●あー、やっぱり。Yahoo!のトップページにも結果出ちゃってるし。早起きして観戦してよかった、録画だけど。
●で、ついに決勝戦を迎えたEURO2008。ドイツ対スペインは黄金カードといってもいいくらい楽しみな組み合わせ。スペインは今大会得点王となったビジャが負傷欠場、したがってフェルナンド・トーレスのワントップで、中盤にセスク・ファブレガス、イニエスタ、シャビ、ダビド・シルバと巧くてクリエイティブな選手をずらりと4人並べて、後ろに守備的なマルコス・セナを置く布陣。でもみんなスゴく小さいんすよ、背が。セスクの177cmだってドイツ代表の平均身長にも全然満たないが、イニエスタとシャビ、シルバはそろって170cmっすよ。ニッポン代表より小柄。ていうかワタシより小さい。そんな中盤で、185cmから190cmのドイツの大男たちとどう戦うのか。
●と思ってたら期待通りの戦いになって、ダイナミックでパワフルなドイツの攻撃に対して、スペインは体を張ってギリギリのところで守る。で、華麗なパス回しをできるかというと、ドイツのプレッシャーも並大抵じゃなくてなかなか中盤を作らせてもらえない。ゴールシーンは中盤の組み立てからではなく、フェルナンド・トーレスの超人的能力がすべて。シャビからフェルナンド・トーレスのスルーパスに対して、ドイツの左サイドバックのラームが完全にボールと相手の間に体を入れて守った。にもかかわらずその脇からフェルナンド・トーレスが猛烈な加速力と強靭な身体能力で抜け出て、前に出たレーマンの横を抜けるシュートを転がす。ドイツで唯一小柄なラームに対して、フェルナンド・トーレスがフィジカルで圧倒するという意外性のあるゴール・シーンだった。
●後半に入ってからはドイツが前がかりになってくれたおかげで、オープンでお互いに攻撃的な好ゲームに。どちらも惜しいチャンスがあったが(特にスペインだけど)、結果は0-1でスペインの勝利。終盤、ドイツはクラーニー、マリオ・ゴメスといった大型ストライカーを投入して、スペインが嫌がりそうなパワープレイに出ようとしたが、そこからのスペインはスゴかった。フツー、こうなるとゴール前で耐える展開を予想するじゃないっすか。ところがスペインはサイドからボールを決して入れさせない。ゴール前の競り合いで勝てるはずがないので、その前にまともなクロスを入れさせないことに力を尽くす。可能性の低い中央からのボールは入れさせる。ゴール前に張り付くことなく、むしろ追加点のチャンスをいくつも作っていた。ニッポンもオーストラリア相手に戦うときに、こんふうにできたらなあ(とW杯最終予選モード軽く入る)。
●ドイツはどんなに劣勢でも自分たちの勝利を信じているかのようにプレイするので、最後まで怖かった。さすがに終盤は足が止まってたけど。後半、バラックの非常に惜しいシュートがあって、あそこが運命の分岐点だった気がする。バラックはこれまでチャンピオンズ・リーグ準優勝2回、ワールドカップ準優勝1回でシルバーメダル・コレクターなんて揶揄されてたが、ユーロ準優勝とまた一つ銀メダルを増やすことになってしまった。
●試合終了後、スペイン代表の歓喜の輪の中で、セルヒオ・ラモスが胸に顔写真のプリントされたシャツを着ていた。画面ではよく見えなかったが、WOWOWの中継によればアントニオ・プエルタの顔だったとのこと。プエルタは将来を嘱望されながらも、昨年、試合中に突然意識を失って22歳で急死したセビージャの選手。セルヒオ・ラモスとプエルタはともにセビージャの下部組織育ちの親友同士だったので、亡き友とともに戦ったということか。
●新時代を担う若いスター選手の活躍や、ロシア、トルコの躍進もあって、今回のEURO2008はまれに見るおもしろい大会だった。個人的にはW杯1998フランス大会以来だな。
June 30, 2008
EURO2008決勝 ドイツvsスペイン(結果バレ)
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