●激しいグループリーグを終え、ベスト8が出そろった。今回のEURO2008のテーマは、ずばり、世代交代。若武者たちと黄昏のスーパースターたちのコントラストは鮮やかだ。
●C組のフランスvsイタリアなんかは両者とも熟しすぎていた気がする。フランスの前線がアンリって、そんなわけない。バルセロナで何試合出たのだ、彼は。マケレレ、テュラム、アネルカ、サニョル……、果ては中盤のヴィエラの故障を嘆くとは。彼らはすでにあまりにも多くを手に入れすぎている。ベンゼマとリベリーが中心になればまたちがってたんだろうけど。ジダン前夜を思い出す。でも対戦したイタリアだって相当熟していたわけで、この試合が期待したほど盛り上がらなかったと思ったのはワタシだけじゃないはず。同組のオランダはスナイデル、ロッベン、ファン・デル・ファールトとか、今これから一時代を築きつつあるタレントが活躍してて、猛烈に眩しい。
●で、D組っすよ、問題の。スウェーデンvsロシア、スウェーデンは勝つか引き分けでOK、ロシアは勝たなきゃいけない。スウェーデンにはラーション、イブラヒモヴィッチ、リュングベリといったスターたちがいて、ロシアは知らない若い選手ばかり。スウェーデン有利。ところが試合が始まったら、すさまじい勢いでロシアの選手たちが攻め出した。もう目の色がぜんぜん違う。よく走り、ピッチ上をワイドに使って、シンプルだけど力強い攻撃を繰り出し、スウェーデンは防戦一方。ロシアは1点取ってもまだ攻めて、2点取ってもまだ攻めて、3点目4点目5点目が取れるくらいチャンスを作ったがなぜか途中からゴールが決まらなくなり、2-0で完勝した。またしてもヒディンク・マジックなのか。
●でもWOWOWの中継によると、ロシアはこの1試合だけで選手一人あたり五千万円くらいの勝利ボーナスが出て、監督にも八千万以上が入るっていうんすよ。サッカー協会がリッチなわけはなくて、度を超したお金持ちがいる国だから、それくらいスポンサーが付くと。もちろんボーナスだけじゃなくて、決勝トーナメントに進めるっていう名誉やキャリアも選手にとっては大切なわけだけど、とにかくロシアの若武者たちの鼻先には彼らにとって魅力あるニンジンが何本もぶら下がっていた。同じニンジンをラーションやアンリやピルロの目の前に差し出しても、彼らの目の色が変わることはない、たぶん。と、ヒディンク・アレルギーのワタシは勝手に物語を組み立てる。
●準々決勝以降の勝利者を予想しちゃう。ポルトガルvsドイツ、クロアチアvsトルコ、オランダvsロシア、スペインvsイタリア。すべてそれぞれ先に記したチームが勝つほうに賭ける。すなわちポルトガル、クロアチア、オランダ、スペイン。準決勝はクロアチアがポルトガルに勝ち、オランダがスペインを破る。決勝はクロアチアvsオランダで、クロアチアが初優勝する。ってのに、256エラシコ。
June 20, 2008