●空腹は突然やってくる。すぐ目の前にあったラーメン屋に飛び込んだ。狭くてカウンターだけで、こぎれいでもなく、行列にも縁がなさそうな、フツーのラーメン屋。店の名前がついたラーメンを頼み、ズズッと食していると。
●右に座った男がウーロン茶を注文した。そして仏頂面でバイト店員に言う。「ここの水、なにか匂うよ。これ、どうなってんの。匂ってしょうがないからウーロン茶、頼んだんだ」。えっ、これ、匂うかな。水道水なんてこんなもんだろ、ていうか、ここ、ラーメン屋だし。しかも相手、バイトだし。応対に困った若者に向かって執拗に男は続ける。「お店によっちゃね、いろんな工夫しているところ、あるよ。知らないの? 備長炭を入れるとかさ」。
●ああ、これが00年代の光景なんだろなー。そそくさと猛速爆食、ガンマンが店内で撃ち合いをはじめると知った酒場の店主のごとく、あわてて逃げ出す粘着ゴー・アウェイ。
October 11, 2007