●ワタシは美食家にはほど遠いのだが、一時期玉村豊男本にハマっていくつも読み、この「健全なる美食」なんかは実用的でもあって何度も読んでたりする、で、この本だったかどの本だったか忘れたけど、思わずポポンと膝を打った記述があった、すなわち、氏は旅先で町の商店にフツーに売っている「塩」を買ってくるというんである。塩はどこの塩も塩だけど、その土地その土地で微量の夾雑物が入ってくることによって、それぞれに複雑な味わいが生まれる、きっとそういうことなんだろう。
●そこで最近ウィーンの街のスーパーで売っていた塩を使いはじめた、だってザルツブルクなんていういかにも塩っぽい名前の町がある国なんだから、塩だってその土地の塩にちがいなく、味わい深いに決まっているではないか、事実味わい深い。直接指にとって、ペロリと舐めてみる。しょっぱいだけではなく、口のなかにジワリと旨みが広がって、どんな料理にも合いそうだ。
●比較のためにJTの塩も舐めてみることにする。なんのブランド塩でもない、たんなる食塩、1キロ100円くらいのとことん安価な塩。直接指にとって、ペロリと舐めてみた。うまい。しょっぱいだけではなく、口のなかにジワリと旨みが広がって、どんな料理にも合いそうだ。塩は塩、寸分たがわず塩。ビバ、塩化ナトリウム、そして違いがまったくわからない男。
December 3, 2007