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April 7, 2008

絶対横河武蔵野FC宣言!

お花見も楽しめる武蔵野陸上競技場だ!
●この週末、わがフットボール史に事件あり。やや遅すぎた花見も兼ねて、武蔵野陸上競技場で横河武蔵野FC対ガイナーレ鳥取を観戦してきたのだ。桜が咲いていたからか、春の麗らかさゆえか、これはもう楽園のフットボール。もうダメ、すばらしすぎる、JFL。
●えっ、話が見えない? えーっと、マリノスとかレッズとかが戦ってるのがJ1。その下にJ2がある。ここまでがJリーグ。でもサッカーの世界では、トップレベルのプロから地域のアマチュアまでが地続きになっている。J2の下に3部リーグがあって、これをJFL(日本フットボールリーグ)という。3部リーグながら、立派な全国リーグ。横河武蔵野FC対ガイナーレ鳥取っていうのはそのJFLのリーグ戦の試合だ。ちなみにJFLの下にもリーグはあって、そこからは地域リーグになる。東京なら関東リーグ1部。
●で、横河武蔵野FCである。もう惚れたかも。いやもしかしたら武蔵野陸上競技場に惚れたのかな。ウチからだとかなりご近所だし。この日の観客数は1002人と大盛況。前節アウェイの三菱水島FC(岡山県)戦での入場者数が141人だったと知れば、この1002人という偉大さがわかるだろう。前半、ワタシはメインスタンド(が一応ある)で観戦していた。周囲には近所のお母さんたちが大勢いる。子どもがサッカー好きだから? チッチッ、そうじゃない、子どもが選手といっしょに入場する晴れ姿を見に来た。キッズたちはたくさんいたが、みんな小さすぎてサッカーよくわかんなくて、勝手に遊んでる。バック側の芝生席はもっと自由だ。ほぼピクニック状態。滑り台ごっこに夢中になるキッズ。縄跳びしてるオジサン。試合中なんだけど。ああ、地元サッカー。後半からは芝生で横になって観戦した。ポカポカして暖かい。
●でもすばらしいですよ、JFLでも。サッカーの質は高い。われらが武蔵野は若手選手中心。Jリーグで実績を残した選手とかは見当たらない。でも相手のガイナーレ鳥取、これがスゴいんだ。だって外国人選手がいるんすよ! 特に9番のハメド(コートジボワール出身)。もう彼が前を向いてボールを持つと誰も止められない。一度なんかジダンみたいなマルセイユ・ルーレットを決めたんすよ。そのときはさすがにスタジアムが「おおっ!」ってわいた(推定120人くらいが)。でも後半は消えがちで、上のレベルでやるのは運動量的にも厳しいな……ってまだこの人20歳かよ! いくらでも伸びるか。ガイナーレ鳥取は左サイドの6番、小井手もいい。上のレベルでもできそう。はっ。3部リーグの鳥取のクラブについてここで力説してどうする。
●でも続ける。鳥取の監督はヴィタヤ・ラオハクルっていうタイ人なんですよ! スゴくない? 3部なのに外国人監督だし。しかもタイから。そして鳥取からアウェイ・サポが来てる!! 真のサッカー魂を見た。
●いかん、武蔵野の話をしなければ。実は個々の選手の体格などを見ると鳥取のほうがずっとスポーツ選手らしい。高さ、強さでは武蔵野はかなわない感じ。だが、試合はずっと武蔵野がゲームを支配していたのだ。組織的なディフェンス力で相手を圧倒、さらに要所要所で体を張ったディフェンスを厭わず、勝利への意欲で鳥取を大きく上回っていた。あとホームであることの優位性はJリーグ以上かもしれない。武蔵野の27番、林俊介が先制ゴールを決め、続いてPKのチャンスに7番の太田康介が落ち着いてゴール、終了間際に鳥取の10番、実信憲明に1ゴールを返されたが、2-1で武蔵野が完勝。初観戦に勝利ゲームを見ることができて嬉しい。
●試合終了後は抽選会に入る。ここからJ1やJ2にはマネできないだろうっていう盛り上がりを見せる。入場券の半券が抽選券になるシステムで、1等は液晶デジタルテレビ。武蔵野の監督や選手がクジを引く。それまでバックスタンドの芝生に寝転がってた人たちが、メインスタンドにどっと集まる。武蔵野サポから湧き起こる「テレビ」コール(笑)。人数これだけだもん、期待するよ、テレビ。あと選手のサイン入りボールとか、地元レストランのお食事券とか。もしかしたら試合より盛り上がってしまうテレビ抽選会。みんな燃えたな。ワタシも心の中で呟いていたし。テレビ来い、テレビ来い、テレビ来いって。
●想像をはるかに超えた楽園ぶりにワタシは激しく心を動かされた。帰り際、横河武蔵野FC後援会に入会している自分がいた。この会員証で毎試合ホームゲームは入場可。でもマリノスはどうする。いやマリノスもわがマリノスであり、それは変わらない。1部と3部くらい離れていれば、当面競合する心配はないわけだし。思い出すのはサカヲタのバイブル、ニック・ホーンビィ著「ぼくのプレミアライフ」。プレミアリーグのアーセナルのファンなんだけど、それとは別に地元の小クラブも応援するみたいな描写があったじゃないっすか。ああいうイングランドのサポと近いようなサッカーの楽しみ方がこのニッポンでできるって、なんたる僥倖。行きたくなるでしょ、スタジアム。JFLの公式サイトはこちら。お近くにチームがあるという方はラッキー。

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