痩せるための助走段階にすぎないんだけど、「口にしたものを毎日必ずメモする」というだけでもある程度は痩せはじめるという指摘には目ウロコ。この段階では食事について一切制限していないにもかかわらず。ワタシ程度の「痩せたい」なら、この「助走」をするだけで実現するのかもしれない。
●あとこれ、割りと物事のマニアックな楽しみ方を知っている人のほうが向いている気がする。つまりクラヲタ向け。途中から食べるもの飲むもののカロリー数を把握しなきゃいけなくなる、そのあたりが特に。クラヲタ属性があると、同じハムチーズサンドでもセブンとファミマじゃカロリー数がどう違うかとか、楽しみながら把握できそうだし。というか、この本では全般に楽しんでるんですよ、50キロダイエットを。
●読後、今日から食事を記録して、まずは3キロを目標に痩せてみよう、そんな気になった。が、その一方で、就寝前に柿ピーやアイスモナカを欲望しながらこうも思う。仮に今から10キロや20キロ太ったとしても、この本さえあれば楽しく痩せられるのではないか。だから安心して爆食してもよいのじゃないか、と。

September 4, 2007

キャンプ・ミーティング・キャンディード

BBCプロムスにティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団登場。PROM64のコンサートのプログラムが大変すばらしい。アイヴズの交響曲第3番「キャンプ・ミーティング」で始まって、続いてR・シュトラウスの「サロメ」から終幕シーン(デボラ・ヴォイトのソプラノ)、休憩をはさんでショスタコーヴィチの交響曲第5番。アイヴズ、久しぶりに聴いたかも。第2番とか第4番が聴きたくなる。ショスタコだけは選曲として少しありきたりかなと思いきや、聴いてみるとこれがいちばん新鮮で楽しかったりする。アンコールにバーンスタインの「キャンディード」序曲。
●USBオーディオ・インターフェースを導入して以来顕著なんだけど、CDを棚から出してきて、プレーヤーの電源入れて、トレイに載せるっていう一連の作業よりも、クリックして聴くほうが楽チン(死語)みたいな傾向ややアリ。もっともBBCプロムスの32Kbpsという低ビットレートじゃ、さすがにCDとは比較にならなくて、ヘッドフォンで聴くのは厳しい。「一回限り、ラフにだらだら聴いてもOK」っていうラジオモードだから許せるんだろう。そうじゃなきゃ重いプログラムにはそうそう付き合えないし。ショスタコ聴くには心の準備が必要だけど、ワタシの心はいつだって準備中!とかなりがちで。
●プロムス終わったら、少しだけつまらなくなる予感がする。あ、これがお祭りの終わりに近づくっていうことか。そもそもプロムスだって、期間限定じゃなかったらほとんど聴かないにちがいない。いつでも聴けるはいつになっても聴けないと同じだな。いや、それは言い過ぎか。

September 3, 2007

ロン毛スト・デイ、突然に

ヘアワックス●いつもと同じ美容院で、いつもと同じ美容師さんに髪を切ってもらった。「はー、いいっすよ、前回くらいで~」「じゃあ(ヘアカタログの写真を指差しながら)こんな感じにしましょうか」「はーい、よろしくー」。
●そこから30分も経たないうちに、髪の毛はざっくざっくと切られ、あたり一面黒髪の海。ン十年にわたってロン毛状態を続けてきたワタシの髪は、中学生以来の短さになってしまったのだ。うわ、全然予期してなかったロン毛との別れ、あまりに突然に。ていうか、もう別人だよこれ!
●美容師さんはなぜか嬉しそうである。ワタシは……まあ、別にいいんだ、どんなのでも。ヘアカタログに掲載されてるのはどれも若くてイケメンの男のコたちに決まってるから、美容師さんが「こんな感じ」って指差した写真もワタシはまるでちゃんと見ていなかった。彼は言う。「毎日、必ずハードなワックスを使ってください。こんなふうにしてやると髪が立ちますから。髪が寝てきたら、また手櫛で立ててやってください」。ワタシの髪はまるで鳥の巣みたいな無造作ヘア。特に後頭部のほう。これさー、蚊とか小蝿がうっかり入り込んだら迷路みたいになってて出られなくなるんじゃないの、この鳥の巣。と思ったが、声には出さない。さっきまで安心してロン毛ライフを送っていたのに、期せずしてツンツン無造作ヘアで鳥の巣! これは革命が起きた。ドキドキしながら美容院を出た。
●そして、改めて世間の男たちの髪型を観察して驚いたのだ。どいつもこいつも、若いのもオジサンも、デカいのも小さいのも、みんなことごとく無造作ヘアで鳥の巣のような頭をしているではないか。そう、ワタシはいつもの髪型から尖がった髪型に変わったような気がしていたのだが、そうではない。ワタシは昨日までずっと変わり者の髪型をしていて、今日から平凡な男になったのだ。

September 1, 2007

サントリーホールがリニューアルオープン

改修されたサントリーホール●4月からの5ヶ月間、全館改修工事のため休館していたサントリーホールが、いよいよ本日よりリニューアル・オープン。先立って行われた記者発表会および内覧会&ミニコンサートに出席してきた。詳細については来週更新のクラジャン@日経パソコンPC Onlineあたりで書くつもりだが、主な改修ポイントだけを挙げておこう。
●その1。設備。大ホール&小ホールの舞台迫が増設された。音響設備や調光設備等が更新。楽屋も全面改装でグレードアップ。その2。ユニバーサルデザイン。特に車椅子への配慮。車椅子席も増えたし、ホワイエにスロープ、リフトが設置された。
●音響面については「これまでと同じである」ことが目指された。改修工事後の残響時間は以前と変わらず。なので、これまでサントリーホールの響きを気に入っていた方々は、これからも安心して通えるはず。ていうか、客席から見える部分の変化はそう大きくはないので、「ん? なんか小ぎれいになったぞ」と漠然と感じるくらいかも。注意深く観察するとあちこち変わってるんだけど。

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