●よく音楽CDなんかをMP3とかWMAとかにエンコードするときって、128kbpsのビットレートが使われるじゃないっすか。iTunesのACCもそうだけど。なんとなく128kbps=CD並音質って言われるのは、あれは大雑把でも何でもいいから何か定量的なものがあってそう言われてるのか、経験知としてそうなっているのか、どっちなんすかね。
●と、ふと思ったこともあって、同じ音源を32kbps、64kbps、128kbps、192kbps、256kbpsでエンコードしたらどれくらい違うのかなというのを日経BPさんのサイトで少しだけ試してみた→ネットエイジのクラシックジャンキー 特別編「ネットで手軽に楽しむクラシック」。別にPCさえあれば誰でも手元のPCでできることなんだけど、でもメンドくさくて実験しないじゃないっすか。なので、こういう場を利用させてもらって。
●比較に使った音源は新日本フィルさんご提供のアルミンク指揮マーラー3番の冒頭。諸般の事情で、わずか15秒ほどで恐縮だけど、でもまあ雰囲気くらいはつかめるかなと。PCからUSBオーディオ・インターフェイスで出力して、ヘッドフォンで聴くっていう状態だと、ワタシだったら128kbpsあれば十分満足かな。64kbpsはヘッドフォンじゃなければ、まあ楽しめる。32kbpsはさすがに勘弁してほしい。128kbpsから192kbps、256kbpsあたりになってくると、かなり微妙。
●でもサイト上には載せられなかったけど、無圧縮のWAVファイルと比べるとMP3は(たとえ256kbpsでも)やっぱり圧縮されてるんだなってのは正直感じるんすよ。音質にこだわる方のなかにはそのあたりが満足できなくて、ロスレスな可逆圧縮を求めるんだろう。しかし一方で「物理的な音質なんて中身の音楽と無関係なんだから、32だろうが256だろうがなんだっていいだろう」っていう身も蓋もない見方もありうる(笑)。
●ワタシはウンと圧縮してあっても「ファイルサイズが小さくて取り扱いが容易だ」という点に積極的にメリットを見出せる非オーディオ者なので、「iTunes Plusが256kbpsだ」とか言われても嬉しいかどうか微妙なほう。ただ、もし近い将来ネットワークの転送速度やストレージの容量が桁違いに大きくなったとき、一般の音楽ファンが「ロスレス」を求めはじめるのか、引き続きMP3等の不可逆圧縮された音源で満足し続けるのかは、少し興味がある。「サイズ」が問題にならなくなって「ロスレス」が当たり前になった時代には、不可逆圧縮の「mp3」や「jpg」(画像)といった規格は忘れ去られるんだろか。だとすると、圧縮音源時代ってのは始まってすぐに終わる運命なのかもしれん。
●オマケ。クリスティアン・アルミンクが新日フィル音楽監督契約延長記者発表を行ったときの動画ニュース→ 日経BP社の動画サイトBPTVへ(音が出ます)。
June 29, 2008
圧縮音源時代
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