●やや厳しくなってきたワールドカップ予選の直前に、キリンカップ2008。二昔前くらいはキリンカップは世界の強豪と戦える貴重なチャンスという認識だったんだけど、その後日本サッカーと世界のサッカーが地続きになったので、ニッポンが圧倒的に有利なコンディション差で戦う試合だってことがわかってきた。Jリーグはシーズン真っ最中だけど、欧州はもうシーズンオフに入っている(でもだから欧州組を遠慮なく呼べるが)。相手のコートジボワールは来日してまずもう一つの参加国パラグアイと試合をしている。それから中一日(!)の日程で、万全のニッポン代表と戦わなければならない。しかもコートジボワールはドログバ、ヤヤ・トゥーレ、カルーといった主力7人ほどを欠いた、監督言うところの「ほぼBチーム」。
●にもかかわらず、スゴかったなあ、コートジボワールのプレッシャーは。ニッポンが何度かバックパスをかっさらわれて大ピンチになったのも、相手のプレスの強烈さゆえ。レベルの差を痛感してしまった。実質的にはJリーグと欧州トップリーグの差みたいなものだから、嘆いてどうなるものでもないが。あ、でも試合はニッポンが勝った。1-0。玉田のゴール。
●ニッポン代表のメンバーは前回の危機的敗北もあってか、がらりとメンバーが変わってた。川口能活、阿部勇樹、鈴木啓太、山瀬功治、中村憲剛、高原直泰、巻誠一郎といった選手たちが全員ベンチに座ってた! ピッチ上にいたのは、楢崎正剛、駒野友一、トゥーリオ、中澤佑二、長友佑都(デビュー)、今野泰幸、遠藤保仁、松井大輔(→香川真司デビュー)、長谷部誠、玉田圭司(→矢野貴章)、大久保嘉人。松井と長谷部の海外組は日頃レベルの高い環境でプレイしてる感ありあり、とはいえチームとしてポジションを与えられるかどうかは微妙。長友佑都はまだまだ伸びるだろうし、未知。ただ長友にしても本来右サイドバックの選手を左サイドで使っているわけで、かつての駒野と同パターン。本当に左利きのネイティブ左サイドバックが出てこない、ニッポンは。加地亮が代表引退したから、駒野はますます右に定着するんだろう。
●平成生まれの香川真司はセレッソ大阪の選手。若さでもJ2所属という点でも大抜擢。この試合だけではどんな選手かよくわからず。
●ニッポン代表の選手はほとんどがJリーガーで、ごく一部が欧州のクラブに所属する。コートジボワール代表の選手はもちろんほとんどが欧州のクラブに所属する……のだが、一人Jリーガーがいた! 10番のドゥンビアは徳島ヴォルティスの選手なのだ! 両方の代表チームにJ2の選手がいて、ともに途中出場したという密かなピンポイントJ2対決。代表戦史上初かも!?
May 25, 2008