●つい数日前まで30度とかしつこく残暑だった東京、いきなり16度、雨はしとしと。寒い。そんなブルブル震える日曜日、2部リーグのサッカーを見に行くと? 閑古鳥が鳴いているかと思えば、んなことない! 東京ヴェルディvsコンサドーレ札幌、味スタに集まった観客1万2000人。実はJ2の3位vs1位という昇格争いの大一番でもある。
●少し前まではJリーグってまだまだ借り物の文化で、ワタシらはヨーロッパとか南米とかいろんなところをチラチラ横目で見ながら、「サッカーはこんな感じに見るのかな」みたいにいろんな作法を試行錯誤しながら身につけてたと思うんだけど、もうそんな時代って完全に過去。2部リーグがここまで自然体で受け入れられているんだから。お客さんに「2部リーグ」感っていうかマイナー感とか過剰なサッカー通の雰囲気とかが全然ない。えっとマイナー感っていうのは、「競技経験者の目の肥えたオヤジが、左サイドバックのポジショニングに野次を飛ばす」みたいな光景のことなんだけど。フツーにサッカー好きな家族連れ、カップル、若者たちが集ってる。
●その一方で、札幌側ゴール裏にも1000人まではいかないけど、数百人の赤と黒の人たちが集まっている。ヴェルディ側にも数百人の熱心なサポーターがついている。これ、すごい変貌ぶりっすよ。迷走に迷走を重ねた結果(川崎から東京に移転したりとか)、かつてはゴール裏数十人だったりした時代もあったのが、今は再生の時代を迎えているみたい。
●あと味スタはいいなあ。陸上トラックのスペースがあるから、専用競技場じゃ全然ないんだけど、でもマリノスの日産スタジアムとは比較にならないほどピッチが近い。バックスタンドの2階に座ったのに。周辺の雰囲気も含めて、ここ来るとスタジアムに来たって気がする。日産スタジアムはむしろ巨大イベント会場、にもかかわらず付随する娯楽なさすぎ。
●試合は札幌のディフェンスが崩壊して、ヴェルディが5-1と快勝。ヴェルディは名波は欠場してたけど、服部は左サイドバックで健在。中盤は元柏の大野。元札幌のフッキ、ディエゴ、元U20代表飯尾一慶(後半途中から広山望)にときどきシウバが加わって4トップ状態。そんな前がかりじゃ中盤の守備はどうなるかと思いきや、お互い中盤は省略気味、J1とはいろんな面で違う。ブラジル人依存度の高さとか。やっちゃいけないミスの多さとか。運動量とかスピードとか。規律のない勝手プレイへの許容度とか。でも観戦する楽しさは高くて、最近何試合かのマリノス戦よりよっぽど楽しかった(それじゃマズいんだけど)。
●しばらくヴェルディを応援しようかなあ。ヴェルディはその歴史的罪深さゆえに応援したくなるというか(あの憎いほど強かった黄金時代)。紆余曲折あったけど、今は東京のクラブなんだし、心情的に味方するのに抵抗はない。ただし、一部に上がってきたらまたライバル。
●ちなみに、J2はベンチの控えメンバーがいまだに5人のまま(J1は7人)。選手視点で見ると、1部から落ちるというのは、まずチーム内でのベンチ入り争いが激化するということを意味する。
October 1, 2007