●岡田武史新監督による初のニッポン代表召集、メンバーはこちら。オシム時代の選手にプラスして若手から新しい選手を呼んでいる。安田理大、内田篤人といったユース昇格組のほかに、岡田色を感じるのは鹿島でブレイクしたフォワードの田代有三、センターバックの岩政大樹、東京の徳永悠平あたりか。今野や山瀬の定着度は高まりそうな予感。
●いつの間にか自然と世代交代も進んでいて、1980年以前に生まれた選手は少ない。それどころか80年代後半生まれの選手が目立っている。中村俊輔や高原がベテランに見えてきた。サッカー選手の現役寿命は短いっすね。
●3年前、当欄で「岩政はいずれ代表に呼ばれる」って書いたのが、ようやく本当になった。監督が違っていればもっと早く呼ばれていた気もする。
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●日テレがFIFAクラブ・ワールドカップをいつものように過剰な物語性で装飾して中継している模様。事前に用意された人間ドラマにいかにスポーツを当てはめるか、みたいな。それはまあいいとしても、浦和レッズに対する立ち位置が気になる。日テレって東京ヴェルディの親会社じゃないっすか。浦和はライバル、応援する対象ではない。浦和はニッポン代表じゃないんだから。
●じゃあ日テレ(あるいは浦和以外のサポ)は、浦和と戦うセパハンやACミランのほうを応援すべきかというとそれも違和感大。スペインなんかじゃバルセロナのサポーターは、宿敵レアル・マドリッドが海外のクラブと対戦したときに、レアル・マドリッドの敗戦を願い相手のクラブを応援する、みたいな話をよく聞くじゃないっすか。でもあれは「カスティーリャを中心とするフランコ独裁政権によるカタルーニャへの弾圧」みたいな歴史と物語があっての対立であって、東京人であれ大阪人であれ名古屋人であれ、浦和という都市に対して敵対的感情を抱く歴史的理由は一つもない。ダービーなんかにしても「カトリック対プロテスタント」とか「資本家対労働者」「右派対左派」みたいな色分けがJリーグには(今のところ)ないから、たとえ擬制と承知した上でも「宿敵」みたいな感情を他のクラブに持つのは難しい。社会のあり方としては、本来これは幸いなことだと思うけど。
●じゃあミランと戦う浦和はなんだ。っていうと、これはもう羨望の対象以外のなにものでもないと思う。あそこに浦和じゃなくてマリノスが立っていたら(でも立っていない。浦和には及ばないという口惜しさ、あるいは悔しさにもいたらないほど力の差があるので、試合の価値まで貶めてやりたくなるイジワルな感情、負けたけどカッコいいのはオレたちだぜ的な無理矢理な自己肯定……等々)。そうだ、日テレは負け惜しんでみせたらいいんじゃないか。「ビッグイベントだからビジネスとして中継するよー、でもホントはワシントンよりフッキ、オジェックよりラモスでしょ」みたいなスタンス。あるいは、ヴェルディを去って浦和に行ったワシントンへの恨み節を延々やるとか。J初期にラモスとビスマルクと武田で浦和ディフェンスを弄んで伝説ゴールを決めた自慢話とか。なんでもいいから頼むから少しは負け惜しんでくれー。まあ、テレビ的にありえないノリなんだけど。
●セパハンが浦和にゴールを決めたとき、スタジアムはしらっとしてだれも反応しなかった。ああいうサポのマナー(?)はさすが浦和。ニッポン代表では絶対にあれはムリ。悲鳴とか怒声が上がるから。ていうか、あのゴールされて黙るヤツ、カッコいいんすよ。代表でもやりたいなあ、失点はヤだけど。
December 12, 2007